ガンダムビルドダイバーズ スターダスト   作:オーマピジョン

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一週間以上待たせてしまいました。すみません。
ですが今回は待たせた分を込めた魂の一万文字、しかもゲスト回です!
それでは、どうぞ……


第9話 紫色の天使

二年半前……

 

初心者サーバー資源衛生付近は激戦となっていた。

非公式ツール『ブレイクデカール』を使用する者達、通称『マスダイバー』に対抗の為に結成された組織『有志連合』はブレイクデカールの根元を突き止めて突撃を仕掛けた。

 

激戦の中、一機のMSが宇宙(そら)を飛んでいた。紫色のセラヴィーガンダムである。

 

「何処……!何処にいるんだよっ……!」

 

セラヴィーに乗っているのは紫髪の少女『ヴィオレ』だった。彼女はセラヴィーで周囲を見回して何かを探していた。

 

『見つけたぞ!』

『やれ!返り討ちだ!』

 

すると、マスダイバーの乗るMSが二機やってくる。ヴィオレは「チィッ!」と舌打ちをしながら迫ってくるマスダイバーを応戦する。

 

「私はっ!お前らに割いてるっ!時間はっ!ないんだよっ!」

 

セラヴィーはGNフィールドを展開しながら前進すると、膝部分の隠し腕が展開してビームサーベルを展開する。

 

「おりゃあああああ!」

 

セラヴィーは膝蹴りの要領でビームサーベルを敵の一機に突き刺した。

 

『こ、コイツ!』

 

片方の敵機は射撃武器を構えるが、すぐさま振り返ったセラヴィーはGNビームバズーカⅡをツインバズーカモードにして胴体部分を消し飛ばした。

 

「はぁ……はぁ……!」

 

荒い呼吸をするヴィオレ。彼女はセラヴィーを資源衛生付近へと飛んでいった。

 

***

 

「……さん!ヴィ……さん!」

 

何か声が聞こえる。ヴィオレは自身が上の空になっていることに気づいた。自分は今、ユーロエリアのコロッセオにいることを思い出した。

視線を向けると、スカロプがいた。

 

「ヴィオレさん!」

「えっ、あっ!ごめん!」

 

ヴィオレが反応した時、外で大きな音が聞こえる。ナツキがかつてエースと戦ったコロッセオである。

 

「大丈夫っすか?上の空だったすけど」

「大丈夫。えっと、何の話ーー」

 

その時、二人の上を影が覆う。何だと思って視線を向けたヴィオレとスカロプ。その先にはこちらに倒れてくるスターダストがいた。

 

『わぁぁぁぁぁっ!?』

 

ナツキの叫びと共に観客席のバリアにスターダストが衝突する。ナツキは衝撃で揺れる頭を前に向けると、そこには灰色のヅダがいた。

 

『おいどォしたナツキィ!そんなんじゃダチの足元すら届かねぇぞ!』

『分かって……ます!』

 

アッシュの乗るサンズ・オブ・ヅダは()()装備しているヒートホークを弄びながら発破をかける。スターダストはバックパックのビームサーベルを構えて再度接近を仕掛けた。

ナツキは現在、アッシュと何度も模擬戦を繰り広げていた。

 

「まさかナツキのお師匠さんがGPD世界大会出場者だったとはなぁ」

「僕も驚きっす。ナツキさんも運が良いっすね……」

 

絶賛アッシュにフルボッコ中のナツキを見ながらスカロプとヴィオレは語る。

アッシュはかつてGPD世界大会の個人戦・団体戦の両方を()()()()()で出場し、両方においてベスト8入りを果たした文字通りの孤高の戦士である。

 

「でも、彼なら短期間でナツキをノゾム達に追い付ける様な実力にしてくれるに違いないね」

「僕も負けてられないっす!」

 

アッシュならナツキを大きく成長出来るかもしれないと淡い期待を向けていると、ヴィオレの元に通信が入った。ヴィオレは「誰だろう」と疑問を持ちつつ、応答に答えた。

 

『ハロー!ヴィオレちゃーん!』

「マギーさんじゃん。どったの?」

 

ヴィオレの通信をしてきたのはマギーだった。マギーがヴィオレに通信してくるのは珍しい。

 

『ナツキくんはいるかしら?彼にお願いしたい事があるの』

「お願い?おーい、ナツキー!」

 

ヴィオレに呼ばれた事に気づいたナツキは意識をそちらに向ける。

 

『え、何!?』

『よそ見してんじゃねぇ!』

『どわぁぁぁ!?』

 

よそ見をしてしまったスターダストにサンズ・オブ・ヅダの一撃が繰り出される。ナツキの断末魔と共に轟音が鳴り響いた。

 

***

 

第9話

紫色の天使

 

***

 

スターダストに降りたナツキは通信中のヴィオレの元に向かう。通信している画面の先にはマギーがいた。

 

「マギーさん!お久しぶりです!」

『ナツキくんお久しぶりー!元気にしてた?』

「はい。お陰さまで」

 

ナツキは二年半前、GBNを始めたばかりの旧四季團メンバーは彼女(?)に助けられた事がある。ナツキはあれから二年半ぶりの再開になる。

 

「それで、ナツキが何の用なのかな?」

『あぁ、そうだったわね。二人は極東オープンは知ってるかしら?』

 

ナツキは『極東オープン』と言うワードに首を少しかしげるが、ヴィオレは知っているようでナツキに教える。

極東オープンとは、GBNでも屈指の大規模なガンプラバトルの大会である。ランクも存在しており、エキスパート、ハイ、ミドルの三種類がある。

 

『その大会にミドルクラスで参加しようとしている師弟コンビがいてね?頑張ってる二人を見てると、私も何か出来ないかなーって思ったの!』

「で、復帰したてのナツキにスポットが当てられたと」

 

ヴィオレの視線がナツキに向けられる。

一方、ナツキは師弟と言うワードに少し親近感が湧いてくる。極東オープンに参加する予定はなかったが、その師弟の力になる事には興味津々だった。

 

「どうする、ナツキ?……って、聞く必要もないか」

「うん。マギーさん、手伝わせてください!」

『ありがとう!明日エントランスで集合で、お願いね。あの子達にも伝えておくわ』

 

マギーは明日の用事を取り付けると、通信が切れる。

 

「何だか面白い事になりそうだね」

「うん、楽しみだ」

 

マギーの言っていた師弟……彼らとの出会いにナツキは期待を膨らましていた。

 

***

 

翌日、ナツキはGBNにログインをしてアッシュやセレン、ヴィオレと合流していた。

約束通り、話に出ていた師弟が来たのだが……

 

「嫌です!」

「えぇ!?」

 

即否定された。

 

「ゆ、『ユナ』。折角来て貰ったのにその態度は良くないと思うなぁ……」

「嫌って言ったら嫌です!ししょー以外から教えてもらう気はありません!」

 

師匠である大柄な男性『ダイチ』は弟子の桜色の髪の少女『ユナ』を説得しようとしているが、ユナ本人は頑なに拒絶している。

 

「えーっと、ユナちゃんだっけ?僕達はダイチさん程じゃないけど、色々教えるよ?」

 

折角呼ばれたのに、骨折り損はたまったものではない。何より、出来る事なら手助けはしたかった。

 

「嫌です!私をちょーきょーしていいのはししょーだけです!」

『ブッ!?』

 

『ちょーきょー』と言うワードにセレン以外の一同が吹き出す。ヴィオレの方は大笑いしかけているのを我慢している。

 

「あー、ちくしょう。ガキの面倒を見るのは嫌いじゃねぇが、めんどくさいのは嫌なんだよ……」

 

アッシュはかなり面倒くさそうに頭をかく。ダイチが「すみません……」と謝罪の言葉を漏らした。

 

「で、どうすんだよ。企画倒れ寸前だぞ?」

「ど、どうしよう……」

 

弟子のユナがナツキ達の教示を拒絶している以上、どうしようもない。ナツキが頭を抱えていると、ヴィオレがナツキの横を通り過ぎてユナの元へ歩む。

 

「ユナちゃん、ちょっとお出掛けしない?」

「へ?私、ですか?」

 

驚きを隠せないユナにヴィオレは笑顔を向けた。

 

***

 

臨海都市ーーその海辺のベンチにユナは座っていた。

 

「お待たせ~。はい、ゾック風抹茶カフェ。抹茶はいける?」

「だ、大丈夫ですっ」

「そんな緊張して畏まらなくて良いよ。私はGBNにいる全ての美少女の味方だからね!」

 

目をパチパチ何度も瞬きをしてサムズアップをすることでアピールをするヴィオレだったが、ユナは首を傾げるだけだった。

ヴィオレは「あ、冗談とか分からなかったり、通じないのか」と察してすぐに止めると、話を変える。

 

「ユナちゃんって、師匠ーーダイチさんが好きなの?」

「ふぇあ!?」

 

急な質問に動揺するユナ。それを見たヴィオレは目を光らせると、ニヤニヤしながら詰め寄る。

 

「どうやら直接聞かれると恥ずかしいのかな?それもまた良き!てかコロコロ色んな表情が変わって可愛いなぁ!」

 

ユナのあまりの可愛さに抱きついてしまうヴィオレ。ユナは突然のハグに困惑していたが、観念してすぐに大人しくなった。

 

「ユナちゃんが羨ましいよ。一途に恋なんてしたことなかったからさ」

「私も、ししょーが初恋の人ですよ?ヴィオレさんは好きな人がいないんですか?」

 

ユナに聞かれたヴィオレは少し困った風に頭をかくと、遠い目をしながら話す。

 

「ナツキいたでしょ?私とソイツ、あとノゾムとルナって子が幼馴染なんだけど……」

 

ヴィオレはナツキがやめるまでの経緯を語りだした。

 

***

 

一方、ナツキ達の方もナツキがダイチに同じ内容を話していた。

 

「そうか。そんな事が……」

「今はノゾムやルナに追い付くための準備段階ですね。だから、極東オープンには出れないと思います」

「マギーさんが呼んでくれる程なのに、戦えないのは残念だな」

「またの機会、と言うことで」

 

ナツキは今自分に必要なのは実力、そしてフォースだと考えている。なので極東オープンに出る余裕はないと考えている。

しかし、ダイチやユナと戦ってみたいと言う気持ちは一切ないわけではない。いつか戦おうと約束しあった。

 

「それほど、幼馴染が大切なんだね」

 

ダイチに言われたナツキは、少し照れ恥ずかしそうに頷く。

 

「はい。大切な幼馴染です。だから、尚更仲直りして、元通りになりたいんです」

「離れてしまったことに責任を感じてるんだね」

「……はい」

 

険しい表情をしながら頷くナツキ。それを見ていたダイチは笑顔になって背中を叩いた。

 

「うわっ!?だ、ダイチさん?」

「若いウチに色々悩んでぶつかっても良いさ。そうやって成長してきたからさ。頑張れ、ルーキー」

「ダイチさん……ありがとうございます」

 

ナツキはダイチに感謝の言葉を呟いた。

 

***

 

臨海都市の方でもユナがヴィオレから話を聞いていた。

 

「そんな寂しい事があったんですね……」

「まぁそこは前振りで……重要なのは次なんだよね」

 

ヴィオレはナツキが抜けた時の事を思い出す。

 

「ルナはナツキの事が好きなんだよね」

「そうなんですか!?」

 

ユナが驚いた様子で反応する。ヴィオレはカラカラと笑いながら話を続ける。

 

「それでね……ノゾムはルナが好きだったんだよ」

「え……えぇ!?三角関係ですか!?」

 

ヴィオレのカミングアウトにユナは動揺を隠せなかった。ヴィオレは「そうなるよねー」と笑っているが、少し冷めた様子だった。

 

「うん。まぁ、そう言う拗れた三角関係を見てたせいか、恋愛事態やる気を見いだせなくてさ……」

「そうなんですね……いつかヴィオレさんにも素敵な人が出来ますよ!」

「ん~!ユナちゃんは優しいなぁ!」

 

ヴィオレは感動してユナに抱きつく。ユナはヴィオレの豊満な胸に顔が埋まってしまい、息が出来ずに苦しんでしまう。

 

「あ、ユナちゃん、私と乙女の秘密の特訓してない?」

「乙女の、秘密……ですか?」

 

ヴィオレの提案に巨乳から顔を離したユナが反応する。ヴィオレは「ふふふ」と不適に笑っていた。

 

***

 

ユナとヴィオレが離れてから一時間弱、ナツキ達は待ち惚けを食らっていた。

 

「ユナ、大丈夫かな……」

「ヴィオレなら大丈夫ですよ。彼女は信頼できますから」

 

ダイチは心配な様子だったが、ナツキは幼馴染としてヴィオレを信頼していた。

 

「お待たせ~!」

「ししょー!」

 

すると、ナツキ達の元にヴィオレとユナがやってくる。

 

「結構長かったね。説得が長引いたの?」

「んー、秘密?」

 

ナツキの問いにヴィオレは適当にはぐらかす。ナツキは恐らくヴィオレが自分達の代わりにユナを鍛えたのだろうと察した。

 

「ありがとね、ヴィオレ」

「感謝するのはまだ早いよ。ダイチさん、今からユナちゃんに私に出来る最後の特訓をします。手伝ってくれませんか?」

「ヴィオレさん……分かった。是非手伝わせてくれ」

 

ダイチもナツキと同じ事を察したのか、ヴィオレの協力のお願いも快く受け入れてくれた。

 

「ユナちゃん、頑張っちゃおうか!」

「はい!」

 

***

 

ゼネラル・レビルーー一年戦争の名将『レビル将軍』の名前から取られた大型艦隊である。

ナツキ達が受けたミッションはこの艦隊を撃墜するミッションである。

 

「ここには沢山の、それでいて様々な敵に囲まれながら戦う必要がある。極東オープンは臨機応変さが試されるからね!」

「成程。それでこのミッションを選んだんだね」

 

スタート地点であるラー・カイラムのカタパルトデッキにはスターダスト、アブルホールスカイウォーカー、そしてダイチの乗る『ゼロクアンタライザー』とユナの『ガンダムブレイジングエクシア』がいた。

 

「皆~お待たせ~」

 

遅れてやって来たのはヴィオレの乗る機体だった。二頭身サイズのガンプラ……俗に言うSDガンプラである。

 

「ラファエルガンダムのSD?でもキットは無かったような……」

「おそらく自作だと思います。ヴィオレなら何週間何ヵ月経とうと意地でも作ろうとするので」

 

ダイチはそのSDサイズのラファエルガンダムを見る。

本体はラファエルガンダムをSDサイズに縮めている。更に特徴的なのはバックパックに背負われている巨大な何かを背負っている。00を全て見たダイチにはそれが何なのかすぐに分かった。

 

「よーし、役者が揃った所でお話タイムといこうか!」

 

ヴィオレはマップを共有しながら話し始める。

 

「ナツキ&セレンちゃんとダイチさん、私とユナちゃんの構成でいくよ」

「ししょーと一緒じゃダメなんですか?」

 

ユナとしてはダイチと離ればなれになることは不安になるらしい。それを察していたヴィオレが宥めるようにその理由を話す。

 

「気持ちは分かるけど、極東オープンではダイチさんと離ればなれになって知らない人と共闘を強いられる可能性もある。臨機応変さって言うのはそう言う意味も含んでるのさ!」

「成程!ヴィオレさんはししょーに負けないくらい賢いんですね!」

「うーん、サラッと私が下みたいに扱われたけど、称賛は素直に受け取ろう!さっさと出撃するよ!」

 

軽いノリで受け流すヴィオレだが、内心ちょっとショゲたのは秘密である。

スナイパーパッケージのスターダストがアブルホールSWの上に乗ってカタパルトに乗る。

 

「ナツキ、スターダスト、出ます!」

「セレン、アブルホールスカイウォーカー、行ってきます」

「ダイチ、ゼロクアンタライザー。出るぞ!」

「ユナ、ガンダムブレイジングエクシア。行きます!」

 

その後、ダイチ、ユナが続き、最後にヴィオレがカタパルトデッキに乗る。

 

「ヴィオレ……ラファエルガンダムヴァイオレット、出るね!」

 

ヴィオレの機体『ラファエルガンダムヴァイオレット』が出撃する。背部の大型バックパックにあるGNキャノンが真上に向いていたのが下に下ろされると、GN粒子を放出しながら他の四機を追いかけた。

 

「来るよ!全員指示通りに分裂してね!」

『あぁ!/はい!』

 

5機のMSは二手に別れると、ゼネラル・レビルから飛んできたジェガン、リゼルを応戦する。

 

「ダイチさん、サポートします!前線はお願いします!」

「任された!」

 

ダイチのゼロクアンタライザーがGNドッズライフルでジェガンを撃ち抜く。リゼルがウェイブライダー形態で包囲しようとするが、それをスターダストのビームスナイパーライフルが狙撃していった。

 

「うわぁぁぁ!」

 

一方、ユナは複数のリゼルに追いかけ回されていた。リゼルの放つビームライフルを寸での所で避けながらGNサブマシンガンで応戦するが、リゼルはそれを難なく避けてしまう。

 

「し、ししょー!どうすれば……」

「ユナちゃん焦らないで!あとすぐにダイチさん頼らない!」

「ヴィ、ヴィオレさん!」

 

逃げ惑うユナにヴィオレの通信が入る。ラファエルガンダムヴァイオレットは両手に持つGNバズーカVでジェガンに応戦していた。その背中の大型バックパックは存在しておらず、剥き出しの背中が見える。

 

「三秒直進しながらリゼルを誘導して!」

「だ、大丈夫ですか!?」

「私を信じて!ほら!」

 

ユナはヴィオレを信じて前進をする。リゼルが追い付こうとしたその直後だった。

真上から放たれたビームがリゼルを撃ち抜いた。ユナは何が起きたのか分からず上を見上げる。

 

「頭のない……セラヴィー?」

 

そこには、紫と白のカラーをした頭が簡易的なセンサーだけのセラヴィーガンダムがいた。

 

「紹介しよう!これが私の相棒『ヴァイオレットセラ』!」

 

ラファエルガンダムヴァイオレットのサポート機体……HGサイズの00V戦記に登場するラファエルガンダムドミニオンズのサポートMS・セラを元にして作られた『セラヴァイオレット』はラファエルガンダムヴァイオレットの元に戻っていく。

 

「SDとHGの連携!それが私のラファエルガンダムヴァイオレットさ!」

 

セラヴァイオレットは変形してラファエルガンダムヴァイオレットに装着されると、GNバズーカVを合体させてダブルバズーカモードにする。更にGNクローを展開させて、GNビックキャノンとGNバズーカVを同時掃射する。

放たれた高圧縮されたビームはジェガンやリゼルを撃墜していく。

 

「凄い……!」

「へへーん!伊達に何ヵ月も拘って作った訳じゃあないよ!ユナちゃん、撃ち漏らしは任せた!」

「はい!行きます!」

 

ラファエルガンダムヴァイオレットのビーム砲撃の弾幕を抜けて迫ってくる敵機をブレイジングエクシアのGNガントレットが砕いていく。

 

「凄いですヴィオレさん!これなら……」

 

ユナがこの調子ならクリア出来ると予感した時、警告音が鳴り響いた。それと同時にゼネラル・レビルに一機のMSが出現する。

 

「あれは……バンシィか!」

 

黒き獅子と女神の名前を授かった第二の一角獣……『ユニコーンガンダム二号機 バンシィ・ノルン』である。しかし、ダイチ達が知ってるバンシィ・ノルンと違い、背部のアームドアーマーDEは二つになっており、両腕にはアームドアーマーVNとアームドアーマーBSが装備されていた。

 

「さながらバンシィ ペルフェクティビリティと言った所かな……でもどうして……」

 

今のバンシィはユニコーンガンダムのフルアーマー化のプランB、それにスタビライザーを追加したのが完全版ーーペルフェクティビリティである。

 

「まさか、隠し条件!?知らないよそんな事ぉ……!」

 

予想外のイベントに困惑するヴィオレ。

こちらへと出撃してきたバンシィに立ち向かってきたのは、なんとブレイジングエクシアだった。

 

「ユナちゃん!? まだバンシィがどんくらい強いのか分からないのに、突っ込んじゃダメだって!」

「ヴィオレさんと秘密の特訓をして強くなったところをししょーに見せたいんです!」

「それ言っちゃったら秘密言わないから!あぁ、もう、ヤバくなったら下がってね!」

 

ブレイジングエクシアの行く手を阻もうとする敵機を後方から砲撃をして先へと進ませる。

 

「短期決戦で行きます!スーパートランザム!」

 

ユナはブレイジングエクシアに搭載されたトランザムとスーパーモードが融合した特殊機能『スーパートランザム』を発動すると、ブレイジングエクシアがGNサブマシンガンを射撃する。

バンシィはそれを避けながらアームドアーマーBSを展開してビームを放った。

 

「これくらいっ!」

 

うねるように放たれる予測不能のビーム。しかし、ユナはブレイジングエクシアの機動力と持ち前の動体視力でそれを避けると、一気に接近をしかける。

 

「GNぅ……パァァァンチ!」

 

ブレイジングエクシアの拳をバンシィはアームドアーマーVNで受け止める。少し凹んでしまうが、バルカンを放って応戦する。それをブレイジングエクシアは宙返りをして避けると、蹴りの構えを取った。

 

「GNッ、キぃぃぃック!!」

 

ブレイジングエクシアの蹴りがバンシィの胴体に直撃すると、そのまま加速して突き抜けようとする。

その時、後ろに大きく下がっていたバンシィは急にピタリと止まった。

 

「えっ……!?」

 

ユナが幾ら加速してもバンシィは動かない。その時、バンシィに変化が起きた。

 

「あれは……ユナ、まずい!一旦下がれ!」

 

ダイチがユナにすかさず警告するが、すでに遅く。バンシィは装甲を展開して変形……否、変身をした。

 

「が、ガンダムになった!?」

 

新人類・ニュータイプを殲滅するために作られた機能『NT-D(ニュータイプデストロイヤー)』により、黒き一角獣(ユニコーンモード)から殲滅者となったガンダム(デストロイモード)へと変わったバンシィは胴体を蹴りつけていたブレイジングエクシアの足を掴む。

 

「そんなっ、離してっ!これは私とししょーの……!」

 

ブレイジングエクシアがGNサブマシンガンで抵抗しようとした時、バンシィのアームドアーマーDEが外れて急に動きだし、ブレイジングエクシアの腕を弾いた。サイコミュ機能によってアームドアーマーDEがさながらビットの様に動かしたのである。

バンシィはそのままアームドアーマーVNを展開し大型のクローを構えると、足目掛けて振り下ろした。

 

「きゃあぁぁぁ!?」

 

ブレイジングエクシアの足がもがれて吹き飛ばされる。吹き飛ばされるブレイジングエクシアにバンシィはアームドアーマーBSの銃口が向けられた。

 

「ユナぁぁぁっ!」

 

ダイチが名前を叫びながらゼロクアンタライザーでユナの元に向かおうとする。しかし、敵が阻み、距離が離れた状況で、トランザムをしても間に合う確率は低かった。

バンシィのアームドアーマーBSからビームが放たれーーブレイジングエクシアの所で爆発した。

 

「そんなっ……!」

「ユナっ!コイツ……!」

「待って。あの子は無事」

 

ダイチが激情に駆られてバンシィの元に向かおうとした時、セレンが制止の言葉をかける。ダイチとナツキはどういうわけか分からなかったが、煙が晴れてその意味を知った。

 

「あ、れ……無事?」

 

ユナ自身も己が撃墜されてしまっていたと思っており、無事である事に驚きを隠せなかった。

 

「まさか、ししょーが助けて……!」

 

ブレイジングエクシアのカメラアイを動かして前を見ると、そこにはゼロクアンタライザーではなく、ラファエルガンダムヴァイオレットがいた。

 

「ヴィ、ヴィオレさん……?」

「ごめんね、ユナちゃん。私が一緒にいれば、こんな事にならなかったのに」

 

責任をもって今日だけでも面倒を見ると決めておきながら、ユナを危険な目に遭わせてしまい、ダイチを心配させてしまった。その責任感がヴィオレを強く駆り立てるーー目の前の(バンシィ)を倒せと!

 

「いくよ、ラファエル、セラ……リアルモード!」

 

その時、セラヴァイオレットが上下半身に分かれると、上半身は分解されてラファエルガンダムヴァイオレットの上半身に装着される。

大きな頭は前頭部と後頭部に分かれると、後頭部のGNドライヴを覆うように前頭部が装着されてセラヴィーのバックパックのガンダムフェイスの様にバックパックに合体する。

下半身はラファエルガンダムヴァイオレットの爪先が閉じられると、下半身がすっぽり嵌まるように合体した。

 

「あれは……ラファエルガンダムドミニオンズ?」

 

それはガンダム00V戦記に出てくるラファエルガンダムの派生『ドミニオンズ』に類似していた。

 

「その通り!SDだから、出来た事なのさ!」

 

バンシィがアームドアーマーBSを放つ。ラファエルガンダムヴァイオレットはSD状態の頭に搭載されていたGNフィールド発生装置でGNフィールドを展開してビームを防ぐと、お返しと言わんばかりにバックパックのGNキャノンを撃つ。

 

「オラァ!美少女虐めた罰を受けろや失恋やさぐれ童貞!」

 

バンシィが避けるのを、ラファエルガンダムヴァイオレットはGNバズーカVで追撃する。バンシィはアームドアーマーDEを飛ばすが、ラファエルガンダムヴァイオレットは足を分離してGNクローでアームドアーマーDEを握り潰した。

 

「ナツキ!ダイチさんと一緒に艦隊潰しに行って!私はコイツをぶっ飛ばす!」

「分かった!ダイチさん、行きましょう!」

「分かった……ヴィオレさん、ユナを頼む!」

 

ヴィオレは「ガッテンテン!」と返事をしてバンシィに追撃しに行く。

スターダストとゼロクアンタライザーは艦隊に向けて飛んでいった。

ゼネラル・レビルにはディフェンサーユニットを装備したリゼルが待ち構えており、bユニットのリゼルが2つのメガビームランチャーからビームを放ち、aユニットはマイクロミサイルを放った。

 

「ダイチさん、敵の誘導お願いします!セレン、パッケージチェンジ!」

「任せてくれ!」

「ん……!」

 

スターダストがスナイパーパッケージを外すと、アブルホールスカイウォーカーから射出されたコンテナからパッケージが飛んでくる。

 

「スターダスト、ドッキング!」

 

バックパックに武装が追加され、頭部には追加センサーが装着される。手にはシグマシスライフルを武装された。

ビーム射撃支援仕様『キャノンパッケージ』である。

 

「僕はミサイルの迎撃の後支援攻撃をするので、ダイチさんは護衛の排除をお願いします!」

「分かった!」

 

aユニット装備のリゼルが放つマイクロミサイルをスターダストのバックパックに装備されたビームガトリング砲が次々と撃ち抜いていく。ミサイルを撃ち落とし終えると、シグマシスライフルでaユニットのリゼルを撃墜させていく。

 

「まだまだぁ……っ!?」

 

一方、バンシィと激戦を繰り広げていたヴィオレだったが、どこからか飛んできたビームが行く手を阻んだ。

 

「うっそ、ジェスタまで来るとか聞いてないんだけどッ!」

 

バンシィを一定まで追い詰めると発動するギミックなのか、ジェスタが二機とジェスタキャノンまで現れる。

バンシィに加えてジェスタまで現れると、流石のヴィオレも苦戦せざるを得ないのだが……

 

「たぁぁぁぁぁっ!」

 

片足がないにも関わらず飛んできたブレイジングエクシアがジェスタキャノンの頭部を飛ばす。ジェスタがブレイジングエクシアにビームを発砲するが、ブレイジングエクシアはそれをギリギリで避けてキックを繰り出して胴体を破壊した。

 

「ヴィオレさん!」

「ユナちゃん、ナイスっ!」

 

残ったジェスタはラファエルガンダムヴァイオレットのGNキャノンが撃墜する。

中破しているにも関わらず、助けてくれたユナにヴィオレは感激していた。

 

「折角助けてくれたのに、私も出し惜しみしてらんないね!」

 

ヴィオレはディスプレイを操作すると、特殊機能を作動させると、 ラファエルガンダムヴァイオレットの全身が紫色に染まる。

 

「トランザム・ヴァイオレット!」

 

トランザムをヴィオレなりに改造した機能『トランザム・ヴァイオレット』を発動させる。

 

「乙女の生きざま、見せてあげる!」

 

急接近を仕掛けるラファエルガンダムヴヴァイオレットにバンシィはアームドアーマーDEからビームを放つが、それを回避して更に接近する。

バンシィはそれをアームドアーマーVNで応戦するが、ラファエルガンダムヴァイオレットはそれを回避して足のGNクローで左腕を破壊した。

 

「足も器用に使わないとねぇ!」

 

バンシィは悪あがきなのかアームドアーマーBSを至近距離で放つが、ラファエルガンダムヴァイオレットはそれをGNフィールドで受け止めながらGNバズーカVをGNキャノンに接続させる。

 

「ぶっ飛んじゃえぇぇぇ!」

 

ツインバスターキャノンの状態になってGNフィールドを解除すると、アームドアーマーBSのビームを容易く押し返してバンシィの上半身を吹き飛ばした。

 

「ッシャーイ!!!ユナちゃん今の見た!?くぁー!バ火力気持ちィーッ!」

「凄かったです、ヴィオレさん!」

 

ヴィオレはガッツポーズをすると、ユナに大興奮しながら話した。

そして、ゼネラル・レビルの方ではゼロクアンタライザーとスターダストが最後の追い込みをかけていた。

 

「トランザムッ!」

 

ゼロクアンタライザーはGNセイバーを引き抜くと、リゼルを次々と切り裂いていく。

 

「今だ、ナツキくん!」

「はいっ!」

 

道を切り開いたダイチはナツキを先行させる。スターダストはシグマシスライフルを捨てると、バックパックに接続されたビームライフルを構えた。

 

「ヴェスバーァァァッ!」

 

特殊なビームライフル『ヴェスバー』を低速かつ低収束に調整してビームを放つ。拡散されたビームを前進しながら放つことで、ゼネラル・レビルは一刀両断された。

 

『MISSON COMPLETE』

 

ゼネラル・レビルが撃墜された事によって、ミッションクリアの報告が届く。ナツキは「ふぅ」と肩の力を抜くとダイチにサムズアップをした。

 

「お疲れ、ユナちゃん」

「えへへ、お疲れ様です!」

 

ラファエルガンダムヴァイオレットの拳にブレイジングエクシアの拳がカツンと音を立てながら当て合った。

 

***

 

ミッションを終えた一同はエントランスに戻っていた。

 

「今日はありがとうございました!」

「どーもどーも。美少女の為なら何だってするからね!」

 

今日数時間でヴィオレとユナはいつの間にか仲良くなっていた。これが俗に言う陽キャの力なのだろうかと内心ナツキは思った。

 

「ダイチさん、僕は余り力になれなくてすみません。寧ろ、アドバイスを貰ってしまって……」

「そんな事ないよ。ナツキ君も頑張って幼馴染に追い付いてね」

 

「っ……はい!」

 

ユナとダイチに別れを告げて二人を見送るナツキとヴィオレとセレン。ナツキはふとヴィオレに聞いた。

 

「二人は極東オープンで頑張れるかな?」

「うーん、正直言って厳しいかもね。極東オープンのミドルクラスって言うと、色んな意味で一筋縄じゃいかない人が参加してる」

 

様々な予選に加えて、ランクに比例してない実力の持ち主……ダイチとユナは多くの壁に挑まざるを得ないだろう。

 

「でも二人なら……ユナちゃんなら一人でも頑張れるよ。乙女って男子が思ってる百倍位は強いからね」

「そっか……極東オープン、応援しに行こうかなぁ」

「良いね!その時は私も呼んでね!」

 

ヴィオレは少し笑うと、「じゃあね」と手を振りながらナツキとセレンに別れを告げる。ナツキとセレンも隠れ家で待つアッシュの元に向かった。




今回のゲストはキラメイオレンジさんの『ガンダムビルドダイバーズ REBOOT』からダイチとユナちゃんでした!
GPDで大活躍していたダイチが、GBN初心者ユナちゃんの師匠として共に最強を目指すとても面白い作品です。オリキャラは個性のごった煮と言わんばかりに変人ばかりで、ししょーガチラブなユナちゃんにも必見です。
デッド(逮捕)オア()アライブ(婿入りか)!!

こっからは補足となります。
まず、元四季團の中で一番軽そうなノリを持つヴィオレですが、ちゃんと彼女にも背負ってるものがあります。今後そこも掘り下げる予定です。
そして、明らかになった地獄の三角関係。ノゾムはルナが好きで、ルナはナツキが好きで、ナツキはそれに気づけてません。ノゾムはそんなナツキに嫉妬しています。ノゾムがナツキを拒絶する理由にはそこも含まれています。彼の心情に関しても今後明確にさせる予定です。

設定集も更新したので是非覗いてください!

それでは、次回へ……

***

エースと再開したナツキ。

エースの提案で宝探しミッションへと向かう。

しかし、宝を奪おうとする者と戦うことになってしまう。

その時、現れたのは……

次回、星の指輪
お楽しみに……
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