ガンダムビルドダイバーズ スターダスト   作:オーマピジョン

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三週間以上待たせてしまって、申し訳ございませぇん!
n回目ですが、来週からはちゃんと投稿しますので何卒ご勘弁を……!

気を取り直して、断章開幕です。
幼馴染が今まで何をしてきたのか。思いっきり掘り下げるつもりです。
それでは、どうぞ!


断章 在りし日の空
第16話 四季、集う


フォース・グランシャリオの簡易フォースネストにナツキがやって来た。

既に全員が揃っており、リーダーである自身が最後になってしまった事に少し申し訳なさを感じつつも「お待たせしました!」と声を出しながら部屋に入った。

 

「今日はフォース戦やイベントは決まってないんだろ?誰も怒ってないし、気にしなくて良いぜ」

「えへへ、そう言ってくれると嬉しいです」

 

ワイズのフォローにナツキは感謝をしつつも、ウィンドウを開く。今日のトピックスや最新情報を確認した。すると、そんなナツキにエースが歩み寄ってくる。

 

「なぁ、ナツキ。ちょっと良いか?」

「エース?どうかしたの?」

 

エースは普段のような調子の良い感じではなく、何処か後ろめたそうな表情だった。エースは頭をかきながらナツキを見る。

 

「実はよ。勝手にナツキの事について調べちまったんだ」

「僕の……?」

 

エースはウィンドウを開いて操作すると、一つの動画をナツキに見せた。それはゼフィランサスの改造機と思わしき機体が戦闘している動画だった。投稿日時は二年半前より少し前……ナツキがまだGBNをやめる前だった。

 

「GTubeや掲示板で調べちまったんだ……わりぃ。気になっちまって」

「大丈夫だよ。いつか必ず話すって言ってたし」

 

エースは勝手にナツキの過去を詮索してしまった事を謝っていた。

ナツキの強さに魅力を感じていた彼は興味が勝ってしまって調べたが、彼の実直さが後から罪悪感を沸き立たせてしまったが故にナツキに謝罪してきたのだろう。

しかし、ナツキはいつか知ってほしいと考えていたので過去の詮索に関しては寛容で、むしろ仲間の方から踏み込んでくれたのは嬉しかった。

 

「……この際だし、今日は僕の過去の話をしようか」

 

ナツキとエースの会話を偶然聞いていた仲間達が反応してナツキを見る。

 

「皆もそれでいいかな?」

「そうね。私達も気になってたし、構わないわよ」

「僕も改めて聞いておきたいっす」

 

ナツキはソファーに座ると、それに合わせて仲間達も聞く体勢になる。

 

「それじゃあ……これから話すのは幼馴染四人と出会い、僕がGBNを止めるまでのお話だ」

 

***

 

第16話

四季、集う

 

***

 

GPデュエルはGBNが表舞台に出るまではガンプラバトルの代名詞だった。そして、ナツキもまたGPDに惹かれた者の一人だった。

 

「待ってよノゾム!早いって!」

「お前が遅いんだよ!早くしないと、他の奴に取られるだろ!」

 

ナツキの前をノゾムが走っていく。まだ幼い、小学生の二人が元気に向かっているのは、大型のショッピングモール。

確かにGPDは世界大会すら展開される程普及しているが、都会やプロショップ、模型店でもないとその筐体は置かれていない。

ナツキやノゾムは俗に言う過疎地に分類される所に住んでおり、学校や遊びに行くだけでもバスに乗る事を強いられる程である。

 

「もう誰か使ってるかな?」

「流石にここまで急いで行ったら空いてるだろ」

 

GPDが置かれているゲームセンターまで走る二人。

学校からバス停、バス停から家の帰り道で走り、家からバス停、バス停からショッピングモールまで走った二人としてはここまでの労力に見合う結果であってほしいと願いつつGPDの筐体が置かれているエリアを覗く。

 

「誰もいない?」

「あぁ、今なら使える!」

 

GPDの筐体は二台あり、どちらも誰も使っていない事を確認する。

ナツキが「やった!」と跳び跳ねているのを他所にノゾムは即座に筐体のあるコントローラーの前に立った。モニターを操作しながらひょこひょことやって来るナツキを見る。

 

「難易度はいつも通りので良いよな?」

「うん。ハイスコア目指そ!」

 

二人はガンプラを取り出して発進台に置くと、プラネットコーティングが付着してその目が輝く。

 

「ナツキ、GP-1000 ホウセンカ、行ってきます!」

「デルタシャープ、やるぞ」

 

二機のガンプラがフィールド内に入る。モニターにはガンプラのカメラから見える景色……宇宙がそのまま広がっていた。

 

「いつ見ても綺麗だな~」

「呑気に言ってる場合じゃないぞ」

 

ノゾムに言われたナツキは「ごめん」と言いながらゼフィランサスのカメラを前にすると、モスグリーンの丸い曲線で作られたずんぐりとした体型をした練習用ガンプラ……通称『ハイモック』が複数現れる。

 

「俺が先攻する。ナツキは後ろから支援だ!」

「うん。任せて!」

 

ノゾムはデルタプラスの改造機『デルタシャープ』をウェイブライダー形態にすると、ハイモックの集団に向かっていく。ハイモックはビームライフルを撃ってくるが、ノゾムはお構いなしに段幕の中を潜っていく。

 

「行くぞぉ!」

 

加速と共にデルタシャープの翼がハイモックの上半身と下半身を断ち切った。デルタシャープは羽がブレードになっており、加速力と翼の鋭さが重なって機体の装甲を容易く斬り裂ける程だった。

 

「ノゾムは凄いなぁ……こっちも負けられないね、ホウセンカ!」

 

ナツキの操作するホウセンカはバックパックの右側に懸架されたジャイアントガトリングを構える。

 

「いっけぇぇぇ!」

 

乱雑に放たれる弾丸はデルタシャープに意識を向けていたハイモックの集団を蜂の巣にしていく。

 

「甘いぜナツキ!もっと自分から攻めろよ!」

「攻めてるよ!誰もがノゾムみたいにガツガツ行けないって……」

 

デルタシャープはMS形態に変形すると、ビームライフルとシールドから発振するビーム刃で切り裂いていく。

ホウセンカは弾切れしたジャイアントガトリングを戻して170mmキャノン砲を構えて支援を続ける。

 

「これで、ラストォ!」

 

デルタシャープがシールドを最後のハイモックに突き刺すと、バトル終了のアナウンスが響く。ホウセンカがデルタシャープに近づくと、手を挙げる。ノゾムはナツキの意図を察すると、デルタシャープでハイタッチをした。

 

「やるじゃん、君達!」

 

その時、コントローラーの反対側から声が聞こえた。どれと同時にマップ内に反応が現れる。デルタシャープとホウセンカがそちらを見ると、そこには黒の部分が紫色になったヴァーチェが立っていた。

 

「何だテメェ。乱入者か?」

「そうとも言うねぇ……私は紫音。秋島紫音!そしてこの子はヴァーチェヴァイオレット!」

 

ノゾム達の反対側で『ガンダムヴァーチェヴァイオレット』を操作する二人と同い年ぐらいの少女『秋島紫音』が名乗る。

 

「そこのデルタプラス!私とデュエルしな」

「へぇ……」

「え、僕は?」

「君は何かつまんなさそうだし戻って良いよ。どうせ私にぼろ負けするだろうしね!」

 

紫音のあからさまに調子に乗っている発言にナツキはムッとしてホウセンカを前に出かけるが、デルタシャープがそれを制止する。

 

「ノゾム!」

「挑発に乗るな。アイツはお前を打ち負かして俺に見せしめようとしてるんだよ」

「僕は負けないよ!」

「ハイモック相手でも前に出て戦えない奴が勝てるかよ」

 

ノゾムに言い負かされたナツキは黙ってホウセンカを自身の元に戻すと、ナツキはコックピットから離れる。

 

「すまねぇ。負けた時は任したぜ……負けねぇけど」

「ヘッ!ちょっと強いからって良い気にならないでね!」

 

ヴァーチェヴァイオレットの足の装甲が展開して大量のGNマイクロミサイルが発射される。デルタシャープはウェイブライダー状態になると、ミサイルの段幕を避けながらヴァーチェヴァイオレットに迫った。

 

「前に出れない、かぁ」

 

ナツキは飛び回ってヴァーチェヴァイオレットのGNバズーカやGNキャノンの弾幕を避けながら翻弄するデルタシャープを見ながら考える。

ナツキはGPDが好きだ。しかし、どうしても前線をノゾムに頼ってしまう所があった。もし自分のガンプラが壊れたら……そんな恐怖がナツキを踏み留まらせたのだ。

 

「カッコいい……」

 

ふと、そんな声が聞こえた。ナツキが隣を見ると、金髪の同い年らしき少女がノゾムと紫音の戦闘を見ていた。

 

「GPDは始めて?」

「え?あ、えっと……うん、そうなの」

「そっかぁ!僕は敷島ナツキ!君は?」

「……佐々木春奈」

 

『春奈』と名乗る少女に話しかけるナツキ。ナツキは「春奈かぁ」と彼女の名前を呟きつつ興味津々に春奈を見る。

 

「えっと、これってGPDって言うの?」

「知らないの?ガンプラは?」

「ガンプラ……?」

「それも知らないの!?」

 

世界大会が開催される程の規模になっているGPDやガンプラを知らない春奈にナツキは驚くが、女の子だし知らないかなぁと内心気づいておかしい事ではないと気づいた。

 

「ごめんなさい。GPDの方は機械を見た事はあるけど、知る事が無くて……」

「謝らなくて良いよ!……あ、じゃあやってみない?」

「やるって、GPDを?」

 

春奈の問いにナツキが「うん!」と大きく頷く。春奈がどうしようかと悩んでいると、ナツキが春奈の手を掴んで引っ張っていく。

 

「し、敷島くん!?」

「ナツキで良いよ!僕が教えるから、チャレンジしてみよ!」

「……うん!」

 

手を引かれて困惑する春奈だったが、手を引く張本人であるナツキに後押しされて一緒に走る。

ナツキはノゾムなら紫音に勝てると信じてGPD筐体を後にした。

 

***

 

ガンプラ売り場に来た二人は最初に何を作るのかを選びに来ていた。

 

「始めるならやっぱり作りやすいファースト系とか、SDかなぁ……」

 

ナツキがガンプラ選びに熱中している間に春奈はずらっと壁一面に置かれているキットに視線を向ける。ふと、春奈の視線がとあるキットを見つけた。

 

「これ……」

「『ミスサザビー』?確か、世界大会参加者のアイラって人が使ってた機体の再現キットらしいよ」

 

キットのパッケージには銀髪の儚げな女性『アイラ・ユルキアイネン』が写されており、春奈は彼女に見とれていた。

 

「この人、綺麗……」

「綺麗だよね。……これ、組んでみる?」

「えぇ!是非組みたいわ!」

 

ナツキに聞かれた春奈は頷いた。ナツキがそれを掴もうとするが、春奈がそれを止めて自身がそれを持った。

 

「僕が買うのに……良いの?」

「良いの。私が買うわ。教えてもらうだけじゃなくて、買ってもらうだなんて申し訳ないし」

 

春奈はミスサザビーの箱をレジへと持っていく。ナツキは無理に誘ったんじゃないかと内心申し訳なく感じていたが、乗り気な春奈を見てほっと一安心した。

 

「それで、どうすれば良いの?」

「あぁ、道具は僕が貸すよ」

 

ビルダースペースに移動した二人。ナツキは春奈にニッパーとヤスリ、ピンセットを手渡す。

 

「これだけで良いの?」

「うん。まずはパーツの確認をしてね。ホントに珍しい事だけど、パーツが足りてなかったり、壊れてたりするからね」

 

天下の財団Bであれど、ミスぐらいある。春奈は箱をあけるとその中身を説明書を片手に確認した。

 

「大丈夫だったわ」

「良かった。じゃあ、早速組み立ててみよう!基本はゲート跡を少し残して切り離して、そのゲート跡を切るんだ。俗に言う二度切りだね」

 

ニッパーで直接切ればプラスチックに負荷がかかって白色化する可能性がある。それを最低限まで抑える為に二度切りがあるのである。

 

「ガンプラって一つ組むだけでこんなに大変なのね」

「難しい?」

「難しいけど……楽しいわ」

 

春奈は笑顔で答える。ナツキは良かったと呟きながら組み立て作業を手伝う。数時間すると、ミスサザビーは完成していた。

 

「出来た……!」

「凄いじゃないか春奈!」

 

春奈は完成に歓喜し、ナツキは春奈を称賛する。ナツキが追加で貸した流し込み式の墨入れペンでディティールアップが施されていた。

 

「それじゃあ、GPD、やってみる?」

「えぇ、やってみたいわ!」

 

ナツキと春奈は早速組み立てたミスサザビーを片手にGPDの筐体へと向かう。……その途中に号泣している紫音を見つけた。

 

「私のヴァーチェ~~~!!」

「あー泣くな泣くな」

 

紫音の手には破壊されたヴァーチェヴァイオレットがあり、ノゾムは宥めていた。ナツキと春奈は顔を見合う。ナツキの方は何が起きたのか少し察していた。

 

「ノゾムが勝ったの?」

「あぁ、そしたらヘソ曲げやがった」

「うるさぁい!私が端正込めて作ったのにぃ……」

 

GPDは確かに自分の作ったガンプラを動かせると言う夢のあるゲームだ。しかし、そんな都合の良いものではない。悲しい事に実際に破壊されると大破してしまうからだ。

 

「春奈、言い忘れててごめん。GPDはこう言う危険って言うか……辛い思いをするかもしれないんだ」

「そうだったのね……ねぇ、貴方」

「ん……何さ」

 

落ち込む紫音に春奈が歩み寄る。紫音は泣き止みはしたが、へなへなになって萎れていた。

 

「自信作、だったの?」

「うん。でも、こんな呆気なく壊されるなんて思わなくて……」

「私、GPDは今日が初めてで、それも今からだけど……貴方が作ったガンプラがとっても良いものなのは伝わるわ」

「……そう?」

 

春奈は紫音の両手で砕けたヴァーチェヴァイオレットを見ながら呟く。春奈は紫音の頭を撫でながら話を続ける。

 

「もし、貴方のガンプラを直せたら、私に見せてくれないかしら?私、貴方のガンプラが動いている所がまた見たいわ」

「……分かった。私は女の子との約束は、絶対守るもんね」

 

涙を拭った紫音は「ごめんね」と言いながら大破したヴァーチェヴァイオレットを自身のケースの中に仕舞う。春奈は立ち上がると、ナツキを見た。

 

「壊れるのは怖いけど……それでもやろうって思える程、楽しいのでしょう?なら、私もしてみたいわ」

「……凄い勇気があるな、コイツ」

「うん。本当に凄い人だよ……来て、春奈。GPDを教えるね!」

 

春奈とナツキがGPDの筐体へと改めて向かう。ノゾムはその後ろを着いていき、三人の後ろ姿を見た紫音は小さな歩幅で着いていった。

 

***

 

発進台に乗せられたミスサザビーが峡谷のフィールド内に飛び込んでいく。春奈は自身が作ったガンプラが動いている事に感動を覚える。

 

「凄い。私のミスサザビーが……!」

「凄いでしょ?僕も初めて動かした時は感動したよ」

 

春奈は興奮しながらミスサザビーを自由に飛び回らせる。ナツキは自身も似た感動をしている事を思い出しつつも春奈の初めての操作を手伝う。

 

「楽しそうじゃねぇか!」

「俺達も混ぜてくれよ~」

「遊ばせてくれって」

 

その時、マップに三機の反応が現れた。コックピットの反対側には三人の中学生くらいの男子がおり、悪そうな笑みを浮かべながら二人を見ていた。

 

「あの、今はこの子が遊んでて……」

「直接言わなきゃ分からねぇなら言ってやる。この筐体は俺達に使わせろ!」

 

三機の黒いジンクスⅢがミスサザビーに迫る。春奈は困惑して逃げようとするが、ジンクスに囲まれてしまった。

 

「春奈、逃げていいよ!やられたら、壊されるんだよ!」

「私は……」

 

春奈は紫音の破壊されたヴァーチェヴァイオレットを思い出す。しかし、操縦幹を強く握ると、スイートソードを構えた。

 

「春奈!?」

「私は、戦うわ!逃げないって決めたから!」

 

ミスサザビーがジンクスⅢに挑む。スイートソードとジンクスⅢのGNランスが衝突する。背後からもう一機迫るが、ミスサザビーはそれを避けた。

 

「今のを避けたのか!?」

「本当に初心者かよ!」

 

三機目のジンクスⅢがNGNバズーカでミスサザビーを狙い撃つが、拡散メガ粒子砲で砲弾を破壊する。

 

「凄い。初心者なのにあんな果敢に……」

 

初心者でたった一人であるにも関わらず、恐れずに挑戦しようとする春奈を見たナツキは自身の事を振り替える。

 

「壊れる恐怖を越えて……」

 

ナツキはとある決心をすると、ホウセンカを取り出して春奈から離れた。

 

「しょうがねぇ。アレやるぞ!」

「了解ィ!」

「痛い目遭わせてやらァ!」

 

ジンクスⅢはミスサザビーから離れて谷底へと姿を隠した。春奈は逃げるジンクスを追ってミスサザビーを追いかけた。

 

「行くぞ!トランザム!」

「「トランザム!」」

 

谷底まで着地したミスサザビーに向かって縦一列になったジンクスⅢが突撃してきた。

先頭のジンクスがGNビームライフルで射撃する。ミスサザビーがスイートシールドで防いでいると、二番目のジンクスⅢがNGNバズーカを撃つ。それによってスイートシールドが破壊されてしまった。

 

「しまっ……」

「仕舞いだぁぁぁ!」

 

三番目のジンクスⅢがGNランスで突きを繰り出す。春奈が終わりを察し、自身が作ったガンプラが破壊されるのを覚悟した、その時だった。

一閃のビームが三番目のジンクスⅢを狙って放たれた。ジンクスⅢはそれを避け、他の二機も一度下がる。

 

「誰だ!?」

「友達だ!!」

 

自由落下に身を任せながらビームライフルを撃つのはナツキの駆るホウセンカだった。ホウセンカはミスサザビーの前に立つと、ビームライフルを捨ててバックパックのビームサーベルを引き抜いた。

 

「もう一度やるぞ!トランザム!」

「「トランザム!」」

 

ジンクスはトランザムを発動すると、縦一列に並んだ。二本のビームサーベルを構えながらナツキはグッと息を呑んだ。

 

古典的な方法(ジェットストリームアタック)……攻略法なら、幾らでもあるさ!」

 

トランザムによって高速で迫るジンクスⅢ三機。ホウセンカは真正面から突き進むと、先頭のジンクスがGNビームライフルを射撃する。ホウセンカはビームの段幕を恐れずに突き進むと、先頭のジンクスⅢを踏みつけた。

 

「俺を踏み台にしたぁッ!?」

「それでも、俺がいるぜ!」

 

二番目のジンクスⅢがNGNバズーカを構えて砲口を向ける。ホウセンカはそれを左手に持つビームサーベルで突き刺した。

 

「何ぃぃぃ!?」

「三人目は防げねぇだろ!」

「伊達のもう一本じゃないんだぁぁぁ!」

 

三番目のジンクスⅢがGNランスで攻撃を仕掛けた。ホウセンカはそれを右手のビームサーベルで受け止めた。

 

「後ろががら空ーー」

「やぁっ!」

 

一番目のジンクスⅢがGNビームライフルをホウセンカに向けた時、背後からミスサザビーがスイートソードで両断した。

 

「ナイス春奈!」

「余所見してる場合か!」

 

鍔迫り合いをしていたジンクスⅢがホウセンカを押し出す。後ろに体勢を崩したホウセンカにジンクスⅢのGNランスの刺突が繰り出される。

 

「しまった……!?」

「お前を倒して、その後あのサザビーを倒してーー」

 

その直後、ジンクスⅢの胴体に飛んできたビームが貫通する。ジンクスⅢはホウセンカにGNランスを突き立てる前に爆発した。

 

「た、助かった……?」

「ったく、余計な世話かけんなよ」

 

ホウセンカが見上げると、そこにはビームライフルを構えたデルタシャープが空中で浮遊していた。

 

「ノゾム、ありがとう」

「見てられねぇから助けただけだっての」

 

バトル終了の知らせと共にジンクスⅢ人組は彼ら自身のジンクスⅢを回収すると逃げ出していく。

ノゾムは三人の後ろ姿を見た後にナツキに腕を構えると、ナツキは交差するように腕を合わせた。

 

***

 

ナツキやノゾム、春奈に紫音の四人はGPDを後にして帰路に向かおうとしていた。

 

「楽しかったなぁ……」

「トラブルもあったけどな」

「何がトラブルだい!私のヴァーチェを壊した癖に」

「喧嘩しないで二人とも!」

 

ノゾムに煽られてすぐに躍起になる紫音を春奈が制する。紫音はむぐぐと怒りを抑えると、何処かへと走り出した。

 

「紫音!どこ行くのー?」

「家に帰るの!今度会った時は覚悟しなよーッ!」

 

紫音はビシッとノゾムを指で指すと走ってその場を後にした。ナツキはノゾムの方を見るがどこ吹く風と言わん様子だった。

 

実際に負け惜しみなのだからそう反応しても間違ってないのだが。

 

「私も早く帰らないよ父さんも母さんも心配してしまうわ」

「俺達も早く帰らないとバス遅れるぜ」

「そうだね……」

 

バスに遅れてしまえば、家に帰った時には門限を越えてしまう。流石に怒られるのは嫌なので帰るしかなかった。

 

「また会えるかな?」

「えぇ、また会えるわ、必ずね」

 

ナツキがえ?と春奈に言葉の意味を聞く前に春奈を呼ぶ声が聞こえた。そちらを見ると、一人の女性が車の傍で立っている。

 

「迎えが来たわ。ありがとう、またね」

「うん、じゃあね!」

「またな」

 

春奈は車へと走っていく。ナツキとノゾムは彼女を乗せた車がショッピングモールを走り去っていくのを見送ってからバス停へと向かった。

 

***

 

翌日、学校に投稿してきたナツキとノゾムは硬直しながら目の前にいる少女を見ていた。

 

「な、何で君らがいるのさ!」

「知らねぇよ!て言うかお前同じ学校だったのかよ!」

 

前日ノゾムがボコボコにした紫音がそこにはいた。ノゾムと大声をあげ合う紫音を見ながらナツキは「世間って狭いなぁ」と思いつつ教室へ向かう。

 

「早く座れよ先生来るぞ」

「言われなくても座るよ!」

 

最初の方は声を荒くしていたが、途中から疲れたのかめんどくさそうにするノゾム。紫音はべーと舌を出しながら自身の席へ座った。

 

「皆さん、おはようございます。今日は皆さんに転校生を紹介します」

 

『転校生』と言うワードで教室が騒がしくなる。眼鏡をかけた男性の先生は喧騒を後に「入ってください」と言うと教室に金髪の髪の少女が入ってきた。

 

「今日からこの学校に入る佐々木春奈です。皆さん、これからよろしくお願いします」

 

転校生として自己紹介をした春奈にナツキは立ち上がってしまう。急に立ち上がったナツキに他の生徒や教師、そして春奈が視線をそちらを向けてしまう。

 

「敷島くん?」

「あ、ごめんなさい……」

 

我に返ったナツキは顔を赤くしながら席に座る。春奈はクスリと笑うと教師が指示した席……ナツキの隣の席に座る。

 

「これからよろしく、ナツキ」

「あ、うん!よろしくね!」

 

春奈との予想外の再会に驚きつつも、何か新しい事が起きる予感がした。




と言う事でかなり昔からのスタートです。掘り下げるならトコトン掘ってやらァ!って心意気で書きました。
過去のシーンでは三人称視点なのでリアルネームで書いてますが、ナツキはダイバーネームに置き換えて話してる感じです。

設定の方ですが、断章等の過去のお話関連は別の方で纏める予定です。一発ネタと過去の二つ設定を纏める必要がありますね。早くしないと……

良ければ、感想・お気に入りの方もよろしくお願いします!
感想がマジでモチベーションに直結するので!何卒、よろしくお願いします……!

では、次回予告へ……


次回予告

初めて四人揃ってからほんの数年。ナツキ達はGPDに熱中し続けていた。

そんな四人はGPDの世界大会が今年で最後と言う噂を聞く。

最後の僅かなチャンスを逃したくないと考えたナツキ達四人は予選大会に挑むのだった。

次回、絆、一つに
お楽しみに……
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