ガンダムビルドダイバーズ スターダスト   作:オーマピジョン

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1週間投稿をすると言ったな。あれは嘘だ。
ポォォォォォォォォ!!(宇宙空間に投げ飛ばされる鳩)

はい、茶番は足止めさせていただいて……また待たせてしまい申し訳ございませんでしたァッ!リアルが忙しいが5割、積みプラ発散2割、バトオペ2楽しい(初心者です)2割、その他1割が理由です。因みにバトオペはジムナイトシーカーV(宇宙戦仕様)を使ってます。

あ、今回ゲスト出演させていただきました!どこの作品の誰なのかはお楽しみに!!!
では、どうぞ……


第17話 絆、一つに

ナツキ達四人が知り合ってからほんの数年。四人はGPDを楽しみながら日々を送っていた。

小学校高学年になり、卒業も目前になり始めていた頃の出来事だった。

 

「春奈、おはよう」

「おはよう、ナツキ」

 

朝早くに来ると、既に教室に来ていた春奈と合流した。あれから春奈とは更に親しくなり、ほぼ毎日話していた。

 

「今日もGPDしに行く?」

「えぇ、良いわよ」

 

いつも通り、GPDの約束を取り付けていると、ガラッと扉が開かれて紫音が入ってきた。

 

「春奈ママ、ナツキ、いる!?」

「紫音?」

「どうしたのそんな急いで……って、誰がママよ」

 

大慌てでやってきた紫音に驚く二人だったが、春奈の方は紫音の聞き捨てならない呼び方にツッコミを入れる。

 

「いやそんな事はどうでも良いんだって!ヤバイニュースがあるんだよ!」

「どうでも良いわけないだけど……」

「ヤバいニュースって?」

 

紫音はランドセルから一枚の広告を取り出す。それはGPDの世界大会の広告だった。「そう言えば今年もこの時期か」と思っているととある一文に目が入った。

 

「これって……」

「まさか……」

 

二人はその一文に驚きを隠せなかった。何故なら……

 

***

 

第17話

絆、一つに

 

***

 

バスの中で幼馴染四人はとある話題で盛り上がっていた。

 

「GPDの世界大会は今年で最後!?」

 

ノゾムが大声で驚きの声をあげてしまう。GPD世界大会の広告には『最後の世界大会』と銘打たれていた。

 

「GPDももう終わりなんだぁ」

「多分、新しいガンプラバトルが出来るゲームが出るからだろうね。確か名前は……」

「ガンダムバトルネクサスオンライン。GBNって言われてるわ」

 

春奈がその名前を言うと、紫音は忘れていたことを思い出す。

 

「そう言えば春奈ママの家はガンプラバトル関連のお仕事もしてるんだっけ。GBNにも?」

「えぇ、仕事だと言っていたわ」

 

春奈は正真正銘のお嬢様である。彼女の家は俗に言う資産家で、ナツキ達の片田舎に転校してきたのは都会から離れた環境で過ごしてほしいと両親が考えて引っ越したらしい。

 

「……どうする?」

「どうするって、何するの?」

「世界大会だろ。最後のチャンスだぞ」

 

ノゾムが最後の世界大会に対してどうするかを問う。このままチャンスを見逃す事も出来る。だが、もしチャンスを掴む事が出来るのも今しか無いのだ。

 

「……僕は、出たいかな」

「こんなの出るしかないだろ」

「そうね。この数年で磨いた実力を、試してみたいわ」

「皆出る感じ?じゃあ私も出る!」

 

最初に言い出したのは、ナツキだった。

その次にノゾムがそれに乗るように参加を表明する。

春奈がやる気満々と行った様子で参加の意思を見せた。

紫音は自分以外の三人が参加の意思を見せた事を察して手を挙げた。

 

「よーし!私ら四人で頑張っちゃおー!」

「「「おー!」」」

 

勝鬨を上げる四人。斯くして幼馴染四人は最後のチャンスを掴み取る為に動き出した。

 

***

 

世界大会予選当日、幼馴染四人は揃って会場に挑もうとしていた。春奈が頼んで移動する為の車を準備してもらっていた。

 

「良い?私らが挑むのはチーム戦。最大4人の総力戦だよ」

「そんな事くらい何度も聞いたわ」

「連携の練習、嫌ってくらいしたわ。勝てるわ、私達!」

 

受け付けに渡された参加要項に紫音がボールペンで書き込みながら三人に話す。ノゾムも春奈も気合が十分といった様子で、ナツキはそんな三人の後ろ姿を見ていた。

 

「僕も、頑張らない、とぁっ!?」

 

三人の後ろ姿ばっかりを見ていたナツキは真横を通り過ぎた人物とぶつかってしまう。ぶつかってしまった相手は尻餅をついて杖を落としてしまった。

 

「うわぁぁぁぁ!?ごめんなさい!大丈夫ですか!?立てますか!?」

「あ、えぇ、大丈夫です。すみません……っと」

 

ナツキは大慌てで手を差し伸ばす。ぶつかってしまった小柄な女性はナツキの手を掴むと、それを支えに立つ。ナツキは杖を拾ってそれを女性に手渡した。

 

「ナツキ!何してるのさ!」

「あ、ごめん!すみません、僕はこれで!」

「あ、はい。気を付けて」

 

紫音に急かされたナツキは女性に頭を下げると、三人を追いかけて行く。

 

「えっと、何の話をしてたの?」

「紫音がチーム名を考えてたんだよ」

「ふふーん、そうなんだよなぁ!」

 

ノゾムがナツキに話の経緯を語ると、紫音は得意気に胸を張る。ナツキが「何て名前?」と問うと、紫音は待ってましたと言わんばかりにナツキを指差すと、参加要項を掲げた。

 

「その名も……ジャーン!四季團!!」

 

紫音の見せた要項に書かれた『四季團』と言う文字を見ながらナツキが拍手をする。春奈もそれに釣られて拍手した。ノゾムは何もせずに見てるだけだった。

 

「何で四季なんだ?」

「なんでって……“春”奈でしょ?“ナツ”キでしょ?私“秋”島で、ノゾムが“冬”木。ほら、春夏秋冬!」

 

紫音は順番に指差しをしながら命名の理由を話す。それを聞いた春奈とナツキは「おー」と感嘆の言葉が出て、ノゾムは「そう言う事か」と納得していた。

 

「と言う事で私らは今日から四季團ね!決まり!」

「決まりだな。早速準備すんぞ」

「そうだね。行きましょう、ナツキ!」

「うん、そうだね」

 

四人は会場の中へと歩んでいく。四人にとっては初めての大舞台。最後のチャンスを掴む為、その足を進めた。

 

***

 

観客席には先程ナツキがぶつかってしまった黒髪の小柄な松葉杖の女性……夜ノ森零はストンと座った。

彼女は本来ならナツキ達の様に予選に参加しているはずだった。しかし、数年前の交通事故で現在は足を失ってしまい、義足と松葉杖無しでは立てない状態になっていた。今はリハビリで精一杯でGPDに手を伸ばすほど余裕はなかった。

 

「隣、良いかい?」

「あ、どうぞ」

 

彼女の隣に一人の男性が座る。隣に誰が座ろうと関係ないので、視線をそちらには向けずに返事だけはしておいた。

 

「……なぁ、あそこの試合見えるか?あの、小学生くらいの子がいる試合」

「え、あ、はい。見えま……」

 

突然先程座った男性に話しかけられて困惑しつつもそちらを見て言葉を止めてしまう。シルバーアッシュのスカジャンを着た男性、GPD世界大会を見ているなら少なからず知っているだろう有名な選手だった。

 

「あ、芦原ヨウタ……さんっ……!?」

「んお、俺の事知ってるのか?嬉しいねぇ。こんな一匹狼を知ってくれてるなんて」

 

芦原ヨウタ。GPDの界隈では『灰色の太陽』、何て言われているヅダ使いの頂点に立つ男だ。そんな人物に話しかけられた零は困惑してしまう。

 

「あー、俺が誰なんて今は関係ねぇだろうからよ。今はさっきの質問に答えてくれれば良い」

「は、はい。えっと……あそこ、ですよね」

 

零が指差した所に四季團がいた。零は先程ぶつかってパニックになりつつも大謝りしてきた少年……ナツキがいる事に気づく。

 

「あの子は……」

「見えてるなら良いんだ。あの試合、どっちが勝つと思う?」

 

ヨウタが聞いてきたのはシンプルなもので、勝敗予想だった。零は今は足のせいで断念したが、世界大会に挑もうとしている程にはガンプラバトルには造詣がある。

 

「四人の相手は……」

 

敵チームは四季團達とは真反対の大人四人組だった。大人二人がかりで大きな箱を運んでいた。

 

「あの箱は……」

「奴さんらの秘密兵器ってやつだろうな。もしかしたらあのガキ四人、負けるかもしれないが……どっちが勝つと予想する?」

 

零は四季團と対戦相手を交互に見る。対戦相手の大きな箱の中身も大体予想は出来ていた。

 

「私は……」

 

零は勝敗の予想をする。零の答えを聞いたヨウタは面白そうに笑った。

 

「良い答えだ。結果が楽しみになったぜ」

 

ヨウタが視線を零から四季團の方を見る。零もヨウタの誘いに乗った以上今から観戦を止める訳にはいかなかったのでその視線をヨウタ同様四季團へと向けた。

 

***

 

「相手は大人か……」

「年齢がなんぼのもんじゃい!」

「そうだね。僕達の全力の力を合わせれば、勝てるはずさ!」

 

四季團はそれぞれのガンプラを発進台に立たせる。対戦相手もそれに合わせてガンプラを置く。

 

『それでは予選第一試合、スタートです』

 

アナウンスと共に筐体が宇宙のフィールドを構築。両チームのガンプラにプラネットコーティングが施されると、カメラアイが点灯する。

 

「ガンダムGP-1000 ホウセンカ!」

「デルタシャープ!」

「ガンダムヴァーチェヴァイオレット!」

「ミスサザビー……!」

『行きます!』

 

フィールド内に飛び込んでいく四機のガンプラ。フィールドの反対側からギラ・ズールが二機、ドライセン(袖付き)が現れた。

 

「相手は三機?一人足りなくねぇか?」

「何人だろうと倒すのには変わりないでしょ!」

 

ヴァーチェヴァイオレットの足からGNマイクロミサイルが飛ばされる。

敵機三機はそれを避けて突き進む。ドライセンとギラ・ズールAが前に出ると、前から反応が急接近していた。

 

「行くぞ、春奈!」

「えぇ、任せなさい!」

 

接近するのは変形したデルタシャープの上に乗るミスサザビー。

ドライセンがバックパックのトライブレードが発射され、二機へと飛んでいく。

 

「春奈、離れろ。変形して戦う!」

「えぇ、そっちは任せるわ!」

 

ミスサザビーが離れると、デルタシャープがMS形態へと変形する。デルタシャープはビームライフルからロング・ビーム・ライフルを発振してトライブレードを熔断する。

 

「来いよ太っちょ(ドライセン)!」

 

ドライセンは挑発に乗るようにビームトマホークを振るう。デルタシャープはロング・ビーム・ライフルで受け止めると、シールドのビーム刃で胴体に突き刺された。

 

「私も負けてられない!」

 

ミスサザビーはギラ・ズールのビームマシンガンを避けながらスイープソードを振るう。ギラ・ズールはそれをビーム・ホークで受け止めた。ギラ・ズールはミスサザビーを押し返した。

 

「クッ、でもっ!」

 

押し飛ばされたミスサザビーだったが、足から発振したビーム刃がギラ・ズールの腕を斬り飛ばした。

 

「これでぇぇぇっ!」

 

バック宙をしたミスサザビーは胴体をギラ・ズールに向けると、拡散メガ粒子砲がギラ・ズールを破壊した。

仲間がやられたギラ・ズールBがビーム・スナイパー・ライフルを構えてミスサザビーを狙った。

 

「させるかぁっ!」

 

しかし、ギラ・ズールBの頭上から二連装ビームガンからビームを連射しながら飛んできたのはホウセンカだった。

ギラ・ズールBはホウセンカが飛ばしてくるビームを避けながらビーム・スナイパー・ライフルを納めて小型のビームマシンガンで牽制をするが、ホウセンカはそれを二連装ビームガンに取り付けられたシールドで防いだ。

 

「紫音、誘導したよ!」

「やりぃ!じゃ、ぶっとんじゃえっ!」

 

逃げ回るギラ・ドーガを狙ってGNドライヴと連結させたGNビームバズーカを放ったのはヴァーチェヴァイオレットだった。

ギラ・ドーガは予想外の方向から飛んできたビームに撃墜された。

 

「よっしゃあい!楽勝だね!」

「いや、まだ一機いるはずだ。何処に隠れてーー」

 

その時、複数のビームがホウセンカの四肢を破壊した。

 

「うわぁぁぁっ!?」

「ナツキッ!?」

「焦るな!円陣を組め!」

 

下半身を奪われ自由に動けなくなったホウセンカ。春奈はミスサザビーでそちらに向かわせようとするが、ノゾムがそれを制して指示を出す。

三人は互いに背中を向け合って円陣を組むと、周囲の警戒を続ける。

 

「何だ今の。オールレンジか?」

「あー、ノゾム。予想は間違ってはないけど、最悪な形で当たったっぽいよ……」

 

ヴァーチェヴァイオレットの視線の先には文字通りの巨影が存在していた。それはMSとして必要な人形としての要素『足』が排除されたMS『ジオング』に由来する100m級のMA……『ネオ・ジオング』である。

 

「ね、ネオ・ジオング……!?」

「な、何よアレっ!?」

「GPDにそれ持ってくるか普通!?」

「これだから金にモノ言わせれる大人は!!」

 

ナツキがその名を呟き、ガンダムに関しての知識の浅い春奈が常識人として反応し、ノゾムはGPDに持ってくる様な代物ではない超大型キットに戦慄し、紫音はそう安くはない高額品であるはずの代物を引っ提げてこれる大人への悪態をついた。

 

「ったくよォ!俺らで何とかするぞ!」

「ッ、えぇ、やるわよ!」

「私が真っ向からやってやる!」

 

ヴァーチェヴァイオレットがトランザムを発動して赤く輝かせると、GNビームバズーカをGNドライヴと連結させてビームを放つ。強力なビームだったが、Iフィールドがそれを阻んだ。

 

「何で……ッ!?」

 

最大火力である筈のバーストモードを防がれた紫音は動揺せざるを得なかった。

そこにネオ・ジオングのアームユニット兼優先式の大型ファンネルが挟み込むように伸ばされた。

 

「ヤバっ……!?」

 

大型ファンネルからメガ粒子砲が繰り出される。ヴァーチェヴァイオレットはGNフィールドを展開するがビームに耐えきれず、胴体を貫通した。

 

「ちくしょーっ!」

「紫音!チッ、このデカブツがよぉぉぉ!」

 

デルタシャープがウェイブライダー形態で飛び回って射撃を続けるが、Iフィールドがそれを阻んだ。

 

「やっぱ、接近して攻撃するしかねぇか……春奈!一緒に段幕を突破するぞ!」

「えぇ、お願い!」

 

デルタシャープがミスサザビーの方まで飛ぶと、ミスサザビーを乗せて大型ファンネルの段幕を避けながら接近のタイミングを窺っていた。

 

「タイミングが来たら一気に接近する。構えとけ」

「分かったわ……!」

 

段幕の中を掻い潜りながら飛ぶデルタシャープ。ネオ・ジオングの肩の大型メガ粒子砲が放たれたのを回避したと同時に、一気に接近した。

 

「仕掛けるぞッ!」

「えぇ!」

 

MS形態に変形したデルタシャープはビームサーベルを構え、ミスサザビーはスイープソードを構える。本体(シナンジュ)を倒せば勝てる。接近すれば容易にファンネルは使えないし、本体も固定されている為応戦も大きなハンデになるだろう。

しかし、デルタシャープのカメラにとある物が見えた。

 

「ッ、春奈、逃げろッ!」

「えっ……」

 

デルタシャープがミスサザビーを蹴り飛ばす。その直後、デルタシャープはサブアームに捕まれてしまった。

 

「コイツッ!」

 

左右から現れる大型ファンネル。デルタシャープはビームサーベルを横回転で投げて右のファンネルを斬ると、シールドからビーム刃を伸ばして左の方も投げ刺す。

しかし、真正面のシナンジュがウェポンコンテナから取り出したバズーカがデルタシャープを狙った。

 

「ッ、くそォッ!!」

 

バズーカの一撃がデルタシャープを破壊する。

その時、ミスサザビーが頭上から急降下してスイープソードを振り下ろす。

 

「やぁぁぁぁーーッ!?」

 

しかし、ミスサザビーの一振りが届く前にアームユニットがミスサザビーを掴んだ。シナンジュはハルユニットから抜け出すと、ビームアックスを連結してビームナギナタにする。そして、ミスサザビーの上半身を斬り飛ばした。

 

「そん、な……」

「負けたのか、俺ら……」

 

ヴァーチェヴァイオレット、デルタシャープ、ミスサザビーは全てコックピット部分を破壊されて撃墜判定にされた。三人が敗けたと確信したその時、ビーッ!とブザー音と共にアナウンスが流れた。

 

『タイムアップです。勝敗が決してない試合は十分後、1対1の代表戦を行います』

 

そのアナウンスが聞こえたノゾムはGPDのディスプレイを見る。ディスプレイにはまだ勝敗が決したと言う通知は来ておらず、まだ戦闘中と言う扱いだった。

 

「何で……」

「僕、だと思う」

 

疑問を持つ三人だったが、とある人物の声を聞いてすぐにハッと気づいて彼に視線を向けた。

 

「「「ナツキ!?」」」

「偶然だけど、生き残っちゃったみたい」

 

彼の手には達磨状態にされたホウセンカ……そして、ホウセンカから切り離されたと思わしき戦闘機『コアファイター』があった。

 

「そうか。コアファイターで離脱してたんだね!」

「無事で良かった……」

 

紫音がナツキのお陰で負けずに済んだと喜び、春奈はナツキが無事であった事に安堵を溢す。しかし、ノゾムの表情は険しいままだった。

 

「ナツキが生き残った所で、その状態で代表戦勝てるのかよ」

 

ノゾムの言う通り、三人が撃墜された以上、今戦えるのはナツキのみだった。そして、そのナツキが使うホウセンカも四肢が奪われ戦おうにも戦えない。

 

「そうじゃん……私ら、ここで終わり……?」

「そう、なるかもな」

 

紫音は絶望し、ノゾムも受け入れたくないが実質的な敗北の事実が覆らない事を受け入れざるを得ない事を悔しそうに認める。

 

「皆……」

 

春奈は諦めムードの紫音とノゾムを見て諦めたくはないが、諦めざるを得ない事を察して受け入れかけてしまう。

そんな三人を見たナツキはその表情を引き締めた。

 

「……春奈、ミスサザビーの下半身、使える?」

「え、えぇ……まさか!」

 

ナツキの問いに答えた春奈はナツキの意図を察すると、ナツキにミスサザビーの下半身を渡した。

ナツキは「ありがとう」と感謝の言葉を述べると、ホウセンカの下半身をミスサザビーに付け替える。

 

「リペア……するつもりか」

「うん。だって、折角僕達、挑戦しようって思えたんだよ?こんな所で諦めたくないじゃないか」

 

ノゾムがナツキのやりたい事……現地修復(その場凌ぎ)を行おうとしているのを気づいた。すると、紫音がナツキの元に歩んで腕のパーツとシールドを渡した。

 

「紫音……これって」

「ヴァーチェの外装を外してナドレサイズにした。これでバランス調整できるでしょ」

 

紫音に渡されたナドレの腕を受け取ったナツキはホウセンカに腕を取り付ける。

それを見ていたノゾムは拳を強く握ると、ナツキの元に歩んだ。

 

「おい、使え」

「ノゾム……!」

 

ノゾムが渡したのはデルタシャープのビームライフルとシールドだった。ナツキはそれを受け取ると、ホウセンカに持たせる。

 

「バックパックはどうするの?」

「実は、偶然持ってきてたんだ」

 

紫音の問いに答えながら、ナツキはとあるパーツを取り出す。それは、ホウセンカの原型……ゼフィランサスの宇宙用装備『フルバーニアン』のバックパックだった。

 

「何でそれだけ持ってきてんだよ」

「バックパックがなくなったらって時だけの保険だったから……」

「良いから早く付けて、挑むよ!」

 

ナツキは「うん」と頷くと、四季團の仲間達から借りたパーツで修復させていった。

 

***

 

観客席の方では遠くから修復作業を行っている四季團を零が見ていた。

 

「あの四人を見てると、ガンプラバトルを始めた頃を思い出すよ」

 

ふとヨウタが呟く。零は話しかけられてるのかと感じてヨウタを見るが、「独り言だ」と言って遠回しに気にしなくていいと伝える。

 

「負けたら壊れて、無我夢中で直して、また戦う。……でも、勝ち負けとか関係なくてただ『諦めたくない。もっと楽しみたい』って気持ちで一心不乱だったよ」

 

ヨウタの独り言を聞いていた零はふととある記憶がフラッシュバックする。とある病室で妹とガンプラを組んだ記憶……実際にはそんな事をしてはないし、本来存在する記憶ではない。だが、何故かそんな記憶が思い浮かんだ。

 

「なぁ、予想、今からでも変えていいぜ?どうする?」

「……いえ、変えません。根拠はないですけど、予想は当たる気がするんで」

 

ヨウタの問いに零は即とまではいかないが、すぐに答えた。

早く答えた零に対してヨウタは「そーか」と返事すると視線を四季團の方へと向けた。

 

***

 

『それでは、代表戦開始してください』

 

アナウンスと共に修復されたホウセンカにプラネットコーティングが施され、そのツインアイに光が灯った。

 

「えっと……ホウセンカ・リペア、行きます!!」

 

発進台からホウセンカ・リペアが再度宇宙フィールド内に突入する。反対側からは大型ファンネルを修理したネオ・ジオングが飛んできていた。

 

「腕を直してきたじゃん!?」

「腕を生やした程度で騒がないでよ!」

 

ネオジオングは大型ファンネルを六基全て発射させると、メガ粒子砲でホウセンカリペアを狙ってくる。

 

「避けて!」

「スラスターが沢山あるからッ!」

 

ミスサザビーのリアスカートにあるスラスターで加速、バックパックのバーニアで方向転換を行う事で回避行動を取る。

ホウセンカ・リペアは回避行動と共に大型ファンネルをビームライフルで撃ち抜いていく。

 

「まず一基!!」

 

ホウセンカ・リペアは爆発する大型ファンネルから離れながら次の大型ファンネルを狙う。

挟み込むように大型ファンネルが現れるが、ホウセンカ・リペアは片方の大型ファンネルに接近する。接近した大型ファンネルからメガ粒子砲が放たれるが、ホウセンカ・リペアはそれを回避する。放たれたメガ粒子は反対方向にいた大型ファンネルを破壊した。

 

「ふたつ、同時にっ!」

 

シールドのビーム刃が大型ファンネルを斬り裂き、破壊した。更に大型ファンネルが来るが、足のビーム刃で斬りつける。

 

「ここからは、仕掛ける!」

 

背部と腰のバーニアを吹かせると、一気にシナンジュを狙って駆け抜ける。大型ファンネルと肩部のメガ粒子砲を回避すると、ビームを繰り出す。しかし、距離が足りず、ビームはIフィールドに防がれた。

 

「距離が足りないッ。ヘタレちゃう要素は限りなく潰すしかないか!」

 

背後から大型ファンネルがホウセンカを掴もうと延びてくる。ホウセンカ・リペアはそれをスラスターの噴射で体を捻らせて回避を行うと、ライフルからロング・ビームサーベルを伸ばして大型ファンネルを斬り飛ばす。

 

「全部斬った。これでッ!」

 

今度こそ接近を仕掛けるホウセンカ・リペア。しかし、腰から延びたサブアームがホウセンカ・リペアの右足を掴んだ。それを狙ってシナンジュがバズーカ二丁を構えた。

 

「足を切って!」

「ごめんねェェェェェッ!!」

 

ホウセンカ・リペアはビームライフルで右足を溶断すると、加速を仕掛ける。シナンジュがバズーカを放つが、ホウセンカはそれをシールドで防いだ。

 

「これでぇぇぇぇぇ!!」

 

爆煙の中からシールドを持っていた左腕を失ったホウセンカ・リペアが飛んでくる。ホウセンカはビームライフルを捨ててビームサーベルを抜くと、シナンジュに向かって肉薄した。

シナンジュがビームナギナタを構えて応戦しようとする。ホウセンカはビームサーベルを投げると、腕をナギナタを持つ腕を斬り飛ばした。

 

「2本目のサーベルは、伊達じゃない!」

 

ホウセンカは2本目のビームサーベルをバックパックから引き抜くと、シナンジュの体に突き刺した。シナンジュをそのままネオ・ジオングに押さえ付けると、シナンジュはネオ・ジオングに誘爆させながら爆発した。

 

〈Battle Ended〉

〈Winner:Team1〉

 

電子音声で勝敗の結果が通知される。ナツキは呆然としていたが、そこにノゾムが肩を叩いた。

 

「やったじゃねぇかナツキ!」

「私達の勝ちーーー!」

「お疲れ様、ナツキ!」

 

ナツキに飛び付く三人。すると、観客席から拍手が沸き上がっていた。

 

「い、いつの間に?」

「他の試合が終わって、視線が集まってたのかもな」

「良いじゃん良いじゃん!私ら人気者だよ!」

「でも、これじゃあ私達、続けれそうにないわね」

 

春奈の視線には爆発に巻き込まれてボロボロになったホウセンカ・リペアだった。

 

「私らのガンプラ、全部ダメになっちゃったね」

「そうだな。でも、また直しゃ良いだろ」

 

ナツキが大破したホウセンカ・リペアは拾い上げる。紫音は残念そうにするが、ノゾムの方は諦めてはいない様子だった。

 

「何度壊れても作り直せばいい。俺達、ガンプラビルダーだぜ?」

「ノゾム……うん、そうだね!」

 

拍手の中たった一戦だけ、それも僅差での終わり方になったが、四人はそれでもとある思いを感じていた。

ーー『楽しかった』と。

 

***

 

拍手の中、零もまた拍手をしながら彼ら四人の勇姿を見届けていた。

 

「お、予想は()()してたか」

 

すると、いつの間にか席を離れていたヨウタが缶ジュースを片手に戻ってきた。

 

「いつの間に離れて……じゃなくて、はい。とても良い試合でした」

「そうか。ほら、巻き込んだお礼と、当てた褒美だ」

 

ヨウタは手に持っていた缶ジュースを零に手渡す。零は「ありがとうございます」と受け取った。

 

「それじゃ、俺も試合があるから後にさせてもらうぜ」

「はい。えっと、頑張ってください」

「おう、さんきゅ」

 

ヨウタはその場を後にしようとすると、携帯に電話が入った。

 

「あ?何だよ?……は?支える主を見つけた?彼女こそがエレガント?何言ってんだお前……っておい!切んなよ……」

 

何か変な会話をしながらその場を後にするヨウタの後ろ姿を見ると、零は缶ジュースの栓を開けながら観戦を続けるのだった。

 

***

 

予選が終わり、四季團四人は帰る為の駅へと向かっていた。

 

「折角勝てたのに一回戦止まりかぁ」

「仕方ないわよ。私達、ガンプラが壊れてもう戦えないんだし」

 

四人のガンプラは既に大破しており、継続する事は困難だった。故に四季團は2回戦にて途中棄権となってしまった。

 

「良いじゃん。最後の世界大会予選に相応しい思い出になったし」

「そうかもな」

 

紫音が参加賞のエントリーグレードのガンダムを片手にそう言うと、ノゾムも賛同した。

 

「世界大会は最後だけど、ガンプラバトルは終わらないはずだよ。これからもっと強くなろう!」

「そうね。私達四人……四季團ならやれるわ!」

 

頷き合いながら前に進む四季團。彼らはこれからも四人で進んでいこうと心に決めていた。




どうだったでしょうか。

まずはゲスト出演関連ですね。
今回は青いカンテラさんのサイドダイバーズメモリーからクオンちゃんのリアル、夜ノ森零ちゃん(昔の姿)を出させていただきました〜!!ありがとうございます!!!
ハーメルンのビルドダイバーズ2次小説を読むなら必ず触れるであろう作品ですが、掲示板形式と普通の小説形式の2つを両方楽しめる小説のお子様ランチみたいな作品でとても入りやすい作品ではないでしょうか。
零ちゃんのダイバー姿、クオンちゃんはその作品の中でもダントツの人気っぷりですね。皆もクオンチャンカワイイヤッター!と叫びなさい。
自分もあの作品にウチの作品のキャラ達の名前が出るくらい人気になりたいなーなんて思いつつ目標の1つとして頑張ってます。

そして、過去編のGPDの話はここで終わり、次からは幼馴染4人が何故散らばる事になったのか……そんな悲劇までのカウントダウンを描いていこうと思っています。

最後に、良ければお気に入り登録、短めでもいいので感想よろしくお願いします!!

では、次回予告へ……


次回予告

突如として告げられる四季團解散の危機。

これからも一緒にいたいと願う4人は新たなステージへと足を踏み入れる。

それは、様々な可能性を秘めた新たなガンプラバトルだった。

次回、電子の中で煌めいて
お楽しみに……
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