ガンダムビルドダイバーズ スターダスト   作:オーマピジョン

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初めましての方は初めまして、オーマピジョンと申します。
初めて挑むガンダム作品に緊張しながら投稿しました。
良ければ是非見てください!

はじまりはじまり〜


第1部 “STAR”T LINE
第1話 星屑の帰還


これは、少し昔の、忘れたい記憶ーー

 

広大な雪原のど真ん中、純白を汚すように三機のMSが倒れていた。

純白のサザビー、ガンダムヴァーチェ、デルタプラスである。

 

「皆、どうして……!」

 

膝を着き、純白のサザビーを抱き上げるガンダム試作1号機ゼフィランサスは仲間を倒した張本人である白をメインに赤い線が入ったアルケーガンダムを見る。

 

「良くも、よくも仲間を!」

 

立ち上がったゼフィランサスは右手でビームサーベルを引き抜くとスラスターを吹かして接近しようとするが、ビット兵器『ファング』によって右腕と左足を切断された。

 

「うあぁぁぁっ!?」

 

頭から地面を滑るゼフィランサス。泥が混じった雪が、顔にへばりついた。

 

「う、ぐっ……!」

 

いつでも倒せるはずなのに、わざと生かされている事実に怒りと悔しさが止まらない。

仲間を守れず、何も出来ずに倒れている自分に、嫌気が差してきた。

 

『どうした?反撃しないのか?』

 

何か出来る状態ではないと分かった上で、白いアルケーが問いかける。ゼフィランサスは左腕で起き上がるのが精一杯だった。

 

『もう目的は達成してある。皆殺しにするのも良いが、屈辱的な思いをさせたまま見捨てるのも悪くはないな。あはははははっ!』

「っ、待て!このっ!」

 

アルケーは踵を返すと、何処かへと飛んでいく。ゼフィランサスは悪あがきと言わんばかりに頭部のバルカン砲を発砲するが、アルケーに当たってもびくともしない。

 

「何でっ、何で……!」

 

少年は無理だと分かってもバルカン砲を撃ち続ける。しかし、その悪足掻きは弾切れと言う結末で終わってしまった。

 

「ノゾム、ヴィオレ、ルナ……あぁぁぁぁぁ……っっっ!!」

 

操縦席の中で膝を着き、涙を流す少年。ゼフィランサスの頭部に溶けた氷水が流れる。それは宛ら、ゼフィランサスも泣いている様に見えた。

 

***

 

第一話

星屑の帰還

 

***

 

ピピピピ!と言う電子音と共に敷島ナツキは意識を無理矢理叩き起こされる。

 

「っは……あぁ、夢か……」

 

夢の中で昔を思い出すことなんてあるんだな。と思いつつ、ナツキはデジタル式の目覚まし時計を止める。現在8時より少し過ぎた時間帯だ。

 

「おはようございます……」

「あら、おはよう、ナツキくん」

「土曜日なのに早起きだねぇ」

「あー、今日はバイトです」

 

ナツキは現在、高校に進学するに当たって、母方の叔父叔母の元で居候をしている。今日は学校ではなく午前からバイトなのだが。

 

「朝御飯、食べるわよね?」

「はい、いただきます」

「僕ももう仕事に行かないとな」

 

叔父と入れ替わるようにナツキがテーブルに座る。

これがナツキが高校生になってからの日常……しかし、胸の内ではどこか空白を感じていた。

 

***

 

砂川模型店。それがナツキがバイトをしている店の名前である。

様々な模型を取り扱ってはいるが、メインとして売られているのはガンダムプラモデルーー通称ガンプラである。

 

「おはようございます、巻季さん」

「おはよう、ナツキくん」

 

砂川模型店の店員をしている女性ーー『砂川巻季』がやって来たナツキに柔和な笑みを浮かべる。

ナツキはスタッフルームに入ってタイムカードを切ると、店員用のエプロンを身に付け、名札を付けて仕事に入った。

 

「よし……あれ、巻季さんこれって……」

「あ、気づいた?実はね……GBNの筐体、ウチでも取り扱うようにしたの!」

 

カーテンによって隠されていた部屋が解放されており、そこにはGBNにログインするための筐体が置かれていた。

巻季曰く、GPD*1の筐体が置かれていたが時代の流れに連れて使わなくなったのを撤去して代わりに置いたらしい。

 

「やっぱり、お客さんを集めるならGBNが最適化なって思ってね。弟もやっているから、ちょうど良いかなって!」

「GBNの筐体と言えばガンダムベースか、プロショップにしか有りませんからね」

 

GBNーーガンプラバトル・ネクサス・オンライン。

作ったガンプラをスキャンさせて、実際に乗り、様々なミッションやバトルを行えるVRMMOゲームである。

ナツキも勿論GBNの事は知っている。と言うより、ナツキはG()B()N()()()()()だった。

 

「ナツキくんはやってないの?」

「僕ですか?……その、一時期幼馴染とやってました」

「幼馴染と、良いわね!青春みたいで」

「でも……僕はやめてしまって」

 

ナツキの脳裏にはかつての思い出が浮かび上がる。

かつて共にGBNを駆け抜けた三人の幼馴染。そしてそれを引き裂いた、純白の悪魔ーー

 

「どうしてやめてしまったの?」

「……逃げてしまったんです。自分の過ちから」

 

仲間を守れず、無様にも生き残ってしまった自分が許せなかった。そして、そんな許せない、弱い自分から逃げてしまった。

 

「結局、アカウントも消して、幼馴染とも離ればなれになって……2年半くらい経ってます」

「そうだったのね……」

 

巻季はナツキの手が強く握りしめられている事に気づく。彼の心情を少なからず察した巻季はナツキの手を握った。

 

「え、あ、巻季さん?」

「ナツキくん、私は何もしてやれないけど……ナツキくんなら何か出来るんじゃないの?」

 

巻季に聞かれたナツキはピクリと反応する。

自分自身に出来ること……それは、ナツキは少なからず何なのか理解できていた。

 

「またGBNに戻ってみたら?幼馴染だって今もやってるかもしれない。もしかしたら、また昔のように出来るかもしれないわよ?」

「巻季さん……僕、は……」

 

何度もGBNに戻ろうとは考えていた。しかし、その度にあの弱さ故の過ちを思い出して躊躇ってしまっていた。

しかし、今の自分には背中を押してくれる人がいる。その後押しを無下にすることは、逃げることより辛かった。

 

「ありがとうございます。僕、行きます!」

「ナツキくん……でも、今はお仕事頑張ろうね」

「あっ……は、はい」

 

ナツキは今絶賛バイト中だった事を思い出して、照れながら仕事に戻った。

 

***

 

バイトが終わったナツキは即座に家に帰った。目的は一つ。自分だけのガンプラを作るためだ。

 

「メインは、やっぱり……!」

 

自室に戻ったナツキは鍵を閉めていた引き出しの鍵を開けて、中に入っていたタッパーを開く。そこにはHGUCガンダム試作一号機ゼフィランサスがあった。

ナツキのガンダム作品の中で一番大好きなのが0083STARUSTMEMORYなのである。

 

「これも二年ぶり、か」

 

このゼフィランサスはナツキが2年半前に使っていた機体そのもので、かつて思い出を封じ込める意味合いも掛けて厳重に保管してあった。

 

「二年間も暗い所で眠らせちゃってごめん。もし君に意思があるなら、許してくれないかな。そして、君ともう一度空に飛びたい」

 

ゼフィランサスを撫でる。厳重に保管してたおかげか、二年近く手付かずにも関わらず、誇りなどは一つも付いてなかった。

 

「君を作り直す。僕の今持てる技術、全てで!」

 

ナツキはそう言うと、ゼフィランサスを机に立てて、椅子に座る。そして、ゼフィランサスを新生の為の作業を始める。

 

「ゼフィランサスはその汎用性の高さが特徴だし、それを活かしたいな……となると似た特徴を持つ機体を参考にしてその汎用性を広げていくとして……」

 

ナツキはブツブツと呟きながら設計用のコピー紙に書き込み始める。

 

「まず基礎を強化させるのは前提として……バックパックの換装かな?でもエールストライクとかフォースインパルスみたいな羽はちょっと違うしなぁ……」

 

思考に思考を重ねてあれじゃないこれじゃないと模索し続ける。描いて、丸めて、ゴミ箱にほり投げてを繰り返していると、いつの間にかゴミ箱が一杯になっていた。

 

「……ゴミ箱、もう少し大きいのにしよう」

 

デッサン以外にも作業はあるのを踏まえと、今よりも大きなゴミ箱は必要と判断したナツキは後で某密林通販サイトで買おうと決心した。

 

「……名前は何にしようかなぁ」

 

作業の途中にふと名前について思い浮かぶ。作品には名前が必須である。それはガンプラであろうと変わりはない。

 

「……君の新しい名前は」

 

ナツキは紙の端っこに英語で名前を書き込んでいく。

 

「スターダスト……これから生まれ変わる、君の名前だ!」

 

それは、ナツキの大好きな作品から取った名前だった。新しい名前を与えれた高揚感によってナツキのモチベーションが増幅されていく。

 

「よーし、目指せ、GBN復帰!」

 

それから砂川模型店や某密林にて道具や製作に必要なキットを大人買いしたナツキは製作を始めた。

巻季に製作の進捗を報告しつつ、スターダストは少しずつ形になっていく。

 

「っは……わぁ……!」

 

一週間後、ついにそれは完成した。

最後にパーツを合わせて完成したスターダストにナツキは達成感と感動を覚える。

 

「待っててね、スターダスト。明日、必ず君を飛び立たせるから!」

 

明日は日曜日。存分に楽しむ為にも、ナツキは寝る支度を始めた。

 

***

 

翌日、砂川模型店に来たナツキは巻季に完成したスターダストをお披露目していた。

 

「へぇ~、これがナツキくんのガンプラ?」

「はい、スターダストガンダムです!」

 

ナツキの自信と誇らしさに満ちた顔でスターダストガンダムを見せるナツキ。対して、巻季は少し首を傾げていた。

 

「何と言うか、顔はガンダムとジムを足して2で割った顔みたいね。それに、凄いゴテゴテしてる」

 

巻季の指摘の通り、スターダストは顔がガンダムヘッド特有のツインアイではなく、全身も灰色の装甲になっている。

 

「あぁ、試験的に作ったチョバムアーマーです。漫画版0083では、最初はこれに似た装甲が付けられていたんです」

 

漫画0083REBELLIONでは試作2号機と共に行動を前提としていた為、核に耐える為のチョバムアーマーが身に付けられていた。

ナツキはそれを()()()()()を封じるが、防御の向上の為に独自に製作したのだ。

 

「へぇー、じゃあ、中身はれっきとしたガンダムなんだ」

「はい。それじゃあ、行ってきます!」

「うん、頑張ってね!」

 

ナツキは新しく作り直したアカウントを登録したダイバーギアを片手に筐体へと向かう。

筐体にダイバーギアをセットして、その上にスターダストガンダムを置く。ダイブ用のヘッドギアを被って目元までバイザーを下ろした。

 

「行こう、もう一度、あの世界にーーー!」

 

覚悟と共に、ナツキはGBNへとログインした。

*1
ガンプラデュエル。実際にガンプラを動かして戦うゲームである。




第1話でした。
本格的なGBNライフはここからになります。

えーこの作品を書くにおいて様々な人に手伝ってもらいました。
ガンプラの監修にはミストラル0さんにお力を借りさせて頂きました。おかげで無茶苦茶良いガンプラが幾つも出来上がりました。
キャラの方も1部キャラがミストラル0さん、恋文さん、石動大空さんに作っていただきました。すんごい良いキャラ沢山過ぎて有難いです。これからバンバン使っていきます。
改めて、この場を持って感謝させていただきます。

では、次回予告へ……

***

次回予告

GBNへと戻ってきたナツキ。
彼を待ち受けるのは地獄と悪意ある者達だった。
そして、ナツキの前にとある人物が現れる!

第2話 再会の黒薔薇
お楽しみに
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