ガンダムビルドダイバーズ スターダスト   作:オーマピジョン

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始めてのゲスト出演だから結構緊張したぞポッター。
と言うことで、ドキッ!始めての他作品からの出演!新キャラも出るよ!です。どうぞ~

あと今日これまでの倍くらいのボリュームになりました。
急に量が脹れて申し訳ない。

追記
ゲストキャラの台詞を幾つか修正しました


第4話 絶壁の勇者

アッシュに弟子入りしてから数日が経った。ここ最近は簡単なミッションやリアルでのスターダストの新たな装備……通称パッケージを作っている真っ最中である。

 

「基本型、高機動型、水中戦……」

 

高校の食堂で一人ノートに新作パッケージのアイデアを纏めている真っ最中だった。

 

「一応ビーム兵器メインだけど……やっぱりナノラミネートアーマー持ちに対抗出来るようにした方が良いのかな」

 

ナノラミネートアーマー……鉄血のオルフェンズに出てくる動力エイハブリアクターによって生産されるエイハブ粒子が付着することで、強いビーム耐性を得ている装甲である。

スターダストにもマシンガンやバズーカを携行させることは可能である。しかし、それで苦労しない。ナノラミネートアーマーは衝撃にも強い耐性を持っているため、ジムや陸戦型ガンダムのマシンガンでは簡単に倒せないだろう。

 

「となると、対策用のパッケージも必要かな……?」

 

ナノラミネートアーマーに対抗するには断続的な熱、もしくは衝撃が必要である。

 

「宇宙世紀系列となると、やっぱりあれかな……?」

 

スマホで検索をしながら、ノートにアイデアを纏め始める。

 

「よし……後は砂川模型店で必要なのを買って、製作していこう!」

 

ノートに纏め上げたナツキはノートを閉じると、食堂から立ち去っていった。

 

***

 

第4話

絶壁の勇者

 

***

 

更に数日が経過し、ナツキは今日も今日とてGBNにログインする。

エントランスに来たナツキはアッシュの元に行こうと考えていると、話し声が聞こえた。

 

「あのあの!ヴィオレさんですよね!」

「ガンスタグラムいつも見てます!」

 

『ヴィオレ』と言う名前を聞いてナツキはすぐさまそちらを見る。

そこには二人の女性と話している紫の髪を三つ編みにした少女がいた。

 

「え、私の事知ってるんですか?嬉しいなぁ~!あ、折角だし記念撮影しない?次いでにガンスタに載せていい?」

「良いんですか!」

「是非!お願いします!」

 

紫髪の少女は二人の女性と一緒に撮影ーー所謂自撮りーーをすると、「ありがと~」と手を振りながら別れを告げる。

ナツキは別れを告げた紫髪の少女に声をかける。

 

「ヴィオレ!ヴィオレだよね!?」

 

声をかけられた少女ーーヴィオレはナツキの方を振り替える。一瞬誰なのか分からずに首を傾げるが、すぐに誰なのか察して「あー!」を叫ぶ。

 

「ナツキ!?おま、復帰してたの!?」

 

ヴィオレもノゾム同様、幼馴染の一人なのである。人がごった返すエントランスで出会えるとは思えず、ナツキも大興奮だった。

 

「まさかまた会えるなんt」

「お前戻ってきたなら言えやァ!」

「ぐはぁっ!?」

 

ヴィオレの怒りに任せたドロップキックがナツキの腹部に突き刺さる。ナツキは一発でノックアウトした。

 

***

 

復帰して思いっきり蹴られたお腹を撫でながら歩くナツキにヴィオレが背中をバシバシ叩く。

 

「いやぁ、まさかナツキが戻ってくるとは思わなかったからさぁ!」

「だからってドロップキックすることは無いだろう……」

「そこは私に免じて許してほしいな★」

 

わざとらしいあざといムーブにナツキはジト目で見る。

 

「……誰かのモノマネ?」

「あ、バレた?私の推しなんだけどね~」

「またそうやって女の子に色目で見て……」

 

ヴィオレは幼馴染の中でも屈指の濃い性格をしており、女性に色目で見たり、推しCPなるものを見出だしては一人で大興奮している変人である。

初めて会った人ならドン引きしてもおかしくは無いが、長年の付き合いであるナツキとしては『相変わらず』だった。

 

「鈍感なナツキよりかはマシでしょ」

「鈍感?何で?」

「さぁね~。灯台もと暗しって言うしっ」

 

ヴィオレはとある幼馴染を思い出しつつ、階段から飛び降りて着地する。トレンチコートが大きく靡き、縦セタに包まれた巨乳が大きく揺れた。

 

「それで?ナツキは今どうしてるの?」

「それは……」

 

ナツキはヴィオレにこれまでの経緯を話す。

 

ヴァルガに行ったこと

ノゾムに再会したこと

彼から拒絶されたこと

失意の中、セレンが見つけてアッシュの元に行ったこと

アッシュに弟子入りしたことーー

 

「成程なぁ……」

 

一連の出来事を聞いたヴィオレは「はえー」と驚嘆の声をあげる。

 

「最初にノゾムと会ったのはちょっとまずかったね。アイツ、君に嫉妬してるから」

「嫉妬?ノゾムが僕に嫉妬する要素なんて無いだろう?」

 

ナツキとノゾム。どちらが秀でているかと言われると、ナツキはすぐにノゾムと即答する位には、ノゾムは優秀だった。

勉強の成績も、運動神経も、ガンプラバトルも……全てにおいてナツキはノゾムに勝てた覚えはなかった。

 

「君、そんなんだから鈍感って言われるんだよ?」

「えぇ……?」

 

訳が分からず頭が疑問だらけになるナツキ。ヴィオレはそれを見て溜め息をついた。

 

「私から言って良いけど、ルナママがどう思うか分かんないしなぁ……」

「ルナもGBNやってるの!?」

 

ルナと言う名前を聞いたナツキが反応する。

ルナ……四季團最後のメンバーである幼馴染の一人である。

 

「今は……ノゾムと同じフォースにいるよ」

「えっ、フォース一緒の入ってるの!?」

「まぁねぇ……私も誘われたけど、断っちゃった」

 

ヴィオレは少し複雑そうな顔をする。その表情からして、あの一件がどれだけ大きかったかを改めて知ることになった。

 

「ゴメン。僕が逃げたばかりに……」

「もう二年半も前だろう?もう気にしてないからさ。あ、フレンド登録しない?」

「ヴィオレ……うん、今、アッシュさんからフレンド増やせって言われてて、丁度良かったよ」

 

ヴィオレは戻ってきてくれたことを快く歓迎してくれた。その事には内心とても感謝する。

しかし、そこで彼女の厚意に甘える訳にはいかない。ノゾムとルナと改めて向き合う必要があるからだ。

 

「フレンド増やしたいのかい?だったら、良いイベントがあるよ!」

「イベント?」

 

ヴィオレはウインドウを開くと、操作をする。そして、表裏を返してナツキの方に飛ばした。

 

「ユーロエリアのコロッセオで低ランクダイバー同士で勝ち抜け戦をするイベントさ」

「へぇ……オススメするくらいって事は、何かあるの?」

「お、乗り気なのは良いね~。このイベント、色んなフォースが期待の新人を探しに観戦に来るのさ。だから参加するダイバーはスカウトされたくて、実力に自信のある奴等ばかりさ!」

 

もしかしたら有名フォースーー例えばAVALONや第七機甲師団ーーがいて、彼らが自分に興味を持ってくれるかもしれない。

そんなロマンを感じるダイバー達が集まってくるのだろう。

 

「復帰勢のナツキでも苦戦しそうな相手ばかりだよ。どうだい?やってみないかい?」

「そうだね……良い出会いがありそうだ」

「よーし、そうと決まれば行ってみようか!」

 

ナツキはアッシュにイベントに向かう事をメッセージとして送ると、ヴィオレと共にユーロエリアへと向かった。

 

***

 

ユーロエリアにて、ナツキとヴィオレはイベント会場のコロッセオへと赴いていた。

 

「結構人いるんだね」

「大規模なフォースとか、出来立てホヤホヤなフォースは新人が欲しいからね~」

 

フィールドでは既にバトルが始まっており、文字通りの激戦となっていた。

 

「おっ、あそこにいるは~?」

 

ヴィオレは誰かを見つけたのかタタターっと走っていく。ナツキはそれを歩きではあるが追いかけた。

 

「グレイさ~ん!」

「ん?げっ、ヴィオレかよ」

「今ゲッって言いませんでしたか!?酷いですよぉ、撮影してくれたのに~」

「あれはお前が無理矢理撮らせようとしたからだろうが……」

 

ヴィオレがちょっかいをかけたのは、ライダースーツを着たダイバーだった。ナツキもヴィオレとライダースーツの男性の元に向かう。

 

「ヴィオレ、その人は?」

「あぁ、ナツキ、この人はGBNでカメラマンをしてる変わり者のグレイさん」

「お前にだけは変わり者言われたくない」

 

ヴィオレの知り合い(らしい)ダイバー・グレイがナツキに挨拶をする。

ヴィオレはナツキの隣に移動をすると、紹介をした。

 

「コイツはナツキ。私の幼馴染で2年半くらい?ぶりに復帰した奴なんです」

「えっと、ナツキです。よろしくお願いします!」

「ナツキ君か。よろしくね」

 

握手をするナツキとグレイ。その時、歓声がワッと上がる。バトルフィールドを見ると、身体中がひしゃげて戦闘不能になっているスレイヴ・レイスがあった。

 

「アイツすげぇな。今のところ三連勝だろ?」

「ガンダムフレーム……だよな?」

 

観戦している人達の声が聞こえる。彼らが話しているのはどれもスレイヴ・レイスを撃破した、暗いブルーの装甲を纏ったガンダムフレームだった。

 

「ガンダムフレーム?でもあんなのいたっけ?」

「フレームはガンダムフレームで、外装はペイルライダーのをミキシングしたんじゃないかな?」

 

ヴィオレが見たことのないガンプラに頭を傾げていると、ナツキがその改造について予想をする。

それを聞いていたグレイは「へぇ」と感心したように言葉を漏らす。

 

「詳しいね。宇宙世紀系が好きなのかい?」

「はい!0083は特に!」

「そうか。君もこのイベントに参加するなら気をつけるといい。一戦目二戦目を見てたが、あれに乗ってるダイバーは強いからね」

「ご忠告、ありがとうございます。それじゃあ、自分は行ってきます」

 

ナツキはその場を後にする。ヴィオレはナツキに「いってらっしゃーい」と見送ると、グレイを見た。

 

「どうです?面白い奴でしょ?」

「まぁな。お前よりマシで助かった」

「まるで私がマシじゃない言い方!酷い!」

「事実だからだよ……」

 

グレイは心底めんどくさそうな表情をしつつも、ナツキの出番まで待つことにした。

 

***

 

エントリーをしたナツキはスターダストのコックピットで待機をしていた。

 

スターダストは複数のコンテナの内の一つを開くと、ナツキがウインドウを操作してそれを装着していく。

 

「対ナノラミネートアーマー用装備……まさか最初に試すのがこれになるなんてね」

 

一人呟いていると、通信が入る。勝負が終わって、ナツキの番が来たと言う事だ。

 

「よし、行こう!」

 

ナツキは頬をパチン!と叩くと、フィールドへと向かわせた。

 

『さて、初心者勝ち抜け戦!次の参加者は、ダイバーランクEのナツキ選手!使用ガンプラはスターダストガンダムです!』

 

フィールドに出てきたスターダストガンダムは、クロー付きシールドに実弾ショットガン、バックパックには増加スラスターとショートバレルキャノンが追加されている。何より特徴的なのは腰にマウントされた大型の槍だった。

 

「槍!?何あれ……」

「ジーライン・アサルトアーマーのヒートランスか。中々攻めた装備だな」

 

グレイの指摘通り、対ナノラミネートアーマーの参考にしたのはジーラインの換装種類の一つであるアサルトアーマーである。

 

『その挑戦者を迎え撃つのは!現在4連勝中のエース選手の駆るガンダムエリゴス!』

『よっしゃー!行くぜぇ!』

 

アメコミに出てきそうなヒーローの用な格好をしたナツキと年が近そうなダイバー『エース』。そして、ガンダムフレームにペイルライダーをミキシングした機体『ガンダムエリゴス』がスターダストと相対する。

 

「凄い気合い……えと、エースさん、だっけ。よろしくお願いします」

『エースで良いぜ。俺もナツキと呼ばせてもらうからな!』

 

通信を繋いだ二人は勝負前のやり取りを始める。

 

『そう言えばよ。アンタ、キャプテン……ジャスティス・カザミは知ってるか?』

「えっと……何方?」

『えっ、知らないのぉ!?お前人生の半分損してるぞ!いやマジで!』

 

圧倒的迫力で気圧されるナツキ。

しかし悲しいかな。ナツキはつい最近このGBNに復帰したばかりで、半年前から人気を博したG-Tuberのカザミなぞ知らなかった。

 

『まぁ良いや。お前を倒して、ジャスティス・カザミを布教してやらぁ!』

「何か負けたら凄い目に遭いそうな予感!?」

『それでは、勝負、始めっ!』

 

ナツキが嫌な予感を感じ取ったその時、ブザーが鳴り響く。それは勝負開始の合図だった。

 

『行くぜ、エリゴス!』

 

エリゴスは腰のソードメイスを引き抜くと盾を構えて突進してきた。

スターダストはすかさずショットガンを撃つが、盾に防がれてしまう。

 

「何て堅さなんだあの盾……!」

 

後ろに下がりながらショットガンを打ち続けるスターダスト。しかし、エリゴスは盾で塞ぎながら前進を続けた。

 

『おらぁっ!』

「っ、来るっ!」

 

エリゴスのソードメイスが振るわれる。スターダストはそれを避けると、隙を見せたエリゴスにショットガンを放った。

 

『ぐぉっ!?』

 

エリゴスは避けようとするが、肩アーマーに直撃する。しかし、アーマーが凹む程度で済んでいた。

エースは直撃だったらダメージはもっと酷かったと冷や汗をかくが、すぐに戦闘に切り替える。

 

「直撃は避けられちゃったか……!だったら!」

 

スターダストはショットガンを納めると、ヒートサーベルと引き抜いた。槍部分がオレンジ色に輝き、熱を灯す。

 

『ヒート武器かっ!』

「行くぞっ!」

 

スラスターを吹かして突撃を繰り出すスターダスト。エリゴスはそれを真っ向からシールドで受け止めた。しかし、その先端の熱がシールドのナノラミネートアーマーを溶かし、盾を貫こうとする。

 

『やらせっかよぉっ!』

「っ、うぅっ!」

 

エリゴスがソードメイスを振り下ろしたのを、スターダストは大きく後ろへ跳躍して避ける。空中にいる間にバックパックのショートバレルキャノンを放った。

 

『フラウロスのキャノンか!?ぐおぉぉぉ!?』

 

追撃を行おうとしていたエリゴスはそれを避けようとするが、余波がエリゴスの動きを封じる。

着地したスターダストはすぐさま槍を構えて警戒した。

 

『は、ハハッやるじゃねぇかナツキ!そうこなくちゃな!』

「はぁ、はぁ……それは、どうも……!」

 

エースが笑いながらナツキを称賛する。ナツキはその笑みに「何かある」と警戒を強めた。

 

『俺ももっと本気出さねぇとヤバそうだな。行くぜ、エリゴス!お前の本気、見せてやろうぜ!』

 

エースはウインドウを操作してSPと書かれた所を押す。

その時、エリゴスのツインアイが赤く輝き、スラスター部分の光も同様に赤く染まった。

 

『魔王モーォォォォォド!!!』

 

ガンダムフレームのリミッター解除とペイルライダーに搭載されたシステム『HADES』が融合した機能『魔王モード』が今解禁された。

 

「うわ、ヤバそうなの来たなぁ……ナツキ、大丈夫かな?」

「苦戦は避けられないだろうな。どうする、ナツキ」

 

グレイはカメラ越しにバトルの様子を見る。

ナツキはエリゴスから伝わる先程のカザミの話をしている時のエースとはまた違った気迫に押されかけていた。

 

『おぉぉぉぉぉっ!』

 

ソードメイスを構えて突撃してくるエリゴス。スターダストはそれを避けるが、エリゴスとは先程とは違って即座に突きを繰り出してきた。

 

「なぁっ!?」

 

スターダストはすぐさまシールドで防ぐ。しかし、空中にいたせいで衝撃までは受け止めきれず、壁まで吹き飛ばされた。

 

「ゲホッ、魔王って名乗るだけはある……!」

 

コックピット内まで大きく揺れる。咳き込みながらも、衝撃でグラつく意識をエリゴスに向ける。

エリゴスはバックパックにかけていたそれをサブアームで支えながら構えていた。

 

「レールガンっ……!?」

 

スターダストを動かす前に、エリゴスのレールガンが放たれる。その一撃はスターダストの頭部の右を掠めてショートバレルキャノンを破壊していた。

スターダストは破壊されたショートバレルキャノンなど気にせずに立ち上がる。

 

『避けられたかっ。だがなぁ!』

 

スターダストがショットガンを構えるが、エリゴスは腰に内蔵されたアーミーナイフを引き抜いて投擲をする。ナイフはショットガンを弾いてスターダストは大きな隙を作ってしまう。

 

「しまっーーー!」

 

反応するも時すでに遅し。ソードメイスを構えたエリゴスが眼前まで迫っていた。

 

『どるぁぁぁぁぁっ!』

「っぐあぁぁぁっ!?」

 

スターダストが避けようとするが、その先端は右肩アーマーを深々と貫通した。そのまま突撃するエリゴスはスターダストを壁に叩きつける。

 

『これで、終わりだァっ!』

 

エリゴスはスターダストのコクピット部分にレールガンの先端を押し付ける。

 

「終わったか……」

 

その様子を見ていたグレイは決着が着いたと確信する。誰から見てもエリゴスがレールガンを撃ってコクピットを破壊。スターダストの戦闘不能までが目に浮かんでいた。

 

「んー、それはどうですかなぁー?」

 

しかし、その意見とは真逆に、ヴィオレは杞憂で済むかもしれないと言わんばかりに余裕の表情だった。

 

「終わり……?」

 

一方、コックピット内で目を見開いて胸部に押し付けられたレールガンを見ていたナツキはギュッと強くレバーを握った。

 

「まだ始まったばかりなんだ!こんな所で……終われるかぁぁぁっ!」

 

レールガンが撃たれる直前、ナツキの咆哮と共にスターダストはソードメイスが突き刺さった右肩を引き千切りながら拘束を抜け出す。

 

『っ、しぶてぇなぁ!』

 

突き刺していたソードメイスを引き抜いたエリゴスがレールガンを構え直すが、スターダストは左手に握ってあったショットガンを放ち、レールガンを破壊した。

 

『コイツッ……!』

「おぉぉぉぉぁぁぁぁっ!」

 

ショットガンを投げ捨てて、ヒートランスを構えたスターダストはスラスターを全開で吹かして一気に直進する。

ヒートランスの先端はコックピットに直撃するが、少し凹んだだけだった。

 

『残念だったな!これで……』

「まだだっ!」

 

スターダストはスラスターを吹かし続ける。ヒートランスで突き刺したエリゴスを巻き込んで壁に叩きつけた。

 

『まさか、熱でナノラミネートアーマーを貫くつもりか!?』

「ぐっ、うぅぅぅぅっ!」

 

獣の様に吠えるナツキは左のレバーを力任せに押し込む。しかし、エースもやられっぱなしは気にくわなかった。

 

『終われないのはこっちもなんだよ!』

 

エリゴスはソードメイスを真上に掲げる。そのまま重力に任せてソードメイスを振り下ろし、スターダストは潰されーー

 

『ごあっ!?』

 

その時、エースのコックピットが衝撃で揺れる。そして、真横に間接部分からもがれたソードメイスを握る腕が落ちてくる。

エースがスターダストを見ると、破壊されていなかったショートバレルキャノンから煙が出ていた。

 

『まだだ!まだ諦めてたまるかぁ!』

 

エリゴスは足を上げると、スターダストの腕を蹴りつけた。しかし、それでもスターダストは押し込もうとする。

 

「うあぁぁぁぁぁっ!!」

『うおぉぉぉぉぉっ!!』

 

両手で左レバーを押し込んで前進を続けるナツキと、エリゴスに何度も腕を蹴らせるエース。両者共に叫びながら抵抗を続けていた、その時だった。

ガキン!と何か重たい音が響いた。

 

「はぁーー、はぁーー……!」

 

荒く呼吸をするナツキはカメラを下に下げる。ヒートランスはエリゴスの胸部を深々と突き刺していた。

 

『し、勝負アリ!勝者、ナツキ選手ーーーっ!』

 

わぁぁぁっ!と歓声が上がる。

観客席から見ていたヴィオレも拍手をする。

 

「何と言うか、泥臭い奴だな」

「そこは二年半前から変わってなかったですねー。ちょっと安心しました」

 

グレイと会話しつつ、ヴィオレはスターダストを見る。その目は嬉しそうな、安心していた様子だった。

ヒートランスを手放したスターダストは尻餅を着いて座り込む。

 

「は、はぁぁぁ……」

緊張が解けて膝から崩れ落ちそうなのを必死に堪えながら、ナツキは勝利を掴んだ余韻に浸った。

 

***

 

本来なら勝ち抜き戦だが、スターダストはエリゴスとの激闘で大破していたのでナツキは抜けることになった。

 

「いやぁ、お見事だねぇナツキ!」

「ありがとう、ヴィオレ。でも背中が凄いいたたたたた!!」

 

ヴィオレがナツキの背中をバシバシ叩く。あまりの強さにナツキは絶叫せざるを得なかった。

 

「お疲れ様、ナツキ君。君の勇姿、しっかり撮らせてもらったからね」

「グレイさん!あ、撮影ありがとうございます!」

 

グレイが撮ったスクリーンショットをナツキに見せる。どれも上手く撮れており、ナツキは頭を下げて感謝する。

 

「おーい!」

「あれ……エース?」

 

すると、さっきまでナツキと戦っていたエースがやって来た。エースは走ってきたのか膝に手を着いてぜーぜーと息をすると、呼吸を整えてサムズアップを決めた。

 

「ナイスバトルだったぜ!」

「ありがとうエース。君もスゴかったよ。あと、ジャスティス・カザミだっけ?ちゃんと見るよ」

「おう、サンキューな!」

 

勝負の前に布教されたカザミの動画を見ることを約束しつつも、互いに称賛しあう。

それを微笑ましく見ていたヴィオレは本来の趣旨を思い出してナツキに言う。

 

「ナツキ、フレンド申請しなくていいの?」

「あっ!グレイさん、エース、僕とフレンドになってくれないかな?」

 

フレンドを増やすために来たのに、忘れてしまってた事にヴィオレは少し呆れる。しかし、思いだしたナツキはフレンド申請をした。

 

「おう、良いぜ!一緒にカザミさんについて語り合おうぜ!」

「君とフレンドになったらいつか面白いものが撮れそうだね。良いよ」

 

エースとグレイはその申請を受け取ってナツキとフレンドになる。

こうして、アッシュとセレンだけだったフレンド欄は少し増えたのだった。




と言うことで、今回のゲストはミストラルさんの執筆する作品『ガンダムビルドダイバーズ:Finder』からグレイさんでした。
ミストラルさんとは結構お世話になってまして、このBDSDに出てくるガンプラもミストラルさんにアイデアを貰いました。ホントに助かってます。
ビルドダイバーズ:Finderの方ももう何処からそんな湯水みたいにアイデアが溢れ出てるんだと言わんばかりに個性的なキャラとガンプラばかりなので無茶苦茶面白いです。

もうそろそろキャラもガンプラも増えてきたので設定も出す予定です。設定出したら話数出す度に更新する予定なので、そちらもお楽しみに。

それでは、次回予告へ……

***

とある出来事で見出されたスターダストの新たな可能性。

ナツキはその可能性を形にする為のヒントを求めて砂漠の聖地へと向かう。

聖地でナツキを待ち受けるのは、出会いか、それとも……

第4話 砂上の帆立貝
お楽しみに
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