学生の本分は勉強だルルォ!? なゲームの実況プレイ、続きます。
前回はアナスタシア姉貴が図書室を制圧したり放送室を寝室にしましたね。
今回は生徒会室から再開です。
明け方まで見張りをしたら、皆が起きてくるまでの数時間を仮眠に充てましょう。
休まるかもわからないメトロでの休憩に慣れているアナスタシア姉貴からすれば、生徒会室でゆっくり眠れるのは充分と言えます。
というか寝てるアピールをしないと夜から朝まで縄で縛られるので……(2敗)
──と、暫くしてからめぐねえとゆきちゃんが起こしに来ましたね。ゆきちゃんは布団に飛びかかるのはやめるんだ! グエーッ!
……おはようございます(半ギレ)
ついでにめぐねえにはもうすぐレベル2に到達する日本語で挨拶をします。見張りをしながら反復練習した発音をクラエ!(cv琴葉の赤い方)
──はい、面食らっためぐねえが一拍置いてふにゃりと破顔しましたね。歳上の教え子が勉強の成果を披露するのは嬉しいか~木村~?
……閑話休題。
朝食があるので、マットレスと掛布団を畳んで端に寄せておきます。
ちなみに寝起きでセーターを脱いでいるアナスタシア姉貴は、シャツと下着というラフな格好をしておりました。そら寝てるときにまでジーンズなんか穿いてられんわな。
おいめぐねえ……お前さっきアナスタシア姉貴が起きたとき、腹筋チラチラ見てただろ。嘘つけ絶対見てたぞ(断定)*1
腹筋が薄く割れつつ乙がめぐねえよりある完璧な女体をしているので、同性が見惚れてしまうのも無理はないんだよなぁ……(ナルシスト)
──ヨシ!(朝食猫)
イカれた朝食を紹介するぜ! カップ麺(醤油味)と屋上の野菜、以上だ!
……なんか、カップ麺食いながらのサラダって、ポテト食いながら『野菜だからセーフ』って言うくらいアウトじゃない?
これは4日目に警察署行くついでに薬局からビタミンのサプリも確保しないといけませんね……まあ地下鉄で20年近く暮らしておきながら肌荒れしていないつよつよお肌のアナスタシア姉貴にはこの程度ではダメージにもなりませんが。
明日は無洗米を炊いて缶詰開けてお握りでも作って貰いましょうかね。遠征中の昼飯が欲しいので。では朝食も終わり、残りの時間はめぐねえのパーフェクト国語教室となります。
──ので、今回は短いです。明日は弾薬補給編なので許してや城之内……(レ)
世界がこうなってしまっても、めぐねえが教師であり子供組が学生である以上、日常を忘れてはいけないんですね。
授業という形で日常を忘れないというのは、ある種現実逃避ではありますが。
ともあれ、三人の横で幼児向け絵本を読みながら日本語の勉強をするアナスタシア姉貴はくっそシュールですね。──お、【日本語Lv2】に上がりました。これにより、日本語の聞き取りに加えて簡単な会話での意思疏通が出来ます。
【Lv3(MAX)】になれば流暢な日本語になるし、読み書きも簡単になります。ついでに言うとロシア語で話す機会も減るので私の字幕による翻訳という手間が省けます。嬉しいね。
めぐねえによる平仮名のみの文章問題をアナスタシア姉貴に答えさせたりもしつつ、マジで短いですが今回はここまで。次回は警察署に向かったり悪党をぶちのめしたりNPCと臨時パーティを組んだりします。お楽しみに。
──住宅の隙間から朝陽が顔を覗かせて、アナスタシアは反射的にまぶたを閉じる。
くぁ、と小さくあくびをして、彼女は見張りを切り上げて背中にティハールを担ぎ、椅子を教室に戻してから生徒会室に戻った。
「──ンン」
メモ帳とボールペンをリュックに放り、上着とジーンズを脱いで布団に潜る。
周囲を警戒しつつ片目を開けて眠っていたようなあの感覚を必要としないというのは、アナスタシアにとってかなり珍しいモノだった。
清潔な部屋で清潔なマットレスを使い眠る。これほどまでに落ち着く時間があっただろうか、と、そんな事を考えていた彼女だが──いつの間にか、その意識は深く沈んでいった。
数時間経ったとき、アナスタシアを起こしに来た慈と着いてきたゆきは、生徒会室の扉を開ける。その一角で眠っているアナスタシアに、あろうことかゆきが飛びかかって叩き起こした。
「おっ──はよーう!」
「ヴッ」
「えぇっ!? こら、丈槍さん!」
「…………ヤメロ」
「うへへ、ごめんなさい……あれ?」
「──ん?」
起き上がりながらゆきの制服の襟を掴んで引き剥がしたアナスタシアの銀髪が一房前に垂れる。ふと疑問を覚えた二人は、彼女の言葉を思い返し──続けて口を開けたアナスタシアが慈に顔を向けると、たどたどしく声を発した。
「──おは、よう?」
「────!!」
「……Ты сде
首をかしげて更に続ける。意味は分からずとも『言葉を間違えたのか?』と聞かれていることを察した慈は、首を振って返す。
「いっ……いえいえ! 合ってますよ、凄いですねアナスタシアさん。昨日の今日でもう覚えてしまったんですか?」
「スコ、し」
不安そうに口角を歪めるアナスタシアに、慈は、言葉にならない歓喜の感情が胸の奥で渦巻いていることに気づく。
教師として子供の成長が嬉しいのと同じように、アナスタシアが日本語を学び、結果を残した事実が、どうしようもなく嬉しかったのだ。
「──って、アナスタシアさん、なんて格好してるんですか!?」
「Это
「…………っ」
布団がめくれ、アナスタシアのシャツと下着だけというあまりにも無防備な格好が──シャツの下の割れた腹筋が視界に入り、慈はボッと顔が燃えたように熱くなるのを感じる。
ゆきをどかして傍らに置いてあった脱いだ衣服を手繰り寄せて、頭に疑問符を浮かべながらアナスタシアはジーンズを穿いてセーターを着込む。服の中に入った銀髪を両手でばさりと出すと、彼女はどこかスッキリとした顔をする。
ここ暫くで、アナスタシアは、きっと初めて満足に睡眠を取ったのだろう。
──これは正しいことなのか、そんな事を脳裏に浮かべつつ、佐倉慈は、四人の生徒を前にして教卓に文字を書き込んでいた。
もっと他にやるべき事があるのではないか。あの動く死人への対策を練るべきではないのか。そんな不安を、慈は教師という仮面で隠す。
……けれど、と続ける。しかし、そう、慈は教師だ。教師として、目の前の子供には勉強を教えなければならない。世界が非日常に落ちてしまったから、というのは、日常の中でしてきたことを忘れていい理由にはならないのだ。
彼女たちが、そしてなにより慈自身が壊れないように、息抜きが必要なのだ。
そんな風に現実逃避をしながら、黒板に平仮名で問題文を書いた慈は、ふわりと柔らかく笑って──アナスタシアを指した。
「アナスタシアさん、この問題を解いてみてください。ゆっくり考えてみて、ね?」