異世界はねこ達と共に   作:ササカズ

2 / 9
あと今回は説明回ですのでにゃんこ大戦争要素はあまりありません。
次回からもりもり出していこうと思っています。

では…どうぞ…!


大迷宮とにゃんこ軍団
異世界転移、それはそれとしてテルマエ出た


突然の目をやられ「目がァー目がぁー!!」していたハジメはざわ・・・ざわ・・・とした周りの気配を感じゆっくりと目を開けた。

 

瞬間!ハジメの脳内には彼自身の青春が思い出されていた!

オタクがバレていじめられたこと、初めて教科書を隠された時のこと、あって数分のねこに自宅の部屋をねこ基地に改造されたこと。

そのどれもがハジメの心を抉るには十分過ぎた!!

 

(黙れナレーター。スピーカーオフにすっぞ)

 

畜生め!!

 

 

 

さて、ハジメが目を開けると出てくるのは巨大な壁画。

縦横10m程の長さの壁に金髪の中性的な男がニッコリと微笑んでいる中で後光が差し込んでいる様子が描かれていた。後ろには山や川、草原と湖が描かれていてそれらを抱きしめるような様子が描かれていた。

現代の美術の構図で1番近いのはイエス・キリストだろうか。

 

しかしハジメはどこか薄ら寒いものを感じてしまっている。

正直に言うと嫌悪感でいえば神さまが自分の部屋で全裸踊りをしていたのを見てしまった時よりも高い。

今すぐその鼻っ柱をへし折って綺麗な顔面を醜く塗り替えたいぐらいだ。

 

他人(自分)の嫌悪感を煽る絵からそっと目を逸らして次は周りを観察する。

どうやら自分達は広い大広間のような場所にいるらしい。

 

大広間の素材は…綺麗な石だ。

多分大理石だろう。

なめらかでツヤがあり鏡のようにクラスメイトやハジメを写している。

掃除が行き届いている証拠だ。

 

柱は大広間を支えていると同時に1本1本に彫刻が彫り込まれていて職人の意地がこちらにも伝わってくる。

 

天井はドーム状になっていて丸みを帯びている。

荘厳な気配を醸し出していてたっているだけで緊張してくる。

アラブの城、もしくはヨーロッパの大聖堂だろうか?

どれもこれもが現代では作るのにかなり時間のかかるような代物だ。

建築様式や彫刻の具合を見てギリシャ系統のルネサンス時代の代物だと僕は踏んでいる。

 

周りにはボケっとしているクラスメイト達が全員居る。

みんな、教室に居たのに学校とは似ても似つかない場所に来て脳のキャパシティを超えたようだ。ほとんどの人が呆然としている。

どうやら教室内にいた人達は全員巻き込まれたらしい。

 

僕達が居るのは大聖堂のような場所の中でも奥の方で床が高く上座に…と言うよりも台座に立っていた。

 

そして最後にできるだけ目を逸らしていた前を見る。

前にはクラスメイトや愛子先生とも違う30人ほどの人間がまるで祈りを捧げるように居たのだ。

祈りの捧げ方はヨーロッパのキリスト教の祈り方に近い。

全員、金の刺繍を付けた白いゆったりとした法衣のような服を身にまとい、傍らには錫杖を抱えていた。

まるで新興宗教の信者のようで怪しさ満点である。

 

ハジメの脳内で渦巻く仮説は誘拐、監禁、無差別テロetc.…ただひとつ分かるのは確実に厄介なイベントであるということだけだ。

 

現在、ハジメの脳内で誘拐疑惑を掛けられている新興宗教の信者達をかき分けながら周りの人達よりも明らかに豪華に服を着飾った老人が前へとでてきた。

ゆったりとした服を着ていた人達よりもそれ以上の金と白のコントラスト。

特に30cm程もある様々な模様や刺繍を施された烏帽子を被り歩く姿は宗教関係であり、周りにいる30人ほどの人達が信者だとするならばあの着飾った老人は見た目は紛れもない教祖である。

 

(70歳にしては纏う覇気が段違いだな。面倒くさい事になりそうだ)

 

ハジメがそう思うのも無理はない。

なぜなら老人の瞳はつぶさにクラスメイトから何かを見定めているように笑顔を見せながら無遠慮に観察しているのだ。

多分クラスメイト達は気づいていないだろう。

もし分かったらもう少し警戒を見せるはずだ。

 

「やぁやぁ初めまして。ようこそトータスへ。異世界からお越しの勇者様とその同胞がた。歓迎致しますぞ。私は聖堂教会で教皇の地位に就いておりまする。イシュタル・ランゴバルドと申す者。以後よろしくお願い致しますぞ」

 

そう言ってイシュタルと名乗った老人は好々爺とした(うさんくさい)笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

現在、僕達はイシュタルと言うジジイの案内により大広間を移動していた。

 

「ん?」

 

「どうしたのでしょうか?」

 

「いや、何か嫌味を言われたような気がしまして」

 

えーこわーい。いったいだれなんだろーなー(棒)

というか勘が鋭いな。

これは面倒くさいな。いずれ僕達の敵になる前に始末でもしておくか?

 

「…気の所為でしたか。すみません。このような事で勇者様を止めてしまい」

 

「いえいえ、大丈夫です」

 

にしてもあいつ(天之河)って僕以外には優等生なんだな。

多分僕が同じことをしたら「もっと他人を信用したらどうだね」とかガミガミ言うだろうし。

何か知らんが面倒くさいしな。

 

途中でいくらかのアクシデントがあったがイシュタルに連れられてようやく案内が終わった。

 

ハジメ達の目の前には10メートル以上はあろうかという大きなテーブルが何個も並んだ部屋に来ていた。

 

この部屋もハジメ達がいた部屋と負けず劣らず豪華だ。

掃除が隅々まで丁寧に行き届いている。

テーブルにはキラキラとした調度品が置かれていて一見すると貴族の食事処を思わせる。

 

テーブルには上座の近くには天之河達4人と愛子先生が、後は取り巻きから順々に座っていく。

僕?

1番最後の端っこですが何か?(半ギレ)

 

全員が席に座ると絶妙なタイミングで某弾幕ゲーの完璧メイドの服のスカートをロングにしたようなメイドさんが現れた。

ついでに美女である。

もう一度言おう

美女である!!

 

流石に男としては見ずには居られない。

男はいつだってスケベが大好きなのだ…。

 

 

 

流石にガン見は不味かっただろうか。

女子からの冷たい視線と背筋に氷柱をぶっ込まれたかのような悪寒が止まらない。

酷い、ほかの男子も見ていたのに。

そっと天之河の方を方を見ると飲み物の給仕をしていたメイドさんがそそくさと顔を赤くしながら離れていくのを見てしまった。

ラノベの主人公かよ!か〜、ペっ!!

 

 

 

 

 

全員に飲み物が行き渡ったことを確認するとイシュタルが話し始めた。

 

無駄に長ったらしいため要約すると

 

 

この世界には人間と魔人、そして亜人が居るよ!

人間と魔人は仲が悪くて何百年も野郎オブクラッシャー!!を続けているよ!

魔人は強いけど数が少ないから数でのゴリ押しで戦えていたよ!!

最近魔人が魔物のコントロールを覚えたよ!

数の有利を相手にも持たれて人間大ピンチ!?

神「異世界の勇者を呼び寄せてやるで」

俺ら召喚

勝った!勝った!夕飯はドン勝だ!!

 

という訳らしい。

まあ、言いたいことは沢山あるが一番最初に言いたいことだが、

ただ終わらない戦争の尻拭いを押し付けられただけじゃねーかばーか!!

チクショウメェ!!

「貴方がたを召喚したのはエヒト様です。我ら人間達を見守る守護神であり、聖教教会の唯一神、そしてこの世界を作られた至上の神です。恐らくエh〜〜」

 

黙れ!!ジジイの恍惚とした顔なんて見たくないんだよ!!

というかガチで新興宗教じみてきたじゃねーか!!

異世界にも狂信者とか居るのか…知りたくなかったそんな事実。

 

「〜なのでその力を振るって魔人族を打ち倒し人間族たちを救って欲しい」

 

遂には子供に戦争をしろと?

バッカじゃねーの!!

そういうのは大人を召喚しろよエヒトォ!!

なに子供を召喚しているんだ!?!?

 

「ふざけないで下さい!!この子達に戦争をさs…」

 

ガタ!!

 

ええい!もう我慢出来ん!!

 

「ど、どうしたんですか?南雲くん?」

 

「おや?どうかされましたかな?」

 

愛子先生の心配している視線にイシュタルの訝しげな視線。そしてクラスメイト達の嫌な視線が突き刺さる。

今、この場で僕は独壇場。

だがそんなの僕は知ったこっちゃない。

僕は、僕のやりたい事をやるだけだ。

 

「すいません……トイレに行かせてください」

 

 

ズコーー

 

 

あっ、いいねその脱力した顔。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと…「デキマセン!」「シカシモトノセカイニソウカンハデキマセンヨ」

 

うん、だいたい分かった。

今、僕が居るのはトイレの中だ。

 

内側からしっかりと鍵をかけ外には誰かが来ないように神経を研ぎ澄ましておく。

 

何故僕がトイレに行きたいと言ったのか。

それは便意が出たというわけでは決してない…ないったらない。

 

まぁその前に1つ説明を。

僕がいつも持っているショルダーバッグには部屋でゴロゴロしていたねこ達によって魔改造され機能が2つ付いている。

 

1つ目は内部の拡張機能。

これにより普通のショルダーバッグよりも大量の持ち運びが可能になる。

 

問題は2つ目だ。

まぁ、簡単に言えば転送機能がこれには付いている。

繋がっている場所は僕の部屋を(勝手に)改造して作られたねこ基地と呼ばれる場所だ。

あいつら何勝手に襖を貼っつけたり空間拡張させて部屋を広げたりしているんだ?

 

流石に人間とかは無理だが紙やゲーム、挙句の果てにはねこ達すらこれを通ることによってどこに行こうがショルダーバッグから出れるというトンデモバックとなっている。

 

まぁ、ここまで聞いた人達は察してくれただろう。

 

ーージジッ、と音を立ててジッパーを開けていく。

普通のショルダーバッグならば中に入っているものは直前に入れたものだけだろう。

だがハジメは確信していた!

 

ジッパーを開けきり中を確認するとそこには…

 

 

「大丈夫かにゃ?ハジメは死んでないにゃ?」

「寒いにゃー」

「うう…狭い…」

「にゃー、この勇者を狭い所に閉じ込めるとか許せないにゃ!!」

「まぁ待つにゃ、コンピューターの計算によるともうすぐで…にゃ?…」

「「にゃーー!!ようやく繋がったにゃー♪♪」」

 

 

 

ーーー瞬間トイレから轟音が響いたが幸いにも聞いている人間は居なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっぶねぇ。お前ら出すぎだわ!!」

 

「にゃー、仕方ないにゃぁ。これでも絞った方なんだにゃ」

 

「「「にゃあにゃあ」」」

 

「黙らっしゃい!!」

 

現在、ハジメはトイレで轟音を立てて現れた猫たちを叱り付けていた。

 

駆けつけてくれていたのは

 

「ねこ」と「ネコカベ」、「勇者ネコ」に「もねこ」、最後に「ネコハッカー」の五体である。

どれもこれもハジメが前線によく出てもらっているねこ達だ。

 

「でもなんでこの五体何だ?いやケチを付けるわけじゃないんだけどネコムートとか鶴の恩返しとか希望の船NNNネコヴンダーとかいたよな?」

 

「一応行けたんにゃが僕らの戦闘を思い出してほしいにゃ」

 

「あっ…(察し)」

 

僕らの戦闘は簡単だ。

少しの質と数の暴力で文字通り()()()()

相手が自身のねこを10体倒したら20体生み出し配備する。

100体倒されたら1000体。

その都度相手が倒すよりも多く生み出し物量で削る。

 

つまり彼らは質よりも数を優先させたということだ。

ならば彼らが最適だろう。

 

ねこは初期から居るためクールタイムが早く一定の戦果を叩き出せる。

勇者ねこは攻撃速度がそこそこ早く、そこそこ攻撃力があるため相手を削るのに意外と役立つ。

ネコカベは体力が多く相手から味方を守るのに特化している。

もねこは意外とステータスが高いためガンガン相手を削ってもらい

ネコハッカーは壁さえいれば安全圏から相手を一方的に攻撃できる。

 

ついでにネコハッカー以外は低燃費な為いざとなれば限界ギリギリまで出せるのも大きな利点だったりする。

 

「なるほど。理解した」

 

「分かればいいにゃ。次は僕達にゃ。ここはどこにゃ?」

 

「異世界だ」

 

「「「にゃ!?にゃんだってぇぇぇえ!?!?」」」

 

「黙れ!!外にバレる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメ達は現在、ハイリヒ王国の王城内にいた。

ハジメやねこの大声によって信者や生徒達がやってきていたため全力でねこ達を説得してバックの中に隠れさせておいたのだ。

 

結局、戦争をする事は決定したらしい。どうやら天乃川がクラスを纏めて最終的に決定させたらしい。

あんたバカァ?(中傷)

 

という訳でこの聖教教会の総本山である『神山』の麓の国であるこの『ハイリヒ王国』にて確保してくれるらしいため来たのだ。

 

現在はハイリヒ王国の宮殿、その玉座の間に真っ先に案内されている。

時々兵士やメイド、文官や賢者らしき人達とすれ違うのだが誰も彼もが期待の眼差しを向けてきてむず痒い。なんで他の人達はそんな誇らしげにできるんですかねぇ?

 

 

豪華で大きいサイズの扉の前に行く。

近くには兵士が2人置かれていてイシュタルと僕らが近くに来るとイシュタルと勇者達の到着ですと大声で張り上げたのを見計らいイシュタルは()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「(あれ?普通は国家運営をしている方が上だよね?なんで返事を待たないの?)」

 

「(まあ待つにゃ。もしかしたら王様とイシュタルの2人が仲がいいだけかもしれないにゃ)」

 

「(王様と仲がいい僧侶って凄いんですね!!)」

 

「(それはそれで政治的な癒着なんですけど…)」

 

「(なんで僕は勇者なのにこちらに行けないにゃ?)」

 

「(静かに!!今ハイスコアが出そうにゃ!!)」

 

「(なんかオタクネコに戻ってない?)」

 

扉を抜けるとそこはひときわ広い部屋に真っ直ぐ続くレットカーペット、その先にあるのは豪奢な玉座、玉座の前には初老の男性がたって待っていた。

 

隣にはとても美人な…だいたい14から15歳位の王女様だろうか。

そして男性のもう隣は金髪慧眼の10歳位の男の子だ。あら可愛い。

 

そしてイシュタルが近づくと国王(暫定)が恭しくそっと掌にキスをする。

ハジメとバックの中にいる人知れずため息と恐怖心を高めた。

 

「(これあれですよね!しゅーきょこっか?って言うのですよね!)」

 

「(宗教国家だよ。もねこ)」

 

「(ありがとうございます!ハジメさん!!)」

 

「(多分根っこがドロドロに腐っているにゃあ…)」

 

「(侵略しがいがありそうな国にゃんねぇ!)」

 

その後はトントン拍子で物事が進んだ。

 

なんと勇者が来てくれた記念に豪華な異世界料理が食べれるらしい。

いやー凄いなぁー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮病で先に部屋に案内して貰いました。

異世界料理?

食べませんが何か?

 

「にゃー、ベットがフカフカにゃー」

 

「あっ、ズルいですねこさん!私もベットに行きたいです!」

 

「にゃらば普通の拠点に帰ればいいにゃん。カベネコ達はもう帰って後は3人だけにゃん」

 

「あ〜ハイハイ、ちょっと静かにしてくれ。僕はもう寝るから」

 

ねこ2人がとてもうるさいが心地よい。

流石に天蓋付きベットがある部屋に案内された時は愕然としたハジメであったがようやく寝れると思うと胸がいっぱいだ。

 

支給されたパジャマに着替えることなくベットに倒れ込み寝る準備が整った。

 

「あれ?ハジメェー遊ぼうにゃ〜」

 

「そうですよ。夜はこれからなんですから」

 

うるさいが返答する気力も湧かない。

明日はどうなるんだろうか?

そう思いながらこの激動の1日を忘れるためにねこ目を憚らずにぐっすりと寝てしまった。

 

「え?マジで寝ちゃうにゃん?ちょっと〜、遊ぼうにゃ〜」

 

「あっ、これはほんとに眠いのですね。しょうがないので私達も寝ましょう」

 

「むうぅぅう」

 

これが夢であることを信じて……。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。