「アニキ―・・・ホントに行くんすか・・・」
「黙って前見てろ・・・チッ、嫌な雨だ・・・」
馬車の御者席から盗賊二人がぼやいてるのが聞こえてくる・・・気持ちはわかる
あの後、何やら準備が終わったらしい盗賊達は馬車二台で出発、今は豪雨と雷鳴の中をガタガタと走行中だ
しかもどうやら話を盗み聞いてると少し前から山道をが知っているらしい
ちなみに自分らは二台目の馬車である
「うう・・・」
・・・うーん、どうしようかなこれ
一緒の馬車には盗賊に捕まったのか、何人か首輪と腕輪をつけられた人・・・がいるのだけど
一人は羊みたいな角が頭から生えてる少女、
一人は黒い肌に悪魔みたいな角をはやした少女
一人は耳が尖った、いわゆるエルフみたいで他の二人よりは少し年上そうな女の子
一人は盗賊に乱暴でもされたのか傷だらけの金髪の青年。
そして最後に
「ひぅっ・・・」
「くぅーん・・・」
おそらく普通の10歳超えたくらいの痩せた人間の少女と、その少女の近くにおいてある折の中に入ってる緑色の子犬・・・あれ子犬か?
≪あれはフォレストウルフの子供ですね!フォレストウルフは強力なうえに珍しい魔物です!≫
あ、あれ狼なのか
≪あとは羊の獣人と魔族とエルフと人間ですね!テンタクル種としては可愛い女の子がいるのはうれしいのでは?≫
淫獣みたいに言わないでほしいんだが・・・確かに可愛いくはあるけど
とりあえず、この場にはヒト5人と子狼一匹、あとは見たところ盗賊の保存食と何か入ってるだろう木箱が数点と・・・
ガタガタ・・・ガタゴト・・・
・・・なんかひと際大きいうえに厳重に封がされててしかも時折明らかに中でなんか動いてるデカい木箱だ・・・あと触手が入ってる壺
うーん・・・せめて壺の日々がもう少し大きかったら何とか抜け出せそうなんだけど・・・何か固いもの無いかな
一本だけならしっかり動かせる触手を外に出せるけど・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」ジー
あ、見られてる・・・いやそれよりも何かあるか探さないと・・・
≪うーん、【魔力変換】のスキルがもうちょっと高レベルならもしかしたら自力で脱出できそうなんですけどね≫
え?そうなの?
≪はい!【魔力変換】のレベルが上がれば、ただ自身の魔力回復をするだけじゃなくて余剰魔力が発生したときに多少のステータス上昇も期待できます!≫
ほうほう・・・あ、そうだサディ、せっかくだし
≪ふっふっふ、分かりました!≫
きっとヒトの姿だったら腰に手を当ててドヤ顔で解説しはじめそうな調子だ・・・一回触手を戻しておこう
≪スキルっていうのは大雑把に言えば特技とその習熟度ですね!基本的には使い込む事でスキルレベルが上がってより強力なものになっていくので、例えば【料理】スキル所持者なら料理すればするほどレベルが上がります!≫
うんうん、よくゲームとかでもある話だ
・・・って料理もスキルなのか
≪あ、これは良く間違われるんですけど別に【料理】スキルが無いから料理ができないとかそんなことはないですよ!≫
ん?というとどういう事だ?
≪確かにスキルとして昇華されているかいないかで結構違いますけど、スキルとして昇華されるのは各々個人の才能とか適正とか色々条件があるんですよ!これはスキルとして習得した際の成長速度とかにもかかわりがあります!≫
ふむふむ・・・スキルの有無の具体的な違いってどういう感じ?
≪えーと、【料理】で例えるならスキル無しだとレシピ通りにしかおいしく作れないけどスキルありだとアレンジしても大丈夫!・・・的な感じでしょうか?≫
なんとなくわかるような・・・?
≪逆にユウ様の持ってる【寄生】のように特定の生物しか基本所持できないスキルだったり、あとは既に取得している相手から習って習得したりレベルアップできるスキルもあったりしますね!≫
て事は、一言でスキルって言っても本当に様々なのか
≪スキルシステムは『誰が何をできるか』というのを分かりやすくした物ですので!実は結構大雑把に作ったって依然聞きました!≫
えぇ・・・いいのかそれ・・・
≪ちなみにユウ様はハッキリ可視化して見ることができますけど基本的に高レベルの【観察】持ちや高性能な情報開示アイテムでもなければ他人がもってるスキルなんて『あ、こういうスキル持ってるな』くらいにしかわかりませんので問題ないです!・・・ですけど、そんな感じなので実は高レベルのスキルを持っていてもそのスキルを活かせる機会がなくて持っていることに気づかないという事もあるみたいです≫
ふーむ・・・あくまで目安や指標ってところかな?
・・・・・・ん?
≪ちなみにスキルの枠に収まらないものは・・・あれ?どうかしました?≫
なんかこう、ザワッとするというか・・・本能的に落ち着かないというか
≪そういうスキルを所持してないはずなので・・・つまり野生の勘というものでしょうか?≫
う・・・落ち着かない・・・外の様子はどうだろうか
「・・・・・・」ジー
「・・・・・む」
たしか魔族の子だったか、その子がまたじっと見てきた
ついでに金髪青年の方もこっちに気が付いたのか警戒してるっぽい
他は・・・エルフと人間の女の子は子狼の折の近くで身を寄り添ってるな
残りは・・・
「・・・・・・ううう」ソワソワ
「ウウ・・・がるる・・・」ソワソワ
羊の子はなんか落ち着きがなさそうだし、子狼もあれなんか唸ってないか?
―――――――――――――――――――――――――――オオオオオオオオオオオオオオンンンンンンンン
!!?!!??
やばい、一気にきた、これは魔物としての本能がなんかわからないけどやばいって言ってる!?
「――――――――っ、てめえらなんでもいいから捕まれ!!」
うお、御者席に座ってた盗賊が飛び込んd『ドゴォ!!』ごっふ!?
え、ちょっと、今なんかデカいのがぶつかってきたような音ってあれこれ馬車斜めになって・・・いやなんか浮遊感g
バキバキバキベキベキ・・・ドッシャアアアアアアアアンンン ・・・