仕事がいまいち呑み込めなく悪戦苦闘の毎日です。
今回も少々グロイ表現がございます故、自己責任を念頭にご覧いただければと存じます。
ある日32
シミズは走っていた。
幼い足でゴミの山をとにかく走っていた。
意味は無い。ただ走らなければ何かが終わるような気がしてただただゴミを踏み締め、肉が裂けようと走った。
ここは流星街。人すら廃棄される場所。
齢恐らく5歳にも満たないだろう少年は耳に齧った「シミズ」という言葉を自分の名前とし、年頃の割に大人びた様子で流星街の仲間たちと交流していた。
「はぁっはぁっ、っう」
しかしその日はいつもと違った。いつものように、いつもの得体の知れない恐怖に、シミズは呻きながら走っていた。しかしいつもと違い、走り着いた先には美しいシルエットがあった。
「それがゾルディック家に嫁ぐ前の麗しきキキョウ様でした」
うっとりとしか言えない声で無表情の中に喜色をまぜ、シミズは惚気けた。もちろんキキョウの夫であるシルバとは違う意味でだが。
「長い」
ゴトーはシミズの頭を叩き、その上頭から紅茶をぶちまけた。シミズは顔色ひとつ変えずにそのまま叩かれ紅茶を被った。
「シ、シミズさん、またトリップしてる」
「こうはなるなよ」
ある日33
ここは天空闘技場。一対一で戦い、勝ち上がる度に賞金額が増えるという。その試合の勝敗に金銭を賭ける娯楽施設である。
「やあお姉さん」
「シミズ選手、登録はお済みですし他のお客様の迷惑になりますので、せめて横にずれていただけますか」
「あぁ、やっぱり君の瞳は美しい」
「はぁ、そうですか」
「天空闘技場から見える夜景が霞むくらいにね」
「ははは」
「あぁ、横から見ても前から見ても」
「おかえり願いますー」
上記全てシミズは無表情で述べている。
苦笑いする200回受付の女性は苦笑いのまま退出を促しますが、シミズはなおも女性を口説きます。
無表情で。
(ハエちゃん達に食べられるさまはさぞかし美しいんだろうなぁ……角膜を拭うように食べ、隙間からはウジちゃんが水晶体を回り込んで……)
恍惚とした脳内とは違い、無表情でシミズは受付の女性を誘う。乗らぬが吉である。
ある日34
「という訳で、諸説様々ありますが発に関しては全く同じものはないと考えてください。効果が似たようなものはありますがそれでも初見の気持ちでいてください。見たことがあると油断していては対応できなくなりますから。似たような効果の発でも、発動条件が厄介なものほど当たれば威力は桁外れになりますしね」
「へー!」
「まぁ、その人の性格でどんな能力か凡そ分かりますし、仮に自分に合わない系統を習得してる人間がいたら正直その系統1本で同程度鍛えてる人にはまず勝てません。とにかく修練あるのみですよお二人共」
「オス!」
「と発について御託を並べて来ましたが、自動的に発が決まってしまって最初自分でも能力がわからなかったマヌケが一定数いるのも事実」
「自動的に?」
シミズひとつ頷くとオーラで空中に板書し始めた。
「発はそれまでの経験から成り立っていると言えます。だからこそ、その人間の癖などを観察することで大凡の察しが…」
シミズが不自然に言葉を止めたのをゴンとキルアの2人は不思議そうにみやった。
「シミズ?」
「申し訳ございません、キルア様。仕事が入りました。戻らなければ先日の通り、試合を申し込まずに棄権して下さい」
キルアの呼び掛けに視線を向け、申し訳なさそうにシミズは言葉を紡いだ。それに鷹揚に頷いて腰を上げたキルアと次いでゴンもつられるように立ち上がる。
「シミズさん、俺は?」
元気に手を上げて言うゴンに、シミズはわずかに目を細めて人差し指を彼に向って突き出した。
「凝を教えましたね」
「う、うん」
「今しましたか」
していない、とゴンが首を振ると真似るようにキルアがゆるく首を振った。
「危機感なさ過ぎ。シミズが敵にならないとは限らないんだぜ?」
「で、でもさ…っだぁ!」
鋭いデコピンがゴンのおでこを強襲する。
「殺気なんて出す暗殺者は二流です。私はゴンくんの親でも友達でもありません。信じるモノはちゃんと見極めなければなりませんよ。でなければキルア様のそばにおいてはおけません」
吐き捨てて清水は窓から飛び降りた。
お目汚し失礼しております。
いつかチラ裏から出れるものを書いてみたいです。
とはいえ趣味趣向がこの通りですので、チラ裏でひっそりとやります。
シミズは地味面で執事服を着ております。立場的にはキキョウさんの専属使用人です。
でもキキョウさんが惚れこんでるのでゾルディックの家の人には基本従います。