相変わらず気持ちのいい話はあまりないです。
これにてこのシリーズは締めとし、ひとつの区切りとさせていただきます。
ブックマーク等、頂けてとても嬉しく思います。
お付き合い頂き本当にありがとうございました
。とか言って気まぐれに更新したら申し訳ないです。
ある日35
「シミズ」
「はい、シルバ様」
いつものように操作したハエ達で事後処理をするシミズ。シルバはそれを見ることなくその場を後にすることが多いのだが、この日はそのさまを見ていた。
「これは生きた人間は食わせんのか」
「死肉が好きな子達ですので…念で強化してもせいぜい新鮮な死肉を食める程度です。生きている人間は念使いでなくとも僅かながらオーラをまとっておりますゆえ。ただ、生きている人間でも組織が死んでいれば可能です。生きながらも腐っている人間は捕食対象です」
「ふむ」
シルバは数瞬考えをめぐらせると、どこかへ電話をかけ始めた。
「ミルキ、試作してもらいたいものがあるのだが」
シミズは主人の伴侶の声を聞きながら、ハエたちの食事を見守る。そして、シルバが電話をしまうのを見計らって話しかける。
「生ける屍人の粉薬ですか」
「あぁ、液体化をキキョウに、ターゲットに薬を打ち込む手段をミルキに依頼した。意味はわかるな」
「ご期待に添えるよう精進致します」
やや大仰な身振りで頭を垂れるシミズに、シルバは下がれと手をふる。既に場は血飛沫のひとつもなく整っていた。
生ける屍人の粉薬とは、アンダーグラウンドで出回っている粗悪なドラッグのことである。
強い気分の高揚、全能感を感じる。しかし、1度人体に入れば禁断症状が始まり、際限なくそれを求め果ては生きながら血肉が腐っていくことでも有名なドラッグである。
「厄介な依頼にはもってこいだな」
シミズが出ていった扉に目を向けて、殺人一家の現家長は口端で笑んだ。
※某魔法学校の薬とは全く関係ありません。お解りの方も多いかと存じますが、どちらかと言うと某ワニさんお薬イメージです。
ある日36
ハンター試験第二試験の内容が途中で変更され、受験者達はハンター教会の飛行船に乗りマフタツ山まで来ていた。
「クモワシの卵かぁ」
「食わねぇならくれよシミズ」
「あぁ申し訳ございません。キルア様に食べかけを差し上げるなど恐れ多いことでございます」
これみよがしに卵にかじりつくシミズ。
「チッ」
舌打ちしたキルアは苛立ちを隠さずシミズの足を何度も蹴りつけた。
最後の日
実に、空の高い日だった。
あるいはシミズ自身が空から遠ざかるように地に伏したからかもしれない。
なんてことの無い日だった。
キキョウの命令によりゴンとキルアについて、クジラ島にやってきていた時の話だ。
森に行くという2人に、送り出したシミズはこれ幸いとごんの叔母であるミトに質問攻めにされた。
外の空気を吸いたいと外に出て、念の基本を修めたキルアに気付かれないよう陰を施したハエからの受信で、ベストショットの予感を感じたからかもしれない。
暗い森の中歩を進めるシミズは後ろの気配に気が付いた。
気がついてなお警戒などしていなかった。気配の大きさ強さからせいぜい熊程の大きさの野生動物であると当たりをつけたからだ。
念を覚えている清水にとって野生動物の牙程度嬰児のアマガミのごとくだった。
「ちゃんとお魚も食べられるようになって.......!」
キルアに気取られないように2人からほど近い場所で気配を殺すシミズ。
シミズは後ろ気配を気にしていなかった。それが間違いだった。
もうすぐ夜が開けるじかんだった。
髪をなびかせる程度の風がシミズの後ろからふいた。
「っ?!」
シミズの口にキツネグマの体毛が吸い込まれる。
数瞬後シミズの体に異変が起こる。アナフィラキシーショックである。
シミズは知らなかったが、彼はキツネグマアレルギーだった。
シミズのいた流星街では同じく捨てられたゴミを食うことも多かった。
密猟者は剥製にしたのち不要な内蔵を流星街捨てたのだろう。内蔵についた毛すら空腹に押され口に入れたシミズは知らぬ間にキツネグマアレルギーになっていた。
そして、ゾルディック家にて様々な毒物に体を慣らしてなお、ある意味都会暮らしであるシミズはこれまでキツネグマに遭遇した事がなかった。
医者の場所もしれずたどり着けたとしてもこんな離島でアドレナリン注射を備えてるとも限らない。
そしてその時は来た。
いくら数分息を止めることが可能なシミズであっても既にその数分を過ぎた。
ストローで息を吸うよりも細い息を終えたシミズは意識を暗闇に落としていった。
あの日ごみ溜めの街で見た美しい神様を脳裏に描いて。
また下手くそな文章をお届けするかもしれませんがこれにて幕とさせて頂きます。
それでは、また