とある使用人の1日。   作:道央花子

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地味面のシャワーシーンは需要ないですよね。

いきなりこちらから読んではいらっしゃらないと思いますが、今回も人によってとても嫌だったり怖かったりする虫の描写あります。
虫が耳に入ったことがあって、トラウマになってる方や、恐怖を感じる方はご覧になられないようお願い致します。

誤字修正致しました。
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(2022年12月14日追記)
アホな間違い失礼いたしました。
繭→蛹に治しました。
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ゾルディック家の使用人のある日オムニバス5

ある日19

 

第3試験はトリックタワーなる巨大な塔のその上に受験生達は降ろされた。

72時間以内に1階までこい、という事だった。

壁を降りようとするロッククライマーに集う巨顔の怪物鳥に、シミズは別ルートを探そうというキルアに頷いた。

シミズ単体であれば降りることは可能だが、まだキルアに念を見せては行けないと、言い含められていたからだ。

「ねーシミズさん!」

「如何されました?」

ゴンに呼ばれてクラピカ、レオリオがいる場所までついて行くと、なにやら密集した隠し扉がそこにあった。

ほかの受験生が降りていくところを見たらしく、1度潜れば開かなくなると説明を受け、シミズはなるほどと円を伸ばした。どうやらこの下に部屋らしき空間がある。

「丁度5つあるしさ、ここから降りない?」

「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」

「せーので行こうぜ!」

「おし!下で会おうぜ!」

5人が隠し扉を潜り落ちると、同じ空間にいた。恥ずかしそうに笑うゴンたちを他所に、シミズはそこにあった腕輪と説明書きを調べた。

特に爆発物などはないが、念が込められているようだった。しかしはめなければ扉は開かないようで、そうしているうちに4人は腕輪を手首にはめた。

「何してんだシミズ」

「…いえ」

キルアに急かされ、シミズはいやいや腕輪をはめた。すると壁が自動ドアのように開いた。

 

 

ある日20

 

1試合目、難なくシミズが御し第2戦目の時だった。

蜘蛛の刺青に激昂したクラピカが不意に倒れた。彼を昏倒させたのはシミズだった。

「参った俺の負けだ!!…あり?」

「クラピカは頭に血が登りすぎて気を失ったみたいですが、そちらのマジタニさん今゛参った俺の負けだ゛とおっしゃいましたね。こちらの勝ちでよろしいでしょうか」

「…良いだろう」

そして3戦目のセドカンにゴンが勝利し、ロスタイムなしで余裕を持って通過した。

しばらくシミズに担がれていたクラピカも最後の多数決の時には目を覚ました。

「すまない…」

「いいんですよ。仇が目の前にそれも偽物が現れたら血圧もあがるってものです。それにしてもレオリオさんの処置はなかなかのものでした。お医者さんになれそうですね」

「そ、そうか?」

「ええ」

時間はかかるが全員ゴール出来る道を揃って選び、5人揃って消耗なく第3の試験に合格したのだった。

そして、残り時間に少し眠って過ごすというクラピカとレオリオは壁際に、シミズはゴンとキルアについて壁から少し離れた場所に移動する。

「なーシミズ」

「なんでしょう」

「何使ったの、粉?」

「ふふふ、何のことでしょう」

「シミズ教えろって!」

「私を捕まえられたら教えて差し上げましょう」

「クソーー!」

「え、なになに?」

キルアがシミズに飛びかかると、ゴンも2人を追いかけて走った。

 

 

ある日21

 

 

「(念の事はまだ秘密ですからね)ほらキルア様、時間のようですよ」

仰向けに倒れるキルアとゴンにシミズは声をかけた。

「クッソォ!」

「シ、ミズ、さん、早、すぎ…」

「ふふ、ちょっとした裏技ですよほらほら立ってください」

そうして、クラピカとレオリオを伴い5人は飛行船に乗り込んだ。

飛行船で簡単な食事をとると、各々武器の調整や飛行船の探検に出かけた。シミズは体を清めるためシャワーブースに向かったが、生憎使用中だった。

諦めるか、とシミズがその場を離れようとするとドアが開き白い腕がシミズを中へ引きずりこんだ。

「イルミ様」

「ヒソカに近づけないでねキルア」

「もちろんでございます」

「よろしく」

「交代していただいても?」

「いいよ。今出るからまって」

そうしてイルミはまた針を刺し、顔を操作してギタラクルにするとシャワーブースを後にした。

「さて、出ておいで蛆ちゃんたち…ご飯ですよー」

そうして蛆をグレイトスタンプのモツの入った袋に入れ、シミズは汗を流した。

 

ある日22

 

第4試験ゼビル島に受験生達は降り立った。

島、それも無人島であるということはおそらくサバイバルゲームのようなものが始まると当たりをつけたシミズは、飛行船で自然に増えた蝿の卵を各受験生達に仕込んだ。念で強化された卵は指弾となり、しかしその軽さゆえどこに張り付こうが、風が当たったとも思わない。

とはいえそれは念能力者以外の話で、ヒソカには弾かれたが、イルミは分かって受け止めた。

オーラを目に集めて卵を見たイルミはそのままオーラを操作してメッセージを送ってきた。

集めたら寝る。端的に書かれたそれにはい、とシミズも短く答える。

やがてくじ引きが行われ、狩るものと狩られるものが決まった。

シミズは素早く蝿を操作し、目当ての番号を見つけると蝿を蛆まで成長させた。

そしてその番号の受験生が出発した段階で蛆は耳の中に入り蛹となった。

シミズは自分の番が来るまで相手が死んでなければいいな、と思い自分の番を待った。

森の奥、思い切り真っ直ぐ進んで運良く水場にたどり着いたシミズのターゲットは狂ったように耳を掻きむしっていた。

シミズが念で強化した蝿が念も使えない相手に壊せるはずがなく、立派に成長した耳の中の蝿が羽ばたくたびけたたましい羽音がすることだろう。

「うわ、うああああ!!!」

耐えきれず、気配をたつどころか叫び出した男にシミズはゆっくり近づいた。

「プレートを頂ければ解放致しますよ?」

「わかった!わかったからこの音を止めてくれぇ!」

画してプレートを手に入れたシミズは、水辺に集う動物や虫を見て暇を潰すのだった。

「試験官さんの視線はむず痒いけどねぇ…本当に手当出るのかなぁ…?まぁ、残り6日間休暇貰ったと思えば…いや、キルア様探そう…変態が近づかないようにするんだった…」

シミズはすっくと立ち上がって木の上に登った。

「あーあゼノ様くらい円が使えれば楽なのになー」

 

 

 

 

 




ここまでお読みいただきありがとうございます。
また、妄想が描きたまりましたらup致します。

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