とある使用人の1日。   作:道央花子

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お疲れ様です。お目通し頂きありがとうございます。
正直このような自己満足のかたまりをお気に入りに入れていただける方がいるとは思ってなかったので嬉しく思っております。



ゾルディック家の使用人のある日オムニバス7

ある日28

 

シミズは疲れていた。

「てめぇ…なに主人より後に帰ってきてんだよ」

「私のご主人様はキキョウさまだけです」

シャツの胸倉をつかみあげるゴトーに、シミズは相変わらずの無表情でそう答えた。

執事・使用人用の建物で、ハンター試験から帰って早々シミズはゴトーに呼び止められこの状態である。

「離して頂けませんか。このままでは業務に差し支えます」

盛大な舌打ちと共に開放されたシミズはシャツのシワを伸ばすように整えると、ハンター証を見せて仕事の後休暇を貰ったことを伝える。

「余計なものまで連れてきやがって」

「彼らなら、と思いまして」

「……奥様に反するつもりか」

「とんでもございません。ゴンくんは純粋ゆえ、暗殺者として成る可能性がございます。そうでなくともあのジン=フリークスの息子となれば」

「大器かもしれねぇ、と?」

「左様でございます。彼は化けますよ仲良くしとけば安泰安泰」

「フン」

「あと、クルタの生き残りと医者志望の青年。彼らも悪くないと思います。ただ、クルタの方は頭がいいんですが幻影旅団を仇としてるのであまりオススメしません。彼が旅団員全員殺して片が着いた後ならとは思いますが、まず無理でしょう。医者志望の彼は少々情に流されるきらいがありますのですが、単純で扱いやすいですよ。それに治すという職業を選ぶ点について考えるとおもしろい念能力を作りそうなので」

「確かに…医者、とくりゃ除念か回復か、何れにしても悪くないな。ものになりそうなら繋いでおけ」

「承知致しました。ホームコードは頂いておりますので今後使えそうならキープしておきます」

「お前にしては上出来」

「ふふ、ありがとうございます。さて、私は休んだ分のシーツの山を片付けますかね」

シミズはそう言ってランドリールームへ消えた。

 

 

ある日29

 

「は?」

「キルアを追ってと言っているのよ!!」

甲高いゾルディック家の奥様の声に、シミズは思わず聞き返していた。

再度喚き散らしたその声にようやく飲み込んだシミズはため息もついでに飲み込んで深々と頭を下げた。

「しかし、旦那様のご意向を無視するのは得策ではないかと」

「じゃあ解雇よ」

「行ってまいります」

「貴方はキルアが戻るまでは解雇って事にするわ。安心して。お給料は私からあなたの口座に振り込むから」

「…は、御心のままに(結局解雇状態だぁ…)」

実に鮮やかな手のひら返しにキキョウは満足そうに笑った。

 

ある日30

 

「貴方がここを出る時は骨になっていると思っていましたが残念です」

柔らかい表情で言うゴトーに対し、シミズは今にも倒れそうな顔を晒している。

「あ、あの、シミズさん。そう気を落とさず…」

「いいんだよカナリアちゃん…奥様は又きっと俺を呼んでくれるはずだから…」

「体のいい厄介払いに1億ジェニーかけてもいいですよ」

「うるせーゴトーのバーカバーカ!いいもんね!キルア様のお写真ゴトーには絶対送らねーから!!」

「ふん、奥様は頼まずとも共有なさる」

「クソーーー!おぼえてろよー!」

シミズは紙幣を小さなリュックに入るだけ詰めてその場を辞した。

「なぜシミズさんにはそのような対応なのでしょうか」

「余計なことを言う暇があればあいつが抜けた穴を埋めろ」

ゴトーが指さした先にはシミズの担当していたランドリールームがあった。カナリアが開けるとドアから溢れ出しそうな量の布。

「こ、この量…」

「人手不足なのは知っているな?」

「は、はいっ!」

「あいつはこの量を回収、洗濯から畳んで各部屋へ片付けるまで半日かからない。真似しろとは言わないから一日で半分は片付けろ。いいな」

「っは、はい…」

カナリアの体の50倍は優に超える洗濯物を前に、彼女は冷や汗を流した。

「戻ってきてくださいシミズさぁん…」

その日、日付が変わる直前にシミズの仕事の半分プラス自分の仕事、毎日の鍛錬を終わらせたカナリアは、着替えもせずベッドに沈みこんだ。

 

 

ある日31

 

カナリアの叫びも流石にククルーマウンテンの麓の街までは届かず、シミズは飛行船までの道のりを走っていた。

「(キルア様の予約した時間まであと5分…)」

猛スピードで走るシミズを視認できる人間は麓の街にはほぼおらず、生じた風に首を傾げるばかりだった。

「おっと乗りまーす!」

飛行船に乗り込むための階段を仕舞おうとしている男性にシミズは叫んだ。

「チケットは」

「はいこれ」

シミズが携帯電話の画面を見せると、男はどうぞすぐ出発します、と言ってシミズを通した。

「ありがとうございます」

飛行船の船内はさほど大きくなく、直ぐにキルアを見つけたシミズは音もなく近づいた。

「キルア様ー俺解雇されたからー連れてってくださーい」

「はぁ?!」

 

 

ある日32

 

「お前がこんなに緩いやつだったとは…」

「そりゃー仕事中は猫くらい被りますよー!」

「ねこ…」

キルアとゴンの2人に挟まれ、シミズはさめざめと泣いていた。

「奥様ったら酷いんですよ!キルア様を直ぐに連れ戻さなかったから職務怠慢だって!その時俺あなたのご長男のめーれーでハンター試験合格しろって言われたてたのにぃ!どっちもとか無理ゲーですしぃ!」

「わーったわーった喚くなよ…」

「シミズさんも一緒に天空闘技場いく?」

「いいのぉゴンくぅん!!ありがとおおおお!」

「お前…」

「さぁさぁ天空闘技場に着くまではしばらくありますし、不詳シミズがご飯奢ります!」

「いいの!ありがとうシミズさん!」

「チョコロボ君も買えよな!(搾るだけ搾ってどっかに置いてこー)」

 




ここまでご覧頂き、誠にありがとうございます。
チラ裏だからこそお目こぼしいただけていると感じております。
何がしか鼻で笑いたい時などにご覧いただけると幸いでございます。

(ง^ω^)งコロナなんて、なくなーれ.*・゚ .゚・*.
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