【読者参加型】何かが間違いすぎている召喚士 ~火力極振りで幸運値0から始まる最強サモナーゲーム~   作:運の命さん

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注意事項

読者参加型というシステムを取っている、及び極振りという設定の為ご都合主義が多分に含まれている可能性があります。
息抜き感覚で書いているため、VRMMOに関する設定も曖昧なところがあるかもしれません、ご注意ください。

それでもいいよという方は、どうぞお楽しみください!


第1話 幸運0の召喚士

「やっほ~! かなた君っ! 元気しってる~?」

「ふぇ? ……知里? 何か凄い元気じゃん、どしたの?」

 

 午前の部の授業も終わり、楽しみにしていた母からの弁当を広げ小説を読む。退屈な学校の時間の中にある唯一の癒しの時間、小説と弁当という好きな物のダブルコンボ、最高ではないか。

 その時間に水を差すかのように久留生 知里(クリュウ チリ)が私の肩を叩く。

 しかも今日はいつも以上にテンションが高い。私の事をかなた君って呼んだの初めてでしょうに、いったいどうしたというのか。

 

「ふっふっふ……かなた君は、FOO(ファンタジー・オーダー・オンライン)って知っているかな?」

「ごめん、分からないなぁ」

「嘘即答!? あの超、超、超人気のゲームだよ!? VRMMO!! テレビでもやってるのに」

 

 そうは言われても私のゲーム人生は小学生時代で終わっている、それ故に知識すらもう無いに等しい。

 そんな私にVRMMOなる略称を言われた所で、分からないと返されるに決まっているというのに、知里は今日もお構いなしである。

 

「バーチャルリアリティマッシブリーマルチプレイヤーオンライン! 略してVRMMO! ゲームの世界に入り込んだように五感を感じる事が出来る新感覚ゲーム!」

「長いし良くわかんないよ……。それに入り込んだようにって、そんな非科学的な……」

「そんな事考えたら負けだよ!」

 

 負けなの!? と思わず脳内で突っ込んでしまった。でもそんな非現実的なゲームが作られている事なんてどうも信じられなかった。

 

「かなたは相変わらず流行に鈍いよね……典型的な真面目っこって感じ」

「真面目っこなのは否定しないけれど……。それで、そのFOO? がどうかしたの?」

「よくぞ聞いてくれました。実はさ~先日ソフト目当てで送った懸賞が、当たったのはいいんだけどハードの方が当たっちゃってね。私もう持ってるわけ。てことで、売るのもアレだから友達を誘ってみよう! ということで真っ先にかなたを誘いにきたというわけ!」

「え、えぇ?」

 

 グイ、グイ、と顔をこちらに近づけながら熱く語る知里に私はついドン引きしてしまった。

 ゲーム知識はもう皆無で、ごく普通に生きていこうかなと先日話した矢先にこれである、多分その話知里聞いてなかったんだろう。

 私の中の黒い何かが『吹き飛べばいいのに』と言い放った。

 

「あれ? 一瞬かなた黒い顔した? 珍しく」

「珍しくって何? ……それは気のせいじゃないかな」

「そう? まぁいいや、所でせっかくだし、どうかな! 少しだけでもいいから、1回だけでもいいから!」

「うぅ……まぁ、そこまで言うなら」

「よっしゃ!」

 

 知里はこれまでにないガッツポーズをした。まぁ知里とは一応幼馴染でもあるし、小学生時代にやっていたゲームというのも最初は知里からの勧誘だった。

 読書ばかりするようになってから、知里との距離も少しだけ離れてしまっていたのも事実である。ならば、その久しぶりの勧誘に乗らないというのも、少し気が引ける。

 1回か2回くらいなら付き合ってあげてもいいだろう、退屈だったらまたごめんねっていって止めればいい。

 

「それじゃぁ今日の帰り、いったん私の家に来て! ハードとソフト、一通り渡すから!」

「ソフトも?」

「当たり前じゃん、態々買ってもらうのも申し訳ないしねっ。幼馴染特典って奴!」

 

 どんな特典だ、と再び脳内で突っ込む。まあ渡してくれるというのならお言葉に甘えよう。

 

 ……よくよく考えたら、絶対お高いそれら二つをもらってすぐにやめてしまったらさすがに失礼になるのではないだろうか。

 まぁ、その時はその時に考える事にした。

 

 

 

 〇

 

 

 

 知里の家に立ち寄り、必要な物を諸々受け取り、帰宅する。

 

「ねぇねおかえり。ん、それって今はやりの奴?」

 

 両親は昼働きなため、帰りが大体夜になる。故に帰ってきた時真っ先に出迎えてくれるのが妹の朱莉だった。

 朱莉は私を見るなり、手に持っていたハードであるヘッドゴーグルとソフトを指摘した。

 

「ん、朱莉知ってたの?」

「今流行りでしょ、何ねぇね知らなかったの、知らないのになんで買ったの? 私へのプレゼント?」

「違うよ。友達がね? やらないっていってくれたんだよ。もう持ってるからぁ~って」

「ふ~ん。ねぇねって友達いたんだ、生真面目なのに」

「殴るよ!?」

 

 確かにずっと窓際で読書ばっかりしていたから、周囲と喋る機会もなく孤立していたのは正しい。

 でも、友達が出来ないのはちょっと気にしていた為、今の言葉は結構精神的に来た。

 私の中の黒い何かが言った言葉がつい表に出てしまって私はすぐ訂正した。

 

「い、今のは忘れて……。わ、私先部屋戻ってるから!」

「ほーい」

 

 私はバタバタと2階へ自分の部屋に駆けこむ。まさか妹に痛い所つかれるなんて思ってすらいなかった。

 それにしても、普通に買えば絶対に私の手には届かないであろう物をくれるなんて、持つべき物は友達というべきだろうか?

 幼馴染だけれども。

 

「一先ず、起動してみようっ」

 

 私は事前に説明されていた通りに、ヘッドゴーグルを装着し電源を起動した。

 

 

 

 〇

 

 

 

 起動して数秒後、目を開くと周囲は何やら遺跡のような雰囲気を漂わせる景観が広がっていた。

 地震か何かで崩れた瓦礫が散乱し、端の方には何も置かれていない神秘的な台座。

 その光景はまさに圧巻の一言につき、横にある瓦礫に少し触れてみると、実際に触っているような感覚に陥る。ゲームであるというのにだ。

 

「ちょっと、予想外かも……」

 

 呆然としていると、目の前に何やら画面が表示される。

 

『これより、キャラクター設定およびゲーム説明を開始します』

 

 成程、この画面が色々説明してくれるのか。割と親切設計で安心した、いきなりゲームの世界に放りだされたらたまったもんではない。

 ましてや読書ばかりで人との付き合いなど全然なかった私にとっては、最大級の地獄に他ならない。

 せめて、コミュニケーション方法とか教えてくれないかな? と淡い期待を込めてみる。

 

『名前を設定してください』

「名前かあ。実名はさすがに不味いし……。カナタのタをとって、カナでいいかな。思いつかないし」

 

 実は知里も『かなたってあだ名とかつけづらいよね』と言っていた為、普通にかなたと呼ばれていた。苗字も珍しい『黄昏』という物。

 英語表記にしてサンセットでも良かったが、少し長いかなと抵抗感を感じ却下した。

 

『性別、体格は現実の物を反映します。髪型、髪色は変更可能です。変更しない場合は、続行を押してください』

 

 髪型だけ変更できるのは身バレを考慮したシステムなのだろうか? だとしても、もし知里と遊ぶとなった場合に見つけづらくなったら面倒ではあるし、私は変更せずに続行を押した。

 続行を押すと、今いる遺跡の端に置かれていた例の神秘的な台座に光が灯り、それが晴れると先ほどまではなかった銅像が現れる。

 剣を持つ銅像、本みたいなのを持つ銅像、棒きれのようなものを持つ銅像、まさによりどりみどりだ。

 

『なりたい職業の銅像へ移動し、続行ボタンを押してください』

「ああ、職業システムなんだ。戦士に魔法使い、回復士と色々あるなぁ。可愛いらしい職業とかあったら、それになりたいけれど」

 

 女の子的な妄想を呟きながら、数ある職業の銅像を一つ一つ確認していく。その最中、ある銅像の前でピタリと止まる。

 それは、少し小さい杖を持った銅像で、その周囲には動物や謎の力で浮いている剣、更には乗り物のような物が配置されていた。

 

「これは……?」

『召喚士 ――人間以外の様々な物を召喚できる職業です。動物から投降武器、更には予想外な物まで様々です! 召喚された者の攻撃力はプレイヤーの攻撃力に依存し、幸運値が高い程望む物が召喚されます』

「召喚士、面白そう。あと銅像の動物がかわいい」

 

 私は居てもたってもいられず、召喚士の銅像の前で続行ボタンを押す。

 実は、召喚士はちゃんと扱えるまでに時間がかかる職業であり、ゲームを作った制作陣もネタ職業として作ったという裏話がある。

 時間がかかるのには理由があり、幸運が高くないと望む物が召喚されない事に起因する、故に最初は変な物がばっかり出ると言われている。

 幸運0が召喚士やったらどうなる事やら、と巷では囁かれているらしい。サブアカウント使用不可らしいので、誰も検証できずに終わっているが。

 

『初期のステータスポイントを振り分けてください』

「初期ステータス……?」

 

 ゲーム知識が乏しい故に、ステータスという物自体がかなたには良く分からなかった。

 STR《力》、DEF《防御》、AGI《敏捷》、DEX《器用》、LUK《幸運》の5つに30ポイント振り分ける事が出来るようだ。

 

「ん~そういうの知里から教わってないのに。でもでも、こういうのは力が強ければダメージも与えやすいんじゃないかな。防御力は防具だけで大丈夫だろうし、幸運とか器用とか敏捷はいらないでしょ」

 

 かなたは召喚士の説明をまともに読まなかったようだ。彼女の視線が銅像の動物にいってしまい、幸運値もいるという事を知らずSTRに30P全て振り分ける。

 これによって、初期プレイヤーよりは攻撃力こそ出るが、他のステータスが壊滅的という、一種の極振りキャラクターが完成した。巷で言えば脳筋と言われるだろう。

 

『これでキャラクター設定が完了いたしました、間もなくゲームの世界に転送します』

「あ、コミュニケーションとかは教えてくれないんだね」

 

 淡い期待は外れ、結局そのまま転送されるらしい。なんとも酷い話だ。

 まぁ、知里が初期の街で待ってくれているというらしいので、全て彼女に任せれば何とかなるだろう。

 

 私の身体は光に包まれる、さすがに眩しかったので目を強くつむる。

 数秒後、その光が晴れ、目をゆっくりと開けば――。

 そこに広がっていたのは、人があふれる綺麗な街広場だった。




今日中にもう1作投稿します。
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