雄英崩壊物語   作:レッドファイル

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短めの1話です


1話 夢は大きく、かつ、現実的に!!

はいこんにちは!!成長期思春期厨二期真っ盛りの15歳、中戸 袢波(なかど ほなみ)です!!僕の個性は【器用貧乏】!人の個性を劣化コピーできるっていう有能か無能かわからない個性です!いやね、僕は有能だと思ってますよ?だけどネーミングがね…使えないやつ感満載じゃない?この名前を付けた両親は何を考えてたんだろうねって、直接言われたんだった!

 

僕のお父さんは自宅警備員(警備もしてない)。ヒーローを目指してたんだけど、無理だったんだって。まあしょうがない。【読心】っていう非戦闘個性じゃあヒーローにはなれないね。警察とか、スパイみたいなのには向いてたんだろうとけど、お父さんは目立ちたがり屋だから、ヒーローに成れない時点で自暴自棄になったんだろうね。

 

僕のお母さんは夜の蝶!!若いころはすっごく稼いでたんだけど、僕が生まれてから全然ご指名入らなくなったんだって!!人妻の色香を放つことができなかったんだね!!自分以外の誰かが特別視されるのがいやだから、その後すぐに辞めたらしい!

 

お察しの通り、この2人の僕への扱いはまあひどかったよ…タバコを押し当てたり、万引きさせたり…ひどい時には「アパートの人間全員に金をせびってこい!」なんて言われたこともあったよ…

 

すごいのは、コレ、僕が3歳の頃だからね?年端もいかないどころか、まだ歩いてトイレに行くことがやっとの僕によくこんなことできたよね?てゆーか僕もよくできたね!?

 

おっとごめん。話がそれちゃった…まあこんな両親だけど、僕は嫌いじゃあなかった。痛い思いや悲しい思い以上に、「見てもらえてる」って事実が僕を高揚させたからね。これは2人の愛情の裏返しだって思ってたっけ…

 

そんな風に無条件で2人を愛してた僕。だけど、僕の個性が発現して名前を付けられた時の言葉は、きつかったなぁ…

 

僕が初めてお父さんの個性をコピーした時、はじめは気味悪がったんだ。でも害は無いって分かるとこう言ったんだ

「お前の個性は他人に寄生する最悪の個性だなぁ。そんなお前には誰も近寄らない。そして誰にも覚えられず死んでいくんだよ」ガッハッハ!!!

 

その瞬間、幼子ながらも理解したね。お父さんは自分の経験を元にこれを言ってるんだって。目立ちたがり屋のお父さんは、誰かから特別視されなかったことを不幸だと思ってる。そして、その血を継いだ僕も、同じ道をたどると予言したんだ。

 

お母さんも言った。

「ハハッ!!ちょっとはできるけど、結局は使い物にならない!!あんたにお似合いの個性だよ!!」

 

キシキシと口角を上げて笑うお母さん。げらげらと嘲るお父さん。さすがの僕もこの時は眉をひそめたさ。だって2人には、僕が盗んだお金とか渡してたんだよ?それだけやったのにこの言い草はひどいや。当時はそう思って、表情を曇らせた。けど、すぐに雨模様になったんだ。え、泣いたのかって?ううん。違う。

 

2人の血が顔にべっちゃりついちゃったんだ。

 

あんまりそこからの記憶はないんだよね。2人が笑ったところまでは覚えてるけど、それ以降ぷっつりと記憶が途切れてたんだ。若年性なんたらってやつかな!?

 

気づいたときには僕は保護されてた。警察の人が言うには、2人は暴走トラックにやられたらしい。家に突っ込んで来たんだって。まあ本当かどうかわかんないや。

 

長々と話してごめんね?自分語りも、もうすぐ終わるから御辛抱!

 

小学校に上がっても、ずーとお父さんの言葉が耳から離れなかった。【お前はだれにも覚えられずに死んでいくんだ】。それだけは恐怖だった。やっぱり僕もお父さんの子だ。マグマのように煮えたくる承認欲求がドロドロと心を埋め尽くしちゃう。

 

そこで僕は考えた。このマグマをどうすれば止められるか…すぐに思いついたよ!方法は簡単!有名になればいいんだよ!

 

例えばオールマイト。彼はたくさんの人を救って皆から感謝され覚えられてる。彼のことを知らない人、忘れる人なんていないだろう。承認欲求なんて一発で満たせる

 

例えばヒトラー。許されざる悪魔の所業を働いた、史上最悪の独裁者として語り継がれてる。彼の悪行をこれからも忘れないためにも彼は教科書に載り続けるだろう。歴史に名を遺すなんて、僕の目立ちたがり欲も収まるはずだ。

 

さあ、後はどっちにするか。

助けて感謝され崇められるか。それとも皆の心に悪魔として住み続けるか。

 

皆だったらどっちにするかな?迷う?僕は迷わなかったよ?だって簡単じゃないか。

 

100人の命を救うのと、100人の命を奪うの。どっちが人の記憶に残るかって

 

そう。悪の道の(人を殺した)方が皆の記憶に残るんだよ!!…確かにバカらしいかもしれない。愚かだって蔑まれるかもしれない。だけど、それだけ皆の記憶に僕は生き続けられる。

 

あとは、方法。どうすれば僕の悪行が効果的か。

 

敵として適当に暴れる?いや、個性社会の現状ではそれは日常だ。

じゃああえて、ヒーローになってからの殺戮?いや、ヒーローの汚職なんて、ちょこちょこ合ってる。

 

此処ばっかりは僕でも悩んだ。悩みに悩んだ。6歳ながらに知恵熱を出すほどに悩んだ。皮膚をかきむしりながら唸る僕。その時、僕の視線はテレビに吸い込まれた。テレビに映っていたのは、雄英体育祭。そこで僕はひらめいたんだ!!

 

雄英ヒーロー科生徒として、雄英をぶっ潰せば、それはもう皆大注目するんじゃないかと。だってそうでしょ?雄英出身のヒーローは少ない。そんな選ばれた彼らの中で不祥事を起こした人って今のところ0なんだ!そんな誉れ高き英雄育成機関で、たった一人の子ども、しかも生徒が学校を崩壊させたら…!!!誰も、僕を忘れないんじゃないかな?

 

僕はこの夢を6歳で見つけた。そこからは楽しかったよ。とにかく、全ての行動は雄英崩壊のために。おやつも、友達と遊ぶのも、ゲームだって我慢した。

 

そしてついに明日は入学試験。僕の夢を実現するための最初の一歩。

 

ああ、言い忘れてたけど。

 

これは

 

僕が最高の愚者になるための

 

物語だ

 

 

 

 




第一話を読んでくださり、誠にありがとうございます!!
主人公は…男か女。皆さんはどっちだと思います?

あふれ出る承認欲求を満たすために悪事を働く。そんなやつ。どっかいたな…

当作品の、これからの進め方

  • 一人称(2話A)みたいな感じ
  • 三人称(2話B)みたいな感じ
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