英梨々が校舎からでてくる。
「ほんとだ、澤村先輩でてきましたね・・・。最後に登場するなんて主役って感じがしますが・・・」
「ピンチのとき出てこないとと主役とは言えないけどなぁ・・・」
「澤村ちゃんは作戦中止のこと知ってるの?」
「いや知らせてないけど」
「だったら、教室で加藤ちゃんを見張ってたんじゃないの?」
「ん・・・そっか」
「それって澤村ちゃんが悪いの?それともトモが悪いの?」
「・・・」
「ちゃんと謝ったほうがいいわよ」
「ああ、そうだな・・・美智留はだいたい正しいな」
「だいたいってなにさー」
「氷堂先輩、さすがです!」
「・・・ありがと出海ちゃん」
英梨々が3人と合流する。
「倫也―。なんか恵が寝たまま起きないんだけど?」
「寝かせておいて」
「そうだけど、冬だし風邪引いたら大変じゃない。一応ブランケットかけて置いたけど」
「ちょうどいいものよく持っていましたね?澤村先輩」
「んー、なんか欲しいと思ったら、手元にあったのよ・・・」
「・・・これは・・・」
3人がうなずく。
「ちょっといいか英梨々、そうだな、手元にペンを出してみてくれるから?」
「今もってないけど」
「じゃあ、ちょっと出してみて?イメージして」
「何言ってんの?そんなことできるわけないじゃない」
出海が地面に手を置く。
「メルヒェン。それは召喚される」
ミニ土ゴーレムが生成された。
「なにこれ?出海どうやったの?」
「だからこうイメージして、パァーと」
「あたしにもそれができるっていうの?」
「たぶん」
「んー、出海・・・あんたゴーレム知らないでしょ?」
「あんまりわからないですかね・・・」
「ゴーレムは神話ででてくるけど、RPGだと守護者として出てくることが多いわね」
「それで?」
「鈍いけど堅い。作成者に忠実だけど自らの意思がない人形のことよ」
「見た目は?」
「口じゃ説明しにくいわね」
英梨々が校庭のスペースに向けて指をバチンッと鳴らす。
「でないわね・・・」
「そんなじゃでませんよ!」
「地面触るの嫌なんだけど?」
「そういう問題です?」
「そういう問題でしょ!かっこ悪いじゃない」
「・・・」
「こういうのは形が大事なのよ形が」
「でも、一度やってみてください!」
「しょうがないわね」
英梨々が地面に手を置く。
「アーデルハイト!それは召喚される」
・・・しーん。
「できないじゃないの!」
「おかしいなぁ?なんで澤村先輩にできないんだろ?」
「いや、普通できないから!」
「普通なんですか?」
「・・・」
倫也はフラグは立っているが回収できないもどかしさを感じた。とはいえ、確かに恵の様子も気になる。仲直りイベントも進めなければ・・・
「軌道修正できたし、フラグも立ったみたいだし、今日はこのまま解散で」
「はーい」
「俺は加藤の様子をみてから帰るから」
「がんばれートモ」
「その必要はありません」
みんなが振り返ると、そこにはクラスメイトAが立っていた。
「あっ・・・」
「いえ、謝罪はけっこうです。イベントが変更された新台本がさきほどメールで届きましたから」
「さすがに仕事が早いなぁ・・・」
クラスメイトAがどきどきしながらセリフをしゃべる。しかしそれは棒読みだった。
「次の回から新幹線見送りイベント開始だから急いで準備しなさい。休憩回は挟まないわよ。加藤さんとの仲直りイベントは省略、グダグダしすぎたわね。倫理君」
(つづく)
次回から本題