負け犬ヒロインの育て方 5   作:きりぼー

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つづき


第十八章

 英梨々が校舎からでてくる。

 

「ほんとだ、澤村先輩でてきましたね・・・。最後に登場するなんて主役って感じがしますが・・・」

「ピンチのとき出てこないとと主役とは言えないけどなぁ・・・」

「澤村ちゃんは作戦中止のこと知ってるの?」

「いや知らせてないけど」

「だったら、教室で加藤ちゃんを見張ってたんじゃないの?」

「ん・・・そっか」

「それって澤村ちゃんが悪いの?それともトモが悪いの?」

「・・・」

「ちゃんと謝ったほうがいいわよ」

「ああ、そうだな・・・美智留はだいたい正しいな」

「だいたいってなにさー」

「氷堂先輩、さすがです!」

「・・・ありがと出海ちゃん」

 

英梨々が3人と合流する。

 

「倫也―。なんか恵が寝たまま起きないんだけど?」

「寝かせておいて」

「そうだけど、冬だし風邪引いたら大変じゃない。一応ブランケットかけて置いたけど」

「ちょうどいいものよく持っていましたね?澤村先輩」

「んー、なんか欲しいと思ったら、手元にあったのよ・・・」

「・・・これは・・・」

3人がうなずく。

 

「ちょっといいか英梨々、そうだな、手元にペンを出してみてくれるから?」

「今もってないけど」

「じゃあ、ちょっと出してみて?イメージして」

「何言ってんの?そんなことできるわけないじゃない」

 

出海が地面に手を置く。

 

「メルヒェン。それは召喚される」

 

ミニ土ゴーレムが生成された。

 

「なにこれ?出海どうやったの?」

「だからこうイメージして、パァーと」

「あたしにもそれができるっていうの?」

「たぶん」

「んー、出海・・・あんたゴーレム知らないでしょ?」

「あんまりわからないですかね・・・」

「ゴーレムは神話ででてくるけど、RPGだと守護者として出てくることが多いわね」

「それで?」

「鈍いけど堅い。作成者に忠実だけど自らの意思がない人形のことよ」

「見た目は?」

「口じゃ説明しにくいわね」

 

英梨々が校庭のスペースに向けて指をバチンッと鳴らす。

 

「でないわね・・・」

「そんなじゃでませんよ!」

「地面触るの嫌なんだけど?」

「そういう問題です?」

「そういう問題でしょ!かっこ悪いじゃない」

「・・・」

「こういうのは形が大事なのよ形が」

「でも、一度やってみてください!」

「しょうがないわね」

 

英梨々が地面に手を置く。

 

「アーデルハイト!それは召喚される」

 

・・・しーん。

 

「できないじゃないの!」

「おかしいなぁ?なんで澤村先輩にできないんだろ?」

「いや、普通できないから!」

「普通なんですか?」

「・・・」

 

 倫也はフラグは立っているが回収できないもどかしさを感じた。とはいえ、確かに恵の様子も気になる。仲直りイベントも進めなければ・・・

 

「軌道修正できたし、フラグも立ったみたいだし、今日はこのまま解散で」

「はーい」

「俺は加藤の様子をみてから帰るから」

「がんばれートモ」

 

「その必要はありません」

 

みんなが振り返ると、そこにはクラスメイトAが立っていた。

 

「あっ・・・」

「いえ、謝罪はけっこうです。イベントが変更された新台本がさきほどメールで届きましたから」

「さすがに仕事が早いなぁ・・・」

 

クラスメイトAがどきどきしながらセリフをしゃべる。しかしそれは棒読みだった。

 

「次の回から新幹線見送りイベント開始だから急いで準備しなさい。休憩回は挟まないわよ。加藤さんとの仲直りイベントは省略、グダグダしすぎたわね。倫理君」

 

 

(つづく)

 




次回から本題
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