負け犬ヒロインの育て方 5   作:きりぼー

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つづき


第二十章

 少し時間をさかのぼる

名古屋にある波島家の地下施設。

 出海と美智留がいる。

 

「すっごいなぁ、壁一面モニターだらけじゃん」

「ふふん、隠し施設ですよ」

「何から隠しているの?」

「そりゃあ、加藤恵@メインヒロイン型からですよ」

「ああ、あの呪いの?」

「そうです、来るべきに備えて準備しているんです」

「で、あたしが呼ばれた理由は?」

「こちらでーす」

 

格納庫の重い扉が開く

 

「美智留先輩用ロボ『ICYTAIL ver1.03』です」

そこには5メートルほどの女性型ロボットがあった。

「おおっ、でも、あたしはロボットなんて操作できないよ」

 

伊織が地下に降りてくる。

 

「そこは心配ないよ氷堂さん。ほぼ自分の体と同等に操縦できるはずだ」

「乗ってみていい?」

「もちろんだよ。そのためにきてもらったんだから」

「とはいえ、今日がぶっつけ本番になっちゃいましたけどね」

「どうして?」

「シナリオ進行が今日にきまったからね。本来のマルズイベントはバレンタインよりもあとだ」

「氷堂先輩は細かいこと気にしないほうがいいですよ?」

「そうだたったね!このロボット戦えるの?」

「もちろんです。右手が可変式の特殊金属になっていまして・・・好きな武器に換装して戦えます。速度もかなりでますよ」

「ほうほう、すごい技術だねぇ」

「技術じゃないです・・・空想です」

「なにそれ・・・」

「ゴーレムと一緒ですよ。見た目がSFなだけです」

「氷堂さん、わかりやすくいうと出海の想いを具現化したものだよ。そしてそれを氷堂さんと共有できるように改良したんだ。だから氷堂さんの想いも反映される」

「なんでもありってこと?」

「そうですね。小さな抵抗ですけどね」

「今回のプロットでは『巨大隕石の落下』となっている。フラグが立つなら、そう進むしかない。でも、巨大隕石は加藤さんの呪いが具現化したものだ。世界を消滅させるほどの呪い。でも本当はその世界って、同人の一つの物語にすぎないよね」

「ぶっちゃけたね」

「いや、氷堂さん、大事な認識だよ。だからこそ、僕ら作中人物の想いが大事になってくる。唯一の対抗手段になる」

「ってことは、祈ったり、かめはめ波で隕石を消滅させてもいいの?」

「そういうことですよ氷堂先輩!さすがです」

「わかってきたよ!だから今回はSF仕様なんだね」

「その通りです!」

「もう原作関係ないじゃん!」

「そこもねらい目ですねぇ」

 

その時、伊織が二人に静かにするように伝える。

 

伊織と美智留が席についてモニターを眺める。音声もよく拾っている。

出海は後方のガラス張りの個室にはいった。中の様子もモニターに映る。

深く腰を掛けて、頭部を覆い隠すようなマスクをかぶった。管がたくさん伸びている。

 

「いかにもって感じだねぇ」

「デザインが全部出海だけど、なかなか雰囲気でるでしょ」

「うんうん。でも機能は関係ないんでしょ?」

「一応、説明付くような設定はあるけど、まぁ気分のほうが大きいね、舞台衣装みたいなもんだ」

「わかりやすいよ波島兄ちゃん」

「どうやらイベントがはじまりそうだよ。澤村さんが駅に到着したようだ」

「いよいよですね・・・」

 

(つづく)

 




つづく
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