少し時間をさかのぼる
名古屋にある波島家の地下施設。
出海と美智留がいる。
「すっごいなぁ、壁一面モニターだらけじゃん」
「ふふん、隠し施設ですよ」
「何から隠しているの?」
「そりゃあ、加藤恵@メインヒロイン型からですよ」
「ああ、あの呪いの?」
「そうです、来るべきに備えて準備しているんです」
「で、あたしが呼ばれた理由は?」
「こちらでーす」
格納庫の重い扉が開く
「美智留先輩用ロボ『ICYTAIL ver1.03』です」
そこには5メートルほどの女性型ロボットがあった。
「おおっ、でも、あたしはロボットなんて操作できないよ」
伊織が地下に降りてくる。
「そこは心配ないよ氷堂さん。ほぼ自分の体と同等に操縦できるはずだ」
「乗ってみていい?」
「もちろんだよ。そのためにきてもらったんだから」
「とはいえ、今日がぶっつけ本番になっちゃいましたけどね」
「どうして?」
「シナリオ進行が今日にきまったからね。本来のマルズイベントはバレンタインよりもあとだ」
「氷堂先輩は細かいこと気にしないほうがいいですよ?」
「そうだたったね!このロボット戦えるの?」
「もちろんです。右手が可変式の特殊金属になっていまして・・・好きな武器に換装して戦えます。速度もかなりでますよ」
「ほうほう、すごい技術だねぇ」
「技術じゃないです・・・空想です」
「なにそれ・・・」
「ゴーレムと一緒ですよ。見た目がSFなだけです」
「氷堂さん、わかりやすくいうと出海の想いを具現化したものだよ。そしてそれを氷堂さんと共有できるように改良したんだ。だから氷堂さんの想いも反映される」
「なんでもありってこと?」
「そうですね。小さな抵抗ですけどね」
「今回のプロットでは『巨大隕石の落下』となっている。フラグが立つなら、そう進むしかない。でも、巨大隕石は加藤さんの呪いが具現化したものだ。世界を消滅させるほどの呪い。でも本当はその世界って、同人の一つの物語にすぎないよね」
「ぶっちゃけたね」
「いや、氷堂さん、大事な認識だよ。だからこそ、僕ら作中人物の想いが大事になってくる。唯一の対抗手段になる」
「ってことは、祈ったり、かめはめ波で隕石を消滅させてもいいの?」
「そういうことですよ氷堂先輩!さすがです」
「わかってきたよ!だから今回はSF仕様なんだね」
「その通りです!」
「もう原作関係ないじゃん!」
「そこもねらい目ですねぇ」
その時、伊織が二人に静かにするように伝える。
伊織と美智留が席についてモニターを眺める。音声もよく拾っている。
出海は後方のガラス張りの個室にはいった。中の様子もモニターに映る。
深く腰を掛けて、頭部を覆い隠すようなマスクをかぶった。管がたくさん伸びている。
「いかにもって感じだねぇ」
「デザインが全部出海だけど、なかなか雰囲気でるでしょ」
「うんうん。でも機能は関係ないんでしょ?」
「一応、説明付くような設定はあるけど、まぁ気分のほうが大きいね、舞台衣装みたいなもんだ」
「わかりやすいよ波島兄ちゃん」
「どうやらイベントがはじまりそうだよ。澤村さんが駅に到着したようだ」
「いよいよですね・・・」
(つづく)
つづく