恵が隕石に着地して、こたつのそばによる。魔法少女が会釈する。
「せっかくですから入ってください」
「おじゃまします」
恵もこたつに入る。
「何か飲みますか?」
「くず湯と葛根湯ください」
「風邪ですか?」
「そうみたい・・・呪いのせいとか言われるけど、メインヒロインだって風邪ぐらいひくよねぇ?」
「そりゃあ人間ですから風邪ぐらい引きますよね」
「人間かぁ・・・」
「どうぞ、くず湯と葛根湯です」
「ありがと、やっと優しくしてもらったよ・・・」
ずずずっとくず湯をすする恵。
「あなたはえっと、倫也くんの部屋に飾ってあった魔法少女よね」
「よくみてください、わたしを」
「あっ、クラスメートAさん」
「この場合、その呼び方が適切かどうかわからないですけどね」
クラスメートAはおかしそうに笑う。
「どうしてこんなところにいるの?」
「本来はですよ・・・ここに本物の・・・本物のぱちもん?のかな、魔法少女を待機させておく予定だったのですが・・・町田さんに変わって外部キャラの侵入も招聘もできなくなったので・・・、代役で本物のぱちもんのぱちもんの魔法少女をやらせてもらってます」
「大変だねぇ・・・」
「加藤さんほどじゃないですよ」
「そうだねぇ・・・」
クラスメートAがみかんを取ってむいている。こういう小物を扱えるようなると演技に幅がでてくる。
「加藤さん次・・・クラスメートBをやるんですよね?」
「『負け犬6』のこと?」
「はい。こないだ安芸さんがモブに怒鳴ってからみんなけっこう緊張しちゃって」
「ああ、あれは本当に緊急事態だからしょうがないんじゃないかなぁ」
「やっぱりフォローされるんですねぇ」
「一応ね」
「とはいえ、身が引き締まる思いですよ」
「そこまでたどり着ければいいけどね」
恵もみかんをとる。
「失敗したときのために私がいるんですけど、うまくできるかな。けっこうな大役なきがするんですけど・・・」
「これって、倫也くんが能力発動して『大団円』になったときの伏線だよね?」
「はい、いろいろ検討した結果、魔法少女で隕石消すらしいです。ガンダム系はめんどいそうなので」
「そうだね、描写も映像も版権も全部めんどくさいね」
「私が担当するのは演出的なところなんですよね?」
「そうだろうねぇ。クラスメートAさん、この隕石が何だかわかる?」
「それは設定的な意味ですか?それとも・・・メタファーとして?」
「メタファーとして」
「それはやっぱり、加藤さんの怒りとか悲しみとかの負の感情じゃないですか?」
「・・・うん。その通りだよ。じゃあ、それを英梨々が解決できると思う?」
「澤村さんがですが・・・?無理じゃないですか。みんなと一緒にならなんとかなるかもしれませんし、そういうストーリーなんだろうなって思ってますけど」
「ありがとう。だいたいわかった」
「いえ、お構いもできませんで」
「宇宙で風邪薬とみかんをごちそうなったら十分だよ!」
クラスメートAが恥ずかしそうに笑った。でもその容姿が描写されることは未だない。
(つづく)
つづく