倫也と恵が恵の部屋でプロット談義をしている。
「ヒロインだって人間だ。相手とすごした時間や、その時その時の感情によって、反応がかわるのは当然のことだろ?相手に好意もったら態度かわるだろ?付き合い長くなったら言葉使いかわるだろ?それも段階的に微妙に、極端に代わってはだめだ。それだと読者が冷めてしまうだろ?
恵が肩を震わせて手で頭を抱える。
「安芸くん、ちょっとそこ座って」
「はい!」
お互い正座する。
「そうだよ、安芸くんの言う通りだよ。人との関係って変わるんだよ。過ごしてきた物語や変わってきた気持ちとかによって、態度や行動も変えないといけないと思うんだよ。なのに・・・冬コミのあと、視聴覚室仲直りイベントをカットするってどうかと思うんだけど。そこまでわかってて、どうしてわたしのイベントを削ちゃったかな、どうしてやってくれなかったのかなぁ?わたしの気持ちに寄り添ってくれなかったのかなぁ?」
「いや、それもうフラグがたってるから解決したんじゃないの?」
「安芸くんがわかってないってわかって、余計に怒れてきちゃったんだよ!そうだよ、同人の中のヒロインでも人間だよ?わたしだって人間だよ!フラグがたったことになったからって仲直りしたって何?あっ、なんか泣けてきた」
「ああ・・あ」
恵が負け犬2のシナリオ原稿を手に持つ。
「だいたい、わたしの@メインヒロイン型って何?今までさんざん適当な同人シナリオをやらされてきたけど、まさか安芸くんまで殺すとは思わなかったよ!」
「いやならやめますから!」
「もう投稿済なんだけど」
「ごめん」
「極端なキャラの変更で読者を冷ましたよね?300UAの立ち上がりから、まさか10切るとは思わなかったよ!」
「ごめん」
「それにさぁ、わたしの短編スルーされすぎじゃないの?」
「それはほら・・・負け犬2の直後だから・・・」
「こないだ上げた出海ちゃんのに一日でダブルスコアなんですけど?」
「まぁそんなどんぐりの背比べみたいなところで争わなくても・・・」
「・・・」
「長い目で見た時にさ、早々に失敗したことは良かったと思うんだ。結局、切った人達は『冴えカノ』じゃない、つまらないって思ったわけだろ?今の恵はどうなんだろう?『冴えカノ』の恵なのかな?今回のアニメ版をトレースした演技はできなかった。もう本物の『加藤恵』と違くなっているんだよ。でも、それは間違いか?魅力がなくなっているのか?
むしろ、この物語の中で徐々に成長した恵なら、こういう行動をとりそうだって思えたんじゃないかな?」
「じゃあ、わたしとしての意見を言わせてもらっていいかな?」
「うん」
「お風呂イベントはしないよ?」
「・・・」
「湯冷めしちゃって風邪ひきたくないし」
「・・・」
「でも、誤解のないように言っておくけど、『わたし』は『加藤恵』と勝負しているわけじゃないんだよ?」
「当たり前だよ・・・」
活字でお風呂イベントやってもしょうがないしな。今回はここまで。
(つづく)
※ お風呂セリフを拾うために繰り返し再生して遅々として進まないため