出演者の都合により、イベントが一日遅れたことをお詫びします。
夜、倫也の部屋。倫也と恵がいる。
「あっ、倫也くん。昨日はえっと・・・」
「ああ、恵・・・気にするなよ・・・」
二人の目があう。顔が耳まで真っ赤になる。二人の視線が泳ぐ。
「べ・・・べつに気にしないでね」
「ああ・・・わかってる」
「気にしないの?」
「気にしないわけないだろ」
「・・・」
「・・・」
「えっと、今日はなんだっけ?」
「イベントフラグだよ」
「ああー、あれねぇ」
「なんかやる気なくなってない?」
「もともとなかった気がするんだけど、気のせいかな?」
「・・・」
「イベント場所変えてもらってごめんね」
「なんかあったのか?」
「もう一回いってみて?」
「なんか・・・あったのか?」
「もう一回いってみて?」
倫也が土下座する。
「倫也くん、それは土下座するところじゃないと思うんだけどなっ、それに・・・合意だし・・・ね?」
「ああ・・・」
二人の顔が真っ赤になる。
「やだ、もうどうしよ・・・」
「どうして場所替えを希望したの?」
「ええっ、だって、シーツ変えなきゃだし、こんなくだらないイベントのために、あの場所を使いたくないっていうか・・・思い出しちゃって・・・」
「・・・そうだな」
「思い出しちゃだめ・・・だよ?」
「あっ、うん」
二人で俯いて顔が赤くなる。
※※※
「恵・・・なんでコート着てるんだ?」
「倫也くんも着てるじゃない? はい、カイロ」
「ありがと・・・」
「それともお風呂入って、パジャマに着替える?」
「イベント終わってからでいいんじゃないかな・・・」
「じゃあ、イベント終わって戻ってきてからシャワー浴びて・・・それから」
「イベントが終わったら物語が終わるけどな」
「そうだね・・・、じゃあ、イベント終わって役割終えたら、シャワー浴びてから・・・またするんだよね?」
「恵はどうしたい・・・」
「それはちょっと、イメージ的にどうかな」
「じゃ、しないんだ」
「絶対する。何があってもするから」
二人がそろって、何かに対して土下座している。
ごめんなさい。
※※※
倫也家の屋根の上、月夜に照らされている英梨々が魂ぬけたように白くなっている。
「はっ・・・」
我に返る。
指をバチンッ!と鳴らす。
霞ヶ丘詩羽が現われる。
「あら、澤村さん・・・いやねぇ、こんなとこに呼び出して、寒いじゃない」
「霞ヶ丘詩羽~!って、その割にはコート着てるじゃない」
「・・・まぁ、呼び出されるかと思ったからよ。便利ね、その適当な力」
「想像を顕在化する力。物語を創る力・・・」
「もう、そのとってつけたような設定のむなしさと、三流説明セリフが逆に月に映えるわね」
「・・・」
「もう、これはあれよ、ポンコツ力の賜物ね」
「ぽんこつか?」
「ぽんこつりょくよ。りょく」
「どういうことかしら?」
「そもそもあなたに、エピローグを担う力がないのが原因じゃない」
「で?」
「だから、加藤さんがエピローグを創生したのよね?あのくだらないプロット一行で」
「・・・」
「まぁでも・・・このボツ原稿の方が正規ルートになるとは思わなかったわ」
「そうよね?どうみてもボツ原稿よね、暴走しすぎじゃないの?」
「あらそう?」
「だって、あれ・・・どうみてもヤってるわよね・・・」
「さぁ?R15ついてないし、オセロでも夜な夜なやってたんでしょ・・・あーこんなセリフでわたしがフォローするなんてー(棒読み)」
詩羽が消える。
「・・・(ため息)」
英梨々は気を取り直して準備する。
「考えようによっては、これでいいのかもしれない・・・これなら・・・英梨々ルートにつながる」
(つづく)
(※作者注) しゅ・・・主役は英梨々だから・・・