負け犬ヒロインの育て方 5   作:きりぼー

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エピローグ⑤

 出演者の都合により、イベントが一日遅れたことをお詫びします。

 

 夜、倫也の部屋。倫也と恵がいる。

 

「あっ、倫也くん。昨日はえっと・・・」

「ああ、恵・・・気にするなよ・・・」

 

二人の目があう。顔が耳まで真っ赤になる。二人の視線が泳ぐ。

 

「べ・・・べつに気にしないでね」

「ああ・・・わかってる」

「気にしないの?」

「気にしないわけないだろ」

「・・・」

「・・・」

「えっと、今日はなんだっけ?」

「イベントフラグだよ」

「ああー、あれねぇ」

「なんかやる気なくなってない?」

「もともとなかった気がするんだけど、気のせいかな?」

「・・・」

「イベント場所変えてもらってごめんね」

「なんかあったのか?」

「もう一回いってみて?」

「なんか・・・あったのか?」

「もう一回いってみて?」

 

倫也が土下座する。

 

「倫也くん、それは土下座するところじゃないと思うんだけどなっ、それに・・・合意だし・・・ね?」

「ああ・・・」

 

二人の顔が真っ赤になる。

 

「やだ、もうどうしよ・・・」

「どうして場所替えを希望したの?」

「ええっ、だって、シーツ変えなきゃだし、こんなくだらないイベントのために、あの場所を使いたくないっていうか・・・思い出しちゃって・・・」

「・・・そうだな」

「思い出しちゃだめ・・・だよ?」

「あっ、うん」

 

二人で俯いて顔が赤くなる。

 

※※※

 

「恵・・・なんでコート着てるんだ?」

「倫也くんも着てるじゃない? はい、カイロ」

「ありがと・・・」

「それともお風呂入って、パジャマに着替える?」

「イベント終わってからでいいんじゃないかな・・・」

「じゃあ、イベント終わって戻ってきてからシャワー浴びて・・・それから」

「イベントが終わったら物語が終わるけどな」

「そうだね・・・、じゃあ、イベント終わって役割終えたら、シャワー浴びてから・・・またするんだよね?」

「恵はどうしたい・・・」

「それはちょっと、イメージ的にどうかな」

「じゃ、しないんだ」

「絶対する。何があってもするから」

 

二人がそろって、何かに対して土下座している。

ごめんなさい。

 

※※※

 

 倫也家の屋根の上、月夜に照らされている英梨々が魂ぬけたように白くなっている。

 

「はっ・・・」

 

我に返る。

指をバチンッ!と鳴らす。

霞ヶ丘詩羽が現われる。

 

「あら、澤村さん・・・いやねぇ、こんなとこに呼び出して、寒いじゃない」

「霞ヶ丘詩羽~!って、その割にはコート着てるじゃない」

「・・・まぁ、呼び出されるかと思ったからよ。便利ね、その適当な力」

「想像を顕在化する力。物語を創る力・・・」

「もう、そのとってつけたような設定のむなしさと、三流説明セリフが逆に月に映えるわね」

「・・・」

「もう、これはあれよ、ポンコツ力の賜物ね」

「ぽんこつか?」

「ぽんこつりょくよ。りょく」

「どういうことかしら?」

「そもそもあなたに、エピローグを担う力がないのが原因じゃない」

「で?」

「だから、加藤さんがエピローグを創生したのよね?あのくだらないプロット一行で」

「・・・」

「まぁでも・・・このボツ原稿の方が正規ルートになるとは思わなかったわ」

「そうよね?どうみてもボツ原稿よね、暴走しすぎじゃないの?」

「あらそう?」

「だって、あれ・・・どうみてもヤってるわよね・・・」

「さぁ?R15ついてないし、オセロでも夜な夜なやってたんでしょ・・・あーこんなセリフでわたしがフォローするなんてー(棒読み)」

詩羽が消える。

 

「・・・(ため息)」

英梨々は気を取り直して準備する。

「考えようによっては、これでいいのかもしれない・・・これなら・・・英梨々ルートにつながる」

 

 

(つづく)





(※作者注) しゅ・・・主役は英梨々だから・・・
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