負け犬ヒロインの育て方 5   作:きりぼー

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エピローグ⑥

 ベッドの上に恵、床の布団に倫也。イベントトークがはじまる。

 

「それで、これからどうするの?」

「まずは、次のプロットの作成からだな」

「出海ちゃん、短編のあとでも一緒にやってくれるかな」

「とりあえず、真剣に答えるしかないかな」

「それって告白するってこと?」

「もう寝てください、か・・・恵さん」

「それに、英梨々のポンコツとはどう向き合うの?」

「そっちは・・・時間をかけていくしかないかな・・・」

「本当に時間が解決してくれると思ってる?」

「わかんないけど、他にどうしたらいいのかもわかんないし」

「わかんないくせに、こうしてわたしにエピローグ任せてていいのかなぁ」

「やっぱ寝ろ」

 

恵が枕に顔をうずめる。

 

「しーらないよ安芸くん」

「じゃあ、他にどうしたらいいんだよ?」

 

恵が足をバタバタさせる。

 

「わたしもしーらない」

「・・・たくっ、この話の恵、キャラ滅茶苦茶だぞ・・・」

 

恵が顔をあげて、寂しそうな目をする。

 

「そうだね、ねぇ安芸くん?」

「なんだよ?」

「次の負け犬6が始まったら、今のわたし・・・忘れて・・・ね」

「ああ・・・やなこった(小声)」

 

恵が顔を伏せて布団を頭にかぶる。

「やだっ(小声)」

「・・・恵っ」

「今回のわたしも忘れないで欲しい。わがままで怒りっぽいわたしも忘れないで欲しい・・・ぜんぜん加藤恵っぽくないわたしを・・・覚えててくれる?」

「ああ・・・わかってる」

 

恵が鞄をごそごそして何かを探している。

「ん?今度はなんだよ」

 

カメラは恵を前から捉えるがコート着て真冬のフル装備なので、まったく谷間が拝めない。なんてこった。ここの描写のためにがんばってきたのに。

 

「はい、安芸くん・・・誰でも義理だってわかるし、一応ね」

 

チロルチョコに、『ぶらっくさんだー』と殴り書きしたノートの切れ端がはってある。

 

「そりゃどうも」

 

倫也が受け取った瞬間・・・

 

『The curse of the main heroine』が鳴った。

 

「やった!」

恵が喜んで飛び上がる。

「ちょっと恵?どういうこと・・・?」

倫也が起き上がり恵に問い詰める。

「どうもこうもないよ安芸くん・・・」

「まさかお前・・・」

「ちょっと、プロット読んでみてくれるかな?」

『あの時、恵が渡したブラックサンダーは、実は恵が完全再現したものだった』

「ほら、わたし・・・そんな恥ずかしいことしたくないし・・・」

「やり遂げたのか!」

 

恵がうなずく。倫也はチロルチョコを見つめていた。

 

その時、恵の部屋のドアが音もなく開いた。

そして・・・幻影のような透き通った加藤恵@メインヒロイン型が現われる。鈍い錆びたナタを手に持って。

 

「きたよ。安芸くん」

「ああ・・・きたな」

「安芸くんまた殺されるの?」

「いや、同じオチは使わない、それに言ったろ、ハッピーエンドで終わるって」

 

(つづく)

 

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