視聴覚室。倫也が不在の中、残りの6人が座っている。
「僕も発言いいかな?加藤さん」
「どうしてわたしに許可をとるのかなぁ?」
「代表不在の今、副代表を立てているのだけど」
「好きにしたらいいんじゃないかな」
「許可が得たところで、僕からも少しフォローさせてもらう」
「ところでトモはどこいったの?」
「倫理君なら今頃はトイレで不倫理君なんじゃないかしらね」
「ああ、若いなぁ・・・トモ」
恵の顔が赤くなる。伊織は無視して続ける。
「霞センセ、負け犬3には問題点があった。まず第一にプロローグに「バレンタイン前」と言いながら正月から始まっている。これはリアルタイムとリンクしているせいが大きく、僕ら作中の人物ではどうにもできない。いわば運命の悪戯だといっても過言ではないとおもうのだけどどうかな?」
「そうね」
「そんなプロットもろくに無いなか、加藤さんは即興でよく演じてくれたと思うのだけど、それはどうかな?」
「そうね、否定しづらいわね、途中までは」
「では少し視点を変えて、どうして澤村さんがずっと黙っているのだと思う?」
「そういえば澤村さん静かね?」
「澤村ちゃんいたの!?って、隣に座ってた・・・」
「あたしのことはほっときなさいよ伊織・・・」
「これはね必要な話だ」
「やめてよ・・・伊織・・・」
「どういうこと、お兄ちゃん?」
その時、扉が開いて倫也がすっきりした顔で戻ってくる。
「そこまでだ・・・伊織」
「トモ、かっこつけてもかっこ悪いぞ?」
倫也は発言をスルーして自分の席に座る。
「ナニしてたのかな?安芸くん」
恵が追及する。倫也は賢者モードなので姿だけは動じない。
「ナ・・・ナニモシテナイヨ、カトウサン?」
「そう、ふーん、あーそう?」
「ウンウン」
「じゃあ・・・ ・・・ ・・・ ・・・・」
「加藤!?」
恵が倫也の耳元でささやく、何を言ったかは周りは聞き取れないし、文字に残らなかったので誰にもわからない。
倫也が顔を赤らめて下を向く。
「続けてくれるかな?波島くん」
「恵ぃ・・・」
英梨々が困った顔をする。
「egoistic-lily」
伊織がつぶやいた。
英梨々が机に伏せる。
「あーあー、聴こえない聴こえない」
「やめとけよ・・・伊織」
「安芸くん?」
「・・・」
「この負け犬シリーズのどこかで『打ち切り』は必要な話だった」
「そういうことね・・・」
詩羽がうなずいて納得した。
「えー、あたしにもわかるように説明してよ波島兄ちゃん」
伊織が首を振る。
「本人に説明してもらおう」
英梨々が伊織をにらむ
「あんたねぇ・・・」
「ちょっとまって。倫理君と加藤さん、話に参加していないからってひそひそ話でいちゃいちゃするのやめてくれる!?」
「べ・・・別にいちゃいちゃなんて・・・してないよ詩羽先輩!?」
「もう二人で保健室でも言っていたらいいんじゃないかしら?」
「そうしよっか、安芸くん」
恵が立ち上がる。
すかさず倫也が加藤の腕をつかんで座らせる。
「もう少し自分のイメージ大事にしてください、加藤さん」
「しょうがないなぁ・・・」
「・・・」
英梨々が立ち上がる。
「あたしが主人公の『egoistic-lily』ってマンガわね・・・未完・・・打ち切りにあったのよ・・・!」
(つづく)
会議中だけど会議はまだ始まってないんだよなぁ・・・