誤字脱字などありましたら教えていただければ幸いです。
次の第四話にて一章は終了となり、二章より本格的な介入となる予定です。
今後ともよろしくお願いします。
・3020年6月27日 第11長期殖民惑星調査任務艦隊消失宙域 統合軍 閃空 第402飛行隊第4飛行小隊
編隊を組みながら航宙機「閃空」はエンジンの出力を一定に保ちながら、消失地点周辺の調査任務を行っていた。
彼らは、既に4日同じ場所を捜索している。
「ハヤブサリーダーより各機、何か見つかったか?」
機体のナビゲーションに従い機体を飛ばしながら編隊長は、僚機に通信を入れた。
「2番機、何も…いつも通り、何もありません。」
「こちら3番機、静かなもんです。………隊長、政府は調査艦隊のことどう考えてるんですかね?」
何やらその言葉に含みを覚えたのですぐに指示を出す。
「待て、各機これからはオフレコだ、レコーダーを切れ」
各機はレコーダーをオフにして続ける。
「どうとは?」
「他の隊の奴が、話してるの聞いたんですよ。11艦隊の奴らはもしかしてクーデターでも起こす気なんじゃないかって」
「馬鹿なこと言ってるんじゃない、艦隊の上層部は皆名も知れた人物だ。過激な事などするはず無いだろう。それに民間人だって乗ってるんだぞ。絶対に、彼らは日本軍人だ民間人がいるのに滅多な事はしない」
「ですが、もう4日目ですよ。ここでの調査で、事故の形跡は見つからず、残骸さえないんだ。そう考えたって間違っちゃいないと思うんですがね」
そう言って3番機に乗る部下は、悪態をついた。
そんな中、二番機が声を上げる。
「ん?何だ?計器の故障か?………跳躍反応?……!!!!このコードは11艦隊!」
そんな彼らの目の前に次々とゲートが開き、そこから船が突き抜けてくるのだった。
・3020年6月28日 星間国家「日本」首都惑星 大八島 統合軍司令部 第一会議室
第一会議室では、第11長期殖民惑星調査任務艦隊の所在不明から一週間程、マスコミへの対応と艦隊の消息について連日協議を重ねていた。
これがただの調査艦隊の所在不明であれば此処まで問題にならなかっただろう。
只でさえ未踏破宙域の調査には、不測の事態がつき物であるからだ、さしもの調査艦隊でも一度の調査で艦隊全滅も良くあることだ。
しかし、今回の第11長期殖民惑星調査任務艦隊については少し事情が違う。
司令部が行っていた艦隊の位置トレースと、こちらからの交信どちらにも反応が無いのだ。
特に艦隊の位置トレースが無くなったのは慌てさせた。
艦隊所属の要塞と全艦が同時に位置トレース出来無くなったのは今までにその事例は無く、さらに無人機による事前調査では、跳躍先の未踏破宙域が安全であることを確認していた為、いきなり位置トレースが出来なくなる事は無いはずだった。
さらに問題を複雑化させたのには理由があった、その理由はこの艦隊の編成まで時はさかのぼる。
3ヶ月程前、4年もの間アメリカが行っていた戦争に日米安保に基づいて派遣されていた援米派遣艦隊といれかわる形で派遣される予定だった新規編成の艦隊があった。
しかし、艦隊が編成を終えいざ派遣という段階になって、アメリカが4年間続けた戦争をあっさりと停戦してしまった事によって、艦隊の行き先が無くなってしまったのである。
この艦隊が第11長期殖民惑星調査任務艦隊の前身でる。
結局この艦隊は、それから一月後に長期殖民惑星探査任務の為に、調査機材や調査用船艇を艦隊に組み込み派遣されることになった。
この艦隊が行方不明になると何か問題があるのか、大いに問題があった。もともと戦争用に編成したものであった為、各地に派遣されている調査艦隊と違い、調査には過剰とも思える戦力がそろっていた事が問題であったのだ。
そう反乱でも起こされたのなら一大事だったのだ。
更に言えばこの調査艦隊の出航は、15年ぶりの大規模調査艦隊であり、マスコミがこぞって大々的に報道した為、現在の所在不明をごまかすことさえ不可能になっていた。
以上のことが会議を大いに連日長引かせる理由であった。
会議において、彼の艦隊がもし反乱を起こしていたら何処の星系へ最初に現れるか、彼の艦隊をどのように防衛し補給拠点をどうするのか、を協議していると、一人の仕官が会議室のドアを叩き入室し、会議室によく通る声で「11艦隊から通信が入りました。報告があるそうなので通信室までお越しください。」と告げるのだった。
・3020年6月28日 星間国家「日本」首都惑星 大八島 統合軍軍司令部 通信室
今、統合軍令部総長
いや、前田だけでは無かったその場にいた全員が熟考し、中には渋面や頭を抱えている者さえいる。
その原因は、先程の第11長期殖民惑星調査任務艦隊からの報告が原因である。
彼らが送ってきた報告内容は正直荒唐無稽もいいとこだった。
その内容は彼らは今、異世界にいてしかもそこには地球があり、その地球は良くわからない生物に襲われていて滅亡間近、そして下手をすればこちらまで襲ってくるかもしれないという。
これだけ聞けば何を馬鹿なと一蹴に付したかもしれない。
だが、その情報と共に送られてきた膨大な量のデータと、先程第四艦隊が保護した第11長期殖民惑星調査任務艦隊に所属していた民間人を乗せた調査船と共に運び込まれた現地の映像、現地人のDNAサンプル、そして戦術機と呼ばれる大型機の装甲サンプル、最後に謎の生物の生態組織サンプル、ここまで出されしかも自国が満を持して作り上げた新型電算機がその処理をし、全員がその艦隊の司令が、つい数か月前まで全線で指揮を執っていた優秀な男である事を知っているとなれば信用するほかなかった。
そんな中、全員の意思を代弁するかの様に、その場にいた士官の一人が誰に言うでもなく声に出した。
「さらに問題がややっこしくなっちまった。こりゃマスコミが絶対に騒ぐぞ………各国も黙ってないだろう」
その場にいた全ての者が今回の件をそう認識し始めていた。
そして、誰もが恐らく耳聡いマスコミは既に11艦隊発見の報は耳にしている事だろうと考えていた。
確か11艦隊には報道関係者も乗っていたはずだ。既に、何らかの方法で自社に報告を入れているかもしれない。
そんな中今ここで彼らに何らかの制限を加えると今後まずい事になりかねない。
彼ら自身どこまでの事情を知っているのかわからず、只でさえ今国内では11艦隊消息不明の話題で持ちきりなのだ。
そうなると情報はできる範囲で開示せざる負えない。嘘もなくだが真実ともいえない範囲で……
そんなもろもろの面でもやはり問題は肥大化してると言えた。
そして、前田は立ち上がり告げる。
「諸君すまない私は、今の報告を持って佐伯さんのところまで行ってくる。今後の方針はその後に決めよう」
そう言って部屋を出て行った。
その後、各自が通信室から出て行く中、第1艦隊司令官
「災難だな山本君は、たぶんだが、どうあっても帰ってくる事はしばらくできないだろう。おそらく派遣軍が編成されれば現場指揮官に抜擢されるだろうよ。そうすりゃ、さらにあっちの世界に釘付けだ。これじゃ良かったのか悪かったのか微妙なところだな………それにしても、異世界に絶望的な地球、んで、良くわからん兵器にそれよりも良くわからん生物。そんなのは小説の中の事だと思っていたのだがね」
そう言って肩をすくめる大本の話を聞いていた加藤がその考えを否定する。
「いや、ですが派遣してもうちに利益があるとは思えませんよ。山本さんの艦隊も撤退って事もあるんじゃないですか?防衛なら例の地点に拠点でも作りゃいいし」
「お前それ本気で言ってるんじゃないだろうな?」
大本が尋ねると加藤はニヤリと笑いながら答えた。
「いいえ、わかっていますよ。二手三手布石は打っておくものですからね、どっちにしろ本国を守るなら相手の土地でやる方が有利ですし、わざわざ僕ら自身が戦うことは必ずしも必要じゃないですしね。リスクは避けるべきなんですが、それでも閣僚や政治家の中にはそう考える人もいるかと思いましてね」
それは大本自身も考えていたが、それよりも現状がそれを許さないと考えてもいた。
「うーん、それでもどうだろうか………今回のことは、出航の時から報道されてるから、マスコミに艦隊の失踪の原因を説明することになるだろう、そうなるとこれも説明せねばならないぞ、国民やマスコミは騒ぐぞきっと、何しろ異世界とはいえ同じ日本人だ。もし隠したままにしたら、後々今回のことが漏れた時、大問題になりかねない、それに此処まで積み上げてきた軍に対する信用もがた落ちになるだろう。11艦隊にいたマスコミがリークすることだって考えられるんだ。そう考えると結局、世論に押されて派遣って流れになる可能性は高い。それに企業は此間終わった戦争で売る筈だった物の放出先を探しているし、山本が送ってきた資料ちらっと見たんだが、その中に資源衛星のデータがあった。あれさえ見せれば結構乗り気で後押しするんじゃないか?」
大本はそう言い切る。
だが、加藤自身は、メッツーとの合同訓練の為しばらく日本を離れていた為、山本との直接の面識はなくその為人となりを知らず、人伝にしか彼事を知らない為に加藤は真顔になり尋ねる。
「それですが、山本さんが送ってきた資料あれはどれぐらい信用できるものだと思います?」
「かなりの物だと思うぞあいつの性格からして、事前調査をしっかりしてるだろうし、要塞の最新式の量子コンピュータが解析を手伝ったはずだから、まず間違い無いだろうさ」
そういって二人は通信室から出て行きながら話は続く。
「各国の調整はどうなると思う?」
「そうですね、どこも手は出さないんじゃないですか?」
「お前もそう思うか。うちって国連所属の各国とは物理的にかなり離れてるからな、わざわざ手を出す可能性は低いよな…ただ各国ともに民意は無視できないからうちの対応如何によっては手を出してくるかもしれないな」
「特に例の国々ですか?」
「ああ、間違いないだろう」
そう言うと二人は互いに顔を見合わせ深いため息をつくのであった。
そんな話をしながらしばらく並んで歩きながら、別れ際、加藤は誰が派遣されるか尋ねてみた。
「結局誰が後詰に派遣されるかって事なんですが、先輩はどう考えてるんですか?」
「俺か?俺は…そうだな…うん、お、そういえばお前の艦隊そろそろ再編成終わるそうじゃないか、もしかしたら後詰としてお前が派遣されたりしてな」
そう笑いながら振ってきた。
「はは、先輩そんな不吉な事言わないでください。本当になったらどうするんですか。」
加藤は苦笑いを浮かべながらあり得ない事ではないなと思いながら、それではと言って待たせてあった部下の元へと向かうのだった。
結局、この話の所為かわからないが、後日後詰として加藤の艦隊は派遣されることになってしまう。
・3020年6月28日 星間国家「日本」首都惑星 大八島 統合軍省 大臣執務室
大本が加藤と自論を展開している頃、前田は大臣執務室にいた。
「急にお忙しいところ押しかけてしまって申し訳ありません。緊急時だったものですから………」
前田は、向かい合って座っていた彫りの深い顔をした日本人にしては色白で背の高い男、統合軍大臣
聞くところによれば彼の先祖は、欧米人だったらしい。
「いえ、かまいません。ちょうど休憩しようと考えていたところでしたので、それで所在不明だったという艦隊からの報告があったというのは本当ですか?」
それを手で制しながら佐伯は話の先を促し、自身はサイフォンからコーヒーをカップに注いでいく。
良い物なのだろうが、緑茶党の彼には詳しい事がわからない。だが、コーヒーの良い匂いから彼がよく飲むコーヒーとの違いだけは分かった。
「はい、ですがその報告は我が国にとって、今後を左右するような重要な報告でした。」
コーヒーを前田の前と、自分の前に置き更に佐伯は話の先を促した。
「この資料をご覧ください。」
そう言って佐伯の前に山本から送られてきた報告書を差し出した。
口にしていたカップを一旦置きその報告書を受け取り読み始める
しばらく佐伯は其の報告書を読んでいたが、だんだんと顔色が悪くなっていく。
「これは、本当のことですか?」
佐伯は読み進めながら、前田に真偽を問うた。
「はい、艦隊に配備されてる機材は最新式の物ですし、それに艦隊司令官は信用できる男です。また送られてきたサンプルもあります。こちらは略式ですが第四艦隊所属の特務艦で調査をして確認を取ってあります。それから考えると本当の事でしょう。」
そう聞いた後、しばらく黙って報告書を読み進めていく。
読み終えてから10分ほど、メモ帳に何か書き出しながら熟考していたが唐突に立ち上がり
「前田さん申し訳ない。これから首相官邸に向かうんだが一緒に来ていただけますか?」
「了解しました。ご一緒させていただきます。」
そう言って二人は足早に執務室を出て行くのだった。
その場には、ほとんど減っていない飲みかけのコーヒーが残されていた、
・3020年7月25日 星間国家「日本」首都惑星 大八島 国会議事堂
佐伯と前田が内閣総理大臣
この一月における日本国内の動きは非常にあわただしかった。
二人が岸に報告をした時、岸は聞いてすぐは大変驚いていたが、素早く閣僚会議を招集した。
閣僚会議で報告内容を告げると、聞いた各閣僚も同じように大変驚いていた。
当初、会議は加藤と大本が予想していた通り岸と佐伯だけが支援について賛成に回り、他の閣僚は利益が無いのでやる必要は無い、せっかく戦争が終わったのにまた始めるのはナンセンスだなどの意見が占め、艦隊の撤退をさせようという意見が主流であった。
しかし、佐伯が山本の報告にあった資源衛星の資料を提出すると、経済産業大臣が財界からの、戦争が終わってしまい在庫が余ってしまった軍需物資や、支援物資の送り先を求める声に押され支援賛成に回り、その後マスコミ各社が一斉に、異世界の情報を流し始めるとだんだんと支援決定へと傾き、最終的に閣議は満場一致で可決され国会へと提出され、野党の一部が反対したがその頃には、民意は完全に支援行うべしの言葉が占め結局、採決は賛成多数で可決した。
又、世界の主要国家にもこのことを伝えたが、アメリカは戦争が終わって立て直していて動けず、中国は内戦や異星人国家との戦争中で身動きとれず、そのほかの各国は殖民惑星の拡大の為に乗り気でなかった。ただ、各国は日本に対して、異世界の自国民に対して便宜を図るように求め、一部の国はその為にできるだけの支援を約束してくれもした。
更に日本の位置関係も悪かった。世界各国が銀河中央に向かって領土を拡大したのに対し、領土問題で痛い目を見てきた日本は、銀河中央に目が向いていることを良いことに銀河の外円部を這うように領土を広げていたのだ。
その結果各国と日本は物理的に離れてしまうことになった。さらに今回の跳躍によって開けられた異世界への道は、日本のはずれの星系であった為、各国にとって戦力を送るのには金銭的にかなりの負担になる事も日本の独自行動を容認する一因となった。
これらのことも相まって、各国は昔に各国間で締結された殖民惑星自己管理法(発見した殖民惑星は其の発見し降り立った国が、自己責任の元に管理せよ他国が干渉してはならないというもの)実質忘れ去られた法を建前に日本に任せるという態度を取った。
先にも上げたが岸は、即座に報道関係各社に事実を公開した。
もちろん機密扱いの部分に関しては秘匿したが………
すると、日本人の生来の国民性である御人好しがムクムクと膨れ上がり国民は、声高らかに「異世界の同胞を助けよう」と言いだしたのだ。
結果こうなると国会議員は、支援法案に強く反論することができなくなってしまった。
そして今日、星間国家「日本」で異世界支援法案が可決した。
成立してすぐの現在、凄まじい数の報道関係者が詰めかけ予定していた会場から、会場外に出ての演説になりSPが忙しなく動き回り警戒する中定例記者会見が行なわれようとしていた。
「総理、支援決定について一言御願いします。」
岸は記者に向かって顔を向けた。
「今回の件について、我々は振って沸いた事に戸惑いそして大いに驚きました。しかし、皆さんがもう知っておられる通り、彼の世界の我々の同胞はこの時も、一人又一人と死んでいっているのかもしれません。私はそれを黙って見ている事はできません。私たちにはそれを助ける力がある。その節は報道関係者各位には大変お世話になりました。事実をそのまま伝えていただいたことで、国民の皆さんが一人一人この問題について考えていただける良い機会になったと思います。そして今回のこの法案の可決が、私と皆さんの心が一緒だということの現われだと思っています。どうもありがとう、そしてこれからも私に力を貸してほしい」
そう言って岸は深々と報道関係者と視聴者へと頭を下げるのだった。
・3020年7月25日 星間国家「日本」首都惑星 大八島 皇居
強い日差しが照りつけ、日ごとに気温が上がり、セミは元気に鳴き、着ている背広は汗で肌に張り付き気持ち悪い。
500年ほど前に地球から移築した場所へと向かう車の中で彼は外を眺めながら、公園で涼むサラリーマンや、観光客、熱い中直立不動で警備する警察官等を見ながら自分のいる国の平和を噛みしめると共に、遠い世界に思いをはせていた。
一月ほど前に統合軍大臣より見せられた、地球と日本には残念ながらこのような長閑な風景は無かった。
そこにあったのは戦場の阿鼻叫喚の地獄絵図と、死を前にして覚悟を持った人間と貧困にあえぐ者たち、生きる為に犯罪に手を染める人々、人を殺しまた殺される世界であった。正直あまりの酷さに見ていられなかった、その光景を見た瞬間政治家としての本分を超え一人の日本国民として行動していた。
それから直に行動を起こしたが1ヶ月も掛かってしまった。
この間どれだけの人間が死んだだろうか……
目的地に着き車が止まり、ドアが開く、そして岸は本日の結果をある人物に報告に向かうのだ。気を引き締めなければと思いネクタイをしめなおすのだった。
岸が執務室へと入出すると今上天皇陛下は、窓から外を眺めていた。
岸をソファーへと座る要に促し、対面に今上天皇陛下はご自分もソファーに座られた。
「陛下、法案が通りました。これで我が国は彼の世界を支援することができます」
そう言って岸は話を切り出した。
「そうか、わが国は異世界の同胞を救うことができるか」
岸は佐伯からの話が合った直ぐ後に皇居へとお伺いし、異世界の事をご報告していた。
その為陛下は大変気にされていたのだろう、真剣な目をして尋ねられた。
「我等一同、一丸となって必ずや陛下のご期待に答えさせて頂きます。彼の地を必ずや元の緑あふれる星へと戻して見せます」
と岸は答えた。
その後直に立ち上がられ、自らの執務机の引き出しから一通の手紙を取り出し、再び岸の前へ座られる。
今上天皇陛下は、岸の手を握りおっしゃった。
「宜しく頼む、これが彼の国の代表への親書と私からの贈り物だ、頼んだぞ岸」
岸はしっかりと陛下の手を握り返し
「は、確かに承りました。必ずや」
と答えるのだった。
その後親書と菊の花を一輪受け取り岸は、今上天皇陛下の執務室を辞する。
その際、今上天皇陛下は立ち上がり、再び窓の外を眺め始めて何かお考えになっていた。
岸は車に乗り込む中、陛下の表情はやはり遠くの世界をうれいていらっしゃる様に岸には見受けられるのだった。
この日、星間国家「日本」は、異世界の同胞を助ける為に本格的に動き出す事になる。
2010年 11月07日 にじファンにて初投稿
2012年 09月26日 加筆修正の上投稿