STARWARSーWHAT IF   作:AlexGarcia

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ジェダイへの道

突然コルサントで目が覚めたあの日から六日がたった。

 

この六日の間はこれといって大きな出来事はなく、ガルはいつもオビ=ワンとシャアクと一緒にいた。オビ=ワンもシャアクもガルといるのが好きな様で看病やお見舞いを理由に毎日病室を訪れては彼を外に連れ出して聖堂内を散歩するのだった。

 

ガルは何度か精密検査を受けたが特に身体には異常がみられないとの結果が出た。しかし、彼自身は何故自分の身体にあったはずの傷が消えているのか、何故ダソミアからコルサントに移動していたのかとずっと考えていた。

 

「何か考え事をしている様じゃの?」

 

ヨーダが彼の病室を訪れてそう尋ねる。

 

「マスターヨーダ、いらしていたんですか。少し自分の身に起こったことについて考えていました」

 

「それで答えはでたのかの?」

 

「いえ、残念ですが……」

 

「そうか。それならジェダイの訓練を受けてフォースのトレーニングを本格的にしてみるのはどうじゃ?そうすれば今見えない物でもいずれ見えてくる事になろう」

 

ガルは正直ヨーダのその言葉を待っていた。スターウォーズオタクだった頃から憧れていたジェダイになれる道がついに現れたのだ。

 

「もちろんやります!マスターヨーダ」

 

ガルは興奮しながら元気よくそう答えた。

 

「うむ、けっこう。けっこうじゃ。なら今日の午後からオビ=ワン達と一緒に訓練に参加してみるかの?」

 

「えっそんなに簡単に決めちゃって良いんですか?」

 

「実はもうわしとドゥークー、クワイ=ガンの三人から評議会には説明してあるのじゃ。そしてジェダイ評議会は其方に訓練を受けさせる事を許可したのじゃ」

 

「それなら良かったです。でも反対意見は出なかったんですか?」

 

「特にはない様に思えたがのお」

 

ヨーダはそう答えた。しかしガルはダソミア出身で唯一人間の自分が何の反対意見も無くジェダイになれるなんて事がないのを知っていた。あらかた優秀なジェダイ三人の意見に黙って頷くしかなかったのだろう。あるいはまだ評議会に報告してないか……

 

「では今日の午後から訓練に参加しようと思います」

 

「じゃあまた後でのガル」

 

ヨーダはそう言って出て行った。

 

ヨーダが病室を出て行って少しすると外でバタバタと走る音が聞こえてくる。その足音はガルのいる病室の前で止まった。ドアが勢いよく開きオビ=ワンとシャアクが入ってきた。

 

「ガル、どうだった?」

 

シャアクがベッドに駆け寄りながら聞く。

 

「今日の午後から二人と一緒に訓練を受ける事になったよ」

 

「本当か?ついに一緒に訓練できるんだな」

 

オビ=ワンは満面の笑みでそう言う。

 

「やったね!今日の訓練は私が隣でリードしてあげます」

 

シャアクもガルの訓練決定に凄く喜んだ。

 

ガルは二人と一緒に喜びながらも自分の知っていた大人の二人とはだいぶかけ離れたキャラに裏では少々困惑していた。

 

一方でドゥークーとクワイ=ガンはヨーダに彼の訓練決定についていくつか質問をしていた。

 

「マスター、何故評議会に黙ってこんなことを」

 

「マスタードゥークーの言う通りです。彼の様な色々詳細不明で強力なフォースを持つ者を簡単にジェダイ・イニシエイトにするのは危険です。もっと検査をしてからでないと。それにミディクロリアン値や彼のフォースの強さからもしかすると彼は選ばれし子かもしれません」

 

「そなた達の言いたい事もよく分かる。大丈夫、評議会には後で報告しておくでの」

 

ヨーダはそう言いながらすぐに立ち去ってしまった。

 

「マスタードゥークー、彼をどう思いますか?」

 

「どうやらこれで彼のマスターは私に決まりの様だな」

 

「話を聞いてますか?彼は選ばれし子なのかもしれないのですよ?」

 

「あの子が本当に選ばれし子だと思うの?」

 

話をしていた二人の後ろから一人の女性が現れる。

 

「タ、タール?」

 

クワイ=ガンは驚いた表情で彼女の名前を口にした。

 

「なによその反応は。私があなた達の話を盗み聞きしたとでも?」

 

「い、いやそんなつもりはないが……」

 

「マスターヨーダから話を聞いたのよ」

 

「何故タールまでガルの話を知る必要がある?」

 

ドゥークーは率直な疑問を彼女に投げかけた。

 

「さあ?マスターヨーダからはそなたも知っておかなければならないって言われたわ」

 

「そうか……」

 

ドゥークーは腰を下ろして考え込みながら答えた。

 

「マスター、やはり彼はマスターヨーダから見ても特別な存在という事ですよ。これはやはり確定なのでは?」

 

「もしそうだとしても特別扱いをする必要はないさ。いずれ答えは見えてくる」

 

ドゥークーはクワイ=ガンを宥める様にそう言った。

 

午後になり、ガルはシャアクと二人で訓練がある中庭の訓練場に向かっていた。

 

「ガルってどこからきたのですか?」

 

シャアクは突然空から降ってきたかの様に現れたガルにずっと同じ質問を繰り返していた。

 

「遠い惑星かな」

 

そんな彼女に対してガルはいつものようにそう答えてはぐらかした。

 

訓練場に着いた二人はオビ=ワンと合流し、他のイニシエイト達と一緒にマスターヨーダが来るのを待った。少しするとヨーダがゆっくりと歩きながら現れた。彼の腰のベルトには映画でよく見た彼が使うライトセーバーがぶら下がっていた。しかしガルはそのライトセーバーの横にぶら下がっている訓練用のセーバーに気がついた。それを見た彼は興奮を抑えるので誠意一杯で離れたところから彼を観察しているドゥークー達三人の存在に気がつかなかった。

 

「ガル、ちょっとこっちに来てくれるかの?」

 

「はい!」

 

ガルは即答し、急いでヨーダの元に向かう。

 

ヨーダはベルトから訓練用のライトセーバーを取るとガルの手の上に乗せた。

 

「これは訓練用のライトセーバーじゃ」

 

「はい!知ってます!ありがとうございます!」

 

ガルは大喜びしながらそれを受け取った。

 

その後ヨーダの掛け声で他のイニシエイト達は並び始め、ガルはシャアクとオビ=ワンの間に立つ事にした。

 

その日の訓練はフォームIのシャイ=チョーについてだった。他のイニシエイト達はあまり上手く動くことができていなかったが、ガル、オビ=ワン、シャアクの三人はほぼ完璧にできていた。これにはガル自身もものすごく驚いた。しかしよくよく考えてみれば彼は地球にいた頃に週ニでライトセーバーアカデミーなるものに通い、ep3でのオビ=ワンとアナキンの戦闘を友達と再現したこともあったのだ。そんな彼がフォームIで失敗するはずがない。訓練の間三人は一切喋らず、フォースでお互いの動きを感じながら動いていた。

 

ガルは二人のフォースと繋がり、二人の動きにリードされた。

 

しかし、オビ=ワンとシャアクは逆の事を思っていた。

 

二人はガルとフォースで繋がった事により、自分たちの動きが今までに比べて格段に向上している事に気がついた。そしてガルをリードしようとしていた二人はまるでガルから教えられている様に感じたのだった。

 

この異変にドゥークー達が気が付かないはずもなく、三人はガルの能力をさらに正確に図る必要があると感じていた。

 

訓練が終わり、ガル達三人の元にドゥークー達がやってきた。

 

「ガル、初めての訓練はどうだったかな?」

 

「凄い楽しかったですマスタードゥークー」

 

ガルは満面の笑みでそう答えた。

 

「君の動きは素晴らしい物だったぞ」

 

「本当に今日初めて訓練を受けたとは思えないほどにね」

 

ガルはクワイ=ガンとタールに褒められて上機嫌になった。

 

「ありがとうございます!マスタークワイ=ガン、マスタータール」

 

ガルはそう答えた直後にタールと会うのは初めてだと気がついたが誰も気がついていなさそうだったため、そのまま何事もなかったかのようにして話を進める事にした。

 

「そういえば皆さんは何故ここに?」

 

「少し今の君たちの技量を測ってみたくてな。もしよければ数ヶ月後に三人揃ってトレーニング・リモートを使った修行をしてみないか?」

 

ドゥークーにそう言われたガル達三人は「もちろんです」と即答するのだった。

 

 

 

 

そしてガルがジェダイのトレーニングを始めて四ヶ月が経ったある日、ついにトレーニングリモートの訓練があるとドゥークーから連絡があった。

 

 

三人がドゥークーに案内された部屋にはもう既に全ての準備が整っていた。中に浮いた十個のトレーニングリモートが訓練開始の合図を待っているところだった。

 

「ガルは初めてだから説明するがこのトレーニングリモートは自由に動き回って君に対してブラスターを発射する。でも質力は最低に設定されているから身体に当たっても電気が流れる程度だから安心してくれ」

 

「分かりました」

 

「それと三人には今回目隠しをしながら訓練を行ってもらう」

 

ドゥークーの言葉を聞いたオビ=ワンとシャアクは不安そうな顔をしたが、ガルは物凄く楽しそうな顔をしているのだった。

 

その後三人は渡された布を目元に巻き、視界を完全に遮断した。

 

「それではトレーニングを始める。ライトセーバー起動」

 

掛け声がかかり三人はライトセーバーを起動する。それと同時にトレーニングリモートも起動し、部屋の中を自由自在に動き回り始めた。

 

オビ=ワンとシャアクは直ぐに防御の姿勢を取りどの方向から攻撃が来てもいいように備えた。しかしガルは防御の型を取らずにジッとその場を動かずにいた。

 

「彼は何をしてるのかしら?」

 

別室から観察していたタールがガルの行動に目をつける。

 

「あれは周りの状況を把握しているのか?」

 

「いつ見ても不思議な少年じゃのう彼は」

 

偉大なマスタージェダイ四人が真剣にガルの行動を観察している一方でガルは夢にまでみたトレーニングに興奮していた。

 

正直今のガルにとってこのトレーニングは簡単と言っても良いだろう。何故ならガルはもう自分の周囲の動きをフォースで感じ取ることができるからだ。それに今では彼は未来のビジョンを簡単に見る事ができる。たとえ目が見えなくてもトレーニングリモートがどこを狙ってどのタイミングで撃ってくるのかを容易く把握できるのだ。

 

そしてガルはその見えるビジョンをオビ=ワンとシャアクにも共有していた。この時三人のフォースはいつものように一体化していた。

 

トレーニングリモートが一斉に三人を目掛けて発砲してくる。しかし三人は一切動じずに全ての攻撃を無駄の無い動きで防御していく。

 

三人の光刃は円を描くように優雅に動く。どの光弾も三人の光刃に防がれていた。

 

この時三人は気がついていなかったが各々が違った型で自分の事を守っていた。

 

オビ=ワンはフォームIII、ソレス

 

シャアクはフォームII、マカシ

 

そしてガルはフォームVII、ジュヨー

 

三人の動きは洗礼され、全員がイニシエイトである事を忘れさせるほどのものだった。

 

オビ=ワンは全ての攻撃を正確に防御し、シャアクはトレーニングリモートに光弾を偏向しようとした。ガルはそんな二人の前に立ち一番多くの光弾を防ぎ、偏向していた。オビ=ワンとシャアクの集中が切れた一瞬や彼らが防ぎ辛いであろう攻撃は全てガルが予測して守っていた。その時の彼の顔は一切笑っておらず、彼の姿からは何かしらの覚悟が感じられた。

 

それはまるで三人の未来を示しているかの様に思われた。

 

 

それに、それぞれがこれから歩む道も……




定期テストなんて無くなればいいのに……

それでは次回の投稿でお会いしましょう。フォースと共にあらん事を。
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