STARWARSーWHAT IF   作:AlexGarcia

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初の任務

気がつくとガルがジェダイイニシエイトになってからもう一年が過ぎていた。

 

 

 

44 BBYーーコルスカ宙域ーー首都惑星コルサントーージェダイテンプル

 

 

ガルはいつもの様に親友のオビ=ワンとシーリ・タチと一緒にジェダイ公文書館で勉強をしていた。

 

「そういえば私聞いたんだけどさ。オビ=ワンとガルがそろそろ誰かのパダワンになるかもしれないって」

 

「えっそれは本当か?」

 

ガルは読んでいた本を閉じてシーリから詳しい話を聞こうとする。彼の隣で静かに記述の課題をしていたオビ=ワンも少しクールに振る舞いながらも彼の顔には喜びと期待が滲み出ていた。

 

「う〜んでも今すぐってわけではないみたい?なんかシャアクも同じタイミングでなるって噂も聞いたよ」

 

シーリがそう曖昧な答えをするとガルとオビ=ワンのテンションは明らかに下がった。

 

「なーんだその噂ね。もう結構前から言われてるよ」

 

「私達も最初は期待してたんだがマスタークワイ=ガンにあと一年は無いって言われてしまってな」

 

「そ、そうだったのね。なんかはやとちりしてごめんなさい……」

 

シーリは申し訳なさそうな顔をして二人に謝罪した。

 

その後二人との勉強を終えたガルは自室に向かって歩いていた。

 

しかし彼の目の前にとある人物が現れた。

 

彼の前に颯爽と姿を見せたのはオビ=ワンがクローンウォーズで苦手と言っていた人物。

 

クインラン・ヴォスだ。

 

しかし今の彼はマスターソルメのパダワンだ。だが彼の雰囲気からはアニメで見ていた頃と変わらないものが感じられた。ルールに縛られない変わり者の雰囲気だ。

 

「よう!お前がガルか?」

 

元気よくクインランに話しかけられたガルは今すぐにでも逃げ出したい気分だった。正直オビ=ワンが苦手と言っていた理由もよく分かる。

 

「おいおい勘弁してくれ。イニシエイトの俺に何の用があるって言うんだよ…」

 

ガルはクインランが近づいてくる間にボソボソと独り言を言った。

 

「は、はい自分がガルです」

 

ガルはオドオドしながら答えた。

 

「お!そうか。これからよろしく。俺はクインラン・ヴォスだ。気安くクインランと呼んでくれ」

 

「は、はい」

 

「それじゃあマスターヨーダに呼ばれてるから一緒に行くぞ」

 

「え、ええ?」

 

ガルは困惑した。クインランと一緒に呼ばれるなんて嫌な予感しかしないからだ。

 

「じゃっ俺は先に行ってるぞ!」

 

そう言って走り去って行ったクインランをガルは慌てて追いかけた。

 

 

 

「お!やっときたな。この中でマスターヨーダが待ってる」

 

「ハアハア………やっときたってどこで待ってるか教えられてなかったんですけど」

 

ガルは上がった息を整えながら答える。

 

「あー忘れてたわ。まあでも俺の後追ってくれば来れるっしょ」

 

クインランはそんな事を言いながら部屋の中に入って行った。

 

「何なんあいつクッソ腹立つ」

 

ガルは吐き捨てるようにボソッと呟いた。

 

部屋の中ではマスターヨーダとマスターソルメが待っていた。

 

ガルは嫌そうにしながらもクインランの隣に立った。

 

「急に呼び出してすまない。そういえば君は初めて会うんだったな。初めまして、私はクインランのマスターのソルメだ」

 

そう言いながら彼はガルに握手を求めた。

 

「ええ、よろしくお願いしますマスターソルメ」

 

ガルはソルメと握手をしながらそう言った。

 

「マスター、何で俺たちは呼ばれたんですか?」

 

「まあそう焦るなクインラン」

 

「うむ。今回二人を呼んだのはとある任務に参加してほしいからじゃ」

 

「「任務?」」

 

ガルとクインランは同時に全く同じ反応をした。

 

「そうじゃ。詳しい説明はマスターソルメに任せておる。明日の正午に三人には惑星ライロスに向かってもらう」

 

ガルはマスターヨーダのその一言である事に気がついた。

 

マスターソルメとクインランがライロスに任務で行く。それはアイラ・セキュラとの出会いが待っているという事だ。しかし、ガルはつい最近になって思い出してきたスターウォーズのレジェンズ知識と今現在で違うところがいくつかある事に気がついていた。

 

彼の知る限りではクインランとアイラがライロスで出会うのは46BBYのはず。しかし今現在は44BBYだ。それに今考え直すとマスタータールは何故か盲目ではなく、パダワンを持っていなかった。しかもオビ=ワンはレジェンズの設定より若くなっていた。

 

「ガル、聞いておるかの?」

 

「あっはいすいませんマスターヨーダ」

 

ガルはそう謝った後も自分がこの世界にいるせいで何かが起こっているのでは無いかと疑い続けた……

 

 

 

「ねえ、話聞いてますか?」

 

「……………………」

 

「ガル?大丈夫?」

 

シャアクがガルの顔のすぐ近くまで寄ってきていた。

 

「うわっ!」

 

ガルは驚きのあまり椅子から後ろに倒れてしまった。

 

「大丈夫か?何か悩み事でもありそうな顔だな」

 

「いいや、大丈夫さオビ=ワン。ちょっとこの後の任務のことで考え事してて」

 

ガルは正直今回の任務について疑問が多かった。マスターヨーダは新しい育成プログラムだと言っていたが正直なところ今回の任務に彼自身が選ばれる理由は特に見つからなかった。何かしらの考えがあって決まった事なのだろうが。

 

「クインランと一緒にライロスに行く件だろ?まあイニシエイトがマスターヨーダから任務を任されるなんて前代未聞だからな」

 

「私はこの任務は反対です。ライロスなんて何があるか分からないのに」

 

「まあ大丈夫だと思うよ。多分死にはしない」

 

ガルはそう言いながら先程まで飲んでいたブルーミルクをまた飲み始めた。

 

「ガル、そろそろ行くぞ」

 

任務の準備を終えたソルメが声をかけてきた。

 

「はい。マスターソルメ」

 

「荷物は?」

 

「一応これだけです」

 

そう言いながらガルは着替えと小物を入れた鞄二つをソルメに見せた。

 

「コンパクトだな」

 

「まあ必要な生活必需品しか入ってないので」

 

「それが普通だよな……」

 

ソルメはそう言いながら何か悩み事があるかの様な顔をした。

 

「そうだ君たちも見送りに来るか?」

 

ソルメがそう聞くとオビ=ワンとシャアク、シーリは喜んでついてきた。

 

全員がプラットフォームにつき、少ない荷物を積み込み、離陸準備を万全にし、マスターヨーダが見送りにきてもまだ姿を見せない男がいた。

 

「遅すぎませんか?」

 

「いつものことだよ」

 

ソルメにそう言われたガルはジッとクインランがくるのを待った。そして体感で十五分ほど経ってやっと彼は姿を表した。

 

「待たせて悪い!」

 

「遅すぎるぞパダワンよ。マスターヨーダを待たせた挙句、イニシエイト達の前でだらしない姿を見せるなんて……」

 

「それは申し訳ないです」

 

「それで荷物は準備してきたのか?」

 

「いえ、このままで行こうと思ってます」

 

「はあ……」

 

ソルメがさっき困った表情をしていた理由がガルには直ぐに理解できた。しかしガルはどうせこんな事になるだろうと思い、もう既に手は打ってあった。

 

「あのマスターソルメ、クインランの荷物は予めに準備してあります。さっき自分が持っていた鞄の片方が彼の分です」

 

「ほ、本当か?」

 

ソルメは驚いた様で声が裏返っていた。

 

「まあ彼ならそうかなと。それと必要なければ無理に着替える必要は無いですクインラン」

 

「おう気が効くな!」

 

「何というかもし良かったらクインランのマスターになってくれないか?」

 

あまりの感動にソルメはガルに対して急に変な事を言い出してきた。

 

「えっ!絶対嫌です!」

 

ガルはそう言いながら船に逃げる様に乗って行った。それを追いかける様にソルメとクインランも船に乗った。そんな三人を見ながらヨーダは優しく微笑んでいた。

 

「彼がいると周りは笑顔になれるのお」

 

ガル達の乗った船が離陸していくのをヨーダ達は最後まで見送った。

 

そんな中シャアクが一人で下を向きオビ=ワンとシーリにだけ聞こえる声でこう言った。

 

「私……何か嫌な予感がするわ」

 

オビ=ワンとシーリも同じ事を思っていたのか何も言わずに黙っていた。

 

「ま、まさか……私の恋敵が現れそうなよ…かん…?…???」

 

それを聞いたオビ=ワンとシーリは…………

 

 

 

「そっちかい!」とツッコミたくてたまらなかったらしい。

 

 

 

ガウラス宙域ーー惑星ライロス付近

 

 

「よし任務の前の最終確認だ」

 

「準備オッケー」

 

「ライトセーバーの点検も終わりました」

 

「よしじゃあ今回の任務の確認をするぞ。今回はワンパを含む違法野獣のディーラーを探す事だ。私はまずセキュラ一族との会談をしてくる。評議会が言うにはセキュラ一族の中にも関与している者がいる可能性があるそうだ。その間二人にはハット族でその野獣を保持している奴をあたってほしい。相手はハット族だ。決して無駄な争いは起こすなよ?誰から買ったか聞くだけでいいからな」

 

「分かりました」

 

「了解」

 

「よし、着陸準備にかかろう」

 

ガルは初の任務で緊張していながらもコックピットから本物の惑星ライロスを見て涙を流しながら感動していた。

 

「何て綺麗な色をしているんだろう……」

 

ガル達を乗せた船は街のプラットフォームに着陸した。

 

船から降りるとそこにはクローン戦争が始まる前の美しい朝のライロスの街が存在していた。

 

「私はポルセキュラとロンセキュラと話してくる。何かあればコムリンクで知らせろ。ちなみにあのデカイ建物がハットのいる所だ」

 

ソルメが指差した所にあった建物はタトゥイーンにあるジャバの宮殿の様だった。

 

ガルとクインランはくだらない話をしながら宮殿を目指して歩いた。しかし宮殿に着いて直ぐにハットと会話できると思いきやバーで少々お待ちをと言われてしまった。

 

「はあ、何で待たされなきゃいけないんだ」

 

「まあまあ落ち着いて。さっき貰ったクレジットで何か飲み物を買うかしよう」

 

クインランにとって待たされるのはかなりのストレスの様だった。クインランはハットの側近らしい人物からもらったクレジットを半分ガルに渡して一人でバーカウンターに行ってしまった。

 

ガルは中身は青年だが実年齢はまだ六歳だ。まあでも何故か地球の十歳と変わらないぐらいの体型をしているが……

 

ガルは一人で広いバーを見て回ろうと歩き始めた。生まれてからずっとダソミアとジェダイテンプルでしか生活してこなかったガルにとって荒くれ者や色んな種族が沢山いる酒場は憧れの場所だった。しかし子供はどうやら目立ってしまうらしい。ガルは直ぐにガタイの良い、いかにもチンピラなような大人達に囲まれてしまった。

 

「ゴファイイママタリファ」

 

「ああそうだな」

 

「おいガキ金よこしな。さっきハットの側近から金もらったのは見てるんだよ」

 

「うーんそうですね〜嫌です。でもまあサバックでなら勝負してあげても良いですよ?」

 

挑発する様な目でガルは返答した。まあガルはただサバックがやりたかっただけだ。

 

「おお、良い度胸じゃねえか」

 

「ハハハ、ムサイビーサバック」

 

「良いぜちょうど今空いてるテーブルがあるからあそこに行こう」

 

三人に奥の部屋に連れられてガルはサバックのテーブルに案内された。そこではもう既に四人のプレイヤーが白熱する戦いをしていたようで、ギャラリーが大興奮していた。

 

それを見ながらガルはその場を空気を深く吸い込んで堪能しながらこう言った。

 

「楽しくなってきたぞ!」




期末テストが来週にあるので来週の金曜日までおそらく投稿が途絶えると思います。

そういえば一昨日の夜中テスト勉強した後に寝る前に少し話書こうかなと思ってiPadをいじっていたら知らない間にX-men アポカリプスを最後まで見ていました。いや〜やっぱりX-menは最高ですね。いつかX-menのWhat Ifも書いてみたいな〜なんて思いました(笑)

それでは次回の投稿で。フォースと共にあらんことを

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