でも特にスペシャル回とかではありません。前回同様、What Ifなので許してね?
二人はクローンウォーズ・シーズン3でアナキンが試験を行った場所で空を見上げながら話していた。
「さて、どこまで話したかの」
「俺が本当に未来に起こる出来事を知っているのかっていうところまでです」
「そうじゃそうじゃ。それで実際はどうなのかな?」
「まあ基本的に俺が何もしなければ起こりますね。多分。逆に俺が余計な事をすれば悪化もします」
「そうか」
「ええ」
「ならワシらの未来も知っているとな?」
「それはもちろん」
「どうか正直にその未来を教えてはくれぬか?」
ファーザーは心から未来の出来事を知りたがっていた。今、銀河はより複雑になり、暗黒面の力も強くなってきている。そんな事もあり、歳をとった彼にはこれから起こる未来を予測するのが困難になってきているのだった。
「どんな結果でも傷つきませんか?」
「ああ」
ファーザーの力強い返事を聞いたガルは一度深く深呼吸をしてから口を開いた。
「残念ですが……ドーターやサンを含めた全員が死んでしまいます」
その言葉を聞いたファーザーは衝撃のあまり膝から崩れ落ちた。
「そ、そんな……ワシだけならまだしも我が子達まで……」
全員が死ぬという発言がよっぽどのショックだったのかファーザーは胸を苦しそうに抑えてそのまま倒れ込んでしまった。
「お父様!」
どこからともなく女性の声が響き、ガルは何者かに体当たりをされて吹き飛んだ。吹き飛ばされたガルはなんとか空中でバランスを保ち、上手いこと地面に着地する。
「これはなんのつもりだ?」
「あなたこそお父様に何をしたの!」
そう叫びながらガルとファーザーの間に立ち塞がったのはドーターだった。
「父さんに何をした!」
そして鬼の形相のサンもその場に突然現れ、参戦する。
「俺は何もしてないぞ!」
「うるさい黙れ!お前みたいな素性の分からない余所者を呼ぶべきじゃないと注意したのに…」
「とにかくあなたにはここを出ていってもらいます」
そう言いながら二人は翼の生えた獣へと姿を変え、ガルに攻撃を仕掛けてきた。
「こっちの話を少しでも聞いたらどうだ?」
ガルは突進してきたドーターの上を華麗にフォースで飛び越えながら叫ぶ。しかし獣に姿を変えた二人は言葉を発する事もせずにただ怒りの咆哮をあげていた。
「人の話を聞く気は無しって事か」
説得を早々に諦めたガルはかつてアナキンがクローンウォーズでした事の真似をする事にした。ファーザー達が住んでいる惑星はフォースで出来ている。ガルはそのフォースを最大限に使ってドーターとサンに戦いを挑んだ。ガルの体から自然と流れ始めるフォースの大きな波はドーター達に衝撃を与えたらしく一瞬だけ二人の動きが鈍くなった。それをしっかりと狙っていたガルは渾身のフォースプッシュを二人に放った。
大きな音と衝撃が辺りに響く。二人はアリーナの壁にめり込んでいた。しかし、あまり致命傷にはならなかった様で二人は人間の姿に戻ってフォースの攻撃を仕掛けてくる。ガルは慌ててサンのライトニングを避け、ドーターのプッシュを吸収した。
「そこそこの実力がある様ですね」
「でも残念。俺達には寿命が無い。殺せないぞ?」
「それなら跪かせて大人しくさせるまで!」
ガルは全身の力を振り絞ってドーターとサンをフォースで上から押さえつけようとする。二人は苦しそうな表情をしながらゆっくりと地面に倒れ込んだ。しかし、二人の動きを完全に止めるまでにはいかなかった。二人が地面に倒れ込んだ事で完全に油断していたガルに対してドーターとサンはプッシュとライトニングを同時に放った。
最初にプッシュがガルの体に直撃し、彼の体は簡単に吹き飛ばされた。そして空中を飛ばされている彼の元にライトニングも追い討ちをかける様に直撃をしてくる。ライトニングで痺れていたガルは上手く受け身を取ることも出来ずにそのまま地面に落下した。
彼は意識を直ぐに取り戻すと全身の骨という骨が悲鳴をあげているのが分かった。急いでフォースを使って全身の怪我を治してゆく。フォースの惑星のおかげで怪我はありえないスピードで回復をしていく。
「私達の事をフォースで押さえつけるなんて事、できるはずがありません」
「俺達も舐められたものだな」
「そうかい。分かったよ…」
最低限の治療を終わらせたガルは口から血を吐きながら立ち上がった。
「ま、まだ抵抗する気ですか?」
ドーターとサンは身構えた。
「ああ、もちろん」
ガルはそう言いながら先程よりも強力なフォースで彼らの体を押さえつけた。
「くっ……まだこんな力を持っていたなんて」
サンはそう言いながら徐々に跪いていった。
しかし、今のガルの力は純粋に怒りから来ていたのだった。そのためサンには強く効いてもドーターは先程と変わらない様子を見せていた。
「どうやらあなたは力のコントロールが苦手の様ですね」
ドーターが皮肉じみた事を言ってくる。
このままだとガルが負けるのはもうほぼ決定している。そんな焦る彼の頭にあの言葉が響いた。
『アレックス、真の集中力は怒りと平静心の間だ』
「怒りと平静心の間………」
そう小さく呟きながら彼はゆっくりと目を閉じた。
そして自分の中で存在するライトサイドのフォースとダークサイドのフォースを互いに見比べた。それを見た彼は光と闇は表裏一体という言葉の意味を理解した。
彼は目をゆっくりと開き、もう一度ドーターとサンを強力なフォースで押さえつけた。ドーターにはライトサイドのフォース、サンにはダークサイドのフォースで。すると、二人は今までとは違った反応を見せた。一切抵抗できないままあっさりとガルの前に跪いたのだ。ガルはゆっくりと息を整えながら二人を押さえつけるのをやめた。
「うむ。上出来じゃの」
「えっ?」
ガルが後ろを振り返るとピンピンしたファーザーが現れた。
「悪くなかったぞ。流石だな。もうフォースを使いこなせる様になるとは」
「ファーザーこれはいったいどういう事ですか?」
「ほれ、自分の顔を良く鏡で見てみるといい」
そう言われながら渡された鏡の様なものに顔を写すとガルの目の色がとても綺麗な緑色になっていた。
「これは……」
「光と闇の合わさった力を使えるようになった証拠だ。ソナタなら暗黒面に堕ちる事もなかろうて」
「お父様!大丈夫でしたか?」
「娘よ、驚かせてすまなかった。彼の来訪を頑なに嫌がるお前達に彼の真の力を見せてやろうと思ってな」
「父さん、たしかに俺たちの判断が間違っていたのかもしれない」
「すまなかったな。ガルよ」
「いえ、まあ死んでないんで大丈夫です」
「そういえばソナタはギャザリングの途中だったのだろう?」
「ええ、そうです」
「ならソナタにはこれを授けるとするかの」
そう言いながらファーザーはドーターとサンに目で合図をした。するとドーターとサンは空に向かって両手を挙げた。二人が両手を挙げるとアリーナに光と闇が同時に広がり、そして二人のちょうど真ん中で二つのクリスタルが形を作り始めた。そのクリスタルはガルの元へとゆっくりと向かってくる。
「これを使うといい」
「ありがとうございます」
ガルが両手に握りしめた美しいクリスタルの色は目を奪われるほど綺麗な黄色をしていた。
「では少しお茶でもしてゆくと良いぞ」
そう言いながらファーザーはタワーの中へと戻って行った。
「さあ、一緒に」
ドーターに促され、ガルもタワーへと入るのだった。
それからガルは三人と少しの間お茶をし、帰ることになった。
「今日は色々とありがとうございました」
「こちらこそ。また来ることがあるだろうからな」
「ええ、そうですね」
「ソナタの助言には感謝するぞ」
ファーザーはゆっくりと笑みを浮かべた。その後ろではドーターとサンが軽く手を振っている。それに対してガルも微笑み返す。
「いいえ、ただ俺は貴方達三人に幸せな未来を送って欲しいだけです」
そう言いながらガルはファーザーが開けたゲートの様な物の中へと姿を消した。
ゲートに入ったガルはてっきり帰れると思っていた。しかし、ゲートの先は何も見えないただの暗闇だった。
「おいおい、嘘だろこれ」
ガルは絶望した。何故ならその場所は何も存在しないただの無だったからだ。
とりあえず彼は前へと進むことにした。しかし、どんどんと歩いていようがいまいがそこには何も無かった。
すると突然、彼の肩に誰か手が乗せられた感覚がした。
「うわあ!!!」
一瞬で回避行動をガルは取る。彼の肩に乗せられたその手はとても硬く、人間の物とは思えなかったのだ……
「誰だ!そこにいるのは!」
ガルは怯えながらも声をかける。
少しの沈黙が開け、暗闇からマントを付けた全身が硬い金属でできた様な姿の者が声をかけてきた。
「君なのか?」
その人物の声は男のものだと直ぐに分かった。
「誰ですかあなたは」
「すまないが時間がない。今どこにいる?」
「どこって?」
「どこの世界線にいるんだ?」
「どこの世界線って……スターウォーズの世界だが?これも何かの記憶の一つか?それともビジョンか?」
「ヴィジョンだ。分かったありがとう。君を見つけられて良かった。必ず助けに行く」
そう言ってその人物は姿を消してしまったのだった。それと同時にガルも気がつくとホールに戻ってきていた…………
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「彼を見つけた!今すぐみんなに連絡を!」
そこでは先程ガルの前に現れた人物がそう叫んでいた。
「よし……これで一人目だ」
「それでアレックスの居場所は?」
「スターウォーズの世界にいるそうだ」
「スターウォーズってあの映画の?」
「そんなバカな……」
全員が想定外の答えに動揺していた。
「とりあえず私は今すぐあの二人に伝えてくるわ」
一人の女性がそう切り出す。
「ああ、そうしてくると助かるよ」
そう言いながら彼はまた目を瞑った。
ーーsomewhereーー
「二人とも!アレックスが見つかったわ」
そう言いながら女性が部屋に慌てて入ってくる。また部屋の外の廊下はアナウンスが流れ、多くの人が慌てながら行動していた。
「本当か!」
「ええ」
「あいつは今どこに?」
「それがスターウォーズの世界がなんとかって」
「そうか……」
「よし、はるき。準備しろ」
「準備って何の?」
「あのバカを助けに行くんだよ」
「フューク、行くってどこだよ?」
「決まってるだろあそこに」
「ま、まさか…………」
「ああ、そうさ。だからすぐ準備しろ」
二人は荷造りをするために部屋を出て行こうとする。
「二人とも行くってどこへ?フューク?」
彼女の問いに彼は振り向きながら決心をした顔でゆっくりと答えた。
「……………………クラコアさ」
さっき確認したらお気に入り数が125になっていて愕きました。物凄く嬉しいです!こんな僕のストーリーを面白いと言って読んでくださる皆様には本当に感謝しかありません。いつも応援ありがとうございます。
さてさてここに来てフュークとキールの伏線がチラッと出てきましたね〜彼らは一体どうやってスターウォーズの世界へと渡ってくるのか……物凄い謎ですねw
それでは次回の投稿でお会いしましょう。フォースと共にあらんことを!