バクセル宙域ーー惑星テス
惑星テスの高台にある古い僧院ではドゥークー伯爵のパダワンのアサージ・ヴェントレスがマスターであるドゥークー伯爵と通信をとっていた。
「ジャバの息子を古い僧院に連れて参りました。ここなら安全でございます」
「よーし、でかした。全て計画通り運んでおる」
「はい。仰せの通りに」
すると突然ホログラム状態のドゥークの横からシスの暗黒卿ダース・シディアスが通信に入ってきた。ヴェントレスは急いで頭を下げ、跪く。
「ジェダイがドゥークだけでなくハット一族と戦う。そうなる日も遠くはない」
そんなやりとりが行われている古い僧院の下ではハットが雇った賞金稼ぎのあとをつけていたクローン達が様子を伺っていた。
「状況はどうだ?」
「賞金稼ぎどもはあそこに登った」
「ウィンドゥ将軍に、見つけたと連絡しろ」
コルスカ宙域ーー首都惑星コルサントーージェダイテンプル
「どうした?コマンダー」
「ジャバ・ザ・ハットは息子の捜索に賞金稼ぎを雇っています。尾行したら惑星テスの僧院に行きました。ジャバの息子は中にいると思われますが警備が厳重で手が出せません」
「分かった。近くに潜んで新たな指示を待て」
「はい。将軍」
通信が終わり、ウィンドゥはヨーダの方を向く。
「さて困ったの。オビ=ワンはドロイド軍に手こずっておる」
「私にお任せを」
ウィンドゥはそう言って通信を始める。
「ワーツ提督に繋げ。スター・クルーザー三隻を借りたい」
「はい。将軍」
「この事件、裏がありそうじゃ。マスターケノービの救援にはわしが行こう」
サヴァリーン宙域ーー惑星クリストフシス
「それで?どうすんの?」
「はっお前に考えがあると思ったが?」
「ううん。あるのは若さとやる気!経験があるのはそっちでしょ?そいつを学ばなきゃ」
張り切ってそう言うアソーカを見てアナキンはバレない程度に少し微笑んだ。
「まずシールドの内側に潜り込み、次に戦車をやり過ごす」
「それより迂回したほうが楽だよ」
「時間がかかりすぎる」
「真ん中をすり抜ける?」
「無理だな。ドロイドに変身すれば別だが」
「分かった降参。最初のレッスンね。あんたが答えを出すまで待つよ」
「いや、待たなくていい。閃いたぞ」
アナキンとアソーカは潜入作戦を開始させた。一方でオビ=ワンとガルは敵との交戦がもう始まるというところまできていた。
オビ=ワンとガルの後ろでは重砲が、広がり続けるシールドに向かって撃ちまくっている。
「忌々しいシールドだ。びくともしないぞ」
オビワンが遠くを見ながらそう言う。
「だから言っただろオビ=ワン。重砲でシールドは破れない」
「私もアーラ将軍と同じ意見です」
「分かっていたがね。試してみないと」
「そういうところ全く変わってないな」
「ガル、うるさいぞ。レックス、砲兵に退却を命じろ」
オビ=ワンとガルが各兵に指示を出す。アナキンとアソーカは道にたくさん落ちている崩れた建物や残骸の中にあった箱状の物の中に身を隠してドロイド軍が過ぎるのを待っていた。シールドはどんどんと近づいてくる。
「もうすぐシールド内に入るぞオビ=ワン」
「レックス、先頭は私とガルでいく。それと戦車には近づくな」
「了解です、ケノービ将軍」
レックスが答えると同時にオビ=ワン達は遂にシールド内に入った。
「ガル、今日はどっちでいくんだ?」
「それはもちろんライトセーバーさ」
ガルはニヤリと笑いながら二本あるうちの片方のライトセーバーを取って起動する。空気に響く起動音と共に鮮やかな黄色の光刃が姿を表した。
「その色、懐かしいな」
そう言いながらオビ=ワンもライトセーバーを起動する。
「そっちの個性的なヒルトもだけどな」
そう言いながら二人は息のあった動きで同時にフォースジャンプをする。急に空から二人のジェダイが自陣の中心に現れた事にドロイド達は気づかない。しかし一体のB1バトル・ドロイドが二人の接近に気づき間抜けな声を上げる。
「あっジェダイだ!」
その声が聞こえる範囲にいたドロイド達が一斉に二人を狙って撃ち始める。それをオビ=ワンとガルは華麗にほぼ全てのブラスター光弾を偏向し沢山のドロイドを倒していく。オビ=ワンとガルの活躍であっという間にドロイド達の陣形は崩れ始めた。それを最初から狙っていた二人はレックス達に合図を送る。ほとんどのドロイドが二人のジェダイを狙い始めたところで後ろからレックス達が一気に攻め上がる。ドロイド達は急いでクローン達に狙いを戻そうとしたが、時既に遅くドロイド軍の大隊はもう既に壊滅状態に追い込まれていた。しかしこの騒ぎに気がついた敵の本隊がジリジリとこちらに近づいていた。
「将軍、もう少しで敵の本隊がこっちに来ます。流石にこの人数で敵の本隊は相手にできません」
「レックス、軍を重砲陣地まで下げろ。ここはオビ=ワンと二人でどうにかする」
「ですがアーラ将軍」
「ガルの言う通り、何としても重砲を守るんだ。私とガルで奴らを止める」
「しかし……」
「これは命令だ!キャプテン」
珍しくオビ=ワンが強い口調になる。レックスは黙って兵達に撤退を命じて後方へ走っていく。
「さて、これでやっと本気を出せるかな?」
「だな。ガル」
二人は他に見てる人がいなくなった事をいい事に懐かしい技を使う事にした。前方からは数十体の隊列を組んだB2スーパー・バトル・ドロイドが迫ってきている。そしてライトセーバーを持つたった二人のジェダイを見て彼らは勝利を確信した。何故かオビ=ワンとガルはライトセーバーを消して腰のベルトに戻し、目を瞑る。ドロイド達はそれを見て更に勝利を確信する。しかし次の瞬間B2スーパー・バトル・ドロイドの軍は全て吹っ飛ばされ、バラバラのスクラップになった。また、その直ぐ後ろに迫っていたAATも破壊された。これを常人が見たら何が起きたのか全く理解できないだろう。普通のジェダイが見ても驚く威力だ。オビ=ワンとガルの二人はお互いにフォースを溜め、お互いに共鳴し、一斉に前方に放ったのだ。ここまで強大な威力と破壊力を持つフォースプッシュができるのはこの二人が揃った時だけだろう。
「気分爽快だなオビ=ワン」
「ああ、失った物を取り戻した気分だ」
二人は一瞬和やかな雰囲気に包まれたが直ぐにライトセーバーを手に取り、次に来る大軍に備えた。
「さてとガル?上手い時間稼ぎの方法は思いついたかな?」
「いや、特に何も」
「なら私のプランで行こう」
そう言いながらオビ=ワンはワザと追い込まれているように演出しやすい袋小路へと移動を始めた。
「はあ、最高のプランだな。嫌な予感がするよ」
ガルはため息を吐きながらオビワンの後を追いかけて行く。袋小路に入った途端オビ=ワンはブラスター光弾をドロイド本隊に偏向する確率を下げ、ワザと自分達が追い込まれているように演じ始めた。それを見たガルも同じ事を始め、ホルスターからブラスターピストルを抜いて右手のライトセーバーを防御専用、左手のブラスターを攻撃専用として使い始めた。それでも二人の動きは息が合っていて無駄が無く、鮮やかだった。そんな事を続けていると二人の目の前の道を塞ぐようにして一台のAATが近づいてきた。AATは二人の目の前で停止し、他のドロイド達も降伏を促すかのように二人を取り囲んで狙いを定めたまま動かなくなった。オビ=ワンはガルにだけ見えるように微笑してみせた。オビ=ワンの考えに気がついたガルはオビ=ワンと一緒にライトセーバーを消した。するとAATの上部にあるハッチが開き、分離主義の将軍ウォーム・ロースサムが姿を現した。
「悪名高きケノービ将軍とお見受けしたが」
「降伏する」
そうオビ=ワンが言うと目の前のB2スーパー・バトル・ドロイドがオビ=ワンに近づき彼のユーティリティ・ベルトにぶら下がっているライトセーバーを乱暴にひったくっていった。別のB2スーパー・バトル・ドロイドもガルに近づいた。しかし彼は自分の武器が乱暴に扱われるのが嫌なため、自ら二つのライトセーバーと二丁のブラスターピストルを二人が立っていた場所から離れた場所の地面に置き、誰も触るなと強い気迫で威嚇した。それを感じたロースサムはドロイドにガルの武器の回収を止めるように指示した。
「では将軍、部下に武装解除を命じてもらおう」
オビ=ワンはその声を聞きながら座るのに手頃な瓦礫とテーブルになりそうな瓦礫をフォースで浮かして自分の前に持ってきた。それを見たガルはやれやれといったジェスチャーをしながらオビ=ワンが運んだ瓦礫とは違う少し離れた場所の瓦礫の方に移動し、一人で座り始めた。
「まずは掛けて話そう」
「正気かね?将軍」
「敗北を認めたんだ。降伏条件について話し合うのが筋だろう?」
「小細工は無しだからな、ジェダイ」
「勿論だ。お互い文明人として話し合おう」
それを聞いたロースサムはAATからサーヴァント・ドロイド、通称サービス・ドロイド(使用人ドロイド)と一緒に降りてくる。それを待つ間、オビ=ワンがガルの方に目をやると必死に笑うのを我慢しているのが分かった。彼はそれを見てもっとワザとらしい話し方をしてやろうと思うのだった。
「敵将同士がこうしてあいまみえる機会など滅多にない事だ。あなたの名声は銀河に轟いてる」
オビ=ワンの言葉をしっかり聞きながらロースサムは瓦礫に腰をかける。
「どうも、こちらこそ光栄だ。潔く降伏を決断してくれて嬉しい」
「状況の的確な判断は将たる者の務めだ。ごほ……んん……何か飲み物をいただけないかな?」
「おい!何か飲み物をお持ちしろ」
ロースサムはそう使用人ドロイドに命令した。
「ありがとう。手早く済ませよう」
ーーヴェネター級スターデストロイヤー
「ユラーレン提督、クリストフシスに接近しました。分離主義派が封鎖線を張っています」
「艦隊を散開。クルーザーで輸送船を守らせろ」
「イエッサー」
ブラスト・ドアが開きヨーダが中に入ってくる。
「提督、急がねば。ケノービ将軍が危ない」
「あの封鎖線を破るのは簡単ではありません。以前も救援にしくじりました」
「この前は船の数が足りなかった。今回は違う。力尽くで突破するのじゃ」
一方で敵の懐へ潜り込んでいるアナキンとアソーカは箱を被ったまま移動している時にドロイデカにぶつかったりと色々とあったが何とか敵のシールドジェネレーターのすぐ近くまできていた。
「離れるな。用心して行かないと」
「お先!」
アソーカは油断して走り出す。
「待て!」
「なんで?すぐそこじゃん早く!」
そう言いながら走るアソーカは地面から生える細いアンテナようなものに引っかかり躓いてしまった。するとその引っかかったアンテナが次々と赤く光警報音のような物を鳴らし始める。アソーカは急いで立ち上がったがもう既に周りの地面が砕け、中からLR-57コンバット・ドロイドが出てきていた。
「ドロイドに構うな!爆薬を仕掛けろ!」
アナキンは走りながらライトセーバーでまだ完全に起動できていないコンバット・ドロイドのうちの数体を倒し、叫ぶ。アソーカは急いでシールドジェネレーターに近づき、爆薬を一つセットしたが、一番近くにいたコンバット・ドロイドに狙われていた。それにギリギリのところで気づいた彼女はコンバット・ドロイドの股の下に滑り込み、ライトセーバーを起動させる。そしてコンバット・ドロイドが彼女にもう一度狙いを定めようとしている隙にフォースジャンプでコンバット・ドロイドを飛び越えて反対側に移り、胴体とタンクの様な頭との繋ぎ目を横から綺麗にセーバーで一刀両断した。その残骸をフォースプッシュして得意げに飛ばすアソーカ。しかし、タンクの様な頭が転がった先にあったのはさっき彼女が引っかかったのとは別のアンテナ達だった。その上を転がり続けるコンバット・ドロイドの頭。アナキンがせっかく数を減らしたコンバット・ドロイドもまた地面から出てきて増えてしまった。
「ごめん」
「お前どっちの味方だ!」
「爆薬セットする……」
アソーカは反省しながら急いで爆薬をセットする。
「終わったら手を貸せ!」
アナキンがコンバット・ドロイド達の猛攻撃を防ぎながら叫ぶ。
「スカぴょん、そこ動かないで!」
アソーカはそう叫び目を瞑る。手を伸ばしてフォースを使った。
「何だ?おいおいおい」
自分の後ろにある壁が倒れてくるのに気がついたアナキンは驚きの声を上げる。倒れてきた壁にはちょうどアナキンが潜れるぐらいの穴が空いていたのだ。アナキンの周りにいたコンバット・ドロイド達は全て壁に潰された。
「僕まで死ぬとこだ!」
「ちゃんと考えてるし」
「僕一人で片付けられたんだ」
「助けてあげたのに何よ」
アナキンとアソーカが揉めながらも爆薬セットに成功した中、レックス達は重砲陣地で苦しい戦いを続けていた。
「キャプテン、ケノービ将軍とアーラ将軍が捕虜に。残りこれだけです」
「持ち堪えるんだ!シールドを広げさせたら終わりだ!一歩も退くな!」
クローン達は何とかドロイド軍との戦闘を続けているものの明らかな劣勢だった。
「敵が多すぎる!」
「退却!」
「退け!」
「一人やられた!」
「衛生兵を呼べ!」
そんな声があちこちから聞こえてくるのだった。
一方でオビ=ワンとガルはロースサムとの優雅なお茶会を続けていた。そしてオビワンはしっかりと使用人ドロイドに飲み物のお代わりを注文していた。ちなみにガルはもういつ飲み物を吹き出してもおかしくない状況まで来ていた。
「ああ……美味しい。それにもちろん私の部下を捕虜とした後は彼らの食料や収容所の手配も必要となりますなあ。その用意は?」
「ええいもういい!時間稼ぎか!」
「とんでもない。細かく詰めるべき事柄は山ほどあります」
そう言いながらオビ=ワンはロースサムにウインクをした。それを見たガルは我慢ができなくなり遂に笑い出した。ロースサムはテーブル代わりに使っていた瓦礫をひっくり返して怒りをあらわにした。
「拘束しろ!」
そう命じられたオビ=ワンの後ろにいた二体のB2スーパー・バトル・ドロイドはオビワンの二の腕を片方ずつ掴み空中に彼の体を浮かせた。ガルの近くにいた二体のB2スーパー・バトル・ドロイドも同じ様にしようと近づこうとしたが見えない壁に押し返されて前に進む事ができずにいた。しかしその異変には誰も気がついていない様だった。
「今直ぐ部隊に戦闘中止を命じるのだ。さもないとこの場で貴様を処刑する!」
「もうシールドが消える頃だと期待してたんだが……」
オビ=ワンがボソッと独り言を呟く。
「爆薬はセットしたのか?」
アナキンが不機嫌そうにアソーカに聞く。
「もちよ」
「では早くやれ」
アソーカも不貞腐れながら爆薬を起動した。大きな爆発音と共にシールドジェネレーターは粉々に吹き飛んだ。ついさっきまでずっと広がり続けていたシールドは消え始める。
「お待たせ!」
シールドが消え始めた事に気がついたオビ=ワンはそう言うとB2スーパー・バトル・ドロイドを振り解いて後ろに大きくジャンプする。
「ガル!」
その合図でガルはオビ=ワンにフォースで引き寄せた自分のライトセーバーの内の一本を投げて渡した。それを受け取ったオビ=ワンはまた素早くジャンプし、ロースサムの直ぐ後ろに飛び降りて彼の首に黄色の光刃を近づけた。それを見た他のドロイド達が一斉にロースサムを巻き込んででもオビ=ワンを撃とうとする。しかしロースサムは急いでそれを辞めさせた。
「よせ!撃つな」
「ああ、シールドに何か起きたようですな?将軍?」
シールドが消え始めたのを確認したレックスは部下に命令する。
「砲撃だ!目標、敵戦車!」
シールドを失ったドロイド軍は重砲の連射によって呆気なくやられて行く。
そしてオビ=ワンの元にはユラーレン提督からの通信が届いた。
「ケノービ将軍聞こえるか?封鎖線を突破した。敵艦隊は退却したぞ。もうすぐそちらに増援部隊が着く」
オビ=ワンとガルが空を見上げるとLAAT/i、リパブリック・アタック・ガンシップが通り過ぎるのが見えた。そして二人の目の前にもガンシップが降りてきた。ハッチが空き、ヨーダが降りてきた。
「完璧なタイミングです。マスターヨーダ」
アソーカは今回の身勝手な行動でアナキンのパダワンになるのは無理だと思い、一人落ち込んで地面に座っていた。するとアナキンも隣に座り始めた。
「お前は無鉄砲すぎる。とてもオビ=ワンのパダワンは務まらない。でも…………僕のなら別だ」
その言葉を聞いたアソーカは目を見開いて笑顔になる。
それを見たアナキンも優しく微笑み返した。
「来いよ」
アナキンはアソーカを連れて二人の事を迎えにきたガンシップが着陸する場所に向かった。二人がガンシップに乗ると中ではレックスが待っていた。
「お見事でした将軍。それに君もな」
アソーカはレックスにも褒められて更に笑顔になる。
その後アナキンとアソーカはヨーダ、オビ=ワン、ガルのいる集合地点に向かうのだった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
それでは次回の投稿をお楽しみに!フォースと共にあらんことを