徐々にですが復活させていこうと思っているので長いスパンで見守っていただけると嬉しいです。
かなり久しぶりの執筆の為、文章力の低下、展開の速さに違和感などあるかもしれませんが優しい目で読んでいただけると嬉しいです。
アーバーインダストリーズはこの惑星の住人にとって信仰の対象とも言えるほど重要な物だった。
今から数年前、惑星Ventruxは正体不明の伝染病が大流行した。街にはいくつものデマが流れ、大混乱状態だった。政府は崩壊し、惑星を見捨てて出て行く者も多かった。しかし、そこで手を差し伸べたのがジェナ・ザンアーバー率いるアーバーインダストリーズだった。
彼女はどの研究者よりも早く正体不明の伝染病の正体を突き止め、街の住人達を救ったのだ。その後、彼女はアーバーインダストリーズの本社を惑星Ventruxに移し、惑星の復興に尽力する。
だが、彼女がおかしくなりはじめたのはちょうどその頃からだった。
ある時、街の住民は彼女が大切そうに握りしめているピラミッド状の何かに強い不快感を覚えたという。
彼女をよく知る者はそれの正体を聞いた。しかし、何も答える事はなかったという…………
この日も惑星Ventruxはいつもと変わらず綺麗な青空をしていた。
街に降りようとする船は昼の太陽に照らされて輝いていた。
いつもと変わらない日常。
気持ちのいい昼下がり、多くの人は外で昼食を取りたがるだろう。
街から離れた場所にあるあの建物の惨状を見るまでは……
アーバーインダストリーズの巨大な建物からは煙が上がり、その建物のおおよそ四分の一が吹き飛んでいた。そしてその残骸の上にはディルの船が止まっていた。
ーーアーバーインダストリーズ
「緊急!緊急!侵入者あり!!至急応援を!」
「どうなってる!誰か状況説明……グハッ!」
あちこちから聞こえる助けを求める声。吹き飛ばされる研究員達。
そこに広がる光景の全てが異様だった。
「お前!ここがどこだか分かっているのか?」
駆けつけた一人の警備兵がブラスターを構えながら声をあげる。
警備兵が銃口を向けた先には白い煙に包まれた三人の人影があった。
「こっちこそ聞くがお前らが今守ってる実験体がジェダイだって知ってるのか?」
その声の主は警備兵に一瞬で近づき、鋭い蹴りを腹に当てた。警備兵は苦しい顔をしながら一瞬で気を失った。
「はあ……この施設にいると吐き気がする!」
ガルは吐き捨てるように言う。
「なんでだ?」
ディルが不思議そうな顔をしながら聞く。
「分からない。ただ無性に殺意が湧くんだ。何故かこの施設自体を破壊したい衝動に駆られる」
ガルは荒い呼吸をしながら答える。
「だから初っ端から施設を爆破したのね」
ベラが納得しながら先に続く廊下にスモークグレネードを投げる。
「さっきのデータの通りだとジェダイ二人はもっと先の部屋で捕まってるな」
「二人のフォースがかなり弱っているから正確な位置が割り出せない」
「なら急ぎましょう」
三人は続く一本の長い廊下に入っていくのだった。
「へえ……ジェダイと残りの二人は私が雇った賞金稼ぎ。悪くない組み合わせね」
施設の監視カメラ映像を見ながらジェナは嬉しそうに笑う。
「ねえ、そこの二人?例の武器の使用を認めるわ」
ジェナは自室の入り口付近に立っている警備兵に指示した。二人の兵士は軽く敬礼をすると急ぎ足で部屋を去っていった。
「さあ、研究もほとんど終わったし。私はそろそろこの施設から離れる準備をしないと!」
ガル達三人は長い廊下を何人もの警備兵を殺しながら進んでいく。
「こいつらどっから湧いてきてんだ?」
「本当に……おかしいわね」
「どこかに隠し通路でもあるんだろう」
三人は突然目の前や背後に現れる警備兵に警戒しながら先へと進んでいく。
少しするとまた進行方向に数人の人影が現れる。
ガルが一番最初に先頭の一人をライトセーバーで切り裂く。そしてディルとベラがブラスターを正確に連射する。
三人の連携は完璧だった。
全員を倒した三人はまた長い廊下を進み始める。しかし、突然ガルは歩みを止めた。
次の瞬間金属製の球体が一直線で近づいてきた。
「グレネードだ!」
ガルの反応はいつも通り俊敏なはずだった。しかし、彼がフォースでグレネードを押し返そうとしている時には既にグレネードが爆発し、吐き出された真っ白な煙が彼の頭の上からかかろうとしていた。
「ガル!」
ディルは急いでガルを後方に引き戻した。
「大丈夫か?」
「ああ……特に問題は無さそ…」
ガルの言葉が途中で止まる。
「何?どうしたの?」
ベラが心配そうに聞く。
「この煙を絶対吸うな。今来た道をすぐ戻るぞ!」
そう答えながら走るガルの様子は明らかにおかしかった。何故なら彼の頭の中にある一つの恐ろしい言葉が浮かんでいたからだ。
『自我抑制ゾーン』
かつてレジェンズの小説で一度目にした言葉。
ジェナザンアーバーが作り出した謎の施設。ジェダイですら抗えないほどの効力を持った薬。それは思考力、行動力を低下させる。なのに異常な幸福感をもたらす。さらにその薬はフォースとの繋がりを強制的に断つことができるのだ。
あの一瞬、グレネードから出た煙を少しだけ吸ってしまった彼は確信した。
「あの薬はもうこの時代から完成してたのか……」
背後から迫る白い煙を感じながら三人は来た道を走りながら戻って行く。
「ベラ!タイミングを合わせてグレネードを設置するぞ!」
「了解!」
「ガルは白い煙をフォースで押し留めてくれ!」
「分かった」
「俺の合図でいくぞ。3、2、1、今だ!」
ディルが叫ぶと共にガルは振り返りフォースの壁を作って白い煙を圧縮しながら押さえつけ始めた。その隙にディルとベラが廊下の床、壁、天井にグレネードを設置する。
「よし!走れ!」
ディルの掛け声で三人は再び廊下を走り始める。
三人が爆発の範囲から離れた直後、ディルがグレネードを起動した。大きな爆発音と共に金属の壁が吹き飛ぶ音が廊下に響く。そして白い煙は爆発の影響で空いた外に通じる大きな穴に吸い込まれ、外に吐き出されていった。
「間一髪だったわね」
「よくあんな作戦思いついたな」
「さっき建物内のデータを盗んだときに長い廊下が外に一番近い場所に作られてたのを思い出したんだ」
三人はそれぞれ息を整えながら話す。
「ああ、だからあんなに敵も大量に突然出てこれるわけか」
「で、どうしましょうか。この道はもう使えないわよ?」
「そうだな。遠回りだがもう一本の道を行こう」
「それと恐らくだが俺はもうあの薬の効果を少なからず受けてる。さっきから反応速度が徐々に低下してるんだ」
ガルが自分の手を握ったり広げたりして、自分の体を確認しながら話す。
「それはマズいな……」
「なら先頭は私達が行くわ。ガルは後ろから来るかもしれない敵をお願いね」
「すまない。助かるよ」
三人は会話を終えると別の廊下へと足を進めて行く。
すると今度は今までと違い、一切警備兵が姿を見せなかった。
三人は警戒しながら廊下を進み続ける。
「もう逃げたのかしら?」
「いや、安心できないな。相手は科学者だぞ?」
「ディルの言う通りだ」
ガルがそう答えた次の瞬間、廊下の壁にもたれかかる人影が見え始める。
恐る恐る近づくと気を失っている研究員だということがわかった。
「どうやら右足と左腕を折られてるみたいだ」
ディルがそう告げる。
「私達以外にも誰かいるって事?」
ベラが研究員の容態を確認しながら聞く。
「二人ともこっちを見てみろ」
ガルが廊下の奥を見ながら話す。
彼の見つめる先には殺された警備兵と研究員の死体がいくつも存在していた。
「これはどうやらライトセーバーで切り殺されてるな」
ガルは死体の傷を観察しながら言う。しかし、そこにある死体の傷はあまりにも雑なものだった。
「そうか……とりあえずあの研究員に話を聞いてみるしかないな」
「ええ、そうね」
三人が負傷した研究員の元に戻ると彼女はちょうど意識を取り戻していた。
「大丈夫か?」
ディルが顔を覗き込みながら声をかける。
「え…ええ。なんとか…いっ…」
研究員は体を起こそうとして自分の体にはしる痛みに顔を顰めた。
「無理に動くな。何があった?」
ディルが優しく話す。
「うぅっ……私、まさか研究対象がジェダイだと知らなくて……そ、それにあのピラミッドが私達を……」
彼女は痛みを堪えながら話す。しかし、途中でまた力尽き、気絶してしまった。
「例のピラミッドか。これでこのなんとも言えない気持ちの悪い感じがする理由がわかった。やっぱりこの建物のどこかにあるんだな」
「ピラミッドってなんのことだ?」
「それ私も知りたかったの」
ガルの方を見ながら二人が聞く。
「ピラミッドっていうのは恐らくシス・ホロクロンの事だ。ジェダイとは似て非なる存在であるシスの全てを記録した物だ」
「シスって本当に存在するんだな」
「ええ、私も故郷で物語として聞いたことはあるけど実際に存在するとはね」
「故郷の物語?」
「ええ、私達の故郷にはシスが出てくる話が何個かあるわ」
「そうなのか」
ガルはシスが物語に出てくると知ってかなり驚き、もっと詳しく聞きくなった。しかし今はクワイ=ガン達の救出に集中しなければと思い、それ以上の質問をやめた。
「さて、色々状況は整理できてないが先を進むとするか」
「ええ、何よりも救出が先ね」
三人は再び廊下を早足で進み続ける。
「なあ、あれ誰かジッと立ってるよな?」
ディルがかなり先に見える人影らしきものを指しながら言う。
「確かにそうだ」
「誰かを抱えているわ!」
相手の様子に気がついたベラが急に走り始める。
「焦るな!」
ディルが叫ぶもすでに遅く、ベラは人影に近づいていった。二人は焦りながらベラの後を追い走った。
そして人影の正体を知った全員がその足を止めた。
そこにはタールを抱えながらただ黙って立ち尽くしているクワイ=ガンがいた。ガルは目の前にいる彼からはフォースを感じることができたが、タールからは感じることができなかった。
さらに、クワイ=ガンもほぼ死んでいるも同然だった。彼は一切その場から動かず何の反応も見せなかった。まるで広い平原に立つ一本の木の様だった。
二人の生命の光は今にでも消えていきそうだった。
「そんな……」
悲痛な声を出しながらベラは顔を覆う。
「間に合わなかったのか」
そう言いながらディルは自分の拳を壁に叩きつけた。
ガルはただ呆然と二人の姿を見ていることしかできなかった。
彼は救えなかったのだ。自分の愛する者達を。救うと誓った命を。
ガルはがむしゃらに強大なフォースを集めて彼らの傷を癒そうとした。しかし、彼らの生命の光が戻ることはなかった………
「クソッ!!なんでだ!!何がいけない!!」
ガルの集めるフォースは竜巻の様になり、あたりに充満していた。
『そこの者達を救いたいですか?』
どこからともなく突然ガルの頭に声が聞こえ始める。
『救いたいなら求めるのです』
『何を?』
『知識と力です。あなたなら理解できるはず』
この時ガルは、今聞こえる囁きは研究所内のどこかにあるシス・ホロクロンから来ている事を悟った。
『さあ!求めるのです。あなたが欲しがっている物を今すぐ!』
聞こえる声はより一層と強くなり彼の心を乱した。
普通ならこの誘惑に耐え、彼らの死を見届けるのがジェダイの道なのだろう。だが、彼はそんな事、どうでも良かった。
『よこせ!お前の知識と力の全てを!』
『いいでしょう。私の力を貸してあげましょう』
そう声が聞こえた直後、ガルの体に強大なダークサイドのフォースが流れ込んできた。
「うっっ……」
あまりの衝撃にガルは気持ちが悪くなりそうだった。
しかし、徐々に体が慣れ、ホロクロンの声を聞きながらクワイ=ガンとタールに歩み寄り、彼らの体に触れた。
彼は自分の持てる全てのフォースを集め、全力のフォースヒーリングを行った。フォースヒーリングを行使した直後、彼の体には大きな脱力感が走った。
それから数分が経ち、彼は二人から手を離した。
何度も意識が飛びそうになったが、何とかガルはやり遂げたのだ。
先程まで、今にでも消えそうだった二人の生命の光は輝きを取り戻し、いつものクワイ=ガンとタールに戻っていた。
『良く耐えました。あなたなら私に残る記録を理解できるでしょう』
ホロクロンから声が聞こえ、ガルは成功した事を知った。
「ははっ…やった。やった!」
ガルは喜びのあまり、飛び跳ねた。
「ガル!お前何したんだ?」
「フォース・ヒーリングを成功させたんだ!」
ガルは得意になりながらディルに自慢した。
「なんだか分からないが凄いな!」
「だろ!」
そしてその直後、大量の血反吐を吐いた彼は意識を失い、地面に倒れるのだった。
いつも読んでいただいている皆様、大変お待たせしてして申し訳ありません。これからもゆっくりですが頑張っていきますのでWhat If Seriesを応援よろしくお願いいたします。
次回の投稿は来週の土曜日までにする予定です。
それでは皆さんフォースと共にあらんことを!