STARWARSーWHAT IF   作:AlexGarcia

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テスの修道院

現在の順位・ガル→アナキン→レックス→アソーカ

 

「レックスも参加するか?」

 

ガルが左手で蔦を握り、右手のライトセーバーでブラスター光弾を偏向しながらレックスに声をかける。

 

「あー参加してもいいですが、フォースの使用を無しにしていただかないと……」

 

「流石にそれはキツイ」

 

アナキンが隣からそう言う。

 

「じゃあ私とどっちが早いか競争する?」

 

「それならいいでしょう。ついてこられるかな?」

 

レックスがアソーカの申し出を許可する。そしてレックスは急に崖を登るスピードを上げた。

 

レックスがガルとアナキンに追いつくスピードで登ってくる。アソーカは崖を登るのにまだ慣れないようでスピードが安定しない様だった。

 

「三人とも!そうやって先頭に入れるのも今のうちだよ!」

 

アソーカがそう叫ぶ。それを聞いた三人がアソーカの方を振り返るとさっきまで後ろにいたはずのアソーカがいなくなっていた。

 

「こっちだよノロマさん達!」

 

アソーカの声が急に横から聞こえるようになる。アソーカは崖を登るAT-TEのコックピットの上に立ちライトセーバーで敵のブラスター攻撃を防いでいた。

 

「彼女なかなかやりますな」

 

「俺達も負けていられないなアナキン」

 

「僕達もそろそろ本気を出さないと」

 

ガルとアナキンの崖を登るスピードがあがる。しかし安定した速度で崖を登り続けられるAT-TEとはどうしても差が生まれてしまう。

 

「ガル、このままだと負ける」

 

「何か他の方法を考えよう」

 

ガルとアナキンは敵の攻撃を防ぎながら良い移動手段を探す。するとちょうどシングル・トルーパー・エアリアル・プラットフォーム、略称STAPに乗ったB1バトル・ドロイド達がこちらに向かってくるのが見えた。

 

「アナキン、あれで行こう」

 

「いいね。その作戦のった!」

 

二人は顔を見合わせるとライトセーバーをしまい、同じタイミングでフォースを使って跳躍し、STAPに向かって飛んでいく。ガルは空中でホルスターからブラスターを抜き、自分が乗りたいSTAPに乗っているドロイドの頭を撃ち抜き、アナキンが乗ろうとしているSTAPのドロイドもついでに倒した。二人は無人になったSTAPに乗り移り一気に崖を登り始めた。

 

「お先に失礼!」

 

ガルがそう言いながらアソーカとレックスの横を通り過ぎて行く。

 

「ちょっとズルいよ!」

 

「早く着いてこい!レックス、続け!」

 

アナキンもガルの後を追いながらそう声をかける。

 

「イエッサー!そんな無茶な……」

 

ガルとアナキンの無鉄砲な行動を見たレックスは自分にもフォースが使えたらなと思うのだった。

 

STAPに乗ったガルとアナキンは崖を登りながら途中にいるDSD1ドワーフ・スパイダー・ドロイド、別名バローイング・スパイダー・ドロイドを次々と倒して行く。

 

「もっと早く動かして!」

 

アソーカはAT-TEのパイロットに向かって文句を言う。

 

ガルとアナキンは修道院まで登るとSTAPを乗り捨て、ドロイド達の中心に降りる。しかしドロイド達は二人を囲んで迫ってくる。

 

「降伏しろジェダイ」

 

二人は何も言わずにライトセーバーを起動してドロイドを一気に倒して行く。二人が倒したドロイドの残骸が勢い余って下に落ちていった。二人がドロイドを全て倒すと修道院の中からドロイデカ三体が転がってきた。ドロイデカは直ぐに体を開き、シールドを起動する。

 

「アソーカのバカが、離れるなと言っておいたのに」

 

競走を提案したはずのアナキンが文句を言う。

 

「俺に任せろ」

 

ガルはそう言ってフォースを溜めてドロイデカに向けて前に放った。ガルの放ったフォースプッシュは三体のドロイデカを吹き飛ばしてバラバラのスクラップにした。

 

「わお、こんな倒し方があったなんて」

 

アナキンは感心したという顔をする。

 

また修道院からは新しいドロイデカが七体転がって来始めた。しかし、ガルとアナキンの前に到着する前に二人の後ろからの攻撃でドロイデカ達は粉々に吹き飛んだ。二人が振り返るとそこにはAT-TEとその上に乗ったアソーカがいた。

 

「これなら文句ないよね?スカぴょん」

 

「まあそのうち来るとは思ってた」

 

「制圧完了」

 

レックスが横から声をかけてくる。

 

「よくやった。負傷者の手当をしろ」

 

「了解しました。ガンシップは安全な距離を取れ」

 

「それでアソーカとレックスはどっちが先に着いたんだ?」

 

ガルが二人に聞く。

 

「私の方が先だったと思う」

 

「残念ですがほぼ同時だったと思われます」

 

「なら一位は僕とガルで二位はレックスとお調子者って事だな」

 

「次は負けないからね二人共」

 

「ええ、私も今度はジェットパックを使って参戦しますので」

 

そんな四人のやりとりを修道院の上層階でヴェントレスとRA-7プロトコル・ドロイド、別名インセクト・ドロイドが見ていた。

 

「ドロイドはその役を果たした。次はお前の番だ」

 

ガル達はドロイドの残骸を見ながら相談していた。

 

「海賊にしては兵隊が多すぎる。背後にドゥークーの匂いがする。早くジャバの息子を探そう」

 

「ちょろいって。あとはもう楽ちんよ」

 

「そのちょろいはやめろ」

 

アナキンはそう言いながら修道院を目指して歩いて行く。それに合わせて全員が動き始めた。修道院の入り口の大きな扉が上に開き、次々と中に入って行くがそこは暗く感じの悪い所だった。レックス達クローンはヘルメットのライトを付ける。

 

「どうも気に食わん。きみの悪い所だな」

 

レックスがそう言う。

 

「ここってボマール僧の修道院の様子にそっくり。ジェダイ寺院で習った教科書に載ってた」

 

「密輸業者がここを乗っ取り、自分達のアジトに改造したらしい」

 

ガルがそう答える。

 

「お坊さんは黙ってたの?」

 

「相手は密輸業者だぞ!逆らえば殺される」

 

アナキンが強い口調で答える。

 

ガルが何かが接近してくるのに気が付き直ぐにライトセーバーを起動させる。静かな修道院内に起動音が響き渡った。ガルが見る先にはこちらに向かって歩いてくるインセクト・ドロイドがいた。

 

「あー良いやつ?それとも悪いやつ?」

 

「分からん」

 

「何者だ?」

 

アナキンがライトセーバーを起動しながら声をかける。

 

「ああ、ただの管理人でございます。バトルボット共に脅されておりました。おかげで救われました」

 

それを聞いたアナキンとガルはライトセーバーを消す。

 

「ハットはどこにいる?」

 

「あいつらは囚人を地下牢に閉じ込めました。地下は危険です。どうかくれぐれも御用心を。召使いは置いて行かれた方が」

 

「召使いがこれを持ってる?」

 

アソーカは召使い扱いされた事に苛立ち、ライトセーバーを起動してブレードをインセクト・ドロイドの首元に近づける。

 

「私はジェダイの騎士。今は……見習いだけど」

 

アナキンとガルの視線を感じたアソーカは直ぐにライトセーバーを消して、訂正した。

 

「それは、ご無礼を致しました」

 

「ハットはアナキンとアソーカに任せる。俺はレックス達と一緒にここで見張りをする」

 

「分かった。レックス、僕が戻ってくるまでガルの指示で動いてくれ」

 

「了解ですスカイウォーカー将軍。よろしくお願いしますアーラ将軍」

 

アナキンとアソーカは地下を目指して行った。そんな中ヴェントレスは作戦を第二段階へと移行させようとしていた。そんなヴェントレスのパーソナル・ホロプロジェクターにドゥークー伯爵から通信が入る。

 

「奴らは僧院を制圧しました。スカイウォーカーもいます。ハットの子を探しに今地下へ」

 

「上出来だヴェントレス。全て計画通り運んでおる」

 

「今直ぐにも始末できます」

 

「焦るな。証拠が先だ。復讐のチャンスはいくらでもある」

 

「マダム、ジェダイが地下に入りました」

 

B1バトルドロイドがそう知らせた。

 

そんな中、地下の廊下を歩いているアナキンとアソーカは敵の気配を確実に感じ取っていた。

 

「マスター?これって罠だよ。気づいてる?」

 

「もちろん」

 

「またドロイドが二体いた」

 

「分かってる」

 

「なんでほっとくの?やっちゃってもいい?」

 

「そうだな。そんなに汗をかきたければ好きにしろ」

 

「はあ!」

 

アナキンの許可をもらったアソーカは急にライトセーバーを起動して直ぐ後ろについて来ていたB1バトルドロイドの武器を切り落としてからドロイド自体を斜め下から一刀両断し、その直ぐ後ろにいたドロイドのブラスター光弾を偏向して倒し、最後の一体の頭を切り落とした。

 

「悪くない。ちゃんと先に武器をやったな」

 

「誰かさんより上かもよ?」

 

アソーカが調子に乗る。するとアナキンは何故かライトセーバーを起動した。そして彼の背後に向かってセーバーをさした。するとドロイドの悲鳴が上がった。

 

「どうかな?見落としだぞ」

 

「あんたに残しておいたの」

 

アソーカは頬を膨らませてそう言った。

 

二人は細い廊下を進んでいく。そしてアナキンがとある牢屋の前で立ち止まった。

 

「さらわれたハットはこの中だ」

 

「うう……分かる。臭うもん」

 

アナキンがフォースでドアを開けた。するとハットの息子が地面を這いながら近づいてきた。

 

「思っていたよりずっと小さいな」

 

「わぁ、まだ赤ん坊じゃない。これなら仕事もうんと楽になる。なんて可愛いんだろ」

 

「こいつが大人になった姿を見てから言え」

 

 

アケニン宙域ーー惑星タトゥイーン

 

 

オビ=ワンを待っていたR4がスターファイターに乗ったオビ=ワンに電子音で話しかける。

 

「ああR4、私も早くさよならしたい」

 

オビ=ワンはファイターを離陸させてジャバの宮殿を離れていく。それをドゥークー伯爵がジャバの宮殿の入り口で見ていた。オビ=ワンが完全に去ったのを確認するとドゥークーは宮殿内に入っていく。そしてジャバ・ザ・ハットの前に立つのだった。

 

「偉大なるジャバ・ザ・ハット、御子息の知らせです。御子息をさらったのはジェダイの仕業と分かりました」

 

ドゥークーの発言によって宮殿内がざわつく。

 

「ドゥークーワナジャミーミーシカー」

 

「どうしてそれが分かったのかと仰っています」

 

「蛇の道は蛇、それよりもっと大事なことが。警告です。ジェダイがあなたをねらっていますぞ」

 

「アーウォンカーミーチースカー」

 

「賢明なるジャバは証拠をお求めです」

 

「もちろんお見せしましょう」

 

 

バクセル宙域ーー惑星テス

 

 

クローンがガルの元に来てパトロールの結果を伝える。

 

「アーラ将軍、ドロイドは見当たりません」

 

「ご苦労。休んでくれ」

 

ガルはそう言いながらアナキンに通信をする。

 

「アナキン、外は今のところ異常無しだ。間も無く正午になるぞ」

 

「了解、子供は見つけた。ケノービ将軍はまだ来ないか?」

 

「まだ来ないな。もう少しかかるだろう」

 

「何かあったらまた連絡を」

 

「了解」

 

アナキンはガルの返答を聞いてから通信を終了する。

 

「マスター?ジェダイの訓練に子守なんてなかったよ?どうすれば良い?」

 

「その臭いチビを可愛いと言ったのはお前だ。お前が抱いていけ」

 

そう言ってアナキンはアソーカを待たずにガル達の元へ帰り始めた。

 

 

ーーヴェネター級スターデストロイヤー

 

 

オビ=ワンがレゾリュートに帰ってきた。そしてファイターから降りずにコーディに伝える。

 

「コマンダー、ユラーレン提督に直ぐ船を出すよう伝えてくれ。ガル達を助けにいく」

 

「はい、将軍」

 

「そうだコマンダー、一つ聞きたいんだがもう一台のクルーザーはなんだ?色がおかしかったが……」

 

「ああ、あれですか。護衛のアーラ艦隊です」

 

「アーラ艦隊??」

 

オビ=ワンはその名前を聞いて驚愕するのだった。

 




また明日も投稿します〜
それではフォースと共にあらんことを

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