コーディとオビ=ワンが話しながらユラーレン提督の元に帰ってくる。
「残念ですがアーラ艦隊に関しては自分も噂でしか聞いたことがありません」
「噂?」
「ええ、大隊のキャプテンやコマンダーが我々クローンではなく賞金稼ぎだとの噂があります」
「まあ、あいつならやりそうな事か……」
「それにファイターは個性的な物が多く、護衛艦隊のはずなのに異常なまでの強さと隊の結束力で、空中戦、地上戦でも今のところ犠牲者はほぼゼロに近いとか」
「そんな事あり得るのか?」
「分かりません。ですがアーラ艦隊の存在が確認された今、その噂が本物かどうかはこの目で確かめられそうです」
「確かにそうだな。ユラーレン提督、今戻りました」
「お疲れ様です。準備が出来次第惑星テスに向かいます」
「アーラ艦隊と通信をしたいんだがいいか?」
「もちろんです。先程まで作戦会議を行っていましたので」
「ありがとう」
オビ=ワンはそう言いながらアーラ艦隊と通信を始める。
「初めまして私はオビ=ワン・ケノービ」
「おーあなたがあの有名なケノービ将軍ですか。私はキール。アーラ艦隊の提督です」
そう言って現れたホログラムに映るのはガルと同じぐらいの年齢の男だった。
「キール提督、お会いできて光栄です」
「いえいえこちらこそ。本物のオビ=ワン・ケノービを見れるなんて最高ですよ」
「ははっ、そうですか。それは嬉しいですな。ところでガルから連絡は?」
「ファイターをいつでも受け入れられるようにしておけと言われただけで特には」
「分かりました。それでは作戦通りに頼みます」
「了解です」
オビ=ワンは通信を終え、テスへ出発した。
バクセル宙域ーー惑星テス
「おチビちゃんのご感想は?まだ可愛いか?」
「いいえ、だんだんあんたに似てる気がしてきたな」
そう言いながらアソーカはジャバの息子をアナキンに向ける。
「ほら、双子みたい」
「じゃあ僕もおんぶしてくれるか」
アナキンは冗談で返す。
すると突然ジャバの息子が咳をし始めた。
「マスター、この子病気みたい。燃えるように暑いよ」
「本当だ……直ぐ船に連れて行かないと。トルーパー、バックパックを貸せ」
アナキンはジャバの息子のおでこを触りながらそう言う。
「ヘタね。私がする」
「ハットは嫌いだ」
そんな話をしながらジャバの息子をバックパックに固定しようとしているところを上層階からヴェントレスとインセクト・ドロイドが録画をしていた。ヴェントレスはすぐにドゥークーに通信をする。
「マスター、ご要望の録画を終えました」
「すぐ送信しろ。次はガキを奪い返すのだ」
「そしてジャバの元へ届けるのですね」
「その通りだ。しくじるなよ」
アケニン宙域ーー惑星タトゥイーン
ドゥークーがヴェントレスから届いた映像をジャバに見せ始めた。アナキンがハットは嫌いだと発言したのを聞いた瞬間宮殿内がどよめいた。それに実際はジャバの息子は体調が悪く泣き叫んでいただけだったがそれを知らないジャバはドゥークーの言い分が正しいと信じ込んだ。
「ご覧の通り御子息をさらったのはジェダイ。陛下を謀っております」
「ジェダイプードゥー」
「ご安心を、既に我がドロイド軍が救出に向かっております。無事戻られましょう」
「ンーインミキーバーガンドゥークーチコポブンゲナー」
「偉大なるジャバは見返りに何を望むかとお尋ねです」
「共和国との戦い、我が方についていただければ身にあまる幸せ」
バクセル宙域ーー惑星テス
ガル達三人はアナキンが乗る予定のジェダイスターファイターを経由してオビ=ワンと通信をしていた。
「ガル、子供は見つけたか?」
「ああ、アナキンとアソーカが見つけてくれた。でもこの事件の影には分離主義派がいるな。ドゥークーの匂いがする」
「この子の臭いも相当だけど」
「我々を利用してジャバを分離派に取り込もうとしてるな」
「マスターケノービ、もう一つ問題が。この子は重病なの」
「タトゥイーンまでもつかどうか……危ないです。僕らの立場は微妙になる。そもそもハットとの取引が間違いだ」
「銀河外縁部の航路はハット族が支配してる。ジャバの協力が戦いの行方を左右する。もしその子の身に何かあれば協定どころかハットを敵にまわすぞ」
「マスター、また問題が」
アソーカが空を見ながらそう言う。空からはC-9979着陸船、通称トレード・フェデレーション着陸船が二機と可変翼自動推進式バトル・ドロイド・マークI、別名ヴァルチャー級スターファイターが数十機修道院に向かって降下してきていた。
「迎撃配置につけ!」
レックスが支持を下す。
「AT-TEは全火力を着陸船に集中させろ!一機は確実に撃ち落とすんだ!オビ=ワン、出来るだけ早く来てくれ。これはかなりヤバそうだ」
ガルはそう言って修道院の門に向かって走っていく。
「アナキン、どうなってる」
「敵襲です。後でまた連絡します」
アナキンは通信を切りガルの後を追いかけていく。
「来い!ブリキ野郎!」
クローン達はドロイドファイターを撃ち続ける。そしてガルの判断のおかげで着陸寸前まで来ていた着陸船の内一機を破壊することに成功した。ヴェントレスはあまりにも的確な判断で迎撃をしてきたクローン達に驚いていた。しかしもう一機の破壊できなかった着陸船からはドロイド達が続々と降りてきていた。
「全火力を表門に集中!」
ガルの合図で全員の狙いが空から地上のドロイドに変わる。
「AT-TEは徐々に修道院の入口へ下がりながら攻撃してくれ。門の近くにいると危ない。退却時は乗り捨てて良いぞ」
「了解です、アーラ将軍」
「アナキン!一緒に来てくれるか?」
「もちろん!アソーカ、先に修道院に入って子供を守ってろ」
アソーカはそれを聞いて不服そうにしながらも修道院に向かって走り始めた。ガルとアナキンはレックス達の前に一瞬で跳躍し、着地と同時にドロイド達をフォースで吹き飛ばした。
「アナキン、暗黒面の匂いがする。どこかにヴェントレスがいるぞ」
ガルがアナキンに警告をしながらジュヨーを使って華麗な動きでドロイドを両断していく。ガルとアナキンはなんとか敵を門から中に入れないように奮闘したが、徐々に数に押されて後退せざるを得ない状況だった。
「退却!」
アナキンの掛け声で全員が修道院の入り口に向かって後退し始める。ガルは全員が安全な場所に後退できるまでずっと先頭でブラスター光弾を防御し続ける。しかし、敵はガルよりも後ろのAT-TEに目をつけたため、瞬く間にAT-TEの足をやられてしまった。AT-TEは全六本中の前二本をやられてしまったため体制を維持できずに前に倒れる。ガルはほぼ全員が修道院の入り口に入った事を確認すると急いでもう一本のライトセーバーを起動してAT-TEのコックピットを壊した。そして使うライトセーバーを一本に戻し、中から負傷したクローントルーパーをフォースで引きずり出した。
「トルーパーしっかりしろ」
「う、ああ……アーラ将軍ありがとうございます」
「トルーパー、攻撃は全て防御するから入り口まで全力で走れ」
「分かりました」
そう言ってトルーパーは修道院の入り口に向かって走り出す。ガルは徐々に後退しながらドロイドを何体か倒していく。負傷したトルーパーが入り口まで来るとアナキンが声をかけてくる。
「ガル、これで全部だ!ドアを閉める!」
「了解、アナキン!」
ガルはそう言ってフォースで跳躍し入り口まで一瞬で到着した。その瞬間アナキンは制御装置で入り口のドアを閉めた。それを見ていたドロイドがヴェントレスに報告をしに行った。
「マダム、ジェダイ達は正門から中に逃げ込みました」
「これで袋の鼠だよ」
「キャプテン、ケノービ将軍の援軍が来るまでここでに立て篭もる」
アナキンは修道院内でレックス達に新しい指示を出す。その様子をアソーカはジッと見ていた。
「なんだ?」
「マスター?ここであいつらを防ぎ切れると思うの?逃げ道を探すべきだよ」
「僕らの任務はその子を守る事だ。無茶はできない」
「無事タトゥイーンに送り届けるのが任務でしょ?時間が無くなるよ」
「名案でもあるのか?」
アナキンにそう聞かれたアソーカは答えに詰まる。しかしR2が後ろで電子音を鳴らしたことでアソーカは逃げ道を見つけた。
「あるよ?ああ、あると思う……R2に聞いて?」
「よーしお調子者、お前を信じてみよう。キャプテン、ここを守っていてくれ。ガルはどうする?」
「俺はここでヴェントレスを迎え撃つ」
「分かったくれぐれも気をつけて」
そう言ってアナキンはアソーカとR2を連れて別の逃げ道を探しに行った。レックス達クローンはもし入り口が開いた時のために戦闘配置につき始める。そんな中ガルはAT-TEを操縦していたクローンの元へ向かった。
「状態はどうだトルーパー」
「ああ、将軍わざわざありがとうございます。もう大丈夫です。腕を折ったぐらいです」
「そうか」
ガルはそう言いながらトルーパーが怪我した方の腕に手を当ててアーマーの上からフォースで傷を癒した。
「将軍?何をなさっているのですか?自分みたいな量産型のクローンにその力を使われるのはもったいないです」
「俺はそうは思わない」
「ですが、自分はなかなか隊にも混ざれずにいる厄介者です」
「そこは問題じゃない」
「キャプテンにも何度迷惑をかけた事か」
「お前、名はなんという?」
「自分はCT」
「番号ではない。皆から呼ばれる名を聞いている」
「自分はスタップです」
「スタップか良い名だな。いいかスタップ、いくらお前達クローンが同じ顔で同じ遺伝子から生まれていたとしても全てが同じなんてことはない。一人一人が違った個性を持ち、一人一人が生きているんだ。人間と同じさ。だから俺はお前を助けた。助けを必要とする者を全力で助けるのは当たり前だ。これはジェダイだからではなく、生きとし生けるものの使命だからだ。まあこれは、ワガママでジェダイオーダーに馴染めずにかつて脱退した俺の持論だがな」
ガルは笑いながらそう言って立ち上がり、その場を去ろうとした。
「いえ、将軍。そうやって言ってくれるのはとてもありがたいです。助けてくださって本当にありがとうございます」
「気にするな。そういえば隊に馴染めないと言ったな。このままここでやるのもありだが…………俺の艦隊に空きがある。気になったらシャアク・ティに聞いてみてくれ。俺の艦隊は一匹狼ばかりだぞ」
ガルはそう言ってドアがいつ開いても良いようにドアの目の前に向かった。すると横から先程のやりとりを見ていたレックスが声をかけてくる。
「アーラ将軍、スタップを助けてくださってありがとうございます」
「レックス、勝手に勧誘してしまってすまない」
「いえ大丈夫です。あいつはアカデミー時代の成績と個人での戦闘の実績は申し分ないのですが、どうもこの隊に馴染めないようでして」
「お前も感じていたか」
「ええ、将軍はいつから?」
「崖を登っていた時からだ。あの時はスタップの操縦するAT-TEだけが俺達四人についてきていた。だからアソーカもAT-TEの上に乗る事を考えたんだろう。彼は個としての能力が高すぎるのかもしれん」
ガルの回答を聞いたレックスは心の底から驚いた。これだけの短い間でそれに気づく者はほとんどいない。どれほどクローン、いや、戦闘での一人一人をよく観察しているのかが分かる。それに戦況の理解がとても早い。これほどのスピードはアナキンと同じでほぼ無鉄砲と思われても仕方がないと感じた。
「そろそろヴェントレスがこの扉を開ける頃だろう。俺は初め、ライトセーバーを使わずにブラスター二丁で行く。レックス以外のクローンはスパイダードロイドを狙って集中放火しろ。レックスは援護射撃と爆薬を的確な位置に転がしてくれ」
「了解です将軍。よし、みんな聞いたな?ブリキ野郎共をスクラップにしてやろうぜ!」
レックス達が戦闘配置につくのと同時にガルはフォースでヴェントレスに向けて威圧を始めるのだった。
今回初登場のキール提督ですが彼は皆さん知っての通りオリジナルキャラです。のちに彼の素性についての回がありますのでお楽しみに。
さてさてアーラ艦隊のメンバーについてですがかなりぶっ飛んだメンバーを採用しています。個人的に賞金稼ぎは雇い主さえ違えば良い人にも英雄にもなれる才能があると思っているので皆さんが知っている一面とは違う彼らの顔が見れるかもしれません(笑)
それでは次回の投稿をお楽しみに。フォースと共にあらんことを