君のそばに   作:リヨ

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よろしくお願いします。
1話なので説明多め。


1話

 

大切な人の1番になりたい、そう思ったことはあるだろうか。

 

楽しい時も、辛い時も、どんな時でもそばに居たい。そう思える人に出会ったことはあるだろうか。

俺の名は一之瀬 奏(いちのせ そう)。春から高校生になるピチピチの男の子である。特技はサッカー。まぁもう今はやってないんだけど。

そんな俺にも、大切な人がいる。彼女とかではないが。彼女になって欲しいなとは思ってますけどね、えぇ。難しいね。

その大切な人が誰かという話なんだけど、所謂幼馴染というやつである。幼稚園の頃からずっと一緒で、高校も結局同じである。幼馴染というやつは、運命とやらを信じずにはいられない出来事が多すぎる。席やクラスが毎回隣だったり、悩んでたりしたら勘で分かったり。

悪いことではないんだけどね。

 

俺の幼馴染は、髪も綺麗で、目もぱっちりしてて、身長は小柄なのにスタイル良くて、運動も勉強もそれなりに出来る。言ってしまえば美少女である。可愛いんだこれが!眠い時なんて甘えてくるから、もうそりゃ可愛さ限界突破。惚気けるな?うるせぇこれくらい自慢させろ!幼馴染の特権だ!

 

「1人でニヤけたり怒ったり何してるの?」

 

「うわっ!?」

 

外にいるのをすっかり忘れていた。目の前に現れたのは先程俺が話した幼馴染、三上 咲(みかみ さき)である。

俺達はいつも彼女の家で待ち合わせをし、学校に向かっている。高校に変わってもそれは変わらなかった。

 

「い、いや、ちょっと考え事」

 

「ふーん?変な顔してたよ?」

 

「そんな変な顔してた?」

 

「うん、なんならちょっと気持ち悪かったくらい」

 

「ドMじゃないんでやめてくれますかね」

 

しかも想い人に言われちゃメンタル持たない。僕の心はお豆腐だよ。

 

「ほら、早く行こ?遅刻しちゃう」

 

「だな。…あ、咲」

 

「なに?」

 

「制服、似合ってるよ」

 

「…ありがとっ。奏くんも、悪くはないよ?」

 

「なんだ悪くないって。お世辞でもかっこいいとか言ってくれよ」

 

「えーそれはちょっと無理かなぁ」

 

「ひでぇやつ」

 

「眼鏡とったら言ってあげる」

 

「どういうことだよ」

 

「眼鏡とったらイケメンなのに、奏くん」

 

「コンタクトつけるの面倒臭いから嫌だ」

 

「だからモテないんだよ」

 

「モテなくていいよ。好きな人にだけ好かれれば」

 

「なんかそれっぽいこと言ってる」

 

「紳士だからな」

 

「はいはい。ほら行こ?」

 

「適当だなぁ…」

 

まぁこんな他愛も無いやり取りを楽しみにしてるんだけどね、俺は。

俺は咲について行こうと小走りで走った。

 

 

・・・・・・

 

「何組だった?」

 

「A!奏くんは?」

 

「俺も。いつも通りだな」

 

「だねぇ。もはや驚かなくなっちゃった」

 

小学校から1度もクラスが違ったことがない。流石に慣れる…というのは嘘で俺は内心いつも通りガッツポーズしていた。神様ありがとう。後で神社にうまい棒持っていこう。

 

「君達もA組?」

 

「ん?あ、あぁ。…誰?」

 

「ごめんごめん。俺は神童 隼人(しんどう はやと)。君達と同じA組だよ。よろしくね」

 

うわぁ、すっげぇイケメン。いかにもモテそう。仲良くなりたくない。だがそういう訳にも行かず、愛想笑いをして応える。

 

「あぁ、俺は一之瀬奏。よろしく」

 

「私は三上咲!よろしくね」

 

「咲ちゃんだね。よろしく」

 

いきなり名前呼び!?こいつ馴れ馴れしいな。俺が名前呼びになったの小学校の高学年だぞ。俺は珍しく幼稚園の頃から苗字で呼ぶタイプだった。俺こいつ嫌い!

 

「咲ちゃんは部活動とか決めてるの?」

 

神童は俺の事は見えてないかのように咲に話しかける。

 

「んーまだかな。色々みて決めようと思って」

 

「そっか。なら良かったらサッカー部のマネージャーにならない?」

 

「え?」

 

「俺サッカーやっててさ。ここのサッカー部から勧誘受けてて入るつもりなんだ。咲ちゃんしっかりしてそうだし、マネージャーとかどうかなって。仲良くなりたいからさ」

 

あからさまなナンパかこいつ。イケメンなんだからモテるだろうに。

俺の咲に手出しはさせん!あ、俺のでもなかった。

 

「えっと…」

 

「神童、悪い。咲は色々見てから決めたそうだし諦めてくれないか?」

 

「やりがいとかもあるよ?それにサッカー部に来れば俺が全国大会とかにも連れていくから良い景色が見れると思うよ」

 

すごい自信だ。相当サッカーが出来るのか、ただのナルシストか。

勧誘されてるらしいしかなりのプレイヤーなのかもしれない。

 

「…奏くんも入るならやる」

 

「は?」

 

「一之瀬くん?…気になってたんだけど2人はどういう関係?」

 

「幼馴染だよ」

 

「幼馴染か。だから仲が良かったんだね。俺としては咲ちゃんさえ来てくれればいいんだけど…ならこうしないか?俺と一之瀬くんで勝負して、俺が勝ったら、咲ちゃんはサッカー部のマネージャーになる。一之瀬くんが勝ったら一之瀬くんも部に入る」

 

「それ結局咲はマネージャーしてるじゃねぇか」

 

「マネージャーすること自体は嫌ではなさそうだし、一之瀬くんが俺に勝ったらかなりの戦力になるはずだから。いいだろ?」

 

きっと勝つ自信があるからこその提案だろう。顔がどや顔である。パイ投げたい。ついでにデスソースもかけたい。

 

「…俺はサッカーやめた身だから。やめと…」

 

「それでいいよ!」

 

「ちょ、咲!?」

 

「…私は、奏くんがサッカーしてた時の方が輝いてて好きだった」

 

俺は中学の2年生まで、サッカーをしていた。今でもサッカーは大好きである。しかし、プレイヤーとしては2年の頃に引退している。

理由は簡単、大会中に同じ部活仲間に怪我をさせてしまった。そいつはサッカーが二度とできない足になってしまった。なのに俺だけが楽しくサッカーなんて出来るはずもなかった。その責任を取ったのである。

 

「決まりだね。じゃあ今日の夕方、グラウンドに来てくれ、先輩に話は通しておくから」

 

なんか決まってしまった。どうしよう。

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