グランダムの愚王   作:ヒアデス

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第22話 ネフィリムフィスト

 グランダムの王宮へ帰還すると同時に四年ぶりにクラウスと再会し、彼が連れてきたオリヴィエ、エレミアと知り合って一週間。

 この城ではクラウスたちの逗留とティッタが加わったことによって、守護騎士への部屋の割り当ても大きく変わった。

 クラウスたちは各自一人ずつ客室に、ヴィータはシグナムたちの部屋から出て行く形でティッタと二人部屋に、ザフィーラもガレア戦の最中に親しくなったという門番兵と相部屋に、といった形にそれぞれが収まった。

 

 変わったのは城だけではない。

 悪名高いガレア王国に勝利したことで、グランダムは防衛力が高い国として商人やギルドから信頼されるようになり、各国との交易や国外からの旅行客が増え始めにぎわいを見せるようになった。

 しかし、その水面下では燃え残った戦の残り火が人知れず王国を再度危機に陥れようとしていた。

 俺は朝早くから自室にこもり、その危機に対処するため、ある紙片に目を通していた。

 その紙片は王国の危機を察知したある者たちが王宮に送り付けてきたものだ。彼らも彼らなりにこの国を案じた末に行動を起こしたのだろう。

 だが、とてもすぐうなずける内容ではない。

 長い間思案した末に途方に暮れた俺は、中庭へ行って少し小休止をしようと部屋から出ることにした。

 

 

 

 

 

 

 ところが中庭に向かう途中で練兵場から大きな歓声が聞こえてきて、俺は自然とそちらへ足を向けた。

 そこでは……。

 

「はああっ!」

「くっ!」

 

 ヴィータが叩きつけた槌を、ティッタが大剣で受け止める。

 ティッタはその大剣で槌を弾いて、剣を大きく振りかぶった。

 

「お返し!」」

「パンツァーヒンダネス!」

 

 そのままティッタは剣を振り下ろすが、ヴィータは赤いシールドを張ることで攻撃を防ぐ。

 しかしティッタは攻撃を止めず、ヴィータを守るシールドに剣を何度も叩きつける。

 

「はぁ! セイセイセイ!」

「――ぐっ!

 

 ティッタの大剣を何度受けても、ヴィータのシールドはびくともしない。しかし、ヴィータは心なしか辛そうに見える。

 

(シールド越しでもくらくらしやがる。震動付与って固有技能のせいか)

 

 そしてついにヴィータのシールドが壊れた。

 

「セイッ!」

 

 自身を守るものがなくなりガラ空きになったヴィータを、ティッタは渾身の力を込めて斬りつける。

 

「ぐあっ!」

 

 鎧越しとはいえ剣で斬られたことと震動付与による衝撃を受けて、ヴィータはたまらずのけぞりかけるも、

 

「なめんな!!」

『Raketenform(ラケーテンフォルム)』

 

 体勢を立て直したヴィータが槌を振ると、槌の柄から球が飛び出し頭から棘が出てきた。

 

「――ちょっ! 模擬戦でそれ反則――」

「うっせえ! でりゃああああ!!!」

 

 ヴィータが振りかぶった棘付きの槌がティッタの腹に直撃し、ティッタは崩れ落ちかけるがなんとか踏みとどまる。

 

「――まだまだ!」

 

 両者が繰り広げる激闘に、まわりで見ていた兵たちから大きな歓声が沸き起こる。

 一方、彼女らから離れたところでも……。

 

 

 

 

「せやああっ!」

「はあっ!」

 

 オリヴィエが振り下ろした剣を、シグナムも剣で受け止める。

 攻撃を受け止められたことでオリヴィエは一瞬だけ動きを止め、その隙をついて切り返してきたシグナムの剣がオリヴィエに当たりかけるが、オリヴィエはギリギリのところで剣を前に突き出しかろうじて受け止める。

 

(強い。ここは()()を使わないと勝てそうにありませんね)

 

 

 

 ヴィータたち同様、こちらの戦いを見ていた兵たちもまた大きな歓声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 そんな彼女らの模擬戦を、俺たちは練兵場の隅で見ていた。

 ついさっきここに来た俺と、オリヴィエについてきてほとんど最初からいたらしいクラウスとエレミア、ザフィーラ。そしてうちの兵士たちまで鍛錬の手を止めて二組の模擬戦に見入っている。

 ここでクラウスは俺に気が付き、片手を上げて声をかけながら足を進めてくる。

 

「やあケント、仕事はもう終わったところ?」

 

「行き詰まって進めようがなくなったのを終わったと言えるならな。気分を変えるために城の中を散策していたところだ。そこを……」

 

 俺は興奮に沸いているまわりの兵士たちを親指で指した。

 クラウスも彼らを見て苦笑する。

 

「これだけ盛り上がっていれば気になって見てみたくもなるか」

 

「こうして王が視察しに来ても気を引き締めるどころか、誰一人気にとめる様子も見せない。嘆かわしいな。真面目な騎士たちを部下に持つお前が羨ましい」

 

「仕方ないですよケント陛下。四人ともすごい戦いを見せてますし」

 

「それにヴィータたちやオリヴィエ殿が戦いを繰り広げている側で鍛錬など続けようものなら、巻き込まれて大怪我を負ってしまいかねませんからな」

 

 嘆息する俺のもとにエレミアとザフィーラがやってきて、兵士たちを擁護した。

 確かに二人の言い分はもっともだ。

 

 

 

 

 

 ガレア戦から帰国した後、本格的に軍事教練を担当することになったシグナムに加え、最近はヴィータも練兵場に足を運び兵たちの指導に加わるようになった。

 練兵場に来るようになってからヴィータは面倒見の良さを見せるようになり、ある状況に陥った場合どんな魔法を展開するか、突撃を仕掛けてきた敵兵に対してどう対処するか、といった戦い方を新兵たちに教えこんでいった。

 以前、俺はヴィータにも兵の指導をしてくれないかと頼んだことがあったが、正直まさかここまで教官ぶりが板につくとは思わなかった。

 ただし問題もある。シグナムと違い、ヴィータは加減がうまくできないため、彼女と模擬戦ができるのはティッタくらいしかいない。

 そこに今回シグナムとオリヴィエまで手合わせすることになったため、練兵場は今、二組がしのぎを削る闘技場と化している訳だ。ザフィーラたちの言う通り、兵たちを鍛錬させたくてもできる状況じゃない。

 この分だと練兵場の増設も考えなければいけないな……頭が痛い。

 

 

 

 

 

「しかし、また意外な組み合わせだな。お前たちがザフィーラと一緒にいるとは」

 

「私も主ケント同様に喧騒が気になって、ここに足を踏み入れたところにクラウス殿たちと遭遇しましてな」

 

「せっかくの機会だからザフィーラ卿と話をさせてもらったところ、卿も素手の戦いを得意としているらしいと聞いてね」

 

「すっかり意気投合してしまいました」

 

 確かにクラウスは、歴代のシュトゥラ王族の例にもれず《シュトゥラ流》なる武術を修めていて、武装した重騎士相手でも素手で打ち負かせるほどの猛者だったな。この一週間の間にクラウスから聞いた話では、エレミアも先祖代々から伝わる武術の使い手とのことだ。

 そこにザフィーラも加われば、格闘型で三人組(トリオ)が出来上がるわけだ。しかも全員男だからな、話も弾むに違いない。

 

「でも本当にすごい筋肉だね。僕も鍛えているつもりだったけど、ザフィーラ卿に比べればまだまだだな」

 

「なんの、クラウス殿はまだお若い。鍛錬を怠らなければもっと伸びますよ。ただむやみに鍛えるのもよくない。良ければこの後、鍛錬の前後に効果的な体のほぐし方をお教えしましょうか?」

 

「本当か。ぜひ頼むよ!」

 

(殿下がザフィーラ卿みたいな筋肉つけてもヴィヴィ様困ると思うんだけどな。筋肉モリモリな人ってヴィヴィ様の好みじゃなさそうだし)

 

 ザフィーラとクラウスの話にエレミアはぎこちない愛想笑いを浮かべる。

 そこでまた歓声が響いて、俺たちはまた模擬戦の方に視線を移した。

 

 

「はああっ!」

「ぐっ――はあっ!」

 

 オリヴィエの剣を受け止めながら、シグナムは反撃を繰り出す。しかし、オリヴィエはそれをたやすくかわし、再びシグナムに重い一撃を打ち込んだ。

 

 俺が来るまではシグナムが優勢だったのだが、今ではそれが覆り、オリヴィエの方が攻めている。俺はオリヴィエの動きに感嘆するしかなかった。

 我が国で一二を争う守護騎士に対し、優勢に立つほど強いのも驚きに値する。

 しかし、それ以上に……

 

「すごい動きだな。とても義手とは思えない」

 

 一週間前この城の中庭で各自の自己紹介を終えた後、オリヴィエから彼女の腕が生身のものではなく、人工的に作られた“義手”であることを明かされた。

 そこでようやく俺たちは、ティッタがオリヴィエと握手した時に何かに気付いたような反応の意味に気付いた。オリヴィエの手を握った瞬間に、ティッタは彼女の手が義手だと気づいていたわけだ。

 

 それもただの義手ではない。

 俺の知ってる義手は見た目だけを装う飾り腕か、戦に出る時に使う握力が強すぎる鎧籠手の二種類しかない。

 しかし、オリヴィエは自己紹介の際ドレスの端を掴んだり、その後普通に食事したり、こうして剣を握ったり、不自由なく生活しているように見える。いずれも繊細な動きと力加減が必要な仕草で、俺が知っている義手では不可能な所業だ。

 しかし、オリヴィエの義手はそれらを容易にこなしてみせる。

 驚くべきことにその義手を作ったのが……。

 

「僕が行ったことがある国々の中に、あれぐらいの義手を作れるほどの技術を持っている国があるんですよ。僕もあの国にあった義手や義足を見た時、とても驚きました」

 

 エレミアは俺の賛辞を受けて照れたように頭をかく。

 

「それを再現できる時点でエレミアの腕も大したものだ。君さえよければもう少し長く滞在して、この国の職人にあのような義肢を作る技術を教えてくれないか。望むのなら王宮付きとして、このまま永住してくれても構わないぞ」

 

 俺からの半分本気の頼みに、エレミアは困ったように手を前に振った。

 

「あ、ありがたいお話ですけど、ヴィヴィ様やクラウス殿下に散々お世話になっておきながら一度誘われただけであっさりよそ様へ転がり込むわけにはいきませんよ。それに僕自身も次代に技術や武術を伝承するために各地を旅しているので、現在も一か所に留まり続けているわけではないんです」

 

「そうか。残念だ。義肢もそうだが、ザフィーラもいい友達が出来たというのにな」

 

 誘いを断られて肩を落とす俺に、エレミアは手を合わせる仕草をする。

 

「本当にごめんなさい。ザフィーラ卿にも僕から謝っておきます。でも、義肢の方は義肢製作の技術を持つ国が近年周辺の国と貿易を始めたそうなので、他国でももう大都市には出回っている頃だと思います。聖王都とかダールグリュン帝都とか、後は『貿易都市リヴォルタ』にも」

 

「ああ、リヴォルタなら真っ先に輸入しているだろう。あの街は規模だけなら、聖王都や帝都以上と言われる都市だからな」

 

「ええ。本当に大きな街です。僕も初めて行ったときは迷子になったくらいで――!」

 

 エレミアはリヴォルタのことを話そうとしながら、戦い続けているシグナムとオリヴィエの方に視線を向けた途端、大きく目を見開いた。

 

(――あの動きは! まさか、ヴィヴィ様は今――)

 

 

 

 

 

 

 オリヴィエから繰り出される怒涛の乱打に、シグナムは変わらず押されている。

 

(先ほどからオリヴィエ殿の太刀筋や技が読み切れなくなった。……まるで何人もの戦士の戦い方を体()()に覚えさせているように)

 

 何度か剣を交えてからオリヴィエは真後ろに跳躍してシグナムから距離を取り、シグナムもまた相手に向けて剣を構え、双方は再度対峙する。

 

「はっ!」

 

 今度、攻撃を仕掛けてきたのはシグナムの方だ。

 対するオリヴィエは表情一つ変えずシグナムを見据え、彼女の胴めがけてオリヴィエは剣を突き出す。

 だが、シグナムはすでに気付いていた。

 

(――予測通り!)

 

 自身に向けられる剣をシグナムは寸前でかわし、そのままオリヴィエに接近して一太刀浴びせる。

 今の一戦でシグナムは確信した。

 

(身体操作魔法か。オリヴィエ殿は反撃に際して、特定の技を自動的に返すように設定しているのだろう。おそらくはあの腕に……だが)

 

 今度はオリヴィエの方から斬りかかるが、シグナムは最初の剣筋を見ただけでその一撃を避ける。剣がどう振るわれるか、シグナムにはもうわかっていたのだから。

 

「はああっ!」

「ぐあああ!」

 

 剣を避けられて隙を見せるオリヴィエの腹に、シグナムは剣を突き立てる。

 あまりの衝撃にオリヴィエが着ていた鎧は大きな亀裂が走り、そのまま砕けた。

 

(設定したいくつかの動きの(パターン)を読んでしまえば、回避も反撃もたやすい。その上、身体操作魔法は判断から初動までに、ごく一瞬の時間差が生じる。それは近接戦において致命的だ。もうその技は私には通用しない)

 

「――ぐっ」

 

 オリヴィエは膝から崩れ落ち、腹を抑えて苦痛にうめく。

 傍目にはもう勝負は決まった。だが歓声は起こらない。急所に一撃喰らい、屈みこむオリヴィエの姿があまりに痛々しいから。

 今までオリヴィエたちと並行して戦っていたヴィータとティッタも、勝負の手を止めてそちらを見入っていた。

 

「オリヴィエ!」

 

 苦痛にうめくオリヴィエにクラウスが声をかけ、彼女のもとまで駆けよろうとする。

 だが、当のオリヴィエは手を突き出して、クラウスの助けを拒絶した。

 それにはシグナムもさすがに当惑の色を見せる。

 

「オリヴィエ殿、もうそれ以上の勝負は無理だ。大人しく負けを認められよ」

 

「いいえ、まだ終わっていません!」

 

「――!」

 

 シグナムは目を見開く。

 今まで痛みにうめき。足を曲げていたオリヴィエが再び立ち上がっているからだ。

 だが、それは奇妙な姿だった。

 オリヴィエの顔は今も苦痛に歪んでいる。

 しかし、体の方は深手を負ったのが嘘のように、平然と立ち上がって剣を取り構えまで取っている。

 

「オリヴィエ殿、まさか体全体に身体操作を――」

 

「このくらいならまだ戦えます。私はまだ負けてない!」

 

 そう言って、オリヴィエは剣を構える。それを見て――

 

やめろヴィヴィ様! 《ネフィリムフィスト》はそんな風に使う技じゃない!

 

 オリヴィエに向かってエレミアは悲痛な叫びをあげる。だがもう遅い。

 オリヴィエの体はシグナムに一歩踏み込み、その振動で激痛が走り、オリヴィエの表情は一層歪む。しかし彼女は――

 

「っ……行きます!」

 

(ちっ、もはや自身でも止められないのか。ならばせめて一撃で昏倒させて彼女を止めるしか――)

 

 向かって来ようとするオリヴィエを見て、シグナムも剣を構えた。

 そこへ――

 

「フライングムーヴ!」

 

 技能を発揮した途端、俺以外の動きが緩くなる。

 シグナムもオリヴィエもそれ以上動くことはない。

 その間に俺は急いでオリヴィエのもとまで走り、彼女の手から剣をはたき落とす。

 そしてオリヴィエを羽交い絞めにして、技能を解除した。

 

「――主!」

「えっ、ケント様!? 一体いつの間に」

 

 突然現れてオリヴィエを拘束している俺に、シグナムも、オリヴィエも、周りの観衆も皆驚いている。

 

「ケント……まさかあの固有技能を使ったのか?」

 

 そんな中、俺の固有技能を知っているクラウスは呆然と呟いた。

 一方、俺の方は武器を失ってなおシグナムの方に向かおうとするオリヴィエを押さえ続ける。腕に柔らかいものが当たってるが気にする余裕はない。

 

「オリヴィエ、はやくネフィリム何とかという技を止めろ! 抑え続けるの結構きついんだよ」

「あっ! は、はい、今すぐ」

 

 オリヴィエがそう答えた途端、彼女の体から力が抜けてそのまま静止する。

 それを確かめて俺はようやく彼女の体から手を離し、腕を掴みながらゆっくり地面に座らせた。

 

「す、すみません、お見苦しいところを。それとありがとうございましたケント様」

 

 謝るオリヴィエに俺は片手を上げて応じる。

 本人の意思に反して動くオリヴィエを抑えるのは本当に大変だった。

 この時代に生きる一般大衆の間では失われた知識だが、人間には使うことのできる力を抑えるリミッターが備わっていて、本来出せる力の2割ほどしか普段は使えないらしい。それ以上の力を常に出していたら、体に大きな負荷が生じ自らを傷つけてしまう。身に危険が迫った時などに一時的にリミッターが外れ、本来の力を発揮できるようになった例もあるらしいのだが。

 しかし、ネフィリムフィストとやらは使い方次第でそのリミッターを緩めたり、外したりすることもできるらしい。細身のお姫様でも俺なんて簡単にふるい落とすことができるほどに。

 クラウスがザフィーラに憧れる気持ちが分かった気がする。

 

「オリヴィエ、大丈夫か!?」

「ヴィヴィ様!」

 

 座り込むオリヴィエにクラウスとエレミアが駆け寄ってくる。

 クラウスに抱きかかえられながら、オリヴィエは二人に向けて苦笑いを浮かべた。

 

「ごめんなさいクラウス、リッド。ちょっと熱が入りすぎちゃいました」

 

「ちょっとじゃないよ! 殿下やみんなに心配かけて。しばらくネフィリムフィストは禁止だからね! 師匠命令です」

 

「とにかく今は一刻も早く傷の治療をしないと。ケント、この城に医者はいるか? いるのならその医者がいる場所まで案内してくれ」

 

「ああ。腕利きの医者が二人もいる。ついて来てくれ」

 

 医務室まで案内しようと先を行く俺に、クラウスたちだけでなくシグナムも続いた。

 

「主ケント、私も連れて行ってください。戦いを挑まれたとはいえ、オリヴィエ殿に怪我を負わせたのは私です。せめて彼女をシャマルに預けるまでは」

 

 オリヴィエが負傷したのがシグナムのせいとは俺は思わない。どちらかといえば身の危険も顧みず、無茶な技の使い方をしたオリヴィエの往生際の悪さが引き起こしたことだ。

 しかし、シグナムにそこまで言われては俺も突っぱねることはできず、シグナムを含めた俺たちは負傷したオリヴィエを連れていくために、シャマルとイクスのいる医務室へ向かった。

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