1、使い魔のキャミー
魔界・・・
天蠍宮を守護する骸骨戦士ベレルの下に、宝瓶宮のシャックスが訪ねて来た。ベレルは、この新参者であるシャックスに対し、良い感情は持って居なかった。
「何か用か、シャックス?」
「はい!ベレル様に、お願いしたい事がありましてね」
「何だと!?」
シャックスの真意が読めず、ベレルはシャックスの出方を探った。シャックスはニヤニヤしながら、
「実は、ベレル様の配下である、ミイラのファレオのお力をお借りしたく、こうして参上致しました!」
「何!?ファレオを?・・・・・そうか、そう言う事か・・・シャックス、貴様既にファレオと接触しておったな?」
「フフフフ、流石はベレル様ですねぇ・・・」
「フン、既にファレオを誑(たぶら)かし、プリキュアの下へと差し向けたという所か・・・」
「フフフ、誑かしたとはご挨拶ですねぇ?ファレオは、私の考えに賛同してくれましてね、小娘如き、俺一人で十分だと仰有り、人間界へと出掛けて行かれましたよ!」
「確かに、ファレオの呪いに掛かれば、プリキュアといえど全滅も有り得る・・・好きにするが良い!だが、プリキュアを甘く見るなよ?」
「フフフ、ご忠告感謝致しますよ!」
シャックスは、口元に笑みを浮かべながら、その場を後にした。残ったベレルは少し考え込み、
(ファレオをも己の名声に利用するか・・・相変わらず小賢しい奴よ!カイン殿とアベル殿は、何故あのような格下を、拙者達と同等に加えたのか、理解に苦しむ・・・)
ベレルは、天蠍宮の中をウロウロしていたものの、急に立ち止まると、両手をポンと叩き、辺りを見回した。
「キャミー!キャミーは居るかぁ!?キャミー!!」
「ハイハイハイ!べレル様!使い魔のキャミーは此処ですニャー!!」
身軽に天蠍宮の中を駆けて来たのは、焦げ茶色で猫の容姿をした使い魔のキャミーだった。使い魔とは、いわば召使いのような者で、ベレルの身の回りの世話を担当していた。キャミーは、尻尾を振りながら、
「何かお仕事ですかニャー?」
「ウム!キャミー、悪いが人間界に赴き、ファレオの動向を観察してくれ!」
「ファレオ様ですかニャー?あの人、陰気で少し苦手ですニャー!」
「何も直に接触しろと言う事では無い!ファレオが、人間界でプリキュアと戦う様を・・・見届けてくれ!!」
「プリキュアですかニャー?」
「そうだ!お前は向こうの世界に居る猫とそっくりだから、怪しまれる事も無い筈だ・・・それと、この水晶を持って行け!!」
ベレルは、キャミーの首に、首輪のような小型の水晶を付けた。
「これは、拙者との通信機をも兼ねて居る!何か指示を仰ぎたい時は、その水晶に念を込めて話し掛けて見ろ!拙者に繋がる!!」
「ベレル様・・・何時の間にこんなアイテム作ったんですかニャー?」
「フフフ、拙者がそんな器用な真似出来ると思うか?」
「思いませんニャー!」
キャミーが首を竦めながら両手を広げると、ベレルは思わず笑い出し、
「ハハハハ、ハッキリ言いよるわい!これは昔、魔法界の知り合いに貰ったものでなぁ・・・」
「魔法界ですかニャー!?ベレル様、魔法界にも知り合いが居るんですかニャー?」
「貴様も知って居るように、元々魔法界と魔界は一つの世界だったからなぁ!二つの世界に別れた今でも、互いの世界を行き来する事は可能だ!!双魚宮のニクスも、元々は魔法界の人魚の里の出だ!!」
「ニクス様がぁ!?知らなかったニャー!」
キャミーは、ベレルの言葉にコクコク頷きながら納得し、ベレルは軽く咳払いをすると、
「ゴホ!話はこのぐらいにして・・・ではキャミー、頼むぞ!」
「分かりましたニャー!」
ベレルの使い魔キャミーは、人間界へと出向いたファレオ観察の命を受け、人間界へと向かった・・・
地球の神ブルーは、なぎさからプリキュアのみんなが、全員TAKO CAFEに集まってくれると聞くと、ある人物の事を思いだした。一万年前、この世界を救った三人のプリキュアの一人、キュアマジシャンの子孫の事を・・・
「君達の仲間の中に、トランプ王国のプリキュアも居るそうだねぇ?」
「エッ!?ソードの事ですか?」
ブルーに聞かれたなぎさ、ほのか、ひかり、ゆりは、思わず顔を見合わせ、なぎさがブルーにソードの名前を告げた。ブルーはやはりと言ったような表情を浮かべると、
「ソード・・・それが現在のトランプ王国の王女が、プリキュアになった名前かい?一度会って話をしてみたいのだけど・・・」
ブルーの問いに、ほのかは首を横に振ると、
「いえ、違います!ソードは、トランプ王国の民である、真琴さんがプリキュアになった名前で、アン王女はプリキュアでは・・・」
「エッ!?違うのかい?それは妙だねぇ・・・トランプ王国の王女なら、その資格は既に持って居ると言っても良い筈何だけど・・・」
不思議そうに首を傾げるブルーを見て、ゆりは怪訝な表情を浮かべながら、
「どういう事でしょう?」
「トランプ王国とは・・・一万年前、大いなる闇から世界を救った、三人のプリキュアの一人、キュアマジシャンが作った国何だ!トランプ王国の王女は、世界が闇の危機に陥る時、キュアマジシャンが残した、王家の切り札のプリキュアとして、世界の危機を救ったんだ!!だから、今の君達とも共に戦っているものだとばかり・・・」
「神様!お言葉を返すようですけど、アン王女は私達の仲間です!」
「なぎさの言う通りです!」
「例えプリキュアになれなくても、アン王女は私達と一緒に戦ってくれてます!!」
なぎさの言葉にほのかとゆりも同意し、少し険しい表情でブルーを見ると、ブルーは、自らの発言が一同を不快に思わせたと感じ、
「そうだね・・・僕の言い方が悪かったようだね!出来れば、そのアン王女とも話をしてみたいのだけど?」
ブルーが素直に自分の非を認めた事で、なぎさ達の機嫌も直り、なぎさは携帯を見つめると、
「アン王女も真琴と一緒に来るって、さっきメールが来てましたから、大丈夫だと思いますよ!」
「それはありがたい・・・そうだ!そんな君達なら、彼女の事も受け入れてくれるかも知れない・・・君達に、一人会わせたい子が居るんだけど、此処に連れて来ても構わないかい?」
思わず顔を見合わせたなぎさ、ほのか、ゆり、ひかりは、今一度ブルーを見つめながら、
「会わせたい子!?」
「私達は構いませんけど・・・」
「そうね、私達に拒む理由もありませんし・・・」
「ひょっとして・・・神様のお子様ですか?」
「いや、そういう訳じゃ・・・じゃあ、今から連れて来るから!」
ブルーはそう言うと、鏡を出現させ、何処かへと姿を消した・・・
なぎさ、ほのか、ゆり、ひかりは、鏡が消えた場所を呆然としながら見つめて居た。
2、キャミーとハミィ
ブルースカイ王国・・・
何処か神秘さを醸し出す城の外観とは裏腹に、城の内部では、少女の駄々を捏ねる声が響き渡っていた。
「嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だぁぁぁぁ!!」
「ヒメ!我が儘言うものではありませんわ!!」
この国の王女ヒメルダは、プリキュア達に会ってみないかとブルーに誘われ、目を輝かせるも、いざ出掛けようとした時、これから会うプリキュア達の人数を聞いたヒメルダは、会う事が怖くなり、王国の柱にしがみつき、出掛ける事を渋っていた。お世話係の妖精リボンは、そんなヒメルダに呆れ、ヒメルダの母である女王も困惑し、
「ヒメルダ、折角の神様のご厚意を無にしてどうしますか?あなたも、またプリキュアに会いたいと、常日頃から言って居たではありませんか?」
「だってお母様ぁぁ・・・プリキュアって、一杯居るんだよぉ!私・・・みんなに会うの怖いよぉぉぉ!!」
泣き言を言うヒメルダに、ブルーは困り顔を浮かべながらヒメルダを諭し、
「ヒメ!怖い事は無いよ!君も絵本博覧会で、彼女達を遠くからとはいえ、見て居ただろう?」
「でもでも、こんな目をして睨んでたプリキュアも居たよ!」
ヒメルダは、ムーンライトのキリッとした目元を思い出しながら、思わず真似をすると、ブルーは苦笑を浮かべた。トランプ王国の王女、アン王女もやって来ると聞き、ブルーは、一万年前のプリキュアの子孫である、ヒメルダとアン王女を会わせてあげようと思い、良かれと思って、なぎさ達一同と顔合わせさせようとしたものの、乗り気でないヒメルダを、無理に会わせるのも可哀想に思い、
「彼女達には伝えてしまったが、ヒメがそれ程頑なに拒むのなら、仕方が無いね・・・」
「エッ!?」
ブルーは、嫌がるヒメルダを、無理矢理連れて行く事は出来ないとばかり、連れて行くのを諦め掛けたのを知るや、ヒメルダは大いに動揺した。行きたい気持ちは当然あるも、あんな大人数の前で、ちゃんと挨拶出来るかどうかを考えると、ヒメルダの心は不安だった。このチャンスを逃せば、もう二度と会えないような気もしてくると、しがみついていた柱から手を放し、モジモジしながら両手の人差し指を合わせ、
「アッ!エェェと・・・神様、遠くから見てるだけじゃ・・・ダメ?」
「構わないよ!ヒメの事は、僕から彼女達に話しておくよ!!」
「本当!?それなら行くぅぅぅ!!」
「ハァ・・・全く、ヒメには呆れてしまいますわ!」
リボンが溜息を付くと、ヒメルダは忽ち頬を大きく膨らませた・・・
ブルーがヒメルダを連れに行っている頃、せつなに連れられ、続々とTAKO CAFE
に一同が集結していた・・・
アカネは、急にお客さんが増えた事で苦笑を浮かべると、
「アハハハ、こんなにお客さん来るとは思わなかったわ!材料完全に足りないわねぇ・・・」
「すいません、急にみんなで集まろうって話になりまして・・・私、今から買い出しに・・・」
「いいって!ひかりは店番お願いね、じゃあ買い出しに行ってくるから、後の事はよろしくぅ!!」
アカネは気を利かせてくれたようで、ひかりに店番を頼み、買い出しに出掛けた。
TAKO CAFEには、さっきまで魔界のマキシマと戦って居た咲達とラブ達、のぞみ達、つぼみ達、響達、みゆき達、真琴とアン王女、そして、メップル達、フラッピ達、シロップ、シフォンにタルト、シプレ達、ハミィ達、そしてみゆきに抱かれた、キャンディと魔王もやって来ていた。なぎさはアン王女を手招きすると、
「アン王女、何だか知らないけど、地球の神様がアン王女に会いたがってたよ!」
「地球の神がわたくしに!?どういう事でしょう?」
「さあ!?アン王女の先祖のキュアマジシャンの事も、懐かしそうに語ってたから、それも関係しているのかも?」
「そうですか・・・」
アン王女は、何故地球の神が、自分に会いたがっているのか不思議に思いながらも、自分の先祖である、キュアマジシャンの事を聞けるのではないかと思うと、アン王女もブルーに会う事が楽しみになって居た。
そんな少女達の様子を、アカネの自動車の脇から、ジィと見つめる茶色い猫が居た・・・
(あれがプリキュアかニャー・・・見た感じ、普通の女の子見たいだニャー?)
見つめて居たのは、魔界の使い魔キャミーで、キャミーはなぎさ達一同を見て居ても、伝説の戦士と言われるプリキュアだとは、とても思えなかった。だが奏を見た時、キャミーはその眼光に驚いた。まるでキャミーの正体を見抜いたとでも言いたげに、ジィとキャミーを見つめるその視線に、キャミーは困惑した。
(ま、まさか!?キャミーの正体に気付いたのかニャー?でも、人間界の猫と変わらない筈ニャンだけどニャー?)
自分の正体がバレたのかどうか、半信半疑のキャミーだったが、ジィと見つめて居た奏は、徐にキャミーに近付いて来て、キャミーは益々困惑した。
(や、やっぱりバレてるニャー!?な、何で!?どうして?どこから見ても猫の筈ニャー?人間界の猫と、何が違うのニャー?)
キャミーは慌てて周りをキョロキョロすると、一匹の白い猫を見付けた。それはハミィで、ハミィもキャミーに気付いたのか、嬉しそうに近付いて来る。それに気付いた奏が、ハミィを抱き上げ、一緒にキャミーの方に近付いて来る。
(どう見ても、あの猫と・・・・・!?)
奏に抱かれながら近付いて来るハミィを見て、キャミーは思わず口をアングリ開けて呆然とした。
(あ、頭デカァ!?人間界の猫は・・・あんなに頭が大きかったのかニャー?拙いニャー・・・)
逃げるべきか、もう少し様子を見るべきか、迷って居たキャミーは、奏が伸ばした手に反応が遅れ、そのまま抱き抱えられた。奏は悦の表情を浮かべ、目をキラキラ輝かせながらキャミーに頬擦りし、
「イヤァァン、可愛い!ねぇねぇ・・・あなたの肉球触らせてぇぇ!!」
(ニャ、ニャンだぁぁ!?)
キャミーを抱き抱えた奏は、悦に浸った表情を浮かべながら、キャミーの肉球を気持ち良さそうに触り続けた。
(は、離すニャー!)
ジタバタ暴れるキャミーだったが、奏はそんなキャミーに気付かず、幸せそうにキャミーの肉球を触り続ける。
「奏・・・その子、物凄く嫌がってるわよ?」
「出たぁ!奏の肉球フェチ!!」
そんな奏を、呆れ気味にエレンと響が窘めるも、奏はデレデレし続け、顔を見合わせたエレンと響は、嫌がるキャミーを奏から引き離し、奏をみんなの側へと強制連行した。奏は名残惜しそうな目でキャミーを見つめると、キャミーの背筋はゾッとした。
(ニャンニャンだあいつは!?あいつ・・・嫌いニャー!!)
不機嫌そうな表情をするキャミーに、その場に残ったハミィが話し掛け、
「ゴメンニャ!奏は、猫と肉球が大好きで、目に付くとああなっちゃうニャ!悪気は無いから許してあげて欲しいニャ!挨拶が遅れたニャ!ハミィって言うニャ!!これはお詫びの印ニャ!!」
ハミィはそう言うと、奏が差し入れに持って来たカップケーキを、ニコニコしながらキャミーに差し出した。シンプルなクリームのカップケーキで、キャミーは受け取りながらも納得し、
(そういう事か、キャミーの正体に気付いた訳じゃ・・・・アレ!?)
「お、おい!お前、人間の言葉喋ってないかニャー?」
「ハミィは、メイジャーランドの妖精ニャ!そういう・・・アレ!?そういえばまだ名前聞いて無かったニャ?」
「キャミー!」
「キャミーって言うニャ?ハミィと名前が似てるニャ!」
「そういえば・・・」
初対面ながら、気さくでマイペースなハミィを見て、キャミーもハミィには心を許したかのように、仲良く話し続けた。ハミィは、もう一人紹介したいと言い、
「セイレーン!ちょっとこっちに来て欲しいニャ!」
「何、ハミィ!?」
ハミィに呼ばれたエレンが、再びキャミーとハミィに近付いて来ると、その背後で、自分も行くと言いたげに、こちらに来ようとしている奏を、響とアコが抑え、奏は名残惜しそうにキャミーに手を振り、キャミーはソッポを向いて奏をへこませた。エレンは苦笑を浮かべながら、
「まあ、無理矢理あんな真似をされれば、奏が嫌われてもしょうがないわねぇ・・・ところでハミィ、私に何か用?」
「セイレーン!この子はキャミーって言うニャ!!キャミー、こっちはセイレーン!ハミィの幼なじみで親友ニャ!!」
「幼なじみ!?親友!?・・・あんた、人間と幼なじみなの?」
驚いたキャミーが、思わず人間語を話すと、エレンは目を点にし、
「ね、猫が喋った!?」
「し、しまったニャー!?」
思わず動揺するキャミーだったが、ハミィは平然とエレンに説明を始め、
「よく知らないけど、キャミーもハミィとセイレーンのように、何処かの国の妖精みたい何だニャー!」
「ああ、それで・・・私は黒川エレンよ!今は人間の姿をしてるけど、元々はあなたのように、猫の姿をしてたの・・・よろしくね!!」
(う、受け入れた・・・って言うか、この人間が猫の姿を!?)
キャミーは、エレンの全身を上から下へと見つめ、今度は下から上へと向けた。
「セイレーンは・・・化け猫なのかニャー?」
「やっかましいわ!誰が化け猫よ!!」
「だって、人間の姿に化けてるじゃないかニャー?」
「訳あって、今は猫の姿に戻れなくて、この姿で過ごしてるの!」
「ニャる程・・・呪われたのかニャー?」
「いや、呪われたって訳じゃ無いけど・・・ところで、あなたはどこの国の妖精なの?」
エレンに聞かれたキャミーは、周りをキョロキョロ見渡し、近くには三人しか居ない事を改めて確認すると、
「二人には本当の事を話すけど、他のプリキュア達には秘密にしてくれるかニャー?」
「「秘密!?」」
思わず顔を見合わせたエレンとハミィだったが、同時にコクリと頷くと、
「キャミーは、魔界の使い魔何だニャー!」
「魔界の!?そのキャミーが、どうしてこっちの世界に!?」
「実は・・・」
エレンの問いに答えようとしたキャミーだったが、その時、なぎさ達が響めいた。
3、えりかとヒメルダ
突如現われた姿見程の鏡、その中からブルーが現われ、背後から人影が現われたかと思うと、脱兎の如く走り出し、あっという間に少し離れた草むらにその姿が消えた。慌ててその後をリボンが追うと、草むらから突然腕が現われ、リボンを無理矢理草むらの中に入れた。見て居た一同は呆然とし、ブルーは苦笑を浮かべながら、一同の顔を見渡していたが、視線にアン王女が映った時に、ハッとした表情を浮かべると、
「君は・・・キュアマジシャン!?そうか、君がトランプ王国の王女だね?」
「ハイ!わたくしは、トランプ王国王女、マリー・アンジュと申します!」
アン王女は、深々とブルーに頭を下げると、ブルーはコクリと頷き、再びアン王女を見つめると、思わずアン王女の頬が染まった。
「それにしても似て居る・・・キュアマジシャンに!」
「そんなにわたくしは、キュアマジシャンに似て居るのでしょうか?」
「ああ、今君を見て感じた!君は、キュアマジシャンの再来とも言えるよ!!」
「エッ!?ですが、わたくしはプリキュアでは・・・」
「いや!君は光りの戦士を導くエースとして、何時か輝くと僕は思う!!」
「わたくしが・・・」
アン王女は、ブルーの言葉を聞き呆然としていた・・・
自分もプリキュアになれるのなら、当然プリキュアとなって、みんなと共に戦いたい気持ちは持って居たが、本当にそのような日は来るのだろうか、アン王女は困惑した。ブルーは改めて一同を見渡すと、
「話が途中になったね!みんな、急に集まってもらってありがとう!僕は地球の神ブルー!!」
ブルーが一同に自己紹介を始めると、先に会っていたなぎさ、ほのか、ひかり、ゆり以外のメンバーがどよめき、咲は変顔を浮かべながらブルーを指差し、
「エェェェ!?あなたが、か、神様?」
のぞみも首を傾げながら、ブルーをジィと見つめると、
「神様って・・・お爺ちゃんの姿をしてるんじゃないの?」
「絵本の神様も、大体お爺ちゃんが多かったような・・・」
のぞみの言葉にウンウン頷いたみゆきは、絵本の中の神様を思い描き、ポツリと言った。りんは苦笑混じりに、
「いや、のぞみ、みゆき、あたし達は、誰も神様何て見た事無いんだから、若い姿でも不思議じゃ無いでしょう?」
ラブと美希は、りんの言葉に同意しながらも、ブルーの服装を見ると変顔を浮かべながら、
「それはそうだけど、あの格好は・・・」
「神様って・・・何処かに居そうなチャラい格好をしてるのねぇ?」
「でも、でも・・・イケメンさんですぅぅぅ!!」
つぼみは、目をハートマークにしてときめくと、えりかは、またかと言いたげな表情で両手を広げ、溜息付きながら首を振った。
「何かイメージとだいぶ違うよねぇ?」
「そうですわねぇ・・・と言っても、わたくしも神様には会った事はありませんけど」
響に話し掛けられたアン王女も、ブルーの姿は想像出来なかったようで驚いていた。みゆきに抱っこされていた魔王は、ブルーを胡散臭そうに見つめると、
「お前、本当に神様カゲかぁ!?何か証拠はあるカゲ?」
「ちょっと魔王!神様に失礼でしょう?」
なぎさは慌てて魔王を諭すも、さっきまでなぎさとほのかも、ひかりに諭されるまで、ブルーを神だとは信じて居なかった事を思いだしたのか、微妙な表情を浮かべた。ブルーは微笑みながら、
「ウ~ン・・・どうすれば信じてもらえるかなぁ?」
「地球の神様らしい事をするとか?」
「神様らしい事って・・・何かしら?」
「そう言われると・・・」
少し考えた祈里が提案するも、舞に逆に聞かれ、祈里は苦笑を浮かべた。ブルーは少し憂いの表情を浮かべると、
「僕は1000年前の戦い以降、力のほとんどを失ってしまってね!今ではこの星を見守るぐらいしか出来ないんだけど、世界を救い続けてくれていた君達の事は、ずっと見守って居たよ!!本当に感謝してもしきれない・・・ありがとう!!」
ブルーが深々と一同に頭を下げると、一同も慌てて頭を下げた。なぎさもブルーに助け船を出し、
「私とほのかは、過去の世界に飛ばされた時、神様がプリキュアと一緒に戦って居る姿を見てるから、間違いないよ!」
「へぇ・・・じゃあ本物の神様何だぁ!?あたし達を見守っていたって言うけどさ、どうやって?」
えりかに聞かれたブルーは、再び姿見鏡を出現させ、目を閉じて精神を集中させると、鏡の中に何処かの部屋が移った。部屋の中は、丸められた紙や、本が部屋中に散らばり、それを見たえりかは、顔中から汗が滴り落ちた。つぼみといつきは目を点にしながら、
(あれは、えりかの部屋ですねぇ)
(あれは、えりかの部屋だねぇ)
「神様、随分散らかってる部屋だけど、その部屋に何か意味があるんですか?」
美希は不思議そうに首を傾げ、ブルーに問うと、
「僕は、鏡を通じて・・・」
「ワァァァァ!説明は良いから、その鏡に映ったの消してぇぇぇ!!」
「えりか!あなたの部屋なのぉ?もっと片付けなさいよねぇ!!」
「プライバシーの心外だよぉぉぉ!!」
美希に頭をグリグリされながら注意されたえりかは、恨めしそうにブルーを見た。魔王も目を吊り上げると、
「そうカゲ!お前、コッソリみんなの風呂覗いてるカゲなぁ?こいつは邪神カゲェェェ!!」
「それはあんたでしょう!」
涙目になりながら悔しがる魔王に、なぎさの拳骨が炸裂して黙らせた。ブルーは、そんな一同の声にも笑顔を崩さず、チラリと草むらに隠れたヒメルダを見ると、
「あの草むらの中に居る彼女は、ブルースカイ王国の姫で、ヒメルダ・ウインドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイって言うんだ!」
ブルーは、草むらの中に居るヒメルダの名前を一同に教えると、一同は困惑した。えりかは目をパチクリしながら困惑し、
「ヒメルダ・・・何たらかんたらブルースカイ!?」
「随分長い名前ですねぇ?」
うららも名前を覚えきれなかったのか、困惑気味にブルーに問うと、ブルーはコクリと頷き、
「ブルースカイ王国の王族は、代々ブルースカイを名前に付けるからね」
「にしても・・・長いわ!ウチ、覚え切れん!」
「私も!」
困惑気味のあかねは、ヒメルダの名前は覚えられないと根を上げると、やよいもコクリと頷きながら、あかねの言葉に同意した。かれんは、草むらの方を見つめながら、ブルーに話し掛け、
「神様、ヒメルダ・ウインドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイ王女は、何故こちらに来ないで、草むらの中に居るのですか?」
「かれん、あの子の名前覚えたの?」
「流石かれんさん!」
かれんは、ブルーが言ったヒメルダの本名を間違えず正確に呼び、なぎさやのぞみを驚愕させた。ブルーは困惑しながら、
「済まない!実はヒメは・・・極度の人見知りで、大勢の人の前に出ると、怖がってしまってねぇ・・・」
ブルーの言葉を聞き、一同の視線が、草むらの中で隠れているであろう、ヒメルダへと注がれた。くるみは草むらを指差し、
「姫様なのに!?」
響も首を傾げながら、アコやアン王女に話し掛け、
「アコ、アン王女、姫様って、大勢の前で挨拶とかするんでしょう?」
「私は、小さい時にメイジャーランドを出たから・・・でも、やっぱり国民のみんなの前に、パパやママと一緒に顔を出した事はあるよ」
「そうですねぇ・・・わたくしもトランプ王国の民はもちろん、アコ姫のメイジャーランドを始めとした、他国の王族関係の方々との懇談もしましたわ!ですが、ヒメルダ王女の気持ちも分からないではありません!わたくしとて、大勢の人々の前に出れば、緊張する事はありますし・・・」
「そうですよねぇ!私だって、転入してみんなの前で挨拶した時は緊張しましたし、逃げ出したい気持ちにもなりました」
「「分かる!分かる!」」
嘗て、明堂学園中等部に転入した日を思い出したつぼみの言葉に、同じく転入初日の事を思いだしたみゆきとあゆみが、コクコク何度も頷いた。ブルーは口元に笑みを浮かべ、
「そう言って貰えると、僕も助かるよ」
「あの時、えりかが・・・・・アレェ!?えりか?」
転入初日のえりかの行動を思い出したつぼみが、えりかに注意しようとした矢先、隣に居た筈のえりかの姿が忽然と消えて居た。
「つぼみ、えりかなら・・・」
「エッ!?」
困惑の表情を浮かべたいつきが、草むらを指差し、釣られるようにつぼみが草むらに目を向けると、えりかはヒメルダの隠れている草むらに徐に近付き、
「見ぃ付けたぁ!」
「エッ!?エェェェェェ?」
ヒメルダは、草むらから一同の様子をチラチラ見て居たが、突然現われたえりかに驚き、変顔浮かべながら素早く後退りして、顔から大量の汗をかいてパニクっていた。草むらに隠れていたせいで、白と水色のレースの服が汚れて居て、えりかは思わず顔を顰め、
「ほら、こっちに出てきなよ!折角の綺麗な服が汚れちゃうじゃん!!」
えりかは、ヒメルダにこっちに来るように促し、ヒメルダは、重い足取りで草むらから姿を現わした。
「注意しようとした矢先に・・・」
「全く、えりかは・・・」
「つぼみちゃん、いつきちゃん、ちょっと待って!少し様子を見て見ましょう!!」
つぼみといつきは、呆れながらえりかを連れ戻しに行こうとしたが、美希は二人を止めると、様子を見ようと提案した。
(こういう時、えりかの人見知りしない行動が、思わぬ効果を呼ぶ事もあるのよねぇ・・・)
美希は苦笑を浮かべながら、えりかとヒメルダのやり取りを見守った・・・
「あたしは、来海えりか!神様から聞いたよ、何でこっちに来ないの?」
「アァァ・・・ウゥゥゥ・・・」
えりかに話し掛けられたヒメルダだが、目をパチクリし、両手の人差し指を付けたり離したりしながら、挙動不審な態度を取り、見かねたリボンは目を吊り上げると、
「ヒメ!折角プリキュアの皆さんが集まって居られるのですよ!!」
「で、でもぉぉ・・・」
「オォォォ!ひょっとして、ブルースカイ王国の妖精さん?」
「はい!ヒメのお世話役をしているリボンと申します」
「あたしは来海えりか!よろしくぅぅ!!」
互いの手を取り握手をするえりかとリボン、ヒメルダは、そんなリボンを羨ましそうに見つめ、
「リボン狡いよぉぉ!私だってさ・・・」
「オォォ!?そんじゃヒメとも握手!!」
リボンがえりかと握手したのを見たヒメルダは、羨ましそうに見つめて居ると、えりかはそれに気付き、気さくにヒメルダの手を取り握手をした。見る見るヒメルダの顔は綻び、
「エッ!?ウワァァァァ!プ、プリキュアと握手しちゃったぁぁぁ!!」
「これであたしとヒメはもう友達だね」
「友達!?私がプリキュアと?・・・友達ですかぁぁぁぁ?すごごごぉぉぉい!!」
ヒメルダは、えりかからもう友達だと告げられると、見る見る目を輝かせて幸せそうな表情を浮かべた。リボンも心から嬉しそうに、
「まぁ!ヒメ、良かったですわねぇ!!」
「ウン!あのぉぉ・・・えりかお姉ちゃんと呼んでも良い?」
「お、お姉ちゃん!?」
「駄目!?」
「お姉ちゃんかぁ!何て素敵な響きしゅ・・・妹よぉぉぉ!!」
「お姉たまぁぁぁ!!」
互いに抱き合い感動するえりかとヒメルダを見て、一同は呆然とした・・・
薫は、そんな二人を見て何度も瞬きすると、
「えりかとあの子・・・珍獣同士気が合うのかしら!?」
「薫!どうしてそういう事言うの?」
薫がポツリと本音を洩らし、満にダメ出しされた。美希も苦笑を浮かべていると、えりかは美希を手招きし、呼ばれた美希は首を傾げながら近付いた。
「ヒメルダ姫、あたしは蒼乃美希!よろしくね」
「美希姉ぇ、挨拶が固いよぉぉ!ヒメは、あたし達の妹分何だからさぁ」
「ハァ!?」
「えりかお姉たまのお姉様なら、美希お姉たまも私のお姉たまです!」
「いや・・・あの、言ってる意味が良く分からないんだけど!?」
「美希姉ぇは、あたしのお姉ちゃんみたいなもんじゃない!ヒメは、もうあたしの妹同然って事は、必然的に美希姉ぇは、ヒメのお姉さんにもなるっしゅ!」
「ハァ!?どうしてそうなるのよぉぉぉ?」
髪を振り乱して困惑する美希と、美希を姉と呼び慕うヒメルダ、変顔浮かべた美希は、
「そ、そう言う事なら・・・ブルーチームの長女かれんさんや、エレンにれいかちゃんも・・・」
「言っておくけど!私はどちらかと言えば紫枠だからねぇ?」
美希の声が聞こえたのか、エレンは間髪入れずに、自分は青では無く紫だと告げると、目を点にした美希は、
「エレンの薄情者ぉぉぉ!良いわよ、かれんさんとれいかちゃんに・・・」
後ろを振り返った美希だったが、さっきまで居た筈のかれんとれいかの姿が忽然と消え、動揺した美希は辺りをキョロキョロし、
「ちょっとぉ!かれんさん、れいかちゃん、何所行ったのよぉぉ?」
「かれん!」
「れいか!」
「「美希さんが呼んでるわよ?」」
こまちとなおは、足下で身を伏せて、美希の視線から逃れるかれんとれいかに、苦笑混じりに小声で話し掛けるも、かれんは引き攣った表情でシィとジェスチャーし、困惑の表情を浮かべたれいかは、小声でかれんに話し掛け、
「かれんさん、このまま隠れていてよろしいのでしょうか?」
「シッ!こういう事は、美希に任せておきましょう!!」
ブルーは、そんな一同のやり取りを目にすると、やはりヒメルダをプリキュア達に会わせて良かったと、心の底から安堵した。
4、プリキュアVSファレオ
えりかの機転で、ヒメルダも輪に加わった・・・
ブルーは、一同を見つめると、
「じゃあ、本題に入ろう・・・今日みんなに集まってもらったのは、魔界の者について話があったから何だ!」
ブルーが魔界の名を口に出すと、直ぐに咲達、のぞみ達、ラブ達、つぼみ達、響達、みゆき達、真琴の表情が険しくなった。
「君達の何人かは、実際に魔界の者と戦って居るだろうけど、この世界には何体もの魔が入り込んでいるんだ!」
「あたし達、ついさっき魔界のマキシマって言うのと戦って来たばかりだよ・・・妹のみのりを、酷い目に遭わせた最低な奴だった!」
(マキシマ!?何処かで聞いた名前だニャー?ファレオ様の他にも、何人も人間界に来てるのかニャー?)
キャミーは首を傾げていると、TAKO CAFE周辺の空気の流れが変わった・・・
快晴だった空は曇天へと変わり、遠くの方から雷が聞こえて来る。夏休みなのに、背筋がゾッとしてくるような感覚が、一同には感じられた。咄嗟にブルーが、妖精達が、そしてキャミーの表情が変わった。アン王女はブルーに進言し、
「神様、ヒメルダ王女を、安全な場所に避難させた方がよろしいのでは?」
「エッ!?何?」
「そうだね・・・ヒメ!今日はもう帰った方が良い!此処に、魔界の者が現われたようだ!!それも、かなりのプレッシャーを、周囲に撒き散らす程の相手のようだ!!」
一同に緊張感が走る中、重苦しい空気が、段々こちらに近付いて来る。キャミーは顔から汗を滴りながら、
「おい、ハミィ!エレン!注意しな、ファレオ様がこの場所に来たようだ!!」
「「ファレオ様!?」」
「ああ、分かりやすく言えば、全身を包帯で覆ったミイラ・・・」
「ミ、ミイラ!?」
エレンは、キャミーの言葉を聞くと、変顔浮かべ動揺した。エレンは、物の怪関係は苦手だったのだから・・・
「来るニャー!」
キャミーの叫びと共に、目以外の全身を、灰色掛かった包帯でグルグル巻きにしたミイラ男が、両手を前に突き出しながら現われた、目は不気味に赤く輝き、思わずなぎさ、のぞみ、うらら、かれん、つぼみ、えりか、あかね、あゆみは、その不気味さに一歩後退り、りんはこまちの後ろ、くるみはかれんの後ろ、エレンはハミィとキャミーを抱きしめ、みゆきはやよいの、なおはれいかの後ろ、真琴とアン王女は、ヒメルダと一緒にブルーの背後に身を隠した。
「シュウゥゥゥ・・・お前達がプリキュアだなぁ?魔界に禍をもたらす光りの者よ!このファレオが、お前達に呪いを与えよう!!」
ファレオは、聞いた者を思わずゾッとさせるように、地の底から聞こえて来るかのようなしわがれ声を発し、一同は思わず声を失った。ファレオの手から、薄汚れた灰色の包帯が宙に舞うと、包帯は見る見るファレオに似たミイラ男となって続々姿を現わした。その数20体、それらが不気味に両腕を突き出しながら、ゆっくり一同に近付いて来る。ゆりはココロポットを手に取り身構えると、
「みんな、行くわよ!」
険しい表情を浮かべたゆり達とは逆に、なぎさは困惑気味に、
「出来れば・・・あんな不気味なのと戦いたく無いんだけどぉぉ」
「「「「「ウンウン!!!」」」」」
「いいから、さっさと変身しなさいよねぇ!」
なぎさの言葉に、りん、エレン、みゆき、なお、真琴は、コクコク頷きながら同意するも、アコに注意され、渋々変身アイテムを手に持った。やよいは、側で怯えているヒメルダに気付き、
「神様、ヒメルダさんを今の内に!」
「分かった!ヒメ、戻るよ!!」
「う、うん・・・みんな、頑張ってねぇ!」
「任せるしゅ!」
えりかは胸を叩きヒメルダに親指出してドヤ顔浮かべると、ヒメルダは嬉しそうに両手を振って一同の武運を祈った。
「「デュアルオーロラウェーブ!!」」
「ルミナス、シャイニングストリーム!!」
「「「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」」」
「「「「「プリキュア!メタモルフォーゼ!!」」」」」
「スカイローズ!トランスレイト!!」
「「「「チェインジ・プリキュア!ビートアップ!!」」」」
「「「「プリキュア!オープンマイハート!!」」」」
「「「「レッツプレイ!プリキュア!モジュレーション!!」」」」
「「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」」
「プリキュア!ラブリンク!!」
なぎさ達一同はプリキュアへと変身し、迫り来るミイラの群れに対して身構えた。
「ハァァァァ!」
雄叫びを上げながら先陣を切ったのはキュアムーンライト、ムーンライトは、ミイラの動きが鈍いのを瞬時に見抜き、一体一体にパンチやキックを放って離れさせた。直ぐに他のメンバーも各個撃破に当る。
ブラック、ホワイトがマーブルスクリューを放てば、ブルーム、イーグレット、ブライト、ウィンディが、スパイラルハートとスパイラルスターを放ち、ルージュとサニーはコンビで炎の技を、アクアとビューティもコンビで、サファイアアローとビューティブリザードの合わせ技を、ビートとソード、ピースがトリオを組み、ビートソニックとスパイラルソードに雷を合わせた合体技を、レモネードがプリズムチェーンで、ミューズがシャイニングサークルで動きを封じれば、ベリー、パイン、リズム、エコーが合体技を放って浄化した。妖精達に向かったミイラには、ルミナスとミント、サンシャインがバリアを張ってミイラからの攻撃を防ぎ、ムーンライト、マリン、ローズが、フォルテウェーブとミルキィローズブリザードを放って浄化する。
「私達も負けてられないね!」
ピーチの合図と共に、ブロッサム、メロディ、ハッピーが加わり、四人が並んで目の前のミイラの群れに向き合うと、
「私達も力を合わせましょう!」
ブロッサムの言葉と共に、ピーチはピーチロッド、ブロッサムはブロッサムタクト、メロディはミラクルベルティエを取りだし、ハッピーは、みんながアイテムを使用している事で、自分もプリンセスキャンドルを使おうか考えたものの、
「プリキュア!ラブサンシャイン・・・」
「ブロッサムゥゥ・・・」
「プリキュア!ミュージック・・・」
「エェェ!?待ってぇぇぇ!ハッピー・・・」
「フレッシュ!」
「シャワー!」
「ロンド!」
「シャワー!」
「「「「集え!私達の・・・」」」」
四人の必殺技が合わさり、強大な光りとなって飛んでいく筈が、四人の技は合わさる事なく四方に散り、
「「「「つ、集わない・・・」」」」
四人は変顔を浮かべながらその場で固まり、見かねたパッションは、シューティングスターを放っていたドリームに気付き、瞬間移動でドリームの身体を、ピーチ、ブロッサム、メロディ、ハッピーが放った技を、シューティングスターに纏わせた。
「エェェ!?何だか知らないけど凄ぉぉぉい!」
「「「「つ、集ったぁぁぁぁ!!!!」」」」
「ハァ・・・世話が焼けるわねぇ」
驚くドリームだったが、眼下にいる四人にピースすると、シューティングスタースペシャルで次々にミイラを浄化し、四人は再びドヤ顔を浮かべ、パッションは思わず苦笑混じりの溜息を付いた。
プリキュア達は、次々とミイラを浄化し、残るはファレオ一人となった。
「みんな凄いニャ!」
ハミィは、大喜びで優勢なプリキュア達を見るも、隣に居たキャミーの表情は優れず、
(この戦いは直ぐに終わる!けど、ファレオ様が恐ろしいのは、戦いが終わった後の方・・・)
「流石は伝説の戦士・・・だが、全ては終わった!」
ファレオはそう不気味な言葉を発し、その姿を消した・・・
「逃げた!?あたし達の勝利っしゅ!」
ドヤ顔を浮かべたマリンだったが、キャミーは目を光らせると、プリキュア達全員の額に、梵字のような文字が浮かび上がっていた。
(やっぱり・・・)
「ハミィ、また会いましょう!じゃあ!!」
「エェェ!?もう行っちゃうニャ?」
キャミーはハミィにそう言い残し、何処かへと姿を消し、ハミィは名残惜しそうに、キャミーが消え去った場所を見続けた・・・
変身を解いた一同を出迎えた妖精達だったが、魔王は不思議そうに首を傾げ、
「お前達、額に付いてるその文字みたいなのは何カゲ?」
「エッ!?」
コンパクトを取り出した美希が、慌てて顔を見るも、額に文字など無く、美希はホッと安堵し、魔王は見ると、
「付いて無いじゃない!魔王、変な事言わないでよね!!」
「エッ!?・・・ピー助、お前にも見えないカゲかぁ?」
「ピィィィ!?」
「ピー助にも見えないカゲかぁ・・・俺の目がおかしいカゲ!?」
魔王は目をゴシゴシ擦るも、魔王には、やはりなぎさ達全員の額に、梵字のようなものが浮かんで見えていた。
再び姿を現わしたブルーは一同を称え、神との出会いはこうして幕を閉じた・・・
だが・・・
暗闇の中で、目を閉じていたファレオは、カッと目を見開くと、
「さあ、時間だ!プリキュアよ、我が呪いの前に朽ち果てるが良い!!ククククク」
不気味な笑い声が辺りに響き渡り、そのファレオを、キャミーはジィと見つめ続けた・・・
家に帰ったなぎさだったが、風呂から出てピンク色のパジャマに着替え、自分の部屋に戻ろうとした時、急激に意識が遠のいていった・・・
(アレ!?私・・・・・)
突然大きな音を立ててなぎさが倒れ込み、驚いて駆け寄ったなぎさの母理恵、父岳、弟亮太が駆け付け、
「なぎさ、どうしたの!?なぎさ?」
理恵が声を掛けるも、なぎさはピクリとも動かない、しゃがみこんだ岳が、なぎさの名を呼びながら身体を揺するも、なぎさはグッタリしてピクリともしなかった。横から理恵が心配そうに覗き込み、なぎさの額に手を乗せた途端、その熱さに思わず手を放し、
「お、お父さん!なぎさ、凄い熱よ!!まるで、炎の中に手を入れてるように・・・」
「何だって!?なぎさ、おいなぎさ、しっかりしろ!なぎさぁぁ!!亮太!救急車!!」
「わ、分かった!」
亮太は、慌てて救急車を呼ぶ為に電話を掛け、理恵と岳は、心配そうになぎさの名を呼び続けた。その様子を、なぎさの部屋のドアを少し開けたメップルが、泣きながら見つめて居て、
(なぎさぁぁ!一体どうしちゃったメポ・・・)
なぎさが倒れた同時刻、他のプリキュア達も一斉に倒れた事を、この時は誰も気付く事は無かった・・・
そう、地球の神ブルーでさえも・・・
第百一話:呪われたプリキュア!
完
第百一話投稿致しました!
新キャラのキャミーですが、ベレルとシャックスのやり取り書き終えた時、何か物足り無さを感じ、急に思い付いたキャラです。ハミィやエレンと仲良くなるのも、書いてて思い付きました。
ヒメルダを再登場させたのも、急に思い付いたもので、えりかと絡ませてたら面白くてついつい長くなってしまいましたw
今年のオールスターズネタや、魔法つかいプリキュアの設定も少し加えてみました。
魔法つかいプリキュア、みらいもリコ良いキャラしてるし、モフルンやはーちゃんは可愛いし、みらいママの出番も多いし、ナシマホウ界編も楽しんでます!
クラスメイトの勝木さんが、二人を目撃する描写見てると、奥様は魔女で、隣に住む奥さんが、魔法を見て大騒ぎするも、他の人には信じて貰えない描写を思い出しましたw