プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第二十七話:パンドラボックス

               第二十七話:パンドラボックス

 

1、戦いの中で

 

 ダークドリームの言葉を受け、呆然としたのぞみ達一同・・・

 

 何故戦う必要があるのか?

 

 彼女達には到底理解出来るものでは無かった・・・

 

 そして、困惑する彼女達を、複雑な表情で見つめるなぎさ達一同だった・・・

 

 

「私達が・・・戦う!?ど、どうしていきなり戦わなきゃならないの?嫌だよ!!」

 

「私も嫌・・・もう、あの時みたいな思いは沢山!!」

 

 のぞみも、咲も、フリーズン、フローズンに操られ、プリキュア同士で戦わされた事を思い浮かべ、心から戦う事を嫌そうに否定したが、

 

「あなた達がそう思うのは構わない!私達だって・・・でも、これは仕方が無い事なの!」

 

 ダークドリームもまた、憂いの表情を浮かべるも、直ぐにキッとのぞみ達一同を見つめた。

 

「せつな・・・嫌だよ!何でまた私達で・・・」

 

「ゴメン・・・私も、嫌!でも!!」

 

 ラブの叫びに、イースと化したせつなも、沈痛な表情を浮かべるも、ラブ、美希、祈里を見つめ返した。

 

 

 一同のやりとりを見ていたなぎさとほのかも、憂いの表情を浮かべるも、

 

「満、薫、せつな、あなた達、咲や舞、ラブ達と戦うのは気が引けるでしょう?あなた達は、つぼみ達や響達をお願い、ゆりや薫子さんも・・・」

 

 言いかけたなぎさだったが、

 

「プリキュア!オープンマイハート!!」

 

 突然、憂いの瞬間を破るように、ゆりがココロポットを手に取り変身する。

 

「月光に冴える一輪の花!キュアム~~ンライト!!」

 

 真っ先に変身を終えたキュアムーンライトは、変顔をしながら驚くなぎさを笑み、

 

「なぎさ、心配無用よ!私は平気!!もっとも、彼女達はそうもいかないようだけど」

 

 つぼみ、えりか、いつきのパニクった顔を見て、少し哀れみの視線を送るムーンライト、薫子も憂いの表情を浮かべながらも、

 

「つぼみ、えりかちゃん、いつきちゃん、そしてみんなも!今は私達の言う通りにして頂戴!!コッペ、もう一度力を貸して!お願い!!」

 

 コッペに頼んだ薫子の身体を、花吹雪が覆うと、その中から、つぼみ達以外見た事が無い戦士が現われた。

 

「聖なる光に輝く一輪の花、キュアフラワー!」

 

 気品さを漂わせるプリキュア、キュアフラワーが姿を現わすと、一同から驚愕の声が漏れ出す、

 

「エッ!?あれが、キュアフラワー?・・・って言うか、ほとんど別人何ですけど?」

 

「あり!?そんなのありな訳?」

 

 呆気に取られた響、そして、りんが思わず本音をぶちまけると、フラワーの口元に微かに笑みが浮かんだ。

 

「ゆり、早!少しは戸惑ってよね!そして、あれが薫子さんの・・・私達も年取ってプリキュアに変身すれば、若返るのかなぁ?・・・って、そんな場合じゃないよね!じゃあほのか、私達も行きますか!ひかり、咲、舞、変身しなさい!あなた達の相手は・・・」

 

「私達よ!!」

 

 なぎさとほのかが、ひかり、咲、舞をキッと見つめると、三人は首を振り嫌々をする。

 

 何故プリキュアに変身してまで戦う必要があるのか?

 

 もしかしたら、なぎさ達は操られているのでは?

 

 色々な疑問が沸いてくるひかり、咲、舞だった・・・

 

「なぎさ、本当に良いメポ?」

 

「ほのか・・・大丈夫ミポ?」

 

「二人共、あなた達も今の地球の状況見たでしょう?しっかりして!」

 

 なぎさは、イマイチ乗り気じゃない自分達の妖精、メップルとミップルを励ますと、ほのかとアイコンタクトを取り、

 

「「デュアル・オーロラ・ウェイブ!!」」

 

 手を握りあったなぎさとほのかが同時に叫ぶと、オーロラが二人を包み込みプリキュアへと変貌させていく。

 

「光の使者・キュアブラック!」

 

「光の使者・キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「闇の力の僕達よ!」

 

「とっととお家に帰りなさい!!・・・ってこの場合、闇の力の僕って・・・私達になるんだよね?」

 

「そ、そうね・・・って、ブラック!そんな事言ってる場合じゃないでしょう?さあ、あなた達も変身して!!!」

 

 ブラックとホワイトのやり取りを見る限り、操られているとも思えず、益々困惑するひかり、咲、舞だった・・・

 

「ひかり、変身するポポ!」

 

「ポルン、何て事を言うの?二人と戦う何て、私には出来ない!!」

 

「ひかり、みんな、大丈夫ポポ!プリキュラ達の言う通りにするポポ・・・そうすれば、闇が晴れるポポ!!」

 

 ポルンの言葉を受け困惑するひかり達だったが、妖精達はポルンの言葉に同意をする。

 

「咲、舞、変身するラピ!」

 

「のぞみ、みんな、変身するココ!」

 

「そうすれば、この世界に来て感じたモヤモヤの原因が分かりそうな気がするナツ」

 

 数ヶ月振りにこの世界に来たココとナッツは、世界を靄(もや)が覆っているような感覚を覚えていた。その鍵をダークプリキュア5が握っているように感じたココとナッツも、ダークドリームやブラック達の言葉通りにするよう助言するのだった。

 

 それでもまだ、躊躇していた一同を、のぞみが激励する。

 

「みんな、やろう!彼女達が、理由も無くこんな事をする何て思えない!きっと何か考えがあるんだよ・・・私達は、彼女達を信じ、自分達の出来る事をするだけ・・・りんちゃん、うらら、こまちさん、かれんさん、くるみ、そして、みんな・・・行くよ!!」

 

 モヤモヤした一同の心を、のぞみの言葉が動かした・・・

 

(やはりのぞみには、みんなを纏め上げる不思議な魅力があるようね・・・)

 

 ムーンライトは、フラワー、ブラックとホワイトと見つめ合うと、一同はのぞみを見て口元に笑みを浮かべる。

 

「やれやれ、なぎささん達、後でちゃんと説明して下さいよ?」

 

 りんはのぞみに頷き掛け、他の仲間も頷き合うと、

 

「「「「「プリキュア!メタモルフォーゼ!!」」」」」

 

「スカイローズ・トランスレイト!」

 

「ルミナス・シャイニング・ストリーム!」

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワー!!」」

 

「「「チェインジ・プリキュア!ビートアップ!!」」」

 

「「「プリキュア!オープンマイハート!!」」」

 

「「レッツプレイ!プリキュア・モジュレーション!!」」

 

 17人のプリキュアが、変身を完了させナッツハウス前に勢揃いすると、頼もしき後輩達の姿を改めて見て、ブラック、ホワイト、ムーンライトの胸中に万感の思いが沸き上がった・・・

 

(先ずはローズを、ドリーム達から引き離すのが先ね・・・)

 

 真っ先に一同に突撃したのはムーンライト、彼女はローズに攻撃を仕掛けると、プリキュア5と引き離し、ピーチ達の方に追い詰める。

 

「ローズ!待ってて、今援護に・・・」

 

 奇襲を受け、押されるローズの援護に向かおうとするピーチだったが、フラワーはピーチ達の動きを察知して、

 

「そうは行かないわよ・・・プリキュア!フラワーカーニバル!!」

 

 援護に向かおうとしたピーチ達に、フラワーが放った四枚の花弁から四人のフラワーが姿を現わし、ピーチ、ベリー、パイン、そしてローズを攻撃して吹き飛ばす。

 

(何!?この人・・・強い!!)

 

 吹き飛ばされた瞬間、ピーチはフラワーが持つ強さを実感していた。その思いは、ローズ、ベリー、パインも同じだった・・・

 

「本気で掛かってらっしゃい!私とムーンライトは・・・甘くは無いわよ!!」

 

 並び立ったムーンライトとフラワーの勇姿に、表情を変えるローズ、ピーチ、ベリー、パインの四人のプリキュア達だった・・・

 

 

 それを合図にしたように、ブラックとホワイトが、ルミナス、ブルーム、イーグレットを引き離し、満と薫、イースと化したせつなが、ブロッサム、マリン、サンシャインを、メロディとリズムの方に追い詰めて分散させていく。

 

 

「みんなが引き離してくれた・・・私達も行くわよ!!」

 

 ダークドリームの合図に頷き、プリキュア5に向かっていくダークプリキュア5、

 

「みんな、来るよ!」

 

「「「「YES!」」」」

 

 ドリームの合図を受け、散らばったプリキュア5だったが、動きを読んだように、ダークプリキュア5も散り、それぞれのモデルとなった人物達と対峙した・・・

 

 

「さあ、どうしたの?あなた達の力はそんなものじゃ無いでしょう!?私に見せてみなさい!!」

 

 イースと化したせつなの攻撃が、ブロッサム、マリン、サンシャインに炸裂する。サンシャインが、サンシャインイージスで攻撃を防ぐ間に、左右に散ったブロッサムとマリンが、プリキュアインパクトで左右から攻撃を仕掛けると、イースは攻撃を見切ったように寸前で躱し、二人を同士討ちにさせる。

 

「イテテェ・・・やってくれるじゃん!あたし達のコンビネーション見せるよ、ブロッサム!!」

 

「はい!行きますよ・・・ハァ!!」

 

 ブロッサムシュートを放ち花弁の舞がイースを襲うも、甘いと躱すイースに、上空からマリンダイブで跳び蹴りをするマリン、辛くも反転して躱したイースの着地の瞬間を狙い、サンシャインがしゃがみながらの回し蹴りで、イースの臑に攻撃を当てて体勢を崩すと、ブロッサム、マリンのプリキュアダブルインパクトでイースを吹き飛ばす。

 

「やるじゃない!流石ね・・・でも!」

 

 イースも直ぐに体勢を立て直し、三人に凄まじい攻撃を繰り広げた。

 

 

「大丈夫、リズム?」

 

「ええ、あの二人・・・プリキュアになっていないのに、何て強さなの!?」

 

 満と薫の繰り出す闇の力の前に、防戦一方となるメロディ、リズム、

 

「メロディ、リズム、避けてばかりじゃ勝負にならないわよ?」

 

「あの時の戦いを思い出しなさい!!」

 

「うるさ~い!今は敵のあなた達の言う事何か、聞かないんだからねぇ!!」

 

 メロディが膨れっ面で、満と薫に文句を言うと、思わず二人は顔を見合わせてクスリと笑った。満と薫が手を繋ぎ、闇の衝撃派がメロディとリズムに炸裂する。強力な合体攻撃を繰り広げるも、直接狙っているというよりは、敢えて的を外しているように、メロディとリズムには思われた。

 

(私達からの攻撃を誘っているとでもいうの?)

 

 一瞬迷いが生じたリズムだったが、メロディと顔を見合わせ頷き合うと、息のあったコンビネーションを見せ、満と薫の攻撃を押し返す、勢いに任せ上空高くジャンプしたメロディとリズムだったが、

 

「そう、その息の合わせ方は良いわね!」

 

「でも、それだけじゃ私達には敵わない!!」

 

 地上に着地した満と薫が間髪入れず飛び上がり、無防備になったメロディとリズムを地上に叩き付けた・・・

 

 

「ブルーム、イーグレット、どうして防御しかしないの?あなた達も覚悟を決めたんじゃなかったの?」

 

「そんな事言われても・・・やっぱりブラックやホワイトと戦うのは・・・」

 

 ブラックに発破を掛けられても、ブルームもイーグレットも、もちろんルミナスも、戦う事に躊躇(ちゅうちょ)してしまう。

 

「そう・・・じゃあ、こっちは本気で行くよ!!ダダダダダ!!!」

 

 ブラックの怒濤の連続攻撃を、前方にバリアーを張って耐え凌ぐブルーム、イーグレットだったが、ホワイトが裏に回り込むと、二人の手を掴み、合気道の投げのように二人を投げ飛ばし、突進したブラックが二人に追い打ちを掛ける。

 

「ルミナス、何をしてるの?今のはあなたが、二人をカバーしなきゃ・・・」

 

 ホワイトに注意され、思わず「ハイ」と返事を返したルミナスは、

 

(やっぱり、ブラックもホワイトも何か考えがあるようね・・・)

 

「ブルーム、イーグレット、守りは私に任せて、お二人は攻撃に集中して下さい!!」

 

「ルミナス・・・わかった!やろう、イーグレット!!私達のコンビネーション、二人に見せて上げよう!!」

 

「わかったわ、ブルーム!!」

 

 三人の顔から迷いが吹っ切れ、ブラック、ホワイトに笑みすら見せた。ブラック、ホワイトは満足そうに顔を見合わせると、

 

「ホワイト、あの子達、迷いが吹っ切れたようだね!」

 

「ええ、他のみんなも吹っ切って戦っている・・・」

 

 ブラック&ホワイト、ブルーム&イーグレットがお互い一歩も引かない攻撃を繰り返した・・・

 

 

 ムーンライト、フラワーの前に防戦一方となるローズ、ピーチ、ベリー、パイン、

 

「まだまだぁぁ!」

 

 拳を握り、フラワー目掛け突進するピーチのパンチを、フラワーは当たる寸前で見切り、ピーチが体勢を崩すとそのまま投げ飛ばす。上からベリーがかかと落としを狙うも、フラワーはこの攻撃も見切り、ベリーに掌底を当てて吹き飛ばすと、パインがベリーを抱えダメージを軽減させた。

 

(この子達、良いコンビネーションを見せるわね・・・それに、ピーチはパンチ、ベリーはキック、そしてパインは、見掛けによらない頑丈さを持っている。彼女達に、せつなちゃんが加わって居たら、私も危ないかも知れないわね・・・まだまだ彼女達なら伸びそうだわ!)

 

 フラワーは、ピーチ達の戦い振りを満足気に見つめた・・・

 

 

「流石にやるわね・・・でも、まだまだこれからよ!」

 

 ムーンライトと戦うローズ、一度は奇襲を受け防戦となるも、体勢を整えると反撃に転じるローズ、ムーンライトも真っ向から受けて立ち、拳と拳が、蹴りと蹴りが相殺する。意地になったローズが更に力を込めたパンチを繰り出すと、ムーンライトは体を入れ替え、ローズの背中をポンと押すと、プリキュアインパクトでローズを吹き飛ばす、

 

「ローズ、あなたは確かに強い!でも、意地になって攻撃を仕掛ける癖は直した方が良いわね・・・敵につけ込まれるわよ?」

 

「クッ!」

 

 ムーンライトに忠告され、ローズは口惜しさを浮かべた・・・

 

 

「キュアアクア!あの時、あなたを見下していた事を謝るわ・・・あなたの言う通りだった。一人では、孤独では、私は成長していなかった・・・あなた達と触れた私達は、成長した!仲間が、友達が居るから、私は成長した・・・その姿、あなたに見せる!!」

 

 ダークアクアは、ニッコリとキュアアクアに笑みを見せた。それは彼女の偽らざる素直な気持ちだった。

 

「ダークアクア、あなた・・・わかったわ!!」

 

 彼女の思いを知ったキュアアクアもまた、あの時の自分の言葉を受け入れてくれたダークアクアに、ニッコリと笑みを受けた。

 

 二人のアクアの拳と拳が交差した・・・

 

 

「キュアルージュ、あなたは友達の大切さを私に教えてくれた。私の偏った思いを、その身を持って私に知らしめてくれた。ありがとう、仲間の、友達の大切さ、今なら私にも分かる!!」

 

「そんなたいしたこと言ってないよ・・・でも、やっぱりあんたはもう一人の私自身だね。あなたが知った思い・・・私に見せてみて!!」

 

「プリキュア、ファイヤー・ストライク!!」

 

「ダークネス・シュート!!」

 

 微笑みあった二人のルージュから、熱い技と技が激突した・・・

 

 

「キュアミント、あの時あなたは、敵である筈の私すら守りたかったと言ってくれた。人を思いやる心、誰かを守りたいと思った時、人はより一層強くなる事を私も悟った。今の私は、仲間達の大切さを、彼女達を守りたい思いを知った・・・あなたにも、私の成長した姿を見て欲しい!!」

 

 ダークミントの言葉を受け、キュアミントはとても嬉しかった。

 

 人を思いやる素晴らしさを、彼女は理解してくれた。

 

 頷き合った二人は、同時に相手に向かって行った・・・

 

 

「キュアレモネード、あなたは言った・・・歌は人を喜ばせる為だと!今なら私にも分かる。あの時、そこの妖精と、もう一人の妖精達の歌声に導かれた時、それは確信に変わったわ。あの時の私は愚かだった・・・」

 

「分かって貰えて嬉しいです!あなたにも歌の素晴らしさを知って貰えて・・・」

 

「戦いが終わったその時には・・・」

 

「分かりました!ダークレモネード、是非あなたの歌声を聴かせて下さい!!」

 

 二人のレモネードの思いが弾けた・・・

 

 

「キュアドリーム、あなたは本当に素晴らしい人だわ・・・私はあなたを元に作られた事を誇りに思う!!」

 

「ううん、違うよ!あなたにも立派な心があるじゃない!あの時も言ったけど、あなたは私のコピー何かじゃない!私の大切な友達の一人、ダークドリームだよ!!」

 

 互いに微笑み合う二人のドリーム、

 

「あの時、あなたは言った!昨日の自分よりも、一時間前、一分前の自分よりも成長してる筈だって・・・あなた達五人に、私達が成長した姿を見て欲しい!!そして、それは・・・」

 

 言いかけたダークドリームだったが、言葉を中断する。

 

「分かった、あなたの思いに応えるためにも・・・私も本気で行くよ!!プリキュア!シューティング・スター!!」

 

「ありがとう、キュアドリーム・・・ダークネス・スター!!」

 

 光と闇の突進技が激突した・・・

 

 

2、戦いの行方

 

 互いの力と力、技と技をぶつけ合い戦い続けるプリキュア達だったが、嘗てのように操られ、プリキュア同士戦った時のような凄惨さは無く、むしろ清々しささへ感じられた。

 

 一同の戦いを見守り続ける妖精達は、大気を揺るがすような悪しき気配を感じていた。

 

「こ、これは、どういう事ココ?」

 

「みんなの戦いに刺激されたように、悪しき気配がナッツハウス周辺に集まってるナツ!」

 

「一体どうなってるニャ?」

 

 ダークプリキュア5達は、一体何をしようとしているのか?

 

 妖精達にも分からなかったが、この戦いが何かの切っ掛けになろう事だけは理解する一同・・・

 

「ダークドリーム、これがあの人の言ってた?」

 

 ムーンライトの言葉に頷いたダークドリームは、

 

「はい、もう直ぐです!みんな、これから、最終段階に移ります・・・」

 

 ダークドリームの言葉を受け、再び集結する闇側の戦士達、17人のプリキュア達も、この世界に起き始めている異変に気付き始めていた。

 

「あなた達、一体何を!?」

 

 言いかけたアクアだったが、ダークドリームの動きを見て思わず言葉を止める。

 

「さあ、この世界にくすぶる負のエネルギーよ、全てをこの箱に結集させよ!目覚めよ、パンドラボックス!!」

 

 ダークドリームが、空中に両手を挙げて放った凄まじい光の中に、まるで巨大な宝箱のような姿の物体が現われると、ギィィとゆっくり開いていく。まるで、箱に吸い寄せられるように、負のエネルギーが集まり箱の中に吸い込まれていった。

 

「何?何が起きているの!?」

 

「これは・・・ダークドリーム、これは一体!?」

 

 イーグレット、ベリーの問いかけに、ダークドリームの代わりにホワイトが語り出す。

 

「これこそが私達の目的なの・・・みんなもこの世界でプリキュアとして戦ってきたでしょう?光と闇の戦いは、それこそ千年、いえ、数千年、それ以上かも知れないけど、この世界の中で行われてきた。その度に、この世界には負のエネルギーが蓄積されていったの・・・」

 

 ホワイトの話はこうだった・・・

 

 光と闇の戦いは、長きに渡って続けられ、その都度、負のエネルギーは地球上に蓄積された。千年前、一度浄化を試みた地球の神だったが、それは、当時のプリキュアを犠牲にする事で成し遂げた苦肉の策だった。

 

 神はその行為をおおいに嘆き、その力を失った・・・

 

 だが、闇との戦いは終わる事は無かった!!

 

 数百年前からの砂漠の使徒とプリキュアとの戦い、そして、近年のドツクゾーン、ダークフォール、ナイトメア、エターナル、ラビリンス、そして、今尚続く、マイナーランドとの戦い、そして、最悪な事に、カオスによって一度は闇に消えたこの世界は、負のエネルギーの蓄積に耐えられなくなっていた。

 

 このままにしておけば、負のエネルギーが暴発し、地球は死の星と化してしまうと・・・

 

「それに気付いた方がいらっしゃった・・・我々のマスター、ダーククイーン!!」

 

「ダーククイーン!?」

 

 ダークアクアの言葉を聞き、一同は思わず聞き返した。

 

「そう、ダーククイーン、光の園のクイーンと対極をなす存在・・・闇の根源カオスが生み出し、再生を司るお方!!」

 

 ダークアクアは、その名を誇らしげに再び一同に教えた・・・ダークアクアの言葉を引き継ぎ、ブラックとホワイトが語り出す。

 

「私とホワイトも、最初に見た時は驚いたよ・・・何で此処にクイーンが居るの?ってね!だって、光の園のクイーンとソックリ何だもん・・・身体の大きさまでね。違いは黒き衣装を身に纏っていたぐらいかなぁ!?」

 

 ブラックがその時の事を思い出し、ホワイトも頷くと、

 

「ええ、そして、闇のクイーンから現状を聞いたの・・・これを防ぐには、蓄積された負のエネルギーを一つに集め、それを闇と光、二人のクイーンのお力で相殺させ、無にするしか無いと、でも、それには問題があった・・・」

 

 ホワイトが語った問題・・・

 

 それはただ、光の戦士プリキュアと、闇の勢力が戦えばいいと言う事では無かった。

 

 それでは今までと変わらないのだから・・・

 

 そこで、闇のクイーンはある人物達に白羽の矢を立てた。

 

 闇に生まれながら、プリキュアを名乗り、且つ光の戦士の心を併せ持つ戦士達、ダークプリキュア達である。

 

 ダーククイーンは、闇の中で眠りについていた彼女達に語り掛け、再び肉体を与えた。彼女達は、ダーククイーンの話に賛同し、力を貸す事を誓うのだった。

 

 そしてもう一人、ムーンライトの妹でもあるダークプリキュアにも協力を求めたものの、ダークプリキュアは断った。

 

 ダークフォールの戦士だった満と薫、ラビリンスのイースだったせつな、そして、光の歌姫ながら、闇に走ったセイレーンに協力を頼むよう指示したのもダーククイーンだった。

 

 セイレーンに協力を要請したのは、彼女の心には光の戦士と同じ強い思いがあるように思えたからだった。

 

 更にダーククイーンは、ドツクゾーン、砂漠の使徒と戦っていた戦士、キュアブラック、キュアホワイト、そして、断られたダークプリキュアの代理として、キュアムーンライト、そして、キュアフラワーに協力を頼むよう指示するのだった。

 

 光と闇の戦いながら、憎しみの戦いでは無いこの戦いを否定し、飲み込もうと動くであろう負のエネルギーを集める為に、ダーククイーンは、ダークドリームに、負のエネルギーを閉じ込めるパンドラボックスを託した・・・

 

「みんなゴメンね!でも、全てを話して協力を仰いでも、あなた達は本気では戦へ無い!そこで、ダークプリキュア5達とこうする事で、あなた達と戦う事を決めたの・・・」

 

「満さん、薫さん、せつなさんには、再び闇の力で仲間と戦うという辛い思いをさせてしまった・・・」

 

 ブラックとホワイトは、17人の後輩達、そして、辛い思いをさせた満と薫、せつなを労った。

 

「そうだったんだ・・・せつな~~、一時はどうなるかと思ったよぉぉ」

 

 思わずイースの姿のせつなに抱きつき、安心したピーチ、ベリー、パインも近づき、抱き合うと、せつなの目から嬉し涙が零れる。

 

「咲、舞、ゴメン!」

 

「また、心配させちゃったね・・・」

 

 満と薫は、ブルーム&イーグレットの側に行くと二人に謝る。

 

「ううん、気にしないで!二人の方が辛かったんだもん」

 

「ええ」

 

 ブルーム&イーグレットも満面の笑みで二人を見つめた。

 

「パンドラボックスよ、私達が授かった闇の力を返すわ!!」

 

 満、薫、せつなが、両手をパンドラボックスに向けると、三人の身体から闇の力が抜けていき、満と薫は制服姿に、せつなは私服姿へと戻っていた。

 

「これで、世界は救われるんだね・・・」

 

 負の力を吸い込んでいくパンドラボックスを見上げたドリームだったが、

 

「そうはさせんぞ・・・この力で再び世界を闇にしてやる!!!」

 

 突然辺りに響き渡る邪悪な声に、一同に緊張が走った・・・

 

「みんな、気をつけるココ」

 

「凄まじい怨念の塊が・・・パンドラボックスに近づいているナツ」

 

 ココとナッツの言葉を受け、ダークプリキュア5の顔付きが変わる。

 

「ダークドリーム、不味いわ・・・」

 

「ボックスを閉じましょう!」

 

 ダークアクア、ダークミントの言葉に頷き、

 

「パンドラボックスよ!その力で、悪しきエネルギーを封印・・・」

 

 ダークドリームの言葉が終わる前に、

 

「そうはさせんぞ!この力、私が頂く!!!」

 

 パンドラボックスの中に入った邪悪なエネルギー体は、パンドラボックス事負のエネルギーを取り込み実体化していった。

 

 実体化していく姿を見た時、プリキュアオールスターズ達から、悲鳴にも似た驚愕の声が漏れ出す。それもその筈で、実体化したその姿こそ、光と闇の力を結集させ、何とか倒せたバロムが怪物化した姿と酷似していたのだから・・・

 

「あ、あんたは、バロム!?」

 

「そんな、あの時私達が倒した筈なのに!?」

 

 ブラックが、ホワイトが、予想だにしないバロムの出現に驚きの声を上げる。

 

「そう、確かに我はあの時貴様らに倒された・・・だが、闇に喫す寸前、この世界に蓄積する負のエネルギーの中で眠りに付き、時を待った!!時は来たり、貴様らへの復讐と、再び絶望を味合わせる為に、我は帰ってきた!!さあ、プリキュア共よ、絶望の宴を味合わせてやるぞ!!!」

 

 甦ったバロムは、獲物を求めるようにゆっくり辺りを見回した・・・

 

 プリキュアオールスターズは、嘗てのバロムとの戦いを思い出し、皆表情を険しくしていった・・・

 

               第二十七話:パンドラボックス

                     完

 

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