1、茨のトンネル
異変が起こったメイジャーランドを救う為、なぎさ、ほのか、ゆりを除く、仮装姿をした22人の少女達は、メフィストが作り出した錠盤の橋を通り、メイジャーランドへとやって来た。
薄暗い部屋の中で、狂喜の笑みを浮かべたアフロディテが、側に居る三つの影に指示を出すと、影はその姿を消した。
「ネズミには・・・消えて貰いましょう!!」
アフロディテの口から発せられた、不快なハウリング音がメイジャーランドに響き渡ると、メフィストが作り出していた錠盤の橋は、バラバラと音を立てて崩れ落ちた。
「な、何だ!?このハウリング音は?・・・みんな、気をつけろ!!」
「キャァァァァ」
メフィストは、突然消え去った錠盤の橋に驚愕し、少女達と妖精達は、悲鳴を上げながら地上へと落下していった。
「アワワワ、エライこっちゃでぇ・・・シフォン!!」
タルトは咄嗟にシフォンにみんなを助けるように頼むと、シフォンの耳が動き、シフォンの力によって、一同は怪我する事なく無事に地上へと降り立った。
「ありがとう、シフォン!此処がメイジャーランド!!」
ラブは、かぼちゃの仮装をしたシフォンを抱きしめ感謝し、一同も笑顔を向けながらシフォンに感謝すると、シフォンは嬉しそうに微笑み返し、発案者のタルトは少しいじけるのだった。
メイジャーランドの王、メフィストの帰還、そして、異様な出で立ちの少女達の出現は、本来ならばメイジャーランドの人々にとっては一大事であったであろう・・・
だが、音楽溢れるメイジャーランドは、まるで墓場のように静まりかえっていた・・・
メフィストは連れて来た石化したバスドラ、バリトン、ファルセットを一先ず広場に置くと、
「三人共、必ず元に戻してやるからな!!」
「ええ、バスドラ、バリトン、ファルセット、待っててね!!」
エレンもメフィストの言葉に同意し、三人を元に戻す事を誓うのだった・・・
「此処がエレンやアコ、ハミィの国・・・」
せつなは表情を曇らせメイジャーランドを見渡すも、聞いていたイメージとは遙かに掛け離れていた。
「こんな事が・・・一体メイジャーランドに何が起こったと言うのだ!?」
動揺するメフィストが辺りをキョロキョロ見渡すと、メイジャーランドの住民達は、バスドラ、バリトン、ファルセットのように石化していた。
「そんなぁ・・・メイジャーランドの人々まで石に・・・マ、ママは無事なの?」
涙目になって動揺するアコを、メフィストは優しく抱きしめるも、その表情は険しかった・・・
「ニャンですとぉぉ?」
「これは一体・・・アフロディテ様が心配だわ!急ぎましょう!!」
変わり果てた故郷に、ハミィとエレン、フェアリートーン達は呆然とする。エレンはこの状況に危機感を感じ、アフロディテの下へ急ぐように進言する。
「そうね・・・でも、みんな用心して!どんな罠があるかも分からない!!」
「かれんの言う通りね・・・」
「うん・・・みんな、何が起こるか分からない・・・今の内にプリキュアに変身しておこうよ!!」
かれん、こまち、そしてのぞみの言葉に頷く一同が、それぞれの変身アイテムを手に取ると、
「ルミナス!シャイニングストリーム!!」
ひかりが、
「「「「デュアルスピリチュアルパワー!!」」」」
咲、舞、満、薫が、
「「「「「プリキュア!メタモルフォーゼ!!」」」」」
のぞみ、りん、うらら、こまち、かれんが、
「スカイローズ!トランスレイト!!」
くるみが、
「「「「チェインジ・プリキュア!ビートアップ!!」」」」
ラブ、美希、祈里、せつなが、
「「「プリキュア!オープンマイハート!!」」」
つぼみ、えりか、いつきが、
「「「「レッツプレイ!プリキュア!モジュレーション!!」」」」
響、奏、エレン、アコが、
一同がプリキュアへと変身を完了する・・・
その時、プリキュア達の行く手を阻むように、茨の触手がメイジャーランドを覆い尽くして行く。
「これは一体!?みんな、気をつけて!!」
ビートの表情が険しくなる。自分が知る限り、メイジャーランドにこんな物は存在しては居ない。何かノイズに関わる力が働いて居るのでは無いか?ビートの心を不安が蝕んでいった。
茨の触手は、まるで四つのトンネルのような物を作り出すと、その中から三つの姿がプリキュア達の前に姿を現わした。
「ほう、伝説の戦士プリキュア・・・随分居るものだな?」
「ああ、だが烏合の衆かも知れんぞ!」
「どちらでも構わん・・・どうせ我らに勝てる筈が無いのだからな!」
全身赤色で、頭部から肩に掛けて鋼のような分厚い針を纏った鬼のような男、全身青色で鬼のような黒髪の筋肉男、全身緑色をしたイノシシのような巨体な男、赤い魔物、青い魔物、緑の魔物の出現に緊張が走る一同、
「侮るな!仮にも闇の力を追い返して来た戦士達、こちらもそれなりの策は講じなければなるまい・・・プリキュア共よ!一つ教えてやろう・・・メイジャーランドの女王、アフロディテの命は・・・後1時間も持つまい!!」
赤い魔物の言葉に、アコとメフィストに衝撃が走る・・・
「何だと!どう言う事だ!?お前達、アフロディテに何をした?」
険しい表情を浮かべたメフィストが魔物達を問いつめるも、三人の魔物は口元に笑みを浮かべながら、
「さあな・・・自分の目で確かめたらどうだ?尤もそう簡単には辿り着けんがね・・・」
「ああ、ここに四つの茨のトンネルを作り上げた。この四つのトンネルは、何れもアフロディテの居る宮殿へと通じている」
「だが、我らがお前達の行く手を阻む!だが、我らは三人しか居らん・・・どれか一つは無傷のまま宮殿に行けるかも知れないぜ?」
赤い魔物、青い魔物、緑の魔物の順に、一同の反応を楽しむように語ると、
「全員が一丸となって一つのトンネルに入るもよし、分散して入るもよし、まあ、この狭い空間で、それだけの人数で行動出来るか分からんがな・・・さあ、ゲームを始めようか!!」
赤い魔物の一方的な宣言と共に、三匹の魔物は姿を消した・・・
罠かも知れない・・・
だが、もし本当ならば、アフロディテの命は後一時間で尽きると言う、一同に選択の余地は無かった・・・
「みんなはメイジャーランドに初めて来たし、ブロッサム達以外アフロディテ様の事も知らない・・・リズム、ビート、ミューズ、私達が一人ずつ別れてみんなを案内して進もう!!」
「そうね、みんなで一つのトンネルを進むのも手だけれど、逆にこれだけの大人数ではあの狭い中で戦うのもリスクが伴うわね・・・分散すれば、戦いやすいのも事実!」
「尤も、敵の言葉を信じればだけれど・・・」
「でも、行くしかない!私は、一刻も早くママの所に行きたい!!」
メロディ、リズム、ビート、ミューズの言葉に頷く一同、
「じゃあ、メロディの案で行きましょう!でも、メロディ達が分散して進むとなると、彼女達に付いていくメンバーは、それぞれの仲間内で行く方が良いわね!ルミナスはブロッサム達と行動してあげて!!」
アクアの提案により、メロディと共に進むのは、ブルーム、イーグレット、ブライト、ウィンディの四人とそれぞれの妖精達・・・
リズムと進むのは、ドリーム、ルージュ、レモネード、ミント、アクア、ローズの六人とそれぞれの妖精達・・・
ビートと進むのは、ピーチ、ベリー、パイン、パッションとそれぞれの妖精達にハミィ・・・
ミューズと共に進むのは、メフィスト、ルミナス、ブロッサム、マリン、サンシャインと妖精達・・・
一同が手を繋ぎ合うと、険しい表情を浮かべながらも、
「みんな、必ずアフロディテ様の下で会いましょう!!」
「うん!!」
メロディの言葉に一同が頷くと、それを合図に、一同はそれぞれのチーム事に四つのトンネルへと突入して行った・・・
2、花鳥風月
茨の触手が不気味に組み合わさる道を突き進むメロディとブルーム、イーグレット、ブライト、ウィンディ、五人の行く手を阻むように、何処かモアイ像に似た物体が行く手を遮った。
「あれがゴーレムよ!前に私達も戦った事がある・・・油断しないで!!」
メロディの言葉に、ブルームは心の中でゴーレムって言うより、モアイって名前の方が似合ってそうと突っ込みを入れるのだった。
「奏でましょう、奇跡のメロディ!」
メロディはミラクルベルティエを取り出すと、ミリーを呼び装着すると、
「今は・・・あんた達に構ってる時間は無いの!翔けめぐれ、トーンのリング!プリキュア!ミュージックロンド!!」
メロディのミュージックロンドを食らい動きを封じられるゴーレム、
「何だ、この程度の攻撃にモタモタしやがって・・・邪魔だ!!」
ゴーレムの背後からイライラした声が聞こえると、燃えさかる火炎がゴーレムを消し去り、プリキュア達の目の前に赤き魔物が姿を現した。赤き魔物は口元に笑みを浮かべながら、
「よう、お前らが俺の相手か?俺の名はシャープ!炎の魔神とでも覚えておけ!!で、お前らの名は?」
「爪弾くは、荒ぶる調べ!キュアメロディ!!」
「輝く金の花!キュアブルーム!!」
「きらめく銀の翼!キュアイーグレット!!」
「「ふたりはプリキュア!!」」
「天空に満ちる月!キュアブライト!!」
「大地に薫る風!キュアウィンディ!!」
「「ふたりはプリキュア!!」」
シャープと名乗った赤き炎の魔神に対し、名乗りを上げる五人のプリキュア・・・
シャープは口元に笑みを浮かべると、炎を手に纏い一同に投げつける。五人のプリキュアは攻撃をかいくぐるも、炎が茨に燃え移り、一同に炎が迫ってくる。
「風よ!吹き荒れよ!!」
ウィンディの強烈な突風で炎を吹き飛ばし、何とか危機を脱するも、
「ほう、やるじゃないか・・・だが、これはどうだ!メガ・ファイヤー!!」
炎となったシャープの体当たりを食らい、吹き飛ばされた五人が茨を突き抜けダメージを負うも、ヨロヨロ立ち上がる。
「こんな所で時間を潰す訳には行かない・・・メロディ、あなたは先に行って!!」
「私達がこの敵を食い止めるわ!」
ブルーム、イーグレットの言葉に戸惑うメロディ、険しい表情をしたブライト、ウィンディも、
「何をモタモタしているの!さっさと行きなさい!!」
「私達も必ず追いつくから、あなたはミューズのお母さんの下に急いで!!」
「ブルーム、イーグレット、ブライト、ウィンディ・・・分かった!必ず、必ず来てよ!!」
「うん、必ず追いつくから!」
「さあ、メロディ、急いで!!」
ブルームが、イーグレットが、メロディに必ず追いつくと約束し、ブライト、ウィンディも無言で頷く、メロディも頷き返すと、全速力で先に向かう為に駆け出す・・・
四人を信じ、振り向かずに・・・
「あぁ?蛆虫め、逃げやがったか!?」
シャープの言葉を聞き、目の色を変えたブルームとブライトが同時に突っ込み、シャープのボディに強烈なパンチを浴びせると、口を大きく開け苦悶の表情で吹き飛ぶシャープ、入れ替わるように同時にジャンプしたイーグレットとウィンディが、ダブルキックで追い打ちをすると、口から涎を垂らしながら無様に吹き飛ばされるシャープが、背中から地面に叩き付けられる。
「メロディを馬鹿にする事は・・・私達が許さない!!」
四人が横一列に並び、ブルームはシャープを指差し、鋭い眼光で睨み付けた・・・
「テ、テメェら・・・許さねぇぞ!!黒こげになりやがれ!!!」
立ち上がったシャープは、目の色を変え、怒りに我を忘れたシャープが、炎の連打を四人に浴びせるも、四人は必死にバリアーを張り堪え続ける。
「調子に乗るんじゃねぇよ!蛆虫共!!メガ・ファイヤー!!!」
益々激高したシャープの身体の炎が勢いを増し、四人は悲鳴を上げながら吹き飛ばされ大ダメージを受ける。
「あいつ・・・大口叩くだけあって強いね・・・」
「でも、ここで負けられないわ」
「ええ、私達はメロディと約束したもの」
「必ず追いつくってね」
ヨロヨロ立ち上がった四人を、シャープは嘲笑いながら、
「バァ~カ、調子に乗るからそんな目に遭うんだ!さあ、止めを刺してやる・・・メガ・ファイヤー!!」
再び全身に猛烈な炎を纏うシャープに対し、ブルームはベルトに、イーグレットは左手に付いているハート形の中心部分にリングを装着し、ブライトはベルトに、ウィンディは左手に付く星形の中心部分にリングを装着する。
「「精霊の光よ!命の輝きよ!」」
イーグレットとウィンディが叫べば、
「「希望へ導け!二つの心!」」
ブルームとブライトが叫ぶ、
「「プリキュア!スパイラル・ハート・・・」」
「「プリキュア!スパイラル・スター・・・」」
「「「「スプラ~~ッシュ!!!!」」」」
猛烈な炎と、四人のプリキュアから発射された強大な光が激突する・・・
互いに力を込め合う両者・・・
「グゥゥゥゥ!こ、この野郎ぉぉ!!」
徐々に押され始めたシャープが憎まれ口を叩き出すも、
「あんたに何か・・・負けない!!」
「例え何度も倒れようと」
「私達は諦めない!!」
「メロディとの約束は、必ず守る!!」
「「「「ハァァァァ」」」」
四人の雄叫びと共に、光が完全にシャープを飲み込んだ・・・
「ウワァァァ!!だ、だが、これで勝ったと・・・思うなぁぁぁ!!」
シャープは光に包まれ闇に帰るも、闇はまるでメロディの後を追うように飛び去った。
「か、勝った・・・でも、ちょっと・・・ちょっとだけ休ませて」
ブルームの言葉と共に、四人はその場に倒れ込んだ・・・
3、赤い薔薇と青い薔薇
茨のトンネルを突き進む7人のプリキュア達、リズムを先頭に宮殿目掛け突き進んでいく・・・
「急がなきゃ・・・エッ!?」
行き成り目の前に青い稲妻が輝き、リズムを吹き飛ばす、咄嗟にアクアとミントがリズムを抱えダメージを軽減する。
「みんな、気をつけて!何か待ち伏せしてる!!」
ローズの言葉に一同の表情が険しくなる。目の前からゆっくり姿を現わした青き魔物は、
「俺の名はナチュラル!マイナーランドが誇る青き雷の魔神なり!!貴様らは?」
「爪弾くは、たおやかな調べ!キュアリズム!!」
「大いなる、希望の力!キュアドリーム!!」
「情熱の、赤い炎!キュアルージュ!!」
「弾けるレモンの香り!キュアレモネード!!」
「安らぎの、緑の大地!キュアミント!!」
「知性の青き泉!キュアアクア!!」
「「「「「希望の力と未来の光、華麗に羽ばたく5つの心!Yes! プリキュア5!!」」」」」
「青いバラは秘密のしるし!ミルキィローズ!!」
7人のプリキュアが名乗りを上げると、ナチュラルと名乗る青き魔神は口元に笑みを浮かべ、
「では、貴様らの力・・・試させて貰うぞ!!」
指をパチリと成らすと、凄まじき青き雷が一同に降り注ぐ、
「このままじゃ・・・プリキュア!エメラルドソーサー!!」
ミントがバリアーを張り、ナチュラルからの攻撃を防ぐものの、亀裂が入り吹き飛ばされる。何とか体勢を整える一同だったが、ナチュラルの攻撃が容赦なく続く。
避けるのに必死な一同を嘲笑うように、ナチュラルは一人一人に格闘を仕掛け吹き飛ばし、一同の動きを止めると、
「さあ、俺の技を食らえ!ギガ・サンダー!!」
強大な青き稲妻が一同を直撃し、7人のプリキュアの意識が遠のいていく・・・
一人、また一人地面に倒れ込んでいく一同を、ナチュラルは嘲笑する。
「ケッ!やはり烏合の衆じゃねぇか・・・態々俺が出向く迄も無かった・・・ン?」
ヨロヨロと立ち上がるドリーム、その目は輝きを失う事はなかった・・・
「私達は・・・同じプリキュアの絆で結ばれているの!あなた何かに・・・私達は負けない!!」
ドリームの言葉を受け次々立ち上がる戦士達・・・
「ドリームの言う通りよ!あんたよりも強い者と戦い、私達は打ち勝ってきた・・・プリキュア!ファイヤー・ストライク!!」
ルージュが・・・
「私達の絆は、寄せ集め何かじゃありません!プリキュア!プリズムチェーン!!」
レモネードが・・・
「私達は、ミューズのお母さんを・・・救って見せるわ!プリキュア!エメラルドソーサー!!」
ミントが・・・
「私達プリキュアを・・・甘く見ない事ね!プリキュア!サファイア・アロー!!」
アクアが・・・
「みんなの言う通りよ!メロディと約束したの・・・必ずアフロディテ様の下で会うって!邪魔をしないで!!刻みましょう、大いなるリズム!」
リズムは、ファンタスティックベルティエを取りだしファリーを呼び出し装着すると、
「翔けめぐれ、トーンのリング!プリキュア!ミュージックロンド!!」
ルージュ、レモネード、ミント、アクア、そして、リズムの技のハーモニーが、ナチュラル目掛け炸裂した!
ナチュラルはファイヤーストライクを弾くも、プリズムチェーンで右手の動きを封じられた所に、エメラルドソーサーとサファイアアローの攻撃を受け、更にミュージックロンドを受け、身体の動きを封じられると、
「プリキュア!シューティングスター!!」
その隙を見逃さず、ドリームがシューティングスターで突撃し、ナチュラルを吹き飛ばす。茨を突き抜け無様に転がるナチュラルだったが、ゆっくり立ち上がり、ギロリと一同を睨み付けると、身体から凄まじい放電が放たれる。それを見たローズは、
「此処で時間を掛けるのは不味いわね・・・リズム!後は私達に任せて先に行きなさい!」
「エッ?でも、私も残って・・・」
「いいから!行きなさい!!」
戸惑うリズムに、ローズの叱咤が飛ぶ、プリキュア5も頷きながら、
「リズム、此処は私達に任せて!直ぐに後を追うから!!」
微笑みながら、ドリームもリズムに先に行くよう促すと、覚悟を決めたリズムが頷き、
「分かりました!後で・・・必ず会いましょう!!」
リズムは走る・・・
振り返らずに・・・
「おいおい、一人逃げやがったか?だが、逃がしはしないぜ!!」
「リズムに攻撃などさせない!ハァァ!!」
走るリズムに攻撃を加えようとするナチュラルに突進し、肉弾戦を仕掛けるローズだったが、ナチュラルの周りに発せられる放電を受け悲鳴を上げる。
「ローズ!みんな、無闇にあいつに格闘を仕掛けるのは危険だわ・・・離れて戦いましょう!!」
アクアの言葉に頷いた一同が、ナチュラルから距離を取り体勢を整えるも、益々ナチュラルの身体が放電を発すると、ココとナッツの顔に冷や汗が垂れる。
「みんな、このままじゃ不味いココ」
「力を合わせるナツ!」
「プリキュアに力を!」
「ミルキィローズに力を!」
ココ&ナッツの頭上にパルミエ王国の王冠が現われ、プリキュア5とローズに力を与える。
「クリスタル・フルーレ!希望の光!!」
「ファイヤー・フルーレ!情熱の光!!」
「シャイニング・フルーレ!弾ける光!!」
「プロテクト・フルーレ!安らぎの光!!」
「トルネード・フルーレ!知性の光!!」
プリキュア5の手にキュアフルーレが装備される。そして、ミルキィミラーがローズの手に現われる。六人のプリキュア達が構えると、
「邪悪な力を包み込む、煌くバラを咲かせましょう!ミルキィローズ!メタル・ブリザード!!」
「5つの光に!」
「「「「勇気をのせて!」」」」
「「「「「プリキュア!レインボー・ローズ・エクスプロージョン!!」」」」」
青い薔薇の吹雪が、五色の薔薇が合わさり虹色の薔薇が、ナチュラル目掛け飛ぶ・・・
「小賢しい真似をするんじゃねぇよ!食らえ、ギガ・サンダー!!」
強大な力と力が激突する・・・
青い薔薇と虹の薔薇がナチュラルを包み込み、青き強大な稲妻が六人のプリキュアを直撃する。悲鳴を上げ倒れ込むプリキュア達、
「畜生!まだ・・・終わらんぞぉぉぉ!!」
憎まれ口を叩くも、ナチュラルの身体は消滅し、闇に帰る。
ナチュラルは倒した・・・
だが、闇はリズムの後を追うように移動する・・・
(・・・お願い!)
薄れ行く意識の中でそれを見たドリームは、誰かに託すようにその場に倒れ込み、ココとナッツは一同の名を叫び続けた・・・
4、クローバー
ハミィを抱いたビートを先頭に走り続けるピーチ、ベリー、パイン、パッション、そして、シフォンを背負ったタルト、茨のトンネルの脇には太鼓や鈴のような物が見え隠れしていた。
「此処は音の森よ!本来なら自然と楽器達が、美しい音色でみんなを向かえてくれるんだけど・・・」
悲しげな視線を森に浮かべるビートとソリーとラリー、ハミィはビートの悲しげな顔を見るのが辛いようで、
「じゃあ、代わりにハミィとセイレーンが歌うニャ!」
「もう、ハミィ!そんな場合じゃ無いでしょう!!」
「ゴメンニャ!」
ビートに注意され頭を掻き照れ笑いを浮かべるハミィに、ピーチ達四人も苦笑を浮かべる。
「私達も聞いて見たかったなぁ・・・アフロディテさんを助けて、メイジャーランドを元に戻そう!!」
「うん!」
ピーチの言葉に満面の笑みで大きく頷くビートであったが、
「そいつは適わぬ願いだな・・・何故なら、お前達は此処で俺に倒されるんだからな!!」
イノシシのような緑の魔物が現われ、五人のプリキュアを威嚇する。
「俺の名はフラット!緑の魔神なり!!貴様らの名を聞いておいてやろう・・・名乗れ!!」
「爪弾くは、魂の調べ!キュアビート!!」
「ピンクのハートは愛あるしるし!もぎたてフレッシュ、キュアピーチ!!」
「ブルーのハートは希望のしるし!つみたてフレッシュ、キュアベリー!!」
「イエローハートは祈りのしるし!とれたてフレッシュ、キュアパイン!!」
「真っ赤なハートは幸せの証!熟れたてフレッシュ、キュアパッション!!」
「「「「レッツ!プリキュア!!」」」」
ビート、ピーチ、ベリー、パイン、パッションが名乗りを上げると同時に瞬時に行動を移した。ビートとパッションが左右に別れ、フラットを素早い動きで牽制すると、フラットはそのスピードを追い切れず、隙を浮かべる。その隙を逃さずピーチ、ベリー、パインがジャンプし、
「「「トリプルプリキュア・・・キ~~ック」」」
三人のキックがフラットの腹にめり込むも、フラットは口元に笑みを浮かべ腹筋に力を込めると、めり込んだ三人の顔色が変わる。
「ちょ、何これ、足が抜けないわ!」
「クッ、このぉぉ!!」
「何で抜けないのぉ?」
ベリー、ピーチ、パインが動揺するのを鼻で笑い、フラットは自分の腹を思いっきり叩くと、三人は物凄い勢いで吹き飛ばされ、茨に激突して悲鳴を上げる。
「ピーチ、ベリー、パイン」
「三人共、大丈夫?」
パッションとビートが三人の元に駆け寄り抱え起こすと、少しよろめきながらも三人は大丈夫だと答える。フラットは一同を嘲笑い突進してくると、
「弾き鳴らせ、愛の魂!ラブギターロッド!!」
ビートは咄嗟にラブギターロッドを取りだし、ロッドを弾いて正面にバリアーを張り、フラットの攻撃を防ぐ。だが、そんな事もお構いなく、フラットはがむしゃらにパンチを繰り広げ続けた。
「な、何てパワー・・・このままじゃ持たない!!」
バリアーに罅が入りビートバリアは砕け散り、一同は悲鳴を上げながら宙に吹き飛ぶと、
「まだまだ、食らえ!テラ・ボール!!」
緑色の光弾が追い打ちのように炸裂し、一同が激しく地面に叩き付けられ藻搔くのを鼻で笑うフラット、
「そんなもんか?プリキュア何て大した事無いな・・・ン?」
ヨロヨロ立ち上がった一同の目から、輝きは失せて居なかった・・・
「もっと広い場所じゃなきゃ・・・そうだ!パッション、ビート、もう一度あの魔物を引き付けて!出来ればこの周りの茨を、あいつの攻撃で破壊させるように・・・」
「分かったわ!ビート、行くわよ!!」
「任せてよ!!」
ピーチの閃きを受け、再び左右に散るパッションとビート、フラットは、素早く動き回る二人にイライラしたように、がむしゃらにテラ・ボールを発射し続けると、周りの茨が破壊されていく。再び集結する戦士達、
「ありがとう、パッション、ビート、これだけ広ければ・・・行ける!!」
「そうか!ピーチにしては中々のアイデアじゃない!!」
ピーチの閃きを、苦笑を浮かべたベリーが称える。パイン、パッションも無言で頷くと、ビートは何の事か分からず首を捻る。
「ビート、先に行って!これだけ広ければ、私達の技であいつは必ず倒すわ!!」
「でも、あなた達を置いては・・・」
ピーチの言葉に戸惑うビートであったが、
「ビート、私の能力を忘れたの?あなたが先に付いていてくれれば、アカルンの力で私達は直ぐに加勢に向かえるわ・・・だから、此処は私達に任せて!!」
笑顔を向けてビートに先に行くよう訴えるパッション、ビートもパッションの能力を思い出し頷くと、
「そう言う事なら・・・四人共、必ず来てよ!ハミィ、ソリー、ラリー、行くわよ!!」
疾風のように駆け出すビートが直走る・・・
仲間を信じ、振り返らずにアフロディテの下へ・・・
「野郎、ちょこまかしてると思えば逃げやがった!こうなったら、貴様らから血祭りに上げてやる!!」
「それはこっちのセリフよ!私達の力、思い知らせてあげるわ!!」
地団駄を踏むフラットに、腕組みしたピーチが力強く宣言すると、四人はダッシュでフラットに近づき肘を当てて、宙に飛ぶと、時間差でキックを浴びせる。
「「「「プリキュア!コンビネーション・キッ~~ク」」」」
蹌踉めくフラットに宙返りした四人は、すかさず追い打ちに動くと、
「「「「プリキュア!クアドラプルパ~~ンチ」」」」
四人の同時のパンチを食らい吹き飛ぶフラット、この隙を逃さずピーチが勝負に出る。
「行くよ!ベリー、パイン、パッション!クローバーボックスよ、私達に力を貸して!!!」
クローバーボックスから放出された光が、リンクルンに力をもたらした・・・
「プリキュアフォーメーション!」
ピーチの合図を受けると、四人が一斉にしゃがみ込み構えると、
「レディー・・・ゴー!!」
再びピーチの合図で走り出す四人、立ち上がったフラットは何事かと度肝を抜かれる。
「ハピネスリーフ!セット!パイン!!」
パッションから始まったハピネスリーフ、パッションはパインに投げると、
「プラスワン!プレアリーフ!ベリー!!」
受け取ったパインが、プレアリーフをセットしベリーに投げる。
「プラスワン!エスポワールリーフ!ピーチ!!」
受けたベリーが、エスポワールリーフをセットし、ピーチに思いを託し投げる。
「プラスワン!ラブリーリーフ!」
受け取ったピーチは、ラブリーリーフをセットし、四つ葉のクローバーマークを完成させる。ピーチが四つ葉のクローバーマークを投げると、それは巨大化し、四人はそれぞれのマークの上に乗って、クローバーの中心部に居るフラットの上で下降し、フラットを巨大な水晶の中に閉じ込めた。
「な、何だ、これは・・・う、動けねぇ!?」
思うように動けず、焦りが生じるフラットに、
「「「「ラッキークローバー!グランドフィナーレ!!」」」」
ラッキークローバー・グランドフィナーレの力は凄まじい輝きを放ち、フラットを光の輝きの中で包み込んだ!!
「畜生!畜生!このままじゃ・・・終わらんぞぉぉ!!」
捨て台詞を残し、フラットは闇に帰る。だが、闇は宮殿へと向かい飛び去った・・・
「何か嫌な予感がする・・・私達もビートの後を追うよ!」
ピーチの言葉に頷き、四人が駆け出した瞬間、
「ペタ・ハリケーン!!」
突然の背後からの強烈な風の攻撃を受け、不意を突かれた四人は為す術無く上空高く舞い上がり、地上に叩き付けられ気を失った・・・
「ピーチはん、ベリーはん、パインはん、パッションはん・・・」
倒れる四人の下に駆け寄り名を呼ぶタルトと、悲しげに泣くシフォン、新たなる敵はそんな一同を気にせず、
「シャープ!ナチュラル!フラット!まさか、三人揃って敗れるとわな・・・この俺も出向く事になるとは・・・」
黄色い鳥のような魔神は、倒れ込むピーチ達や側に居るタルトとシフォンを無視し、ビートの後を追った・・・
5、繋がる心
(ママ、ママ、どうか、どうか無事で居て!!)
ミューズは無言で走り続ける・・・
母アフロディテの無事を祈りながら・・・
「アコ!一人で先走りすぎるな!!」
メフィストがミューズを窘めるも、ミューズの耳には届かない・・・
宮殿がもう目の前に見えてきた事で、ミューズは我を忘れ、一目散に駈け続けていた。
「ミューズ、無茶しないで!」
「無理もありません・・・お母さんの命が後一時間持たないなどと言われては・・・」
「それに、あいつらが言ってた通り、あたしらは敵と会わずに此処まで辿り着いたからね・・・ミューズが無我夢中になるのも分かるよ」
サンシャイン、ブロッサム、マリンが一人先走るミューズの気持ちも理解出来るが、一抹の不安を覚える。
「でも、あの宮殿から発せられる邪悪な感じは・・・私達も急ぎましょう!!」
宮殿内から発せられる邪悪な気配に気付いたルミナスが、三人と共にミューズに追いつくべく急ぎ後を追う。
数年振りに戻って来た宮殿、ミューズにとって懐かしき場所は、茨に覆われた無残な姿へと変わっていた。
平和に暮らしていた思い出が、ミューズの瞼に思い出されてくると、ミューズの目に涙が浮かんだ・・・
一気に階段を駆け上がり、アフロディテが居るであろう部屋へと突入するミューズ、そこは不気味に静まりかえり、茨が部屋中を覆っていた。
「ママ、ママ、何処?居るんでしょう!ママ!!」
辺りをキョロキョロ見回したミューズは、椅子に腰掛けるアフロディテを見付けホッと安堵した表情を浮かべ近寄ると、無表情だったアフロディテの口元に笑みが浮かぶと、ミューズの背後から現われた闇が広がりミューズを飲み込んだ・・・
(これは・・・ママ、く、苦しいよ!)
息苦しさがミューズを襲う・・・
不安がミューズの心を蝕んでいく・・・
ミューズの目が、母アフロディテを見つめるも、アフロディテは動かない。ミューズの目から涙が零れた。不意にアフロディテが口を開くと、
「シャープ!ナチュラル!フラット!さあ、お前達の怒りの矛先を・・・この娘に浴びせるが良い!!」
闇に返った三人の集合体がミューズを飲み込み、不快なノイズがミューズの鼓膜を襲うと、ミューズから悲鳴が漏れる。
「アコぉぉ!アコぉぉ!!アフロディテ、これは一体何の真似だ!?」
遅れて到着したメフィスト、ルミナス、ブロッサム、マリン、サンシャインは、闇に捕らわれたミューズを見つめて驚愕する。
アコの名を呼びながら、闇に近づいたメフィストだったが、闇は接触を拒むように、メフィストは闇の中に入る事が出来なかった。
(ママ、パパ、苦しいよ・・・)
「アコぉぉぉ!!アフロディテ、しっかりしろ!お前はアコが苦しむ姿を見て・・・何とも思わんのかぁぁ!!」
メフィストの叱咤がアフロディテに飛ぶと、アフロディテの目から止め処なく涙が溢れてくる。だが、それとは逆にアフロディテの口からは不気味な声が聞こえ出した。
「無駄だ!この女の肉体は私が頂いた!!間もなく、もう間もなくこの女の肉体は醜く変貌し、我が一部と成り果てるのだ!!」
「何だとぉぉ!?アフロディテ、アコ、今、今助けてやるからなぁぁ!!」
「私達もメフィストに手を貸すよ!」
マリンの言葉を受け駆け寄る四人のプリキュア達だったが、茨がまるで生きているように蠢き、アフロディテの身体に近づけさせまいと、プリキュア達を攻撃していった・・・
「リズム!ビート!二人共無事で良かった・・・あれ、ドリーム達やピーチ達は?」
「ドリーム達は、私を先に行かせて青い魔物と戦って居るわ!」
「ピーチ達もそう・・・でも私達が宮殿に居れば、敵を倒した後パッションの力で瞬間移動してくる筈よ!ところで、ブルーム達の姿が見えないけど?」
「ブルーム達も私を先に行かせてくれて・・・」
再会したメロディ、リズム、ビートが頷き合うと、三人は宮殿内部に突入していった。
「ほう、何人かは宮殿内に入ったか・・・無駄な事をする」
黄色い魔物が羽ばたき、宮殿上空へと舞い上がった・・・
ミューズは、息苦しさの中意識が遠のいく・・・
そんなミューズの耳に、歌声が聞こえてくる・・・
それは、自分が幼い頃に、父メフィスト、母アフロディテが歌ってくれた歌で、ミューズが大好きな歌だった・・・
(アコ、アフロディテ、聞こえるか?ノイズは音楽を忌み嫌う・・・ならば、音楽こそお前達を救えると私は信じる!!!)
メフィストの歌声が、部屋中に響き渡った・・・
アフロディテに憑依した何者かが、忌々しそうにしながら頭を抱え苦しむ姿を見たルミナスは、
「今なら・・・ルミナス!ハーティエル・アンクション!!」
バトンをクルクル回し、体勢を低くして構えたルミナスの技が、闇を中和する。
「メフィストさん、今です!!」
「ヌゥゥオオオ!!」
ルミナスの合図を受け、闇の中に突撃したメフィストが、ミューズを抱えて救出し、一同から歓声が上がる。
「よっしゃぁ!後はあたし達が・・・花よ、煌け!プリキュア!ブルーフォルテウェイブ!!」
「花よ、輝け!プリキュア!ピンクフォルテウェイブ!!」
「花よ、舞い踊れ!プリキュア!ゴールドフォルテバースト!!」
「グゥゥゥゥオォォォォォ!!!」
マリン、ブロッサム、サンシャインから放たれたフォルテウェイブ、フォルテバーストが炸裂し、闇は断末魔の悲鳴を上げながら無に帰ると、宮殿内の茨が一掃され元の姿を取り戻した。
「パパ・・・パパの歌、私にもちゃんと聞こえたよ!私・・・やっぱり歌が大好き!!またパパとママと三人で歌いたい・・・」
「ああ、ママにも聞こえた筈だ!さあ、ママを一緒に助けよう!!」
蹌踉めきながらも立ち上がるミューズを、メフィストが優しく微笑み支えた。
「みんな、大丈夫!!」
息せき切って階段を駆け上がってきたメロディ、リズム、ビートの姿を見て、一同はホッと安堵するも、
「他の皆さんはどうしましたか?」
不安そうなブロッサムの表情に、メロディ達は、他のメンバーは三人の魔物と抗戦している事を伝え、三人は、みんななら必ず此処に来てくれると語った。
「さあ、お前の負けだ!大人しくアフロディテを解放しろ!!」
メフィストが、アフロディテに憑依する何者かに訴え掛けるも、突如天井の窓ガラスが割れ、黄色い魔物が舞い降りて来た。
赤い鶏冠(とさか)のような物が頭に付き、鋭い嘴、背から生える巨大な翼が威圧感を与える。
「そいつはどうかな?お前らの仲間は向こうでオネンネしてるぜ!ハウリング様、此処は私めに任せてこの場はお離れ下さい!!」
「ああ、任せたぞ・・・テンペストーゾ!!」
テンペストーゾと名乗る全身黄色い鳥のような魔物が、この場を引き受けると伝えると、アフロディテは割れた天井から外へと飛び出した。逃がすまいと瞬時に追うメフィスト、それを見たブロッサム達は、
「メロディ、リズム、ビート、ミューズ、あなたたちも行って下さい!!」
「こいつはあたし達が引き受けた!」
「ルミナス、あなたも一緒に行ってみんなを守って上げて!アフロディテさんをお願い!!」
ブロッサムが、マリンが、サンシャインが、メロディ達にアフロディテの後を追うように進言すると、
「分かった・・・三人共、後で必ず来てね!行くよ、リズム、ビート、ミューズ、ルミナス」
メロディ達四人が、ルミナスが、メフィストに続いてアフロディテの後を追った・・・
「今更手遅れだ・・・奴らではハウリング様には適うまい!では、俺は貴様らを倒すとするか・・・俺はテンペストーゾ!貴様らの名は?」
「大地に咲く一輪の花・キュアブロッサム!」
「海風に揺れる一輪の花・キュアマリン!」
「陽の光浴びる一輪の花・キュアサンシャイン!」
「「「ハートキャッチプリキュア!!」」」
今、ブロッサム、マリン、サンシャインが名乗りを上げ、シプレ、コフレ、ポプリが、それぞれのパートナーと同じようにポーズを決める。
「フン、我が翼の前に朽ち果てるがいい!!」
テンペストーゾが不気味にニヤリと笑うも、三人が怯むことはなかった。逆にブロッサムは、テンペストーゾを睨み付けながら指を指すと、
「やっと取り戻した親子の絆を引き裂こうとするなんて・・・私、堪忍袋の緒が、切れましたぁぁ!!」
「おお、久々出ました!ブロッサムの堪忍袋ぉ!!」
テンペストーゾの言葉に、ブロッサムは親子の絆を引き裂こうとする一同に怒り、マリンは久々に聞いたブロッサムの言葉に高揚し、サンシャインは苦笑を浮かべた。
「黙れ!貴様ら如きが俺に適うものか・・・」
テンペストーゾが羽ばたき、広い宮殿内を変幻自在に飛び回り一同を翻弄する。ブロッサムシャワーも、マリンシュートも、サンシャインフラッシュも変幻自在に避け、逆に翼からの突風を浴びせ一同の動きを封じると、
「食らいやがれぇ!ペタ・ハリケーン!!」
猛烈な竜巻が巻き起こり、三人を巻き上げそのままの勢いで叩き付けると、三人から悲鳴が沸き起こる。妖精達が心配そうに駆け寄るも、三人は大丈夫と言いながらヨロヨロ立ち上がった。
「あのスピードに対抗するには、今のあたし達じゃ・・・フォルテッシモっきゃないね!」
「分かりました・・・サンシャイン!」
「うん、これで決めよう!!」
マリンのアイデアに頷いた二人、ブロッサム、マリンがタクトを取りだし、サンシャインがシャイニータンバリンを取り出すも、テンペストーゾは不気味な笑みを浮かべ続けた。
「ニャロウ、その薄気味悪い笑いを止めさせてやる・・・」
ムッとしたマリンとブロッサム、サンシャインがアイコンタクトを取ると、
「「集まれ、二つの花の力よ!プリキュア!フローラルパワー・フォルテッシモ!!」」
ブロッサムとマリンが、ピンクと青の光に包まれ上昇すると、それを合図にしたようにサンシャインが、シャイニータンバリンを構え、
「花よ!舞い踊れ!!プリキュア!ゴールドフォルテバースト!!」
サンシャインが、ゴールドフォルテバーストの力で、太陽のような光のゲートを空中に作り出すと、それ目掛けて突入するフォルテッシモ状態のブロッサムとマリンの身体が金色に輝く。
「プリキュア!シャイニング・・・」
「「フォルテッシモ!!!」」
三人の合体技、シャイニングフォルテッシモがテンペストーゾ目掛け飛ぶ!だが・・・
「それがどうした?ペタ・ハリケーン!!」
テンペストーゾが発したペタ・ハリケーンは、フォルテッシモを飲み込み、更に地上に居たサンシャイン、妖精達をも飲み込み巻き上げる。
「「「キャアァァァァ!!」」」
高速に上空に巻き上げられ再び地上に叩き付けられそうになると、三人は、それぞれのパートナー妖精を庇うように抱き地上に墜落した。ピクピク動くもダメージはかなりなものがあった。テンペストーゾは上空で腕組みしながら、
「たわいもない・・・そらよ、オマケだ!ペタ・スラッシャー!!」
上空から発せられた黄色い羽根手裏剣が三人目掛け飛ぶ、その時・・・
「ムーンライト・・・リフレクション!!」
三人の前にバリアーが現われ、ペタ・スラッシャーを跳ね返すと、もう一枚のバリアーが更に跳ね返し、テンペストーゾへと攻撃を跳ね返した。
「グオォォ!チッ、誰だ!!」
自分が放った攻撃で自分がダメージを負う屈辱に、激高したテンペストーゾが辺りをキョロキョロ見回すと、ブロッサム、マリン、サンシャインを庇うようにその前に降り立った戦士を見て、三人の表情が緩んだ。
「月光に冴える一輪の花、キュアム~~ンライト!!」
テンペストーゾを睨み付けるムーンライト、背後から喜びながらも不思議そうにブロッサムが声を掛ける。
「ムーンライト、来てくれたんですね!でも、加音町に残った筈では?」
「ええ、加音町にブラックとホワイトと共に残って居たのだけれど、メルポを通じて、私達宛にドリームからの手紙が届いたの・・・メイジャーランドの尋常じゃない事態に、ブラックとホワイトは、自分達が残るから、私に援護に行くように二人に頼まれ、私はシロップと共にメイジャーランドに来たの!今、シロップがみんなの下に向かっている筈よ!!」
ムーンライトの出現に元気づけられた三人が立ち上がると、ムーンライトは三人を見て笑みを浮かべるとマントを取りだし、上空にいるテンペストーゾに攻撃を開始した。シプレ、コフレ、ポプリは、無言のままそれぞれのパートナーにしがみつくとマントに変化し、三人もムーンライトに続いた。
テンペストーゾは、ムーンライトのパンチ、キックの怒濤の連打を躱し続けるも、急上昇してきたブロッサム、マリン、サンシャインの合体技、プリキュアインパクトを食らい壁に激突する。
「グゥハァァ・・・畜生!畜生!!もう一度食らえ!ペタ・ハリケーン!!」
だが、プリキュア達は巧みにペタ・ハリケーンをかいくぐった。
「そう何度も同じ攻撃を食らいますかってぇの!」
マリンがドヤ顔でテンペストーゾにニヤリと笑むと、ムーンライトはマリンを窘め、
「マリン、敵を見下す前に・・・決めるわよ!!」
ムーンライトがタクトを取り出すと、マリンの目が輝きを放つ、
「良いの?ヤッター!ようやくあたしもムーンライトとフォルテッシモ出来るぅぅ!!」
大喜びをするマリンを尻目に、お先にとばかりブロッサムとサンシャインがフォルテシモを仕掛け、ピンクと金、二つの光が上昇する。ムーンライトが頷くと、マリンが満面の笑みで頷き返すと、
「「集まれ、二つの花の力よ!プリキュア!フローラルパワー・フォルティシモ!!」」
四色の光がテンペストーゾ目掛け飛ぶ・・・
「グゥゥ、この程度の攻撃ぃぃ・・・は、速い!?」
反撃を試みたテンペストーゾだったが、フォルテッシモの凄まじき力はテンペストーゾの身体事壁を突き破り、地上へと墜落するテンペストーゾを貫き、動きを止めると、
「「「「ハート・・・キャッチ!!」」」」
現われた四人の叫びと共にテンペストーゾは大ダメージを食らった・・・
「「「「鏡よ、鏡、プリキュアに力を!世界に輝く一面の花!ハートキャッチプリキュア!!スーパーシルエット!!!」
此処を勝負所と見た四人はスーパーシルエットへと変身すると、
「「「「花よ、咲き誇れ!プリキュア!ハートキャッチ・オーケストラ」」」」
巨大な女神のシルエットが現われると、テンペストーゾの表情が恐怖に歪み、
「な、何だ、あれは・・・ウワァァァァ!!」
巨大な女神のシルエットから放たれる愛の拳が、テンペストーゾに振り下ろされると、テンペストーゾは闇に帰った・・・
第三十三話:メイジャーランドを救え!
完