プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第四十二話:妖精会議!

1、プリキュア物語

 

 場所をみゆきの部屋に移した一同は、改めてポップを歓迎していた・・・

 

「でも、ポップさんが来てくれて、ちょうど良かったですわ!実は私達、プリキュアの使命について、キャンディに聞いていたのですけど・・・」

 

「そんな最中にアカオーニの奴が現われたから、キャンディに聞きそびれちゃって・・・」

 

「キャンディ・・・良く分からないクル!」

 

 和んだ雰囲気の中、れいかとなおがポップを見て話し掛けると、キャンディは照れ笑いを浮かべながら、ポップに擦り寄り、お兄ちゃん教えてと頼んだ。ポップはキャンディの頭を撫でながら、

 

「しょうがないでござるなぁ・・・では、プリキュアの使命に付いて話すでござる!その前に、キャンディ、プリキュアの絵本はどうしたでござるか?」

 

 ポップに聞かれたキャンディは、一瞬キョトンとするも、直ぐに思い出したのか涙目になると、

 

「お、落としたクル・・・」

 

「「「「「「エェェ!?」」」」」」

 

 キャンディが本を落としたと告げると、一同が驚きの声を上げる中、みゆきはキャンディと初めて出会った時を思い出し、

 

「もしかしたら・・・私、キャンディと出会った時、絵本を拾ったの!学校の図書館から、何処かの本が一杯ある場所に移動しちゃって・・・そこには、その本と似たような絵本が沢山あったから、そこに置いてきたんだけど・・・」

 

 みゆきの話を聞いていた、あかね達四人にはチンプンカンプンだったが、ポップはマジマジみゆきの顔を見つめると、

 

「それは、不思議図書館の事でござるな?しかし、知らない者が不思議図書館に辿り着くのは、至難の業なのに・・・何故みゆき殿が!?いや、今は皆の衆にプリキュアの使命を話すのが先でござるな!では皆の衆、不思議図書館に向かうでござる!!不思議図書館には・・・配置さえ覚えれば、本棚がある場所なら、何処からでも行けるのでござるよ!!」

 

 ポップはそう言うと、みゆきの部屋の本棚の前に移動し、本の配置を変えていくと、嘗てみゆきが偶然したように、カチリと音がし、一同は吸い込まれるように本棚の中に消えて行った・・・

 

 

「みゆき、お菓子とジュース持ってきたわよ!みゆき!?」

 

 みゆきの部屋をノックし、中に入ってきたのはみゆきの母育代・・・

 

 ピンクのリボンで髪をポニーテイルで纏め、クリーム色の七分シャツ、タイトスカートの下に紺色のジーンズを着ていた。とても美人で、みゆきと一緒に居ても、お姉さんと言われても通用しそうな若々しさを持っていた。みゆきにとって、優しくて自慢の母親である・・・

 

「変ね?さっきまで居たと思ったのに・・・何処に行ったのかしら!?」

 

 育代は首を傾げながらも、その内戻って来るでしょうと楽観し、持ってきたお菓子とジュースを部屋に置くと、下へと降りていった・・・

 

 

 

 不思議図書館に着いた一同、あかね、やよい、なお、れいかは、初めて見る光景に思わず感動していた・・・

 

「此処には、世界中のメルヘンが集められているのでござるよ・・・それに、プリキュアの本にも種類があって、これから皆の衆に語るプリキュアの話は、メルヘンランドに伝わる伝説の戦士プリキュアの話!他に、光の園、泉の郷、パルミエ王国、スウィーツ王国、こころの大樹、メイジャーランドなど、それぞれの場所に伝わる伝説の戦士プリキュアの話も、此処には納められているのでござる・・・興味があったら、読んでみると良いでござるよ!!」

 

 ポップの話を聞いていた一同、あかねはポップの話を聞いていて、

 

「そう言えば、プリキュアってウチらだけじゃないもんなぁ?」

 

「うん!前にTVで見たけど・・・超カッコイイんだよ!!」

 

 あかねの言葉に、TVで見たのを思い出したのか、やよいが目を輝かした。なおは苦笑を浮かべながら、

 

「あたしは・・・あれ見ても本当の事とは思えなかったよ!いざ自分がプリキュアになってみて、初めて本当の事だったんだって思ったよ!」

 

「私もそうでした・・・でも、先人のプリキュアの方々のお話も、きっと私達のこれからに役立つ筈ですね!」

 

 なおの言葉に同意したれいかも、当初は現実の話だと信じられなかった。だが、みゆき達にプリキュアに誘われ、それが事実だと悟った。先人のプリキュア達の話は、必ず役に経つと思うれいかだった。みゆきは大きく頷き、

 

「うん!プリキュアの本もそうだし・・・私は此処にある本、全部読んで見たいなぁ!!」

 

 目を輝かしながら不思議図書館を見回すみゆきを見て、一同が微笑む。ポップは、心の底から本が大好きなみゆきなら、この不思議図書館に導かれても不思議では無いと悟った。

 

「みゆき殿は、本当に絵本が大好きでござるなぁ・・・不思議図書館に来られた理由が、分かるような気がするでござるよ・・・さて、皆の衆!では、メルヘンランドに伝わる、伝説の戦士プリキュアの・・・始まり、始まり!!」

 

 ポップがプリキュアの絵本を取り出すと、みゆき達一同が盛大に拍手をする。ポップは一同に対し一礼し、絵本を開き話し始めた・・・

 

 

「昔、昔、メルヘンランドに、三人の悪い魔人が現われ、メルヘンランドの住民達を魔物に変えて襲って来た事がござった・・・メルヘンランドの女王、ロイヤルクイーン様は悲しみ、三人の魔人、そして、魔に変えられた者達を救うべく戦ったのでござるが・・・」

 

 そう言うと、ペラっとページを捲るポップ、一同はまるで紙芝居を見ているかのように、ポップの話に引き込まれていった。

 

「元はメルヘンランドの民を攻撃する事が出来ず、苦戦するロイヤルクイーン様、その時、メルヘンランドに光の輝きが降臨すると、その中から、光の園の伝説の戦士!二人のプリキュアが現われたのでござる!!二人のプリキュアは、魔物に変えられたメルヘンランドの住民達を、虹色の輝きで元に戻すと、ロイヤルクイーン様と共に、三人の魔人と戦ったのでござる!!」

 

「それで、それで、どないなったん?」

 

「あかねちゃん・・・そう急かしちゃ悪いよ?」

 

 続きが気になったあかねが先走り、ポップに聞こうとするのを、みゆきが慌てて止める。あかねもそれはそうだと納得すると、ポップに続けるように促す、ポップは苦笑を浮かべながら、

 

「徐々に追い詰められた三人の魔人は、魔界から巨大なる大蛇(オロチ)を召喚するも、死闘の末、二人のプリキュアは大蛇を魔界に追い返し、ロイヤルクイーン様と共に、三人の魔人をメルヘンランドのとある森の中に封印したのでござった・・・二人のプリキュアから、光の園の加護を受けたロイヤルクイーン様は、自身の力を交え、メルヘンランドを守護するプリキュアの力を、五つの光に分けたのでござる・・・」

 

「その五つの光が、今の私達に伝わると云う事ですね?」

 

「そう考えると感触深いね!」

 

 ポップの話を聞き、その五つの力が今、自分達が授かっている事に、れいかとなおは感触深げにするも、やよいは目をキラキラ輝かせながらポップを見ると、

 

「それで、それで、プリキュアはどんなビーム出して大蛇を追い返したの?」

 

「エッ!?ビームでござるか?さあ、そこまで詳しくは書いてないでござるなぁ・・・」

 

 そこまで詳しくは書かれていないと知り、やよいは残念そうな表情を浮かべ、ポップを苦笑させる。

 

「そして、時は流れ・・・妖精達が楽しく毎日を暮らすメルヘンランドは、再び悪の脅威に脅かされたのでござる!悪の皇帝、ピエーロ率いるバッドエンド王国が、メルヘンランドを襲撃してきたのでござる!!プリキュアが居らぬ状況下、ロイヤルクイーン様は、悪の皇帝ピエーロの封印と引き替えに、ご自身の力の源、キュアデコルを全てバッドエンド王国に奪われてしまったのでござる・・・しかし、今まさに伝説の戦士は復活したのでござる!!キュアハッピー、キュアサニー、キュアピース、キュアマーチ、キュアビューティ・・・」

 

 ポップが捲った絵本に載っているのはハッピー達五人、みゆき達は、自分達が変身した姿が絵本になっているのに驚くも、皆目を輝かせた。更にポップがページを捲るも、そこから先は白紙になっていた。驚愕する一同にポップは語る・・・

 

 そこから先のページは、みゆき達五人の行動に掛かっていると・・・

 

「皆の衆、キュアデコルを集め、ロイヤルクイーン様を復活させて欲しいでござる!」

 

 ポップがみゆき達五人に頭を下げると、みゆき達は顔を見合わせ頷いた。ポップは嬉しそうにキャンディと顔を見合わせると、今一度、五人の少女達に深々と一礼するのだった・・・

 

 

2、妖精会議開幕!

 

 翌日・・・

 

 キャンディ同様、一泊みゆきの家に泊めて貰ったポップは、一同を再び不思議図書館に集めると、自分がこっちの世界に来た理由を語り始めた・・・

 

 ポップがこちらの世界に来たのには、今一つの訳があった・・・

 

 

 ポップは、他の世界のプリキュアの絵本に描かれている、伝説の戦士プリキュアの力も、メルヘンランドの為に、何とか借りる事は出来ないだろうかと考えて居た。メルヘンランドに封印されていた何者かの復活、アンデとルセンの失踪、そして、バッドエンド王国の襲来・・・

 

 

 キャンディが、メルヘンランドに伝わる五人の伝説の戦士プリキュアを見付けては居るが、もし、復活した何者かまでが、襲って来たら、五人は凌ぐ事が出来るのか未知数であった。しかも、彼女達五人は、プリキュアに成り立てで経験が不足している。

 

 ポップは、何度かメルヘンランドに手紙を配達に来ていたシロップに相談してみると、意外にもシロップがそれぞれの妖精国と交友があるのを知り、ポップは会えないか打診すると、妖精達は快く快諾してくれて、会合の場所をパルミエ王国と決め、この日、妖精会議が行われるとみゆき達に語った・・・

 

「そして、キャンディ!キャンディも他の妖精達と親しくなっておくのも良いと思い、特別に連れて行こうと考えて居るのでござるが・・・キャンディ、どうする?」

 

「お兄ちゃんが一緒なら安心クル!」

 

 キャンディは、ポップも一緒なら安心だからと、妖精会議に出る事を承諾した。ポップは頷き、一同にキャンディと自分が少し留守にする事を伝えた。

 

 

 

 子供達の笑い声が響き渡る公園・・・

 

 ある者は野球を、ある者はサッカーを、ある者は遊戯具で遊んでいた・・・

 

 そこに、緑色のフードを被った風変わりな老婆がやって来て、辺りを見回していると、子供が蹴ったサッカーボールが老婆に当たる。

 

「何するだわさ!」

 

 老婆が喚き散らすと、子供はゴメェ~ンと一声掛け、サッカーボールを拾うと走ってサッカーの続きを始めた。

 

「キィィ!もう、容赦しないよ!!お前達からバッドエナジーを奪ってやるだわさ!!」

 

 地団駄踏んで悔しがるのは、三幹部の一人マジョリーナ!

 

「世界よ!最悪の結末、バッドエンドに染まれ!白紙の未来を黒く塗りつぶすだわさ!!」

 

 マジョリーナは、闇の絵本とでも呼ぶべき本を開くと、白紙のページに、黒い闇の絵の具を叩き付け塗りつぶすと、空は緑掛かり、宙には無数の蜘蛛の巣が散りばめられ浮かび上がり、淀んだ空気が流れる不気味な姿を現わした。子供達はその場にしゃがみ込み、ネガティブな言葉を発した。

 

「人間共が発したバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様を呼び覚ますだわさ!!」

 

 人々から発せられたネガティブな感情は、バッドエナジーとなって闇の絵本に吸い込まれていった・・・

 

 

 

「これは・・・大変でござる!人々のバッドエナジーが、吸われているでござる!!」

 

「「「「「エッ?」」」」」

 

 これから出掛けようとしていたポップは、バッドエンド空間が発生した事を一同に告げると、みゆき達は驚きの声を上げた。ポップは五人に、本の扉を使いバッドエナジーを吸われている人々を助けてやって欲しいと伝えると、簡単な説明を一同に告げた。

 

 行きたい場所を心に念じ、本の扉を通ると、念じた場所に行けると告げた・・・

 

「キャンディとポップは、そのまま妖精さんの国に行って!後は私達が何とかするから!!」

 

「分かったでござる・・・」

 

 みゆきは、キャンディとポップに、妖精会議が行われる場所に行くように言うと、仲間達を振り返り、本の扉を一人一人進んで行った・・・

 

「みゆき、みんな・・・」

 

「キャンディ、皆の衆を信じるでござる!では、拙者達も参ろう!!」

 

 不安そうにするキャンディの頭を撫でたポップは、みゆき達を信じようと伝え、キャンディとポップは、絵本の中に入ると、妖精会議が行われるパルミエ王国へと飛び去っていった・・・

 

 

 

 

 四つ葉町、クローバータウンストリート・・・

 

「でも、この前は驚いたよねぇ?まさかプリキュアのリーダーが、ブンビーだったとは・・・気付かなかったよぉぉぉ!?」

 

「フフフ、気付く訳無いでしょう!全く、あたしも度肝を抜かれたわ・・・まあ、かれんさん達がこっぴどく釘を刺したって言ってたから、二度とあんな真似しないと思うけどね」

 

 ラブが変顔を浮かべながら、気付かなかったねと苦笑を浮かべると、かれん達に怒られたと聞いたのを思い出したのか、美希がクスリと笑い、祈里は少し考えながら、

 

「でも、私達もブンビーさんには前にお世話になったから・・・ちょっと可哀想な気もするけど・・・」

 

「「しない、しない!!」」

 

 変顔をしたラブと美希が、ハモリながら可哀想な気などしないと手を左右に振りながらジェスチャーし、祈里は苦笑を浮かべた。

 

 ラブ、美希、祈里は、談笑しながらカオルちゃんのドーナツ屋に向かっていると、視線の先に、カオルと談笑している何処かで見たような二人組の後ろ姿を見て驚いていた。

 

「ねえ、美希たん、ブッキー、あの二人・・・ウエスターとサウラーに似てない?」

 

「って言うか、その二人以外の何者でも無いと思うわよ?」

 

 美希が言うように、体格の良い青年と、長髪の青年、確かに二人が四つ葉町での仮の姿として過ごしていた、西隼人、南瞬の姿をしたウエスターとサウラーその人であった。

 

「二人が来て居るって事は・・・せつなちゃんも来てるのかなぁ?」

 

 祈里は嬉しそうに周りを見渡し、ラブと美希も嬉しそうに辺りをキョロキョロ見回すも、何時もと変わらない公園の中に、せつなの姿は何処にも無く、少し落胆する三人だった。気持ちを入れ替えた三人、ラブは笑顔混じりに、

 

「ウエスター!サウラー!久しぶりぃ!!元気だった?」

 

 ラブが右手を挙げながら二人に声を掛けると、振り返った二人も、三人を見て微笑みながら近寄り、

 

「おお、お前達!久しぶりだなぁ!!」

 

「この町に来る度に君達に会って居たから、また会うような気もしていたがね」

 

 笑い合う一同を見て、カオルも微笑を浮かべながらラブ達に注文を聞くと、三人は思い出したかのように、ドーナツを注文し、一同はテーブル席に座り、会話の続きを始めた。

 

「今日はどうしたの?またウエスターがドーナツ食べたくなって来たとか?」

 

「まあ、それもあるが・・・僕達三人は、パルミエ王国から招待を受けてね・・・」

 

「手ぶらで行くのも悪いからな!兄弟のドーナツを、妖精達にも食べさせてやろうと思ってな!」

 

 少しからかうようにウエスターを見ながら美希が聞くと、二人は苦笑を浮かべながら、パルミエ王国に招待されたと言い、ラブ、美希、祈里は少し驚いた表情を浮かべた。

 

「パルミエ王国に!?でも、せつなの姿が見えないようだけど?」

 

「イースなら、他にも招待されているメイジャーランドの友達を迎えに行って、そのまま友達と一緒にパルミエ王国に行くと言ってたぞ!」

 

 問い掛けたラブに、ウエスターが答えると、見る見るラブの頬が大きく膨れ上がる。

 

 ちょっとぐらい顔を見せに来てくれてもいいのに、何でせつなは来てくれないんだろうか?ラブの心にフと寂しさが沸き上がっていた。

 

 思わず顔を見合わせたサウラーとウエスターは、美希と祈里に小声で問い掛け、

 

「彼女はどうしたんだい?」

 

「何か俺・・・悪い事でも言ったか?」

 

 美希と祈里は、少し落ち込むラブを見るも、

 

「う~ん、気にしないで!せつながあたしたちに会いに来ないで、メイジャーランドに行った事で拗ねてるだけだから・・・」

 

「ラブちゃん、別にせつなちゃんに悪気がある訳じゃ無いよ!私達は今回、パルミエ王国に招待されてる訳じゃないんだし・・・」

 

「それはそうだけど・・・そうだ!ねぇ、ウエスター、サウラー、お願いがあるんだけどぉぉ?」

 

 ラブは何かを思い付くと、目をキラキラ輝かせながら、両手を組んで縋るようにウエスターとサウラーを見つめる。美希と祈里は何事かと驚き、ウエスターとサウラーの二人は思わず怯むのだった・・・

 

 

 

 

 バッドエナジーを集め、ご満悦なマジョリーナであったが、公園の近くの図書館から五人の少女達が駆けつけた。

 

「いくらお婆ちゃんでも・・・みんなのハッピーを奪うなんて許せない!!」

 

「あたしゃ、お婆ちゃんじゃないよ!全く、失礼な子だねぇ・・・」

 

「そない言うたって・・・どう見ても婆さんやん!?」

 

 みゆき、あかねとマジョリーナの何処か緊張感の無い会話に、れいか、なお、やよいは苦笑混じりの顔になり、悔しそうに地団駄踏んだマジョリーナは、

 

「生意気な小娘共だねぇ・・・アカンベェ!!」

 

 マジョリーナは、側に合った空き缶をアカンベェとして出現させると、

 

「みんな、行くよ!!」

 

 みゆきの言葉に頷く四人は、スマイルパクトを取り出すと、キュアデコルをスマイルパクトにセットし、

 

「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」

 

 五人の少女が、パクトのパフを塗っていき、プリキュアへと変身していく・・・

 

「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!!」

 

「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!!」

 

「ピカピカぴかりん!じゃんけん・・・ポン!キュアピース!!」

 

「勇気リンリン、直球勝負!キュアマーチ!!」

 

「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!!」

 

「「「「「5つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!!」」」」」

 

 五人のプリキュアが、マジョリーナ、アカンベェに対しポーズを決めた!

 

 

 プリキュアが現われると、上空にトランプの舞が巻き起こり、街灯の上に現われたのは、バッドエンド王国のジョーカー・・・

 

(まあ、妖精の方は後回しにしましょうか、すでに何処に向かったのか、大凡(おおよそ)見当は付いて居ますからねぇ!ほう・・・あれがプリキュアですか?お手並み拝見としましょうかねぇ・・・)

 

 ジョーカーは、メルヘンランドから飛び出したポップの気配に気付き、何かを企んでいると感づくと、動向を伺っていた。ポップが再び動き出した事に気付き、後を追おうとするも、プリキュア達の現われた事を知り、プリキュアの力を確かめるべく、街灯の上から高みの見物を始めた。

 

 それに気付く者は誰も居なかった・・・

 

 

 アカンベェは、口からマシンガンのように液体を吐き出し、プリキュア達を攻撃していた。キャーキャー、悲鳴を上げながら逃げ惑う姿は、とても伝説の戦士とは思えず、見ていたジョーカーは、口元に薄ら笑いすら浮かべていた。

 

(無様ですねぇ・・・あれが、伝説の戦士と呼ばれる者の実力という事ですかねぇ?)

 

 ジョーカーは、両手で抱えていたルセンが変えられたクライナーを弄くり回し、

 

「クライナーの実力・・・試してみますか!さあ、あなたも行ってらっしゃい!ハァァァ!!」

 

 ジョーカーがクライナーにバッドエナジーを加えると、クライナーは分裂し、その一体が地上に落ちると、辺りの物を体内に吸収し始めた。

 

「さあ、あなたも憎しみの心に身を委ね、プリキュアを倒してらっしゃい!!」

 

 ジョーカーの顔が狂気の表情を浮かべる。ルセンが変えられた白いクライナーも、嘗てのアンデ同様、どす黒く変色していった・・・

 

 

 

 魔界・・・

 

 不気味さ漂う空間の中、生い茂る奇妙な森の中で胡座(あぐら)をかきながら瞑想する赤髪の褐色の女サディス・・・

 

 瞑想していたサディスがカッと目を見開くと、側に居た小学生のような体格をした老翁ディクレ、スキンヘッドの大男ベガは、サディスの反応に気付き声を掛ける。

 

「どうした?何か異変でも感じたのか?」

 

「アア・・・何処の何奴か知らないが、あたしのクライナーを勝手に操った奴が居るようだねぇ・・・ちょっと、挨拶してやらなきゃね・・・」

 

 サディスは舌で唇を舐めると、空間に亀裂を起し、亀裂の中へと消えていった・・・

 

 

 

 マジョリーナが繰り出したアカンベェに苦戦する五人のプリキュア達、

 

「アカンベェ、そのままプリキュアを・・・ン!?あれは、何だわさ?」

 

 マジョリーナの視界に、黒く蠢く物体が現われた。マジョリーナは小首を傾げるも、黒い物体はアカンベェの直ぐ側まで来ると、その身体を伸ばし一気にアカンベェを飲み込んだ・・・

 

 逃れようとするアカンベェが暴れ、黒い物体が収縮を繰り返すも、何時しかその動きは止まり、黒い物体は、先程のアカンベェのような空き缶姿に変わり、巨悪そうな目付きでジロリとマジョリーナと五人のプリキュア達を見つめた・・・

 

「な、何あれぇ!?あれも敵なのかなぁ?」

 

 新たに現われた黒い物体・・・ 

 

 ハッピーが小首を傾げるも、アカンベェを吸収し、より凶悪そうな表情を浮かべる黒い物体・・・

 

 不気味に蠢く、黒い物体を見た五人のプリキュア達から冷や汗が流れる・・・

 

「これは一体どういう事だわさ!?」

 

「マジョリーナさん、この場は撤退なさい!戦いに巻き込まれてしまいますよ!!まだ、クライナーを完全に操るには時期尚早だったようですね・・・」

 

 狼狽えるマジョリーナの前に、突然現われた正体不明の男に、ハッピー達五人に緊張が走った・・・

 

「おやおや、そう言えばあなた方にまだ挨拶をしていませんでしたねぇ?私は、バッドエンド王国のジョーカー!」

 

 バッドエンド王国の者だと名乗った事で、五人は益々表情が強張る。アカンベェを謎の物体に吸収されたマジョリーナは、姿を現わしたジョーカーが、マジョリーナに撤退するよう指示を出した事に憤慨する。

 

「お前は・・・ジョーカー!?何で此処に居るだわさ?アカンベェをあんな姿に変えられて、黙ってる訳には行かないだわさ!!」

 

 文句を言うマジョリーナであったが、何時になく発せられるジョーカーの気迫に押され、渋々ながらその場を撤退し、バッドエンド空間が解除される。

 

(どうやら、私の存在に薄々感づいたようですねぇ・・・)

 

 ジョーカーは、ハッピー達を無視すると、視線を一点に集中される。視線の先の空間が歪み、亀裂が巻き起こると、中から紫色のボンテージ衣装に身を包み、黒いマントを靡かせた褐色肌の赤髪の女が、険しい表情を浮かべながらジョーカーを睨み付けた。

 

「どんな奴かと思ったら・・・おい、お前!あたしのクライナーを、よくも好き勝手にしてくれたねぇ・・・」

 

「いえいえ、どんな者かと試した次第・・・しかし、私には操る事が出来ませんでしたので、どうしたものかと途方に暮れていた所、こうして持ち主の方にお会い出来たのは幸運というもの・・・初めまして!私はバッドエンド王国のジョーカーと申します!!以後、お見知り置きを!!!」

 

 ジョーカーは、右手を前に、左手を後ろに引き、サディスにお辞儀をして挨拶をする。

 

「バッドエンド王国!?ああ、メルヘンランドのロイヤルクイーンの力を奪ったとかっていうのは、お前達だったのか?」

 

 互いの手の内を探るように会話をするジョーカーとサディス、サディスは、ジョーカーが発する不可解なプレッシャーを感じ、自分達と同じ魔に通じるような感覚を受け戸惑う。そんなサディスの心情に、気付いたのか気づかないのか、ジョーカーは、意味深な笑みを浮かべながら、

 

「クライナーはお返し致します!そうそう、あそこでクライナーに睨まれて怯んで居る五人組こそ、メルヘンランドの伝説の戦士プリキュア達・・・どうです、御自分の目でお試しになっては?」

 

「プリキュアだとぉ!?」

 

 ジョーカーは、手に持っていたクライナーをサディスに渡すと、あそこに居る五人組がプリキュアだとサディスに教えた。プリキュアという言葉を聞き、サディスの目が一層険しさを増し、地上に居る五人のプリキュア達を見つめる。ジョーカーはそんなサディスを見て口元に笑みを浮かべると、

 

「何かありましたら、私達も協力致しますよ!では、ご機嫌よう!!」

 

 トランプの舞が巻き起こり、ジョーカーはその姿を消した・・・

 

「胡散臭い奴だねぇ・・・まあ、プリキュアに会わせてくれた事は感謝してやるか!クライナー、プリキュアと遊んでやりな!!」

 

 サディスは、手に持っていたルセンが変えられたクライナーをギュっと摘むと、空き缶姿の黒いクライナーが咆哮を上げる。

 

 アカンベェを吸収し、力を増したクライナーの前に、ハッピー達五人は次第に追い詰められていった・・・

 

 

 

 

 メイジャーランド・・・

 

 アフロディテ、メフィストの御前に居るのは、エレンとハミィ、そして、エレンを迎えに来たせつな!エレンとハミィは、メイジャーランドの代表として、今パルミエ王国に向かおうとする所だった・・・

 

「それでは、アフロディテ様、メフィスト様、行って参ります!」

 

 エレンとハミィが二人に頭を下げ挨拶すると、真顔になった二人は、

 

「セイレーン、ハミィ、気をつけて!アコの話によれば、地上は何者かの襲撃を受けたとか・・・」

 

「ウム!嫌な予感がする・・・セイレーン、お前が申請していた通り、パルミエ王国に行った後は、再び向こうの世界に行く事を許可しよう!何かあれば報告するのだぞ?」

 

 メフィストの許可を受け、顔を見合わせたエレンとハミィの顔色が明るくなるも、直ぐに真顔になり、

 

「ハイ!何か起これば必ず・・・では、行って・・・」

 

「アッ!?ま、待て!セイレーン!!」

 

 慌ててエレンを呼び止めたメフィストは、エレン達を手招きし、近くに来いとジェスチャーすると、隣に居たアフロディテは不思議そうに小首を傾げた。メフィストは小声でエレンに話し掛けると、

 

「良いか、セイレーン!加音町に行ったら、アコの前で・・・みんなが戻ったメイジャーランドは、楽しいわぁぁと、一日一回必ず言う事!良いな?」

 

「エェェ!?一日一回?」

 

「何だ、不満そうだなぁ、セイレーン!?加音町に行かせるの・・・止めちゃおうかなぁ?」

 

「ウッ・・・わ、分かりました!」

 

 困惑気味に、メフィストの申し出を受けようとしたエレンだったが、

 

「セイレーン!バカな国王の言う事など、聞かなくて良いですからね?あなた!公私混同も大概にして下さい!!」

 

「アフロディテ!?き、聞こえておったのか?・・・だって、アコに・・・」

 

「あなたぁぁぁ!!」

 

「ハイ・・・オッホン!セイレーン、さっきのは冗談だ!!」

 

(((絶対、本気だった!)))

 

 アフロディテに怒られ、慌てて咳払いをして誤魔化すメフィストを見て、絶対に本気だったと思う、エレン、ハミィ、せつなだった。

 

「では改めまして、行って参ります!!ハミィ、せつな、行きましょう!!」

 

「行って来ますニャ!」

 

「ええ、それでは、お二方行って参ります!!」

 

 エレンの言葉に頷き、三人は瞬時に赤い光に包まれパルミエ王国へと向かった・・・

 

「何事も起こらなければ良いのですが・・・」

 

「ああ、今年の幸せのメロディは、ノイズによって石にされた人々を、元に戻す為に歌われたようなものだからな・・・何か嫌な予感がする」

 

 アフロディテとメフィストは、心配そうに顔を見合わせた・・・

 

 

 

 

 パルミエ王国・・・

 

 妖精会議の舞台であるパルミエ王国は、歓迎の宴の準備で大忙しであった。お世話役のミルクも張り切り、一同に指示を出し、準備に追われていた・・・

 

「みんな、ココ様や、ナッツ様が、恥をかかないようにするミル!」

 

 アタフタしながら次々にテーブルに置かれるパルミエ王国で取れた果物、そんなミルクの下に、懐かしげな声が聞こえてくる・・・

 

「コラ!ポルン、ルルン、走るなメポ」

 

「フープもムープも、騒いじゃ駄目ラピ!」

 

「この声は・・・メップル達に、フラップ達ミル!」

 

 ミルクの表情が緩み、声が聞こえる廊下へと出向くと、パパイヤに案内されながら近づいてくるメップル達、フラッピ達を見て駆け寄り、ミップル、チョッピと手を取り合い、ミルクは一同との再会を喜び合った。

 

「ミルク、久しぶりメポ!他のみんなはもう来てるメポ?」

 

「まだミル!話はゆっくり中で聞くミル!!」

 

 ミルクが一同を自ら案内し、会場へと入っていった・・・

 

 

 二人の王ココとナッツ、ナッツは懸命に目の前に十数個ある小型の懐中電灯のような物を弄っていた。それは、嘗てノイズとの決戦前に、ナッツハウスで作っていたアイテム、ミラクルガイドライト!行き詰まっていたナッツだったが、ババロア女王やほのかの助言もあり、遂に完成に辿り着けていた。

 

「ナッツ、遂に完成したココ?」

 

「ナツ・・・何とか今日みんなが集まる日に、間に合って良かったナツ」

 

 ナッツがミラクルガイドライトのスイッチを入れると、先端のハートマークが激しく点滅を繰り返していた。ナッツは驚き、

 

「これは・・・もしかしたら、今正にプリキュアの誰かが戦って居るのかも知れないナツ」

 

「それは大変ココ!でも、誰が戦って居るか分からなければ、応援にも行けないココ・・・」

 

 点滅を繰り返すミラクルライトガイドを見て戸惑う二人だったが、ドアをノックし、パパイヤが入ってくると、二人は誤魔化すように愛想笑いを浮かべた。パパイヤは、四大国王、メップル達、フラッピ達、タルトとシフォン、せつな、シプレ達、エレンとハミィが到着したのを知らせるも、困惑したように、

 

「せつな殿のお仲間の、ラビリンスの方々も到着致したのですが・・・」

 

 パパイヤの反応に小首を傾げた二人は、パパイヤの報告を聞くと笑顔を浮かべ、中に通すように伝えるのだった・・・

 

 

 

 久しぶりの仲間達との談笑・・・

 

 せつなは、シフォンとタルトとの再会を心から喜び二人を抱きしめ、ミルクや、メップル達、フラッピ達との再会にも嬉しそうに語らい、エレンとハミィも、数ヶ月振りの仲間達との再会を喜び合った・・・

 

 せつなとエレンは、妖精達との再会に顔を綻ばせながら話していたが、互いに顔を見合わせ表情を曇らせると、

 

「ねえ、向こうの世界に、謎の敵が現われたそうだけど・・・」

 

「此処にメップル達、フラッピ達、シプレ達も来てるから大丈夫何でしょうけど、一体どんな敵だったの?」

 

 せつなとエレンに聞かれたメップル達、フラッピ達、シプレ達の表情が曇る。互いに顔を見合わせると、どう説明するべきか困惑しているようだった。ミルクは初めて聞いたようで、驚いた顔をして、せつなとエレンの顔を見た。

 

「敵の正体は、結局分からなかったミポ・・・でも、みんなの活躍で浄化された筈ミポ!」

 

「ただ・・・何か嫌な予感がするのも確かチョピ・・・」

 

 ミップルとチョッピの言葉を受け静まりかえる会場・・・

 

 その沈黙を打ち破る大声が廊下から聞こえてくる。

 

「オォイ!イース、来たぞぉぉ!!」

 

「ウエスター!?全く・・・相変わらず空気を読めないんだから」

 

 ウエスターとサウラーは、ラビリンスで過ごす白い制服に白いマントを靡かせ足早に会場目掛け歩いていた。謎の敵に付いて話していた会場内とは、明らかに違うテンションでこちらに向かってくるウエスターに、せつなはハァと溜息を付くと、廊下に駆け寄り、

 

「ウエスター!此処はラビリンスじゃないんだから、みんなの迷惑に・・・エッ!?ラブ、美希、ブッキー!?どうしてパルミエ王国に?ウエスター、サウラー、これは一体!?」

 

 ラブ、美希、祈里が、ウエスターの背後からひょっこり顔を出しせつなを驚かせた。ウエスターとサウラーも背後を見て苦笑を浮かべながら、

 

「彼女達に、一緒に連れて行って欲しいと頼まれてね・・・」

 

「ホホエミーナに乗せて、一緒に来たって訳だ!!」

 

 思いがけないラブ、美希、祈里までが一緒に居る事に、せつなは呆然とし、ウエスター、サウラーに問い掛け、二人からラブ達が来たがっていたのを聞き、呆れたような表情を見せる。せつなは、全くと溜息を付くと、瞬時に顔色を変えたラブが、ツカツカ歩いてせつなに近付き、口元に引き攣った笑みを浮かべたラブは、せつなの顔に自分の顔を近づけるや、

 

「この口が言うかぁ~!折角来て上げたのにぃぃ!!」

 

 ラブは、不満そうな表情を浮かべながら、両手でせつなの口を横に引っ張ると、上手く言葉にならないながらも、せつなは両手でラブの腕を払いのけようとしながら、ラブに止めるように言う、

 

「ラフ・・・やふぇなさひぃ!!ラフ・・・いい加減に・・・しろぉぉぉぉ!!!」

 

 ラブに口を引っ張られていたせつなは怒り、無理矢理ラブを引き離し、ラブとせつなは二人で睨み合いながら舌を出し合い、

 

「「ベベベベのベェ~~だ!!」」

 

 フンと互いにソッポを向けるラブとせつな、祈里とウエスターはどうしたものかとオロオロし、サウラーと美希はヤレヤレと言った表情で苦笑を浮かべる。

 

「何よ!せつなが会いに来てくれないから、こっちから会いに来たのに・・・私達は、四人揃ってこそ、本当のクローバーなのにぃ・・・」

 

 せつなに背を向けながら本音を洩らすラブ、せつなは思わずラブの方に向き直り、改めて自分は、ラブ達に心から大事な仲間の一人と思われて居る事に、目頭が熱くなった。

 

「ラブ・・・美希も、ブッキーも、ゴメン!言い訳になるかも知れないけど、会いに行かなかった訳じゃないの!今日のパルミエ王国での会議の内容を聞いた後に、クローバータウンストリートには行くつもりだったの!!ラブ達が戦った、謎の敵の事も知りたかったし・・・私の事を気に掛けてくれてありがとう・・・ラブ!!」

 

 せつなは、落ち込むラブに背後から抱きつき謝ると、忽ち上機嫌になるラブ、美希はそんなラブを見てクスリと笑い、

 

(フフフ、相変わらずラブは単純何だから・・・)

 

 仲直りをしたラブとせつなを見て、美希と祈里も心から微笑んだ。

 

 廊下が騒がしかったので様子を見に来たエレンと妖精達、タルトとシフォンは、思いがけないラブ達との再会に喜び、

 

「ピーチはん、ベリーはん、パインはん・・・それに、それに、兄~~弟!!」

 

 シフォンはラブの胸に飛び込み、タルトは、ラブ、美希、祈里、一人ずつに声を掛け、ウエスターとサウラーの前に行くと、

 

「スイーツハートは!」

 

「旨さの印!」

 

「揚げたてフレッシュ!」

 

「「俺達、ドーナツブラザーズ!」」

 

 サウラーを真ん中にして、まるでプリキュアの口上のようにポーズを取って構えるウエスターとタルト、サウラーは額から汗を流しながら、

 

「ぼ、僕を巻き込むのは、止めてくれないかな?」

 

「何を言う、サウラー!お前も立派に・・・」

 

「「ドーナツブラザーズさ!!」」

 

 再びポーズを取るウエスターとタルト・・・

 

 困惑しながら呆然とするサウラー、それを見て笑うラブ達、エレン、妖精達だった。せつなは、そんなウエスターを見て頭を抱え、やはりウエスターは、一緒に連れて来なければ良かったと後悔するのだった・・・

 

 

 

 王の間で支度を終えたココとナッツが、部屋を出ようとした時、ドアをノックしシロップが現われた。手短に二人に挨拶を終えたシロップは、ドアの向こうに手招きし、シロップに導かれ、ポップとキャンディが姿を現わした。

 

「ココ、ナッツ、この二人がメルヘンランドから来た・・・ポップとキャンディロプ」

 

「拙者はポップと申す!この度は、拙者の勝手な申し出をお受け頂き、感謝するでござる!隣に居るのは拙者の妹、キャンディでござる!兄妹揃ってよろしくお頼み申す!!」

 

 ポップが深々とお辞儀をし、キャンディは少し照れたように、ポップの後ろに隠れながら挨拶した。ココとナッツは微笑みながら手を差し伸べ、二人と握手をすると、

 

「遠い所、良く来てくれたココ!」

 

「もう、みんな揃って居るナツ!さあ、みんなの所に一緒に行くナツ!!」

 

 ココとナッツに促され、ポップとキャンディも笑みを浮かべながら部屋を出て行った・・・

 

 

 遂に開幕した妖精会議・・・

 

 光の園の代表者、メップル、ミップル、ポルン、ルルン

 

 泉の郷の代表者、フラッピ、チョッピ、ムープ、フープ

 

 四大国王、ドーナツ国王、ババロア女王、クレープ王女、モンブラン国王

 

 スウィーツ王国の代表者、タルトとシフォン

 

 ラビリンスの代表者、東せつな、ウエスター、サウラー

 

 こころの大樹の守護妖精であるシプレ、コフレ、ポプリ

 

 メイジャーランドの代表者、黒川エレンとハミィ、ソリーとラリー

 

 一同に頼みに来たメルヘンランドのポップとキャンディ

 

 主催者であるパルミエ王国のココとナッツ、同席しているミルクとシロップ

 

 そして、特別参加の桃園ラブ、蒼乃美希、山吹祈里・・・

 

 

 

 ココとナッツは、ポップとキャンディを一同に紹介すると、一同は、ポップとキャンディを温かく迎えた・・・

 

「皆の衆、勝手なお願いをしに参った拙者達を、暖かく向かえて頂き感謝致す!皆の衆のプリキュア達のお力を、拙者達の国、メルヘンランドの為に・・・貸しては頂けないでござろうか?」

 

「私達は構わないよ!ね、美希たん!ブッキー!せつな!」

 

「もちろん!OKよ!!」

 

「みんなも私達と同じ考えだと、私、信じてる!!」

 

「ええ、精一杯頑張るわ!!」

 

 ポップが深々とお辞儀をし、力を貸して欲しいと頼むと、ラブ達が真っ先にポップの申し出を受諾する。思わず目頭を熱くしながら、顔を見合わせ喜ぶポップとキャンディ、

 

「流石ワイらのプリキュアや!」

 

「プリィ!」

 

 満面の笑顔で腕組みしながら何度も頷くタルト、嬉しそうにはしゃぐシフォン、

 

「ポップもキャンディも、みんなの大切な仲間ココ!のぞみ達プリキュアも、きっと協力してくれるココ!!」

 

「ミルクも協力するミル!」

 

「ええ、私も喜んで協力するわ!響達も、ポップとキャンディに必ず協力してくれる筈よ!ねぇ、ハミィ?」

 

「もちろんニャ!だから、安心するニャ!!」

 

 ココ、ミルク、そして、エレンもラブ達同様、仲間の為なら喜んで他のプリキュア達も力を貸してくれると伝え、ハミィは、キャンディを安心させるかのように、手を取り微笑んだ。

 

「兄弟のドーナツを共に口にしたからには、俺達はもう兄弟同然だ!なぁ、サウラー?」

 

「それは兎も角・・・僕達もこうして参加したからには、協力させて頂く・・・」

 

 ウエスターは、ドーナツを頬張りながらサウラーに同意を求めると、サウラーも協力する事を約束した。

 

「なぎさやほのか、ひかりも必ず協力してくれるメポ」

 

「咲達もそうラピ!」

 

「つぼみ達も、必ず力を貸してくれるですぅ!」

 

 メップル、フラッピ、シプレも、自分達のプリキュアも、必ず力を貸してくれるとポップとキャンディに微笑みを向けた。

 

「皆の衆・・・忝(かたじけ)ない、忝ない・・・」

 

 一同に何度も頭を下げるポップの瞳から、大粒の涙が零れた・・・

 

 初めて会う自分達を、一同は何の疑いも持たず向かい入れてくれ、仲間の為なら喜んで力を貸すと約束してくれた事に、ポップは感銘を受けた・・・

 

「泣かずともよい!それより、お主達の国が戦って居るという敵の事を、詳しく皆の者に語るドナ!!」

 

 ドーナツ国王に促されたポップは、バッドエンド王国と、復活した悪しき魔に付いて、知る限りの情報を教えるのだった・・・

 

 

 

3、フレッシュプリキュア!

 

 ポップから聞いたバッドエンド王国、そして、封印されていた魔の復活・・・

 

 一同は、新たなる敵の出現に緊張が走った・・・

 

 妖精会議も無事に終わり、最後にナッツは一同にミラクルガイドライトを手渡すと、

 

「みんなにこれを渡すナツ!これはミラクルガイドライトナツ・・・このスイッチを入れると、邪悪な者が現われた時反応して点滅するナツ!!」

 

 そう言うと、ナッツはカチリとスイッチを入れた。見る見る先端のピンクのハートが激しく点滅を繰り返し、それを見た一同からざわめきが巻き起こる。

 

「恐らく、今正に何処かで邪悪な者が現われ、プリキュアの誰かと戦って居るナツ!」

 

 ナッツの言葉に再びざわめく室内、ポップは手渡されたミラクルガイドライトを見ながら、

 

「それは恐らく、我々メルヘンランドのプリキュア、ハッピー、サニー、ピース、マーチ、ビューティの五人でござろう・・・拙者達をこの場に参加するように言うと、五人はバッドエンド王国の野望を阻みに向かったのでござる・・・」

 

「それだけではありませんけどねぇ?」

 

 ポップが、ハッピー達が戦って居る事を一同に教えた時、不意に室内に何者かの声が響き渡り、一同は辺りを見渡す。扉の前にトランプの舞が降り注ぐと、ジョーカーが姿を現わし、不気味な笑みを浮かべた。

 

 突然現われたジョーカーの出現に、響(どよ)めく妖精達・・・

 

 ラブ、美希、祈里、せつな、エレン、ウエスターとサウラーが、妖精達を庇うように一歩前に出てジョーカーを睨み付ける。

 

「お前はジョーカー!何故此処に居るでござる?」

 

「フフフフ、あなたの行動はこちらでも把握していましたからねぇ・・・此処を見つけ出すのに、さしたる苦労も致しませんでしたよ!!」

 

 ポップの顔色が変わった・・・

 

 迂闊だった・・・

 

 自分の行ないが、パルミエ王国を始めとする妖精達を、危険に巻き込んでしまった事に、ポップは自分を恥じた・・・

 

「皆の衆、逃げて下され!こ奴が此処に現われたのは拙者の不徳・・・この命に代えても!!」

 

 この償いは、自分の命に代えてもと血相を変えるポップに、ジョーカーは笑みを浮かべながら、

 

「そう、焦らないで下さい!あなたが希望を託した五人のプリキュア・・・今頃どんな目に合っているでしょうねぇ?」

 

「どういう事!?」

 

「あなた、彼女達に何をしたの?」

 

 ジョーカーの言葉に、ラブと美希が反応し真偽を問うも、ジョーカーは薄ら笑いを浮かべるのみだった。そんなジョーカーの態度に怒り、ミルクはくるみの姿に変化すると、

 

「勝手にパルミエ王国に乗り込んで来て・・・此処から叩き出して上げるわ!スカイローズ!トランスレイト!!」

 

 くるみがミルキィローズの姿になると、ジョーカーは意外そうな表情を浮かべる。

 

(ほう、妖精もプリキュアになれるんですねぇ?)

 

「青いバラは秘密のしるし!ミルキィローズ!!」

 

「ローズ、私も戦うわ!レッツプレイ!プリキュア!モジュレーション!!」

 

 ローズに続けとばかり、エレンはラリーを呼ぶと、キュアモジューレにセットし、プリキュアへと変身を始める。

 

「爪弾くは、魂の調べ!キュアビート!!」

 

 変身したローズとビートが、ジョーカーに鋭い視線を向ける。アイコンタクトしたラブ、美希、祈里、せつなが、リンクルンを取り出すのを見たローズは、

 

「ラブ、美希、祈里、せつな、こっちは私とビートの二人で何とかする!あなた達は、ポップ、キャンディと共に、新たなるプリキュアの応援に行ってあげて!!」

 

「ローズ・・・でも・・・」

 

 ジョーカーから発せられる得体の知れないプレッシャーを感じ、このまま自分達も戦った方が良いのではと戸惑うラブ達、ウエスターとサウラーが、ローズとビートの横に並び、ラブ達に顔を向けると、

 

「そのプリキュアの言う通りだ!お前達は、新しいプリキュアの応援に行ってやれ!!」

 

「此処には僕達も残る!安心して行って来たまえ!!」

 

「ウエスター!サウラー!・・・分かったわ!ラブ、美希、ブッキー、此処はローズとビート、ウエスターとサウラーに任せましょう!!ポップ、キャンディ!!」

 

「ちょい待ち!こんな事もあろうかとクローバーボックスを持ってきたんやぁ・・・持ってってぇな!!」

 

「タルト・・・うん、ありがとう!!」

 

 一同の思いを受け、せつなは言われた通り、新しいプリキュア達の応援に向かおうとラブ達に言い、ポップとキャンディを呼ぶ中、タルトは持ってきたクローバーボックスをラブに手渡し、ポップは後ろ髪惹かれる思いながら、キャンディと共にせつなの下に来ると、

 

「皆の衆、後で、後で必ず戻って来るでござる!!」

 

 せつなはアカルンを呼び出すと、ラブ達は赤い光と共に消え去った・・・

 

「おやおや、逃げられましたか?まあ、良いでしょう!あなた方の実力・・・試させて頂きましょう!!出でよ!アカンベェ!!」

 

 ジョーカーは右手に赤い玉を持つと、会場内にあったマンゴーのような果物を、アカンベェに変えた。

 

「望む所よ!ハミィ、みんなと隠れていて!」

 

「合点ニャ!」

 

 ビートは臨戦態勢を取ると、ハミィに妖精達と一緒に隠れているように伝えるも、ジョーカーは口元に右手を置き、含み笑いを浮かべると、

 

「ウフフフ!この私から逃げられると思ってるんですかぁ?」

 

 ジョーカーは、トランプを手裏剣のように妖精達目掛け放つも、ウエスターとサウラーが疾風のように駈け、妖精達の前に立ち、トランプを素手で叩き落とすと、妖精達から歓声が沸き上がる。タルトは両腕を組みながらウンウン頷き、

 

「流石やでぇ、兄弟!!」

 

「兄弟、お前はイース達と一緒に行かなくて良かったのか?」

 

 パルミエ王国に残ったタルトとシフォンを見て、ウエスターは一緒に行かなくて良かったのか問うと、

 

「当たり前や!兄弟が、大切な仲間達が残っとるのに、ワイらだけ行けまっか・・・兄弟の活躍・・・この目に焼き付けたるわい!!」

 

 タルトの啖呵を聞き、ウエスターとサウラーは顔を見合わせ笑むと、

 

「ホホエミーナ、我に仕えよ!」

 

 ウエスターは、ドーナツをホホエミーナに変えると、妖精達を守るように命令し、妖精達にはホホエミーナの側から離れないように伝える。ローズはウエスターに頭を下げ、

 

「ありがとう!これで心置きなく戦いに集中出来る!!」

 

 ローズ、ビート、ウエスター、サウラーの四人が、鋭い視線をジョーカー、そして、アカンベェに向けた・・・

 

 

 

 クライナーと戦って居たハッピー、サニー、ピース、マーチ、ビューティは、必殺技をクライナーに吸収され、大ピンチを向かえていた・・・

 

「そんなぁ、私達の攻撃を吸収しちゃう何て・・・」

 

「あないな敵に、どないせぇちゅうねん?」

 

 ハッピーが、サニーが呆然としながら思わず呟き、ピースは涙ぐみ、マーチは悔しそうに拳を振るわせ、ビューティは思考を目まぐるしく回転させるも、この逆境を覆す考えは浮かばなかった。ハッピーシャワー、サニーファイヤー、ピースサンダー、マーチシュート、そして、最後の砦ビューティブリザードさへ吸収し、更に力を付けたクライナーの前に、五人はどうすればいいのか戸惑う・・・

 

「無様だねぇ・・・プリキュア!そろそろお仕舞いにしようか?」

 

 サディスは舌をペロリと舐め、クライナーに指示を出すと、口から液体をマシンガンのように連射し、直撃を受けた五人が吹き飛ばされ地面に倒れ込む。クライナーは止めとばかりに、再び五人に照準を合わせたその時、ハッピー達五人の前方が赤く輝くと、ポップとキャンディ、そして、ハッピー達が見た事の無い四人の少女達が佇んで居た。

 

「ハッピー!みんなぁ!大丈夫クル?」

 

「皆の衆!何とか間に合って良かったでござる!!」

 

「キャンディ!ポップ!その人達は一体!?」

 

「プリキュアクル~!プリキュアが、みんなを助けに来てくれたクル~~!!」

 

「「「「「エッ!?」」」」」

 

 キャンディの言葉に驚き戸惑いながら、四人の少女達の後ろ姿を見るハッピー達、四人の少女達は振り返ると笑みを浮かべ、

 

「あなた達五人が、私達の新しい仲間何だね・・・美希たん、ブッキー、せつな、彼女達を・・・守るよ!!」

 

 ラブの合図に三人が頷くと、四人がリンクルンを取りだし、

 

「「「「チェインジ・プリキュア!ビートアップ!!」」」」

 

 ラブ、美希、祈里、せつなの身体が輝き、プリキュアへと変化していく・・・

 

(この小娘共も・・・プリキュアだとぉぉ!?)

 

 険しい表情を浮かべるサディス、嘗て自分達が戦ったプリキュアは二人だった・・・

 

 一体何人居るのか?サディスは戸惑いの表情を浮かべた。

 

 

「ピンクのハートは愛あるしるし!もぎたてフレッシュ、キュアピーチ!!」

 

「ブルーのハートは希望のしるし!つみたてフレッシュ、キュアベリー!!」

 

「イエローハートは祈りのしるし!とれたてフレッシュ、キュアパイン!!」

 

「真っ赤なハートは幸せの証!熟れたてフレッシュ、キュアパッション!!」

 

「「「「レッツ!プリキュア!!」」」」

 

 変身を終えたピーチ達四人が、クライナーとサディスを睨み付ける・・・

 

 ハッピー達五人は、その頼れる後ろ姿を眩しそうに見つめるのだった・・・

 

 

                 第四十二話:妖精会議!

                      完

 

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