プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第四十五話:親睦を深める少女達

1、束の間の休息

 

 横浜の地に集結したプリキュア達、バッドエンド王国の三幹部を追い返し、横浜スタジアム隣の、横浜公園で束の間の息抜きをしていた・・・

 

 

 前にラブ達が想像していたように、なおは、なぎさ、咲、りん、響達とスポーツ談義をして盛り上がっていた。そんな一同を、ゆりと奏はクスリとしながら見つめていた。なおは一同を見つめながら、

 

「なぎささんは、ラクロス!咲さんはソフトボール、りんさんは、部活の助っ人の末フットサル、響さんは、昔のりんさん見たいに部活の助っ人・・・」

 

「へぇ、詳しいねぇ・・・最も、私は高校卒業したから、もうラクロスはやって無いんだけどね」

 

「私達は高校でも続けてるよね」

 

 高校になっても、共にソフトボールとフットサルを続けている咲とりん、咲の言葉にりんも頷くも、

 

「ほら、最近女子サッカーがブームでしょう?私も本当はサッカーの方が良かったんだけど、うちの学園はフットサル部しかないから、なおが羨ましいわね・・・そういえば、響の学校もサッカー部あったよね?」

 

「ええ、でも私達も中三だし、部活の助っ人は、もう引退かなぁ・・・私、出来れば高校に行ったら、音楽の方を中心にしたいなぁと思ってるんですけどね・・・」

 

「響・・・音楽も良いけど、その前に勉強ももっと頑張らないとねぇ?」

 

「奏・・・五月蠅いよ!」

 

 奏に図星を指摘され、響が口を尖らせて文句を言うと、思わず一同から笑い声が響き渡った。

 

「これだけ仲間が増えたし・・・今度、スポーツ大会でもやろうか?」

 

「へぇ、面白そうじゃない・・・私、賛成!!」

 

「良いですねぇ!面白そう!!」

 

「私も賛成!!」

 

 咲の提案に、りんが真っ先に同意し、なおと響も賛成するも、奏はエェといった表情を浮かべると、響は先程の仕返しとばかりに、

 

「奏は運動ウンチだからねぇ・・・」

 

「響、下品よ!せめて運動音痴って言ってよね!!」

 

「それは響と比べてるからであって、私から見て、奏はそれほど運動が苦手には見えないわよ?」

 

 今度は逆に奏が口を尖らせて響に文句を言うと、苦笑を浮かべながらゆりが奏のフォローをする。なぎさは似たような仕草をする響と奏を見て思わず笑い、

 

「アハハハ!響、奏、あんた達、相変わらず仲良いね!でも、確かにこれだけ人数増えたし、面白そうかもね・・・ああ見えて、ほのかやゆりもスポーツ得意な方だし、他の子達の意外な面が見られるかもね・・・ねぇ、ゆり?」

 

「エッ!?そうね・・・悪い案では無いとは思うけど、乗り気な響はともかく、受験生のかれんやこまちに、無理強いするのはどうかと思うわよ?」

 

 突然名前を呼ばれたゆりは驚きつつも、咲の提案自体には異論は無いものの、受験生のかれんやこまちを、無理矢理誘うのは止めた方がいいとなぎさに釘を刺した。なぎさは頷きながら、

 

「ゆり、大丈夫!かれんとこまちに無理強いはしないよ!」

 

「そう・・・なら良いんだけれど」

 

「じゃあ、今度みんなに話してみよう!!実現できるかどうかは分からないけどさ・・・」

 

 なぎさも、咲の提案に同意し、今度みんなに話してみようと言うと、苦笑を浮かべるゆり、変顔を浮かべ困惑する奏を除いたスポーツ組は、異議無しと言いながら微笑んだ。

 

 

 

「ヘェ、ひかりさんの従姉って、ウチと同じ名前何や?それにたこ焼き屋何て・・・その人、やるやん!!」

 

 あかねはウンウン頷きながら、今度連れてってとひかりに頼み込み、ひかりは満面の笑顔を浮かべながら頷き同意する。

 

「きっとアカネさんも喜ぶと思いますよ!関西の方の意見も聞いてみたいって、前に言ってましたから・・・」

 

「ホンマァ?その人、話分かるわぁ!ウチ、その人のたこ焼き食べてみたいわぁ・・・でも、ウチはたこ焼きにはちとうるさいよ!」

 

 あかねは、ひかりの従姉が自分と同じアカネと言う名前だと知り、且つたこ焼き屋をやっていると聞き、興味深そうにひかりの話を聞いていた。エレンとうららも会話に加わり、

 

「実は、私もまだTAKO CAFEには行った事無いのよねぇ・・・あの頃はマイナーランドと戦ってたし、戦いが終わったら、ハミィと一緒にメイジャーランドに帰ったし・・・私も食べてみたいなぁ・・・アッ、私、猫舌だから、熱いのは苦手何だけど・・・」

 

「エェェ!?たこ焼きは、熱々を食べてこそ美味さが分かるんやでぇ・・・」

 

 エレンが熱い食べ物は苦手だと言うと、あかねは目を点にし、たこ焼きは、熱い出来立てを食べてこそ、美味さが分かるとエレンに講釈を始める。根が真面目なエレンは、ウンウン頷きながらあかねの話を熱心に聞いていた。

 

「本当に美味しいんですよぉぉ!何せ、たこ嫌いな美希さんだって、美味しいって言ったぐらいですから・・・ねっ、ひかりさん?」

 

 うららはニコニコしながら、嘗てTAKO CAFEで、美希が無理矢理ながら渋々たこ焼きを食べた時に、美味しいと言ってた事を伝えるも、ひかりは苦笑を浮かべながら、

 

「アハハハ!でも美希さん、結局その後、やっぱりたこは嫌だって言ってましたけど・・・」

 

 会話の最中、美希のくしゃみが聞こえ、思わず顔を見合わせた四人は、クスリと微笑んだ。

 

 

 

 やよいは、アコが小学生だと知り、小学生なら特撮やアニメを見ているだろうと、アコに話し掛けたものの、

 

「何それ?そんなお子様のテレビ何て見ないわよ!そう言えば、奏太なら見てたわね・・・でも、あなたも中学生なら・・・ニュースぐらい見たらどう?」

 

「エェェェェ!?」

 

 お子様の見る番組何て見ないと蔑んだ目でアコに言われ、逆にニュースでも見ればと言われ動揺したやよいだが、微かな光明を見いだし、恐る恐るアコに再び話し掛けると、

 

「あのぉ・・・奏太さんって?」

 

「奏太?奏の弟の名前よ!ほら、向こうで響達と一緒にいる子、あの子が奏太の姉の奏!!」

 

 奏太の事をアコに聞いたやよい、弟が見ているのなら、姉である奏も見ているのではと、キラキラ輝く視線を奏に浴びせるやよい、奏は思わず背筋に悪寒が走るのだった。

 

 アコは呆れた表情を浮かべながら、

 

「言っておくけど・・・奏はあなたと違って、そんな番組見ないから!」

 

「ガァァァァン」

 

 その場で膝を付きそうなくらいショックを受け玉砕し、涙目になるやよいであった・・・

 

 そんなやよいを見兼ねたラブ、せつな、つぼみは、

 

「やよいちゃん・・・相当ショック受けたみたいだね?」

 

「まあ、アコもきつい所があるから・・・悪気は無いんだけど」

 

「そうですね・・・やよいさん、大丈夫でしょうか?」

 

 何とか励ましてあげようと相談し合う三人、せつなはラブを見ると、

 

「ラブ、ラブは前にヒーロー物見てたって言ってたから、それとなく話し掛けてみれば?」

 

「エェ!?私が見てたのは子供の頃だから、最近のは全く分からないよ・・・」

 

「私はそういう番組は見た事無くて・・・チンプンカンプンですぅ」

 

 思わず三人で小首を傾げるラブ、せつな、つぼみ、ラブは何かを閃くと、

 

「そうだ!やよいちゃん、絵を描くのも好きだって言ってたよね・・・舞ちゃん!ちょっと良いかな?」

 

「なぁに、ラブさん?」

 

 やよいが絵を好きな事を思い出し、やよいと同じ絵を描くのが好きな舞に、やよいの事を教えると、舞は苦笑を浮かべながらも、励ます事に同意し、四人は苦笑混じりにやよいを慰めた。

 

「私、お兄ちゃんが居るから、小さい時なら一緒に見てたけど・・・」

 

「そう言えば、舞のお兄さんって、宇宙飛行士目指してるのよね?」

 

「ええ、そうよ!今でも宇宙飛行士目指して頑張っているわ!!」

 

 せつなは、舞の兄和也の話題を振ると、舞もニコニコしながら兄の事を語っていたのだが、

 

「宇宙キタ~~~~!!」

 

 突然目をキラキラさせたやよいが、両腕を挙げながら叫び、思わず目が点になるラブ、せつな、つぼみ、舞、一方アコは冷ややかな視線をやよいに浴びせると、やよいはアレ?という表情を浮かべ一同を見渡した。

 

「あのぉ・・・舞さんのお兄さんって、ヒーロー番組見て宇宙飛行士目指してるんじゃ?」

 

「エッ!?家のお父さん、天文学者だから、私もお兄ちゃんも、小さい頃から星に興味を持っていたから・・・」

 

 苦笑混じりに舞がやよいの想像を否定すると、やよいは涙目になりながら失敗したと心の中で呟き、アコとせつなは冷めた視線をやよいに浴びせた。

 

(何だかこの子、ウエスターとは別の意味で疲れるわねぇ・・・)

 

 思わず厄介な仲間が増えたものだと溜息を付くも、苦笑混じりにやよいを慰めるせつなだった・・・

 

 

 

「ラブ達から聞いてたけれど、れいかさん、生徒会副会長を為さっているそうね・・・私も経験あるけど、大変じゃないかしら?」

 

「そうですね・・・みんなの意見を纏めるのも大変じゃないかなぁ?」

 

 れいかが、生徒会副会長の要職に付いて居る事をラブ達から聞き、かれんといつきは、れいかも苦労しているのではないかとそれとなく問い掛けると、れいかも神妙な面持ちで頷き、

 

「はい、苦労することも多々ありますが、皆さんの笑顔を見た時の充実感はありますね」

 

「れいかさんは、生徒会活動が合ってるのかも知れないわね・・・」

 

 ベローネ学園中等部の時に、生徒会をやっていたほのかも会話に加わり、れいかの発言を聞いていて、れいかは生徒会の活動が合っていると思うほのかだった。

 

 れいかは、生徒会の話題が出た事で、自分の悩みを先輩達に問い掛けてみようと語り始めた・・・

 

「でも、時々迷う事もあるのです・・・私達生徒会は、良かれと思ってやっている事も、皆さんにはちゃんと伝わっているのだろうかと・・・」

 

「そうね、こちらが考えて居る通りには行かない事もあるわよね・・・私も嘗て、部活動の予算で悩んだ事があったわね。あらかじめ予算は決っているから、出来ればその予算内で活動してくれれば良かったんだけど、消耗品もあって中々ね」

 

「そうよね・・・うちの生徒会は、男子部と女子部が合同でやってたから、うちの生徒会も苦労してたものね・・・」

 

 かれんの言葉にほのかも同意する。いつきは苦笑を浮かべながら、

 

「僕の学校は、お爺さまが理事長をしてましたから、困った時には相談してましたね」

 

「ええ、私も理事長に掛け合ってみようとしたんだけど、結局は駄目だった・・・後で知ったのだけれど、理事長は、他にまだ出来る事を見通していたのね!悩んだ私に、こまちや、のぞみ、りん、うららが協力してくれて、違う部活同士、上手くやりくり出来る案を活かして乗り切った事があるわね」

 

「私もプリキュアになる前、生徒会の試みで、子供達に人形を使った朗読会をしたんですが、生徒会長が熱を出し、人数が足りず困り果てていた私達を、なおやみゆきさん、あかねさん、やよいさんが力を貸して下さり、乗り切った事がありました!その事が、私がプリキュアになる切っ掛けにもなったのですが・・・」

 

「ええ、時には友達の力を借りる事も、決して間違いじゃない筈よ!」

 

 時には仲間達の支えが大事な事を、身を持って経験していたかれんは、思わずこまち、のぞみ、りん、うららを見つめて目を細めた。かれんは、れいかに参考になればと、自らの経験談を再び語り始めた。

 

「後、私は、目安箱を設置して、生徒達の意見を募った事があったわね。ほら、口では言えないけれど、文字にしてなら伝えられる人も居るじゃない?それで試しに設置してみたら、意外と好評だったわ!機会があれば、れいかさんの学校でも試してみたらどうかしら?」

 

 れいかは、生徒会で活動していたほのか、生徒会長だったかれんといつきにアドバイスを貰い、嬉しそうに何度も頷くのだった。

 

 

 

 そして、みゆきは・・・

 

「ラブさん達に聞いたんですけど・・・のぞみさんのお父さんって、童話作家さん何ですか?」

 

「うん、そうだよ!ひょっとして、みゆきちゃんってぇ、童話に興味あるの?」

 

「はい!私、絵本やおとぎ話を読むのが・・・子供の頃から、大、大、大好き何です!!」

 

 鼻息荒く、目をキラキラ輝かせながら、絵本とおとぎ話が大好きだとのぞみに伝えるみゆき、それを聞いたのぞみも目を輝かし、

 

「本当?じゃあ、今度私の家に遊びにお出でよ!お父さんが聞いたら大喜びするよ!!あっ、私のお父さん、夢原勉って言う童話作家なの・・・そんなに有名じゃないかも知れないけど、本屋さんで見掛けたら読んで見てね!!」

 

「はい!絶対、絶対、絶~~対読みます!!」

 

 目をキラキラ輝かせるみゆきに、ありがとうとみゆきの手を取り、目をキラキラさせるのぞみ、遠目に見ていたこまち、くるみ、満、薫、美希、祈里、えりかは、

 

「あの二人・・・似てるわね?」

 

「ええ、何だか他人って気がしないわね・・・」

 

「本当、姉妹って言われても、納得しちゃうよね」

 

「二人共、ドジっぽい所もそっくりよね・・・」

 

 顔を見合わせて頷き合う満、薫、えりか、くるみを見て、こまちは苦笑を浮かべると、

 

「満さん、薫さん、えりかさん、くるみさん、ドジっぽいは・・・言い過ぎだと思うわよ?」

 

 側に居た美希と祈里もそんなやり取りに苦笑しながら、

 

「まあ、あたし達も最初に会った時、みゆきちゃんは、のぞみそっくりな気はしたんですけどね」

 

「確かにそうだけど・・・でもあの二人、本当に楽しそう!」

 

 一同の視線が再びのぞみとみゆきを見つめる。そんな一同に気付かず、のぞみとみゆきは共に親近感を覚え、一層仲良くなるのだった。

 

 

 先輩達と親睦を深め合ったみゆき達、一同は、横浜スタジアムの隣にある横浜公園を出ると、大さん橋通りを通り、玄武門を潜り、善隣門から横浜中華街へと入って行った・・・

 

 今回は急遽決った事もあり、色々歩き回りながら、三十人の大所帯が入れそうな広東料理の中華店を選ぶと、少し早めの昼食を取った。まだ開店して間もなかった為か、30人の大所帯で中華料理店に入っても、待つ事なく席に座れた。なぎさがみんな仲間だと伝えると、店の人達が親切な人で、座席数が40人分しか無いからと、一同の貸し切りとしてくれた。

 

 歓迎会の幹事であるなぎさ、ほのか、ゆり、かれん、こまちの五人が、それぞれ別れてテーブルに座り、仲間達がランダムに五人ずつ座った。

 

 なぎさと同じテーブルに座るのは、満、のぞみ、くるみ、美希、えりかの五人

 

 ほのかと共に座るのは、舞、うらら、つぼみ、奏、あかねの五人

 

 ゆりと共に座るのは、薫、りん、せつな、アコ、やよいの五人

 

 かれんと共に座るのは、咲、祈里、いつき、響、れいかの五人

 

 こまちと共に座るのは、ひかり、ラブ、エレン、みゆき、なおの五人

 

「前回は失敗したからねぇ・・・かえってラーメンの方が安上がりだったと悟ったわ!」

 

「なぎさ・・・みっともない事言わないで!折角お店の人達が気を効かせてくれたのに・・・恥ずかしいよぉぉ!!」

 

 ほのかは恥ずかしそうに俯きながら、隣のテーブルに居るなぎさを注意するも、

 

「エェ、でもさぁ・・・みんな、ご飯のお代わりは自由だから、ご飯は遠慮無く食べてねぇ!!他のは、絶対駄目だよ!!!」

 

 なぎさが特にのぞみ達を見つめて念を押すと、ほのかは益々恥ずかしそうに俯き、頬を膨らませてなぎさを見つめた。

 

 ゆりは溜息を付くと、ほのか、かれん、こまちを手招きし、同意を得ると各テーブル3000円のコース料理を注文する。なぎさはエェと驚くも、ほのか達に、コース料理の方がお得でしょうと諭されると、そんなものかしら?と小首を傾げながらも同意した。

 

 回転テーブルの上に次々に運ばれてくる中華料理の数々に、一同から歓声が沸き上がる。えりかは嬉しそうに回転テーブルをグルグル回し、くるみと美希に怒られたり、なぎさ、咲、のぞみ、うらら、りん、響、なおは、美味しい中華料理の数々に食欲が進み、見る見る料理が減っていき、同席している他のメンバーが呆気にとられるなど、少女達は、中華料理を和気藹々と味わいながら、新たなる仲間、みゆき達五人を歓迎するのだった・・・

 

 そして、妖精達もテーブルの下で、ルセンも交えて親睦を深めていった・・・

 

 

 

2、みゆき、逸(はぐ)れる・・・

 

 楽しい食事会も終り、一同は中華街に別れを告げると、再びアンデ捜索の為、山下公園方面へと向かって歩いていた。

 

「あんた達の胃袋は化け物かぁ!合流する前にも中華街で食べてたそうじゃない!かれんとこまちが居てくれなかったら・・・今月のお小遣いがパァになる所じゃないよ!!」

 

 変顔を浮かべながら、なぎさがのぞみ、りん、うららを見つめ文句を言うと、

 

「いやぁ、奢りと聞くと、お腹の方が何時も以上に元気になって・・・ねぇ、のぞみ!」

 

「うん!凄く美味しかったよ!!でも、もうちょっとデザートはいけたかも!?」

 

「そうですね、デザートは別腹ですし!」

 

「まあ、確かに奢りだと何時も以上に食欲出るよねぇ・・・」

 

 ウキウキしながら先程の料理の事を思い出す三人、なぎさもウンウン頷くと、かれんとこまちは苦笑を浮かべながら、

 

「でも、のぞみさん達に負けず劣らず、なおさんも結構大食漢なのね?」

 

「そうね、のぞみ達と良い勝負する人なんて・・・なぎささんや、響ぐらいなものだと思ってたわ」

 

「イヤァ・・・育ち盛りなもので!」

 

 こまち、かれんが苦笑を浮かべながらなおを見つめると、なおは少し照れながら、右手で髪を撫でると、変顔を浮かべたあかねが呆れたように、

 

「ホンマ、よう食っとたなぁ・・・見てたウチらまで食い過ぎた気がしたわ」

 

「なおは昔から食欲旺盛でしたから・・・」

 

「えぇ、そうかなぁ!?れいかがあんまり食べないんじゃないの?」

 

 小首を傾げるなおに、あかねとれいかは苦笑を浮かべた。のぞみは何かに気付いたかのように、なおとれいかに話し掛けると、

 

「そう言えば、なおちゃんとれいかちゃんって、幼馴染みなの?」

 

「エッ!?はい、幼馴染みです!親同士も知り合いだったそうですし・・・」

 

「なおのお父様が、私の家の改築にいらした頃からの知り合いだとか、お母様達と年も近かったそうで、家族ぐるみの交流をしていて、私となおは、同じ年と言う事もあって、物心付いた時には一緒に遊んでいました!」

 

 当時を思い出すように顔を綻ばせていくなおとれいか、なおの父親である源次は、若い頃から腕の良い大工職人だったようで、その腕前を、れいかの祖父曾太郎は大変気に入り、何かあれば源次に仕事を頼み、緑川家と青木家は家族ぐるみの交流をするようになっていた。なおの母とも子と、れいかの母静子も気が合うようで、二人は、幼いなおとれいかをだしに、お互いの家に行き来していた程であった。

 

「鬼ごっことか良くやったよねぇ」

 

「あの頃からなおは脚が速かったですから、ほとんど私が鬼になってましたけど」

 

「アハハ、見かねた家のお父ちゃんや、れいかのお爺ちゃんやお兄ちゃんが鬼になって遊んでくれたっけ?」

 

「私のお母様や、なおのお母様にも遊んで貰いましたね!」

 

「家のお母ちゃんは、今程じゃないけどあの体型だから、先ず捕まらなかったけど、れいかのお母さんは凄かったよねぇ・・・まるで動きを読まれているかのように、あたし達、直ぐ捕まったよね!」

 

「お母様は、合気道をやってますから・・・」

 

 なおは、そうそうと言いながら笑みを浮かべ頷いた。更に思い出話は続き、

 

「小さい頃は、良くれいかのお爺ちゃんにお菓子とか貰ったなぁ・・・」

 

「お爺様は、なおの事がお気に入りのようで、中学生になってからあまり家に来なくなったのを、寂しがってましたよ」

 

「そうなの?あたしも弟や妹達の面倒見なくちゃいけないから、れいかの家にも殆ど行かなくなったからねぇ・・・また、遊びに行きますってお爺ちゃんに伝えておいて!」

 

「はい!お爺さまも喜びますわ!!」

 

 なおの言葉にニコニコ微笑むれいかだったが、祖父の話題が出た事で何か思い出したのか、

 

「お爺さまと言えば、勝手に二人でお爺様の部屋に入った時、お爺さまが戻られて慌てて隠れた事がありましたねぇ・・・」

 

「そんな事もあったね・・・かくれんぼと言えば、れいかの方が得意だったじゃない!」

 

「ええ!なおはあの頃から虫嫌いで、隠れていても悲鳴を上げていましたから、直ぐ分かりました!!」

 

「もう!虫嫌いになったのは、れいかにも責任あるんだからねぇ?」

 

「エッ!?そうだったかしら?」

 

 顔を見合わせ、昔を思い出して笑い合うなおとれいか、そんな和やかなやり取りを見たのぞみとりんは、自分達も幼い日を思い出したかのように、顔を見合わせ微笑むと、

 

「へぇ、私やりんちゃんと一緒だね!家のお母さん達、学生時代からの親友だった縁で、私とりんちゃんも、物心付いた頃からの幼馴染み何だよ!ねぇ、りんちゃん!!」

 

「そう、腐れ縁って奴よね・・・ラブ、美希、祈里もそう、響と奏もそうだし」

 

「私とハミィもそうよ!ねぇ、ハミィ?」

 

 エレンがハミィを抱き上げ微笑み掛けると、ハミィも嬉しそうに微笑み返した。あかねはそんなエレンに驚いたようで、

 

「ね、猫と幼馴染みって・・・何やねんそれ?」

 

「ああ、エレンは今でこそこの姿だけど、元々はメイジャーランドの妖精で、黒猫の姿をしてたんだぁ・・・」

 

「「「「エェェ!?」」」」

 

 響がエレンとハミィの関係をあかね達に語ると、あかね、やよい、なお、れいか、四人は顔を見合わせ驚くも、ある事に気付き驚愕する。辺りをキョロキョロ見渡すと、

 

「あれ!?そういえば、みゆきが居らへん・・・みゆきぃぃ!何処や?」

 

「「みゆきちゃぁぁん!!」」

 

「みゆきさぁぁん!!これだけ呼んで返事が無いという事は・・・」

 

 あかね、やよいとなお、れいかがみゆきの名を叫ぶものの、みゆきからの返事は返って来なかった。四人は見る見る顔色を変えると、

 

「アカン・・・みゆきの奴、迷子になりおった!!」

 

「エェェェェェ!?」

 

 辺りをキョロキョロするも、みゆきの姿が見つからず、額から冷や汗を流しながらあかねがパニクると、他のメンバーも一斉に驚きの声を上げた。

 

「エッ!?何時はぐれたんだろう?」

 

「お店を出た時には、確かにみゆきさんが居たのは覚えているのですが・・・」

 

 なぎさが何時はぐれたのか記憶を辿らせていると、中華料理店を出た時には確かに居たとれいかが答える。

 

 少女達は歩みを止め、後ろを振り返り呆然としていた・・・

 

 

 

 その頃、みゆきはまだ一人中華街に残って居た・・・

 

 何気に見た、店先の看板に出ていた絵本の文字に釣られたみゆきは、ヒョイと店内に入ると、中国の絵本が目に入り、興味深げに本を手に取り表紙と睨めっこをしていた・・・

 

「ヘェ、中国の絵本何て初めて見たぁ!う~ん、でも漢字ばっかりでよく分からないなぁ・・・」

 

 絵本を元の場所に戻し、店内を一通り見た後店を出たみゆきだったが、仲間達の姿は消え失せていた。

 

「エェェ!?みんな、何処行っちゃったの?」

 

 不安そうに辺りをキョロキョロするみゆき、まだこの辺に居る筈だとみゆきは急いで走り出した。だが、地理に詳しくないみゆきが走り出した方角は、山下公園では無く、元町ショピングモールへと向かっていた。

 

「ウエェェン!みんなぁ、何処?」

 

 半べそ掻きながら走り続けるみゆきは、一人の少女とぶつかってしまい転倒する。

 

「ゴ、ゴメンなさい!」

 

 ツインテールの少女がみゆきに謝ると、その場から逃げるように足早に去って行った。みゆきは起き上がると、服に付いた汚れを払い、

 

「あっ、待ってぇぇ!!」

 

 足早に去った少女を、何故か追いかけ始めたみゆき、少女は後ろを振り向くと、血相変えたみゆきを見て驚き、思わず走り出し逃げ出した。

 

(な、何!?私、ちゃんと謝ったよね?何で追ってくるのぉぉぉ!!)

 

 逃げている少女は坂上あゆみ、あゆみは、キューちゃん事アンデに話し掛けていてみゆきにぶつかったと思い、アンデを慌ててポシェットに隠しその場を去ったのだが、ぶつかったみゆきが追いかけてくる。あゆみはそんなに脚が速い方では無かったが、懸命にみゆきから逃げ続ける。

 

 

 一方、みゆきを捜していた一同、人数を三グループに分けてみゆきを探索していた。なおはれいかと共に、咲と舞、のぞみとりん、美希、つぼみとえりか、響と奏達と、元町方面を捜していた。

 

「みゆきちゃん・・・何処に行ったんだろう?」

 

「ええ、無事で居てくれれば良いのですが・・・」

 

「みゆきちゃん・・・大丈夫かなぁ?」

 

 みゆきの身を案じるなおとれいか、のぞみも心配そうに辺りをキョロキョロしていると、変顔を浮かべたえりかが、何かに気付き指さし、

 

「ねぇ、あれって・・・みゆきじゃないの?」

 

「エッ!?ど、何処?」

 

 なおとれいかが、顔色変えてえりかが指さす方を見ると、道路を挟んだ反対側の通りを、みゆきが全速力で走っている姿が目に入った。

 

「何か、前の女の子を追いかけているみたいですねぇ?」

 

「ひょっとして、あの女の子に何か盗られたとか?」

 

 つぼみと奏の言葉に即座に反応し、なお、咲、りん、響が、みゆきの後を追って走り出す。

 

「アッ、まだそうと決った訳じゃ・・・って、行っちゃったわ」

 

「私達も追いかけましょう!!」

 

「エェ!?響達に追いつけるかなぁ?」

 

 美希は、みゆきの後を追った一同を呆れ顔で見つめ、舞が自分達も後を追おうと告げるも、奏の言葉を受け、確かに、足の速いあのメンバーに追いつけるだろうかと思うのだった・・・

 

 

 ハァハァ呼吸を荒くしながら逃げ続けるあゆみ、もう振り切ったかと後ろを向くと、みゆきはまだ追って来ていた。しかも、その後ろから物凄い速さで駈けて来る集団を見て、あゆみの顔が引き攣ってくる。

 

「な、何か増えてるよぉぉぉ!?」

 

 イヤァァァと叫びながら逃げ続けるあゆみ、待ってぇと叫びながら追うみゆき、雄叫びを上げながら、みゆきに追い付こうと必死ななお、りん、響、少し遅れて咲、その一団を、美希からの知らせを聞いて元町にやってきた他のメンバーが見付ける。

 

「見付けた!あれね・・・ヨッシャァ!私も行くよ・・・ドリャァァァァ!!!」

 

 変顔を浮かべたなぎさが、雄叫びを上げながら物凄い速さでなお達に合流する。みゆきを探しに来た筈が、駆けっこをしているような一同を見て、思わずこまち、かれん、ひかり、満、薫、祈里、アコ達は呆然としていた。

 

「止めなくて良いのかなぁ?」

 

「放っておきなさい・・・その内目的に気付いて戻って来るわよ!それより、つぼみ達やほのか達と合流する方が先よ」

 

 キョトンとした顔をするいつきに、ゆりは、放っておけばその内戻って来るでしょうと苦笑混じりに呟いた。

 

 

 

「「「「ドリャァァァァ!!!」」」」

 

 なぎさ、りん、響、なおの四人が、一気にみゆきを追い抜き、あゆみを抜き去り前に出ると、素早く振り返りあゆみの行く手を阻んだ。

 

「キャァァァ!」

 

 あゆみはスピードを緩め思わずしゃがみ込み、みゆきを抜いた咲は、立ち止まっている四人に気付き、変顔を浮かびながら、

 

「エッ!?みんなぁぁ!退いてぇぇぇぇ!!」

 

 勢いを止められない咲が、そのまま四人にぶつかり転倒すると、目を回すなぎさ、咲、りん、響、なおの五人、ハァハァ荒い呼吸を繰り返しあゆみに追いついたみゆきは、

 

「よ、ようやく追いついたぁ・・・ハァ、ハァ、さ、さっきはゴメンね!荷物、大丈夫だった?」

 

「エッ!?ひょっとして・・・それを言う為にわざわざ追いかけて来たの?」

 

「うん!何か大事な物でも入ってるのかなぁと思って・・・」

 

 ニッコリ微笑みながら謝るみゆきを見て、あゆみは思わず呆然としていると、

 

「な、何だぁ!あたし達、てっきりみゆきちゃんがその子に何か盗られて追いかけて居るのかと・・・」

 

「エッ!?違う、違う!」

 

 背後の方で安堵したようになおが声を掛けると、みゆきは慌てて首を振って否定する。なぎさは、気まずそうな表情を浮かべながら、あゆみに近づき声を掛けると、

 

「驚かせてゴメンね!もう、咲、りん、響、なお、反省しなさい!!」

 

「エェ!?なぎささんだって、一緒に叫びながら追いかけてたじゃないですかぁ?」

 

 響が恨めしそうになぎさに文句を言うと、咲、りん、なおが、変顔を浮かべながら無言で響の言葉に同意して何度も頷く、なぎさはアハハと誤魔化し笑いを浮かべながら、

 

「イヤァ・・・つい夢中になって・・・」

 

「「「「「脅かしてゴメンなさい!!」」」」」

 

 なぎさ、咲、りん、響、なおが、改めて頭を下げて詫びると、あゆみは苦笑を浮かべながらいいえと言って五人に答えた。

 

「じゃ、じゃあ、急いでますんで!」

 

 あゆみは慌ただしくその場を去ろうと、みゆきと擦れ違った時、みゆきの視線に、あゆみのポシェットの中から、ルセンと似た黄色い物体を見て思わず驚く、その間にもあゆみは歩を進め、港の見える丘公園方面へと去って行った。

 

 呆然としながらあゆみの去った場所を見ていたみゆきに、

 

「もう、みゆきちゃん!何処行ってたの?心配したんだからね!!」

 

「せめてどっか寄るなら、誰かに声を掛けなきゃ・・・」

 

 膨れっ面したなおがみゆきを窘め、りんからも注意され、トホホ顔を浮かべたみゆきが、五人にゴメンなさいと謝る。

 

「まあ、無事に見つかって良かった・・・じゃあ、みんなの所に戻ろう!!」

 

 なぎさの言葉に頷き、なおはみゆきの肩に手を触れ微笑み掛ける。再び元来た道を戻り始めた五人に、後ろを振り返ったみゆきは、何かを決心すると、

 

「皆さん!私、さっきの子にまだ用事があるんで、あの子の後を追いかけてみます!!」

 

 みゆきが再び走り出すと、五人は慌てながら振り返り、りんはみゆきの行動を見て、

 

「全く、あの子はのぞみに似て・・・みゆき!そっちの方角に港の見える丘公園ってあるから、そこの入り口に居なさい!!みんなを連れて向かうから!!!」

 

「はい!分かりました!!」

 

 りんの言葉に、後ろを振り返り手を振ったみゆきが、あゆみの後を追い始める。りんは、その後ろ姿を渋い表情を浮かべながら見つめると、

 

「場所さへ分かっていれば、最悪せつなのアカルンの力で、何とかみゆきを見付けられると思うけど・・・」

 

「そうだね、取り敢えずみんなを呼ぼう!」

 

 なぎさは携帯を手にすると、ほのかに電話を掛け、今までの顛末を報告し、こちらに来るように伝えるのだった・・・

 

               第四十五話:親睦を深める少女達

                      完

 

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