プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第五十七話:ジョーカーの罠

1、ジョーカーの作戦

 

 ピーちゃんの機転で、ロボニナールが壊れた事で元に戻れた一同、ロボになっていたルミナス、ブルーム、ドリーム、ベリー、マリン、メロディ、そして、ハッピーに奇妙な友情が芽生えた。

 

 変身を解いた少女達・・・

 

 やよいは、何とかロボッターDXを購入出来てご満悦だったが、りんは複雑な表情を浮かべると、

 

「ねぇ、あたし達・・・結局七色ヶ丘に何しに来たんだろう?」

 

「本当よ!ロボットにされるわ・・・そう言えば、タルトぉぉ!!」

 

「美希たん!タルトなら・・・シフォンと先に帰ったよ!」

 

「何ですってぇぇ!?」

 

「「「まあまあ・・・」」」

 

 有耶無耶になっていた、タルトに文句を言う事を思い出した美希だったが、タルトは危険を察知し、早々に逃げ帰っていた。ラブ、祈里、せつなが、何とか美希を宥め、一同は苦笑を浮かべた。

 

「皆さん、ありがとうございました!」

 

「ロボットになった時はどうなっちゃうのぉぉと思ったけど・・・皆さんのお陰で無事に済みました!」

 

「本当に、一時はどうなる事かと冷や冷やしたよ」

 

「本当、何とかロボッターDXを買えて良かったぁ!」

 

「そっちのロボットかぁ!?・・・せや、折角七色ヶ丘に来たんやからぁ、みんなウチの店に寄って行かへん?」

 

 れいか、みゆき、なお、やよい、そしてあかねに感謝を述べられた一同、あかねは折角来てくれたから、自分のお好み焼き屋に来ないか誘うと、のぞみ、りん、うらら、咲、響は大喜びで同意するも、

 

「こんなに大勢で押しかけたら、迷惑じゃないかしら?」

 

「そうですね・・・」

 

 ゆりとひかりは、これだけの大人数で押しかけては、迷惑ではとあかねに遠慮するも、まだ時間が早いから大丈夫だと伝えた。折角の誘いを断るのも悪いと思った一同は、あかねの店へと向かった・・・

 

 流石に本場仕込みのお好み焼きの味は最高で、皆ニコヤカにお好み焼きを堪能し、かれんとこまちは、のぞみがお代わりなどしないように見張りながら食べていた。妖精達も、見えない場所でお好み焼きを味わい、楽しい一時は過ぎていった・・・

 

 

 

「あかね、御馳走様!ご両親にもよろしく言っておいてね!!」

 

「こちらこそおおきにぃ!みんなも気ぃつけて帰ってやぁ!!」

 

 ゆりが代表して改めてあかねに礼を述べ、あかねもみんなに気をつけて帰るように促した。みゆきはあゆみを見つめると、

 

「あゆみちゃん、折角来たから、私の家にでも泊まって行かない?」

 

「そうだよ!明日は日曜だし、ロボッターでも見て徹夜でも・・・」

 

「なんでやねん!」

 

「それじゃ泊まりに来る意味無いでしょう?」

 

 やよいは、徹夜でロボッター鑑賞会でもしようと提案するも、あかねとなおに即座に却下される。

 

「アハハ・・・エ~と、お母さんに聞いてみないと分からないけど・・・ちょっと電話して聞いてみるね」

 

 あゆみは携帯から母に電話して、みゆきの家に泊まっても良いか問うと、あゆみの母は快諾してくれて、あゆみはこの日、星空家に泊まる事になった。

 

「じゃあ、私達は帰るわね!あゆみ、みゆき達が一緒なら、明日は私が顔を出さなくても大丈夫そうね!?」

 

「はい!せつなさん、何時もありがとうございます!」

 

「ううん・・・じゃあ、みゆき、あかね、やよい、なお、れいかも、またね!」

 

「バイバイ!!」

 

 一同が手を振りながら、七色ヶ丘から帰って行った・・・

 

 

 

 みゆきの家に着いたあゆみは、みゆきの父博司、母育代に歓迎されていた。

 

「折角家に泊まりに来てくれたのに、何のお持てなしもしないのは気が引けるわぁ・・・みゆき、本当にお夕飯要らないの?」

 

「うん!あかねちゃんのお家で、みんなでお好み焼き御馳走になったから要らない!!」

 

「そう・・・じゃあ、冷蔵庫にプリンが入ってるけど、それも要らない?」

 

「アァァン!それは食べるよぉぉぉ!!」

 

「ウフフ、ちゃんと取って置いて上げるから、先にあゆみちゃんとお風呂にでも入ってらっしゃい!!」

 

「ハァァイ!」

 

 みゆきは自分の部屋にあゆみを連れて行くと、あゆみは部屋を見渡し、前にみゆきに聞いていた通り、みゆきの部屋は絵本が一杯置いてあるのを見て驚く、

 

「本当にみゆきちゃんは・・・絵本が好きなのねぇ?」

 

「うん!あゆみちゃん、私がまだ使ってない下着があるから、それでも着る?」

 

「良いの?じゃあ、お言葉に甘えて!」

 

「キャンディ、ポップも一緒に入る?」

 

 みゆきに一緒にお風呂に入るか聞かれたポップは、頬を染めるや、

 

「エェェ!?せ、拙者は、武士(もののふ)!みゆき殿やあゆみ殿と共になど・・・入れないでござるよぉ」

 

「キャンディは、みゆきとあゆみと一緒に入るクルゥ!」

 

 キャンディは、みゆきの着替えの上にチョコンと座ると、ぬいぐるみの振りをしてみゆきとあゆみと共に浴室へと消えて行った。

 

 ポップは、デコルデコールを取り出すと、感触深げに中に入っているキュアデコルを見つめた。みゆき達五人を始め、他のプリキュア達の協力も得て、数ヶ月の間で残り一つになるとは想像以上の早さだった・

 

「残るキュアデコルは・・・後一つ!これもみゆき殿を始めとする、プリキュア達のお陰!!ロイヤルクイーン様、あと少しでござるぞぉぉ!!」

 

 目に浮かんだ涙を、ポップは拭い去った・・・

 

 浴室からは、楽しげな少女達の声が響き渡っていた・・・

 

 

 

 バッドエンド王国・・・

 

 ピエーロ復活の目盛りを刻むカウンターの前で、ジョーカーは険しい表情を浮かべていた・・・

 

 戦力を繰り出して挑んだバッドエンドVが敗れた事は、ジョーカーに取っても誤算ではあったのだが・・・

 

(私とした事が、少々お遊びが過ぎましたかねぇ?プリキュア達は、既に15個のキュアデコルを手に入れ、残りはこの一つ・・・ですが、彼女達が浮かれている今こそ、こちらが仕掛けるには最高のタイミング!それには、他のプリキュア達が邪魔ですねぇ・・・)

 

 ジョーカーは、手元に残る最後のキュアデコルを見つめ、何かを思案すると、三幹部、三人の魔人を呼びつけた・・・

 

「ジョーカー!何のようだ?」

 

「我らまで呼び出すとはどういう了見だ?」

 

 ウルフルンとディクレが、ジョーカーの真意を読めず尋ねると、振り向いたジョーカーの目は赤く輝き、

 

「皆様方にも協力して頂こうと思いましてねぇ・・・先ずはアカオーニさん、キュアデコルを受け取りなさい」

 

「オニ!?」

 

 アカオーニは、ジョーカーから最後のキュアデコルを受け取ると、ジョーカーの目は妖しく輝き、

 

「それが最後のキュアデコルです!それをあなたに託しましょう・・・キュアハッピー達を、それで倒してらっしゃい!!」

 

 アカオーニは鼻息荒く必ず仕留めると豪語するも、ウルフルンとマジョリーナは、自分達が行くと進言するも、ジョーカーは首を振り、

 

「あなた方二人と、ディクレさん、サディスさん、ベガさんには・・・他のプリキュア達の足止めをして頂きたいのです!!」

 

「足止め!?」

 

「どういう事だい?」

 

 ウルフルンとサディスが眉根を顰める中、ジョーカーの目が再び妖しく輝き、

 

「これは命令です!!客分としてこの地に居られるあなた方三人とはいえ・・・従って貰いますよ!!」

 

 アカオーニを除く一同は、内心不服ではあった・・・

 

 だが、ジョーカーが発するプレッシャーは、それを上回り、一同はジョーカーの進言を聞き入れる以外無かった・・・

 

「時間は明日の朝・・・向こうの世界の時間で午前9時!プリキュア達の住む街に、同時に攻撃を仕掛けます!!特にキュアハッピー達の下へは・・・絶対に近づけないようにして下さい!!」

 

 鬼気迫るジョーカーの企みが、着々と進行して行こうとしていた・・・

 

 

 

2、さらわれたキャンディ!

 

 翌朝・・・

 

 みゆき達は、不思議図書館にあゆみを案内していた。沢山の本が置いてある不思議図書館を見て、あゆみは驚愕していた・・・

 

「一杯本があるのねぇ・・・」

 

「凄いやろう?ウチらも最初見た時は驚いたわ!」

 

「此処にある本・・・みんな読んで見たいなぁと思ってるんだぁ!」

 

 あかねが、みゆきが、ニコニコしながらあゆみに話掛ける。あゆみはポケットに手を入れると、アンデとルセンの形見ともいえる金色の球体を握りしめ、

 

(アンデとルセンにも、見せて上げたかったなぁ・・・)

 

 キャンディは、そんなあゆみの胸中を知ってか知らずか、

 

「ルセンは本を読むのが大好きだったクルゥ!アンデは長い間読んでると・・・寝ちゃったクルゥ」

 

「ウフフフ、何となくアンデらしいわね・・・」

 

 あゆみはキャンデイの言葉を聞き、思わずクスリと笑みを浮かべた。みゆきは一同を見回し、ポップを見ると、

 

「ねぇ、ポップ!あゆみちゃんにも、この場所に何時でも来られるように、行き方を教えて上げても良いかなぁ?」

 

「勿論!構わないでござる!!何だったら、先生氏に教えても構わないでござるよ!二人共、立派にみゆき殿達の仲間でござるから」

 

「そうだね・・・ありがとう、ポップ!」

 

 ポップに取って、あゆみは勿論、佐々木先生も立派にみゆき達プリキュアの仲間だと告げ、顔を見合わせた五人は嬉しそうに微笑んだ。

 

 みゆき達が仲良くティータイムを過ごしていた頃、ジョーカーの作戦が始まろうとしていた・・・

 

 咲達の町にウルフルンが・・・

 

 のぞみ達の町にサディスが・・・

 

 ラブ達の町にマジョリーナが・・・

 

 つぼみ達の町にディクレが・・・

 

 響達の町にベガが・・・

 

 そして、七色ヶ丘にアカオーニが現われた・・・

 

 ジョーカーは、ブラックとホワイトが居ない今、ルミナスにさしたる脅威を感じず、彼女の住む町に攻撃を仕掛ける事は無かった。例えルミナスが気付いても、彼女には直ぐに救援に向かえる手段は無いと読んでいた。

 

「さあ、素晴らしいショーの始まりですよぉぉ!!」

 

 三幹部がバッドエンド空間を発生させれば、サディス、ベガ、ディクレが、負の力を撒き散らし人々の気を失わせる。異変に気付いた一同が駆けつけ、目の前に居る敵に驚愕し、表情を引き締めた。

 

 咲達が・・・

 

 のぞみ達が・・・

 

 ラブ達が・・・

 

 つぼみ達が・・・

 

 響達が・・・

 

 一同がプリキュアに変身し迎え撃った・・・

 

 不思議図書館で異変を感じたみゆき達も、あゆみを伴い駆けつけるや、郵便ポストをアカンベェに変えたアカオーニと対峙した・・・

 

「今度こそお前達を倒すオニ!!」

 

「そうはさせない!みんな!!」

 

「「「「エエ!!」」」」

 

「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」

 

「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!!」

 

「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!!」

 

「ピカピカぴかりん!じゃんけん・・・ポン!キュアピース!!」

 

「勇気リンリン、直球勝負!キュアマーチ!!」

 

「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!!」

 

「「「「「5つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!!」」」」」

 

 五人のプリキュアが、アカオーニとアカンベェに対しポーズを決めた!

 

「みんな、頑張ってぇぇ」

 

 キャンディ、ポップと共に、少し離れた場所でハッピー達を見つめるあゆみ、その三人の姿を上空から見つめていた者が居た。ジョーカーである・・・

 

(アカオーニさんなどに、期待はしていませんよ!精々プリキュア達を油断させる囮になって下さい!しかしあの妖精・・・この前見た時のあの力、調べて見る必要がありそうですねぇ・・・)

 

 キャンディを見つめるジョーカーの口元が、ニヤリと笑みを浮かべた。

 

「妖精さん!坂上さん!」

 

「アッ!佐々木先生!!」

 

 ハァハァ言いながら掛けてきた佐々木先生が、三人に手を振りながら近づき、ハッピー達が戦って居るアカオーニを見ると、

 

「な、何!?鬼?あの子達、あんな怪物とも戦って居るの?」

 

「あれはバッドエンド王国のアカオーニでござる!」

 

 佐々木先生は、京都でアカオーニと入れ違いになっていたので、アカオーニの存在を初めて見ていた。棍棒を持ち、寅の腰巻きを着ているアカオーニを見て、佐々木先生は、子供の頃読んだ絵本に出てくるような姿を見て驚愕する。

 

「全く、昨日コテンパンにしたったのに、こりないやっちゃなぁ!?」

 

「うるさいオニィ!昨日の怨みも晴らすオニィィ!!」

 

 アカンベェに更なる指示を出すアカオーニ、ジョーカーに期待されていると言う事は、ピエーロにも期待されていると勘違いし、何時になく気合いが入っていた。

 

 アカンベェは口から手紙を手裏剣のように吐き出し攻撃を加えるも、マーチが拳を操り手紙手裏剣の軌道を変え、サニーが炎で燃やし尽くした。ドヤ顔を浮かべた二人であったが、アカンベェは、更に大量の手紙手裏剣とはがき手裏剣を吐き出し、慌てて二人が回避し、ピースの雷が、手裏剣の群れを駆逐し、ビューティの冷気がアカンベェの足下を凍り付かして動きを封じた。

 

「ハッピー!今です!!」

 

「プリキュア!ハッピ~~シャワ~~!!」

 

 ビューティの合図を受け、ハッピーシャワーをアカンベェに放つと、動けないアカンベェは、為す術無く浄化された。

 

「グヌウゥゥゥ・・・プリキュア!覚えてるオニィィ!!」

 

 悔しそうに地団駄踏みながらアカオーニが撤退し、バッドエンド空間は解除された。ハッピーは、落ちてきた最後のひまわりのキュアデコルをゲットすると、

 

「最後のキュアデコル・・・」

 

「「「「「ゲットォォ!!」」」」」

 

 五人が満面の笑顔を浮かべながらキュアデコルを手にすると、キャンディも、ポップも、嬉しさが一杯で一同に駆け寄った。あゆみと佐々木先生も顔を見合わせ合いながら笑顔を向け、一同の下へと歩いて行った。

 

 一同は変身を解くと、人気の無い場所へと移動し、みゆきは、最後のキュアデコルをポップに手渡した。ポップは涙目を浮かべながら、

 

「皆の衆、何度感謝しても足りんでござる・・・本当にありがとうでござる!!」

 

「どう致しまして!!そうだ!気分を盛り上げてぇ・・・」

 

 みゆきは、デコルデコールから星のデコルを取り出すと、スマイルパクトにはめ込み、辺りを星の流星が照らした。

 

「夜ならもっとキレイ何だけどねぇ・・・」

 

「ウフフ、さあ、ポップさん!」

 

 れいかに促され、ポップがデコルデコールに嵌め込んだ瞬間、突風が辺りに巻き起こり、一同は思わず表情を崩し、突風が通り過ぎるのを待った。

 

 目を開けた時、一同は驚愕する・・・

 

 目の前にあったデコルデコールが消え失せていたのだから・・・

 

「みんなぁ・・・キャンディの姿が見えないよ!」

 

「「「「「「「エェェ!?」」」」」」」

 

 みゆきの言葉を受け、辺りを必死な形相で捜す一同に、上空から笑い声が響き渡った。

 

「ウフフフフ!皆さん、お疲れ様でしたぁ!!確かにキュアデコルは返して頂きましたよぉぉ!!」

 

「「「「「ジョーカー!?」」」」」

 

 ジョーカーが現われ、デコルデコールを奪った事に驚愕するみゆき達とポップ、佐々木先生は、険しい表情を浮かべながらジョーカーを見つめ、

 

「それはこの子達のでしょう!返しなさい!!」

 

「と、言われて返すバカは居ないでしょう?そうそう、この妖精も頂いちゃいましたから!!」

 

「「「「「「「キャンディ!!」」」」」」」

 

 一同の表情が真っ青になった・・・

 

 一同は油断していた・・・

 

 この状況でジョーカーが襲撃してくるとは、予想だにしていなかった・・・

 

「この妖精さんには、色々聞きたい事がありますのでねぇ・・・」

 

「みゆきぃぃ!みんなぁぁ!お兄ちゃぁぁん!助けてクルゥゥ!!」

 

 泣き叫ぶキャンディを、持っていた巨大な瓶に閉じ込めたジョーカーは、スマイルパクトを手にした一同を威嚇するように、

 

「動かない方が身の為ですよ?あなた方に取っても、この妖精に取ってもねぇ・・・私がこの瓶を割ってしまえば・・・この妖精は、あなた方の目の前で粉々になるのですからねぇぇ!!」

 

 ジョーカーの言葉に、咄嗟に固まるみゆき達五人、皆口々にキャンディとキュアデコルを返してと訴えるも、当然ジョーカーは聞く耳を持たず、

 

「返して欲しいですかぁ?だったら・・・バッドエンド王国まで取り返しにいらっしゃい!尤も、あなた方が来られればですけどねぇ?」

 

 泣き叫ぶキャンディ、トランプの舞いと共に二人の姿は上空から消え失せた・・・

 

 呆然とする一同はその場で膝を付き、キャンディの名を呼び続けた・・・

 

 佐々木先生も、あゆみも、泣き叫ぶ彼女達に掛ける言葉を失っていた・・・

 

 涙を拭ったみゆきは立ち上がると、

 

「行こう!バッドエンド王国に!!キャンディを、キュアデコルを取り返しに!!」

 

 みゆきの言葉にハッした表情を浮かべた一同、

 

「せやなぁ・・・一丁乗り込んだろうやないかぁ」

 

「うん!怖いけど・・・私、頑張る!!」

 

「みんなの力を合わせれば・・・きっと取り返せる!!」

 

「急ぎましょう!ジョーカーにどんな目に合わされるか分かりません!!」

 

 あかねが、やよいが、なおが、れいかが、バッドエンド王国に乗り込むと告げると、あゆみは居ても経っても居られず、

 

「お願い!私も連れて行って!!アンデとルセンの分まで・・・キャンディの側に居て上げたいの!!」

 

「あゆみちゃん・・・ウン!!」

 

「皆の衆・・・忝ない!忝ない!拙者が知る限り、メルヘンランドを経由しない限り、バッドエンド王国には行けない筈でござるが・・・」

 

 大切な教え子達が、バッドエンド王国に乗り込むと聞き、佐々木先生の胸は張り裂けそうだった・・・

 

「ま、待ちなさい!これは罠よ!!危険だわ!!せめて他のプリキュアの仲間に知らせてから、一緒に乗り込むべきよ!!!」

 

 正論である・・・

 

 何時ものれいかならば、佐々木先生と同じ考えが浮かんでいた事だろう。だが、目の前でキャンディを浚われ、どんな目に合わされるか分からない状況で、仲間達を待つ決断は、みゆき達には出来なかった・・・

 

「先生!大丈夫!!必ずキャンディと共に、みんなで帰ってくるから!!」

 

 一同は頷き合うと、ポップは絵本を取りだし、

 

「皆の衆、ではメルヘンランドに向かうでござる!さぁ、絵本の中へ!!」

 

「待ちなさい!!」

 

 佐々木先生が止めるのも聞かず、みゆき、あかね、やよい、なお、れいか、そしてあゆみが絵本の中へと入ると、絵本はメルヘンランド目掛け飛び立って行った・・・

 

「みんなぁぁ・・・」

 

 涙を流しながら、慌てて携帯を取った佐々木先生は、ゆりに電話を掛ける。だが、ディクレと戦って居るムーンライトが電話に出る事は無く、空しく発信音が響き渡っていた。

 

(みんなぁ・・・必ず他のプリキュア達に知らせるから!それまで無事で居て!!)

 

 佐々木先生は携帯電話をギュッと握りしめ、みゆき達の無事を祈るのだった・・・

 

 

                第五十七話:ジョーカーの罠

                      完

 

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