プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第七十一話:ポップの作戦!

1、プリキュアパーティー!?

 

 とある大きな城の中で、黒いドレスに身を包んだ王妃が鏡の前に佇んで居た・・・

 

「鏡よ、鏡!この世界で一番美しいのは・・・だぁ~れ?」

 

 王妃の問い掛けに反応し、鏡が光輝くと、

 

「はい!それは・・・プリキュアでござる!!」

 

「プリキュア!?ござる?・・・プリキュアとは何者!?あたくしは聞いた事も無いわ?」

 

「最近、この世界に現われた美少女達でござる!彼女らが居る限り・・・失礼ながら、王妃様を一番美しいと呼ぶ日は来ないかと・・・」

 

「な、何ですってぇぇぇ!?」

 

 王妃は目を鋭く吊り上げ、鏡の精に不満をぶつけた。鏡の精は、プリキュアをこの城に招待し、一気に追放させるのが一番では無いかと助言すると、

 

「成る程・・・では、プリキュアと呼ばれる者達に、この城への招待状を送る事に致しましょう!」

 

「では、その役目、拙者にお任せ下され!!」

 

 そう言い残すと、鏡は輝きを失い、元の鏡へと戻った・・・

 

 王妃の鏡の中に居たのはポップ、ウルルン、オニニン、マジョリンの四人・・・

 

「どうやら上手く行きそうでござるな?」

 

「白雪姫の王妃は、自分が一番美しくないと気が済まないウル」

 

「それを利用し、プリキュア達を見付けようとは、流石ポップオニ!!」

 

「まだ安心は出来ないマジョ・・・さあ、この招待状に魔法を掛けて・・・プリキュア達に届けるマジョ!!」

 

 絵本の世界にやって来た四人、白雪姫に出てくる王妃を利用し、プリキュア達を一気に見付け出そうと考えたポップ、ウルルン、オニニン、マジョリン達、マジョリンの魔法の力で、手紙が宙に浮かび上がると、絵本の世界に居るプリキュア達へと飛び去った・・・

 

「本当は、絵本の内容を変えかねないこんな方法は、使いたく無かったのでござるが・・・」

 

 キャンディとも連絡が付かず、ポップは苦渋の判断で、白雪姫のお話を利用した・・・

 

 

 

 美希、かれん、奏への失言で、三人からキツイお仕置きを受けたタルトは、放心したかのように呆然と虚空を見つめていた。そんなタルトを無視するように、これからどう行動するか話し合う四人は、

 

「シンデレラなら・・・やっぱりお城の舞踏会に行かなければ、物語は進まないわね」

 

「確かに・・・このまま此処に居ても意味は無いでしょうね」

 

 かれんの言葉に美希も同意し、お城に向かおうとしたその時、四人の下に光輝く手紙がゆらゆらしながら落ちてきた。四人は不思議そうに手紙を見つめながら、

 

「シロップから・・・って事でも無さそうね?」

 

「プリキュアパーティーの招待状!?」

 

 手紙が届いた事で、かれんはシロップからかとも思ったものの、捕らわれているシロップが、手紙を届ける筈も無いと自問し、中身を見た美希は、プリキュアパーティーという文字に困惑した。

 

「差出人は・・・ポップ!?」

 

「どういう事!?ポップはメルヘンランドに居る筈じゃ?」

 

 差出人の名を見たあゆみは、ポップと書かれていた事に思わず驚き、奏も、ポップはメルヘンランドに居る筈なのにと戸惑いを見せた。これは罠!?そう考えた四人であったが、

 

「もしかしたら・・・浚われたキャンディが、ポップに助けを求めたとか?」

 

「それなら・・・あたし達をプリキュアパーティーに何て招待するかしら?」

 

 あゆみの言葉に、美希は小首を傾げ疑問視するも、少し思案したかれんは、

 

「何れにしろ、みんなと合流出来る可能性が高いのは事実・・・行ってみましょう!!」

 

 罠の可能性はあるものの、みんなと合流出来る可能性が高いのもまた事実、かれんはそう判断した。かれんの提案に、美希、奏、あゆみも同意し、チラリといまだに放心しているタルトを見た美希は、

 

(ちょっとお仕置きをし過ぎたかしら?)

 

「タルト、もう怒らないから・・・一緒に行きましょう!みんなと再会出来るかも知れないわよ?」

 

 ニッコリ微笑んだ美希だったが、タルトはその笑顔に恐れおののき、壁に背もたれながら嫌々をする。あゆみはそんなタルトを見て、

 

(美希さん、かれんさん、奏さん・・・タルトにどんなお仕置きしたんだろう?)

 

 その現場を、三人の後ろ姿で確認出来なかったあゆみは、思わず苦笑した・・・

 

 

 

 

2、みゆきVSフック船長

 

 ポップ達が届けたプリキュアへの手紙は、なぎさ達、咲達、のぞみ達、つぼみ達、ラブ達、響達、あかね達の下へと届いていた・・・

 

 皆一様に、ポップからのプリキュアパーティーの招待状を受け取り訝しんだものの、仲間達と再会出来る可能性を優先し、手紙に導かれるままパーティー会場へと向かって行った・・・

 

 だが、結界の中心部、魔王城近くに居るみゆきの下へ、手紙が届く事は無かった・・・

 

 戻って来たみゆき宛の手紙を見て、ポップ達四人の表情は強張っていた・・・

 

「他の皆の衆の下には、手紙は届いたようでござるが・・・みゆき殿の下に届かなかったとは・・・」

 

「みゆきの身に、何かあったんじゃ?」

 

 心配そうな表情を浮かべたウルルン、オニニンとマジョリンも同意し、

 

「ポップは、他のプリキュア達が来るのを、この城で待ってるマジョ!あたしと、ウルルン、オニニンは・・・みゆきの所に行ってみるマジョ!!」

 

「何と!?それは危険でござる!この世界に何が起こっているか、拙者達には全く分からないのでござるぞ!!」

 

 三人が、ウルフルン、アカオーニ、マジョリーナの時のような力を持って居るならいざ知らず、今のウルルン、オニニン、マジョリンだけを向かわせる訳にはいかないとポップが告げる。ウルルンとオニニンはションボリと落ち込んだものの、マジョリンは、

 

「ポップ、それは大丈夫マジョ!あたしに考えがあるマジョ!!」

 

「そこまで言うなら・・・分かったでござる!他のプリキュア殿達と合流次第、それがしも向かうでござる!!三人共、気をつけるでござるぞ!!」

 

 ポップは、三人の固い決意を感じ取り、三人がみゆきの下へ向かう事を認めた。マジョリンは、ウルルンとオニニンに、赤いキャンディを渡すと、

 

「ウルルン、オニニン、もしもの時は・・・このキャンディを舐めるマジョ!」

 

「舐めたらどうなるオニ?」

 

「また、変な味がするんじゃ・・・」

 

 嘗て、納豆餃子飴を舐めた時の事を思い出したウルルンだったが、マジョリンは意味深な笑みを浮かべると、

 

「それは後のお楽しみマジョ!!」

 

 こうして、三人は乗ってきた絵本の中に入ると、みゆきを探しに飛び立って行った・・・

 

 

 

 

 フック船長に浚われた、キャンディ達やネバーランドの子供達を救うべく、魔王城近辺にやって来たのは、みゆき、牛魔王、金角、銀角の四人、海賊船のマストの上で辺りを警戒していたフック船長の手下から、何者かが近付いて居る事を聞かされたフック船長は、

 

「野郎共、宴は終りだ!さぁ、客人を盛大に出迎えてやんな!!」

 

「オォォォ!!」

 

 手下達は、勇ましく雄叫びを上げると、剣を手に取り、臨戦態勢に入った。一同がみゆき達に気を取られたのを見たピーちゃんは、物陰から徐々に、捕らわれたキャンディ達の方へと近付いて行った・・・

 

 

 

 

「見えた!あの船にキャンディやニコちゃん達が・・・」

 

「どうやら、向こうさんに気付かれたようだぜ・・・」

 

 フック船長の船が目視出来る距離まで近付いたみゆき達、牛魔王は船の慌ただしい様子を見て、自分達が近付いて居る事が相手にバレた事を悟る。牛魔王は、金角、銀角に目で合図を送り、

 

「お前は、仲間を助けに行ってきな!雑魚共は、俺達が引き受けた!!行くぜ、金角!銀角!」

 

「「オオ!」」

 

「うん!ありがとう・・・牛魔王、金角、銀角」

 

 みゆきに手を上げた三人は、乗っている雲を急降下させみゆきと距離を取った。牛魔王達は、みゆきの行動を援護するように、迎え撃つ海賊達と戦闘に突入した。絵本の世界で戦う彼らは、向こうの世界で戦って居た時より、強さを増して居るように、みゆきには感じられた。みゆきは三人の意を汲み、

 

(三人共、お願い・・・キャンディ!ニコちゃん!みんな、今助けに行くからね!!)

 

 船目掛け上空から下降したみゆきは、その視線の先に、マストに登りこちらを見つめるフック船長が居る事に顔色を変えた。

 

「アァハハハハ!この俺様の宝を狙うとは小賢しい・・・返り討ちにしてやる!!」

 

 フック船長はレイピアを抜き、みゆきに剣先を向けて威嚇する。変顔浮かべたみゆきは、

 

「ど、ど、どうしよう!?プリキュアになれない今の私じゃ・・・」

 

 プリキュアになれるのならまだしも、星空みゆきのままでフック船長と戦えるのか?みゆきは困惑する。だが、みゆきの姿をジッと見たフック船長は激しく動揺しだし、

 

「ゲッ!?誰かと思ったら・・・ピーターパンだったのか?ピーターパン!今日こそ決着付けてやる!!」

 

 何度も戦い、右手を失う切っ掛けになった憎むべき存在ピーターパン・・・

 

 今度こそはリベンジしてやると、フック船長は動揺を抑え、みゆきに勝負を挑んできた。レイピアを構え、みゆき目掛け突き進んでくるフック船長、みゆきも腰に付いた細身の剣を抜き応戦するも、素人同然のみゆきに、フック船長の剣捌きを躱すのは難しく、何度も危うい所で難を逃れた・・・

 

 この絵本の世界に来た時、何故かピーターパンになっていたみゆきではあるが、絵本のピーターパンのように動ける筈も無かった・・・

 

「どうした、ピーターパン!?寝不足か?それとも、この俺様が強くなりすぎすぎちまったか?アァハハハハ!!」

 

 みゆきの無様な姿に、フック船長は、今日こそ積年の恨みを晴らせると高笑いを浮かべた。その笑い声に吊られるように、上を見上げたキャンディ達、ピーターパンが助けに来てくれたと勘違いした子供達が、みゆきがフック船長と戦う姿を見て目を輝かせた。

 

「ピーターパン!頑張れぇぇ!!」

 

「みゆきぃぃぃ!頑張るクルゥゥゥ!!」

 

「でも、不味いニャ・・・」

 

「みゆきがピンチロプ!でも、こんな状態じゃ・・・」

 

「プリィ・・・」

 

 みゆきに声援を送る子供達やキャンディだったが、ハミィ、シロップ、シフォンは、フック船長に押されているみゆきの姿を、心配そうに見つめていた。縄に縛られた一同、シフォンは何度か超能力を使おうとするも、不思議な力で封じられていた。その時・・・

 

「ピィィィ!」

 

 妖精達の背後で小さく鳴き声が聞こえ、何事かと振り返った一同に、ピーちゃんは笑みを浮かべると、嘴を器用に使い、一同を捕らえているロープを懸命に切り始めた・・・

 

「ピーちゃん!ありがとニャ!!」

 

「ありがとクルゥ!」

 

 ハミィが、キャンディが解放され、続いてシロップの縄を切り始めるピーちゃん、キャンディは、目の前に転がるプリキュア達の変身アイテムからスマイルパクトを手に取ると、

 

「みゆきぃぃ!此処にスマイルパクトがあるクルゥゥ!!」

 

「キャンディ!良かった、他のみんなも無事で!!・・・あれ、ニコちゃんは?」

 

「ニコは、あのお城の中クル!」

 

「ニコちゃんが!?・・・分かった!そこに私のスマイルパクトがあるの?」

 

 みゆきはマストをポンと蹴り、舞うようにキャンディ達の下に舞い降りようとすると、顔色変えたフック船長は、

 

「何を企んでやがるか知らねぇが・・・そうはいかねぇ!!」

 

 フック船長は、マストからぶら下がるロープを伝い、みゆきより早くキャンディの前に飛び降りた。妖精達が、子供達が大騒ぎする中、フック船長は、キャンディからスマイルパクトを奪うと、

 

「こんなもの・・・こうしてやるぅぅ!!」

 

「な、何を!?止めてぇぇぇ!!」

 

 フック船長は、大砲にスマイルパクトを詰めると、みゆきの絶叫をものともせず、上空目掛け発射した。だが、瞬時に反応したピーちゃんが上空に舞い、スマイルパクトをキャッチすると、みゆきに届けるべく降りてくる。

 

「アァ!このくそ鳥!!シッシ!!」

 

 レイピアで威嚇し、みゆきに近づけさせないように試みるも、ピーちゃんは巧みにレイピアを躱し、みゆきの下にスマイルパクトを届けると、ハミィと共に仲間達の縄を再び解き始める。

 

「ピーちゃん、ありがとう!これさえあれば・・・プリキュア!スマイルチャージ!!」

 

 みゆきの姿がプリキュアへと変化し、フック船長も、捕らわれて居た子供達も、思わず呆然と目の前で起こる光景を眺めた。

 

「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!!」

 

 変身を終えたハッピーが、フック船長に身構えた!!

 

「何だ!?ピーターパンかと思ったら・・・偽物かぁ?」

 

「ピーターパンじゃなぁぁい・・・」

 

「何だよ、ガッカリさせて・・・」

 

「偽物だった何て・・・応援して損した」

 

 フック船長が、子供達が、みゆきがハッピーに変身すると、ピーターパンでは無かった事で、ハッピーに非難の声が沸き上がる。ハッピーは口を尖らせると、

 

「私・・・最初からピーターパンだって名乗って無いよ!ハップップ~・・・」

 

 変顔しながら、不満そうにフック船長、子供達を見つめるハッピーだった・・・

 

 

 

 

 ニコは、魔王城の中で、眼下で起こっているハッピーとフック船長の戦いを見つめていた。ハッピーは、自分がこの中に捕らわれていると思って居るのか、今助けに行くからと大声を出して居た・・・

 

(何よ!今まで私の事何か忘れてたくせに・・・でも)

 

 もう一度窓から顔を出し、チラリとハッピーの勇姿を見たニコ、思い返せば、小さい時のみゆきと同じ、他人を気遣う優しさを失わないみゆきの姿を見て、ニコの心の中の蟠りが、少し溶け出していた。魔王はそんなニコの姿を覗き見て、

 

(ニコ・・・お前は、記憶を無くし、絵本の世界を彷徨っていた俺に優しく接してくれたカゲ!そんなニコを悲しませたみゆきに・・・思い知らせてやるカゲェェ!!)

 

 ニコは、心の底からみゆきを憎んでいる訳では無い、自分の存在を忘れていたみゆきを、懲らしめてやりたい・・・

 

 ただ、それだけだった・・・

 

 だが魔王は、ニコの思いを歪んで受け止めていた・・・

 

 魔王は地下に赴くと、地下室の中には、孫悟空や桃太郎達、本当の絵本の主人公達が倒れ込んでいた。魔王は主人公達に自分の影を潜りこませると、主人公達はゆっくり目を開け、目が吊り上がり、その肩からは黒い翼を生やしていた。

 

「俺様の留守に、偽物が良いようにしてくれたようだなぁ」

 

「ネバーランドには・・・子供が居れば良いのさ!それ意外の奴らは・・・皆殺しさ!!」

 

「日本一は、俺一人で良い!偽物め、覚悟しろ!!」

 

「私の王子様を奪おうだ何て・・・許せない!!」

 

 三蔵、沙悟浄と共に孫悟空が、悪意に満ちた表情のピーターパンが、そして、桃太郎、シンデレラなどの物語の主人公達が、皆悪意の表情を浮かべ立ち上がった!!

 

「さあ、お前達!みゆきに、みゆきの味方をする奴らに・・・思い知らせて来るカゲェェ!!」

 

 魔王の号令の下、絵本の主人公達は、部屋から飛び出して行った・・・

 

 ハッピーは、その事実をまだ知るよしも無かった・・・

 

              第七十一話:ポップの作戦!

                    完

 

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