プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第八話:凄い事をしてしまった!

               第八話:凄い事をしてしまった!

 

1、

 

 美墨なぎさは、自宅でプリキュアダイアリーに、デザートデビルとの戦いと、新たなる仲間、プリキュアオールスターズとの出会いの日々を書き込んでいた。彼女達との出会いは、なぎさも、ほのかも、ひかりも、心から嬉しかった。自分達と同じような境遇の子達が、あんなに居たとは思わなかったが、彼女達と触れ合う事は、心の底から楽しかった。

 

 親睦を深めた事で、彼女達が自分と近い年齢だとも知り、より一層の親近感をなぎさは持っていた。

 

 高校2年生のなぎさ、ほのか、ゆり

 

 高校1年生のかれんとこまち

 

 中学3年生のひかり、咲、舞、満、薫、のぞみ、りん、ラブ、美希、祈里

 

 中学2年生のうらら、つぼみ、えりか、いつき

 

 くるみとせつなは、今は学校に通っては居なかったが、ひかりと同じ位だと知り、ひかりと良い友達になってくれればと思っていた。

 

「うららやつぼみ達が、亮太と同じ年だとはねぇ・・・亮太にも、あの子達を見習わせたいよねぇ・・・」

 

 思わずあの日を思いだし、なぎさの口元に笑みが浮かんだ時、

 

「なぎさぁ、早くお風呂入っちゃいなさいよ!」

 

「分ってる!もう、相変わらず五月蠅いんだから・・・でも、本当に元の生活に戻ったって感じよね!」

 

 母、美墨理恵の相変わらずの口五月蠅さに、なぎさは頬を膨らましながらも、懐かしさを覚えた。

 

 あれから一週間が過ぎた・・・

 

 正月も過ぎ、人々は、地球が砂漠化した事など、まるで覚えていないようであった。美墨家も例外では無かった。

 

 父も、母も、弟も・・・

 

 だが、プリキュアの仲間達は違う・・・

 

 誰もがあの時の戦いを覚えて居た!

 

「楽しみだなぁ・・・明日はまたあの娘達に会えるんだもの!」

 

 なぎさはワクワクしながら風呂場に向かった。

 

 なぎさが部屋を留守にしたのを良い事に、メップルが妖精姿に変化し、プリキュアダイアリーを覗き見た。

 

「なぎさも、他のプリキュアとの出会いは、本当に嬉しかったみたいメポ」

 

 メップルもあの時を思い出し、ニコニコしながらページを捲る・・・

 

 

 

 デューンの憎しみの心を癒し、四人のプリキュアは、薫子と共に地上に帰還した。

 

 出迎えた人々の歓声が、植物園周辺で木霊していた。少し離れた場所で、戻って来た四人を見つめる17人のプリキュア達、その誰もが、微笑みを浮かべていた。

 

「やれやれ、どうやら彼女達がやってくれたみたいね・・・みんな、見て!砂漠が徐々に消えていくわ!」

 

 ブラックが地表を指さし嬉しそうに語る。皆、疲労はピークを迎えていたが、この時ばかりは、疲れも吹き飛ぶ程に喜んでいた。その時、グゥゥゥと大きな音が響く・・・

 

 音がした方を一斉に見ると、音の主はドリームだった。思わず一同から笑い声が漏れると、ドリームも笑いだし、

 

「エへへへ、安心したらお腹空いちゃったぁ・・・だってぇ、朝から殆ど何も食べて無いんだもん!」

 

 ドリームがお腹を摩り、テレ笑いを見せれば、ブラック、ブルーム、ピーチも同意する。

 

「ホント、ホント!お腹減ったよね・・・と言っても、お店やってるかなぁ?」

 

「もう、ブラックったら、こんな状況でやっている訳ないじゃない!ウフフ」

 

 ブラックの言葉に呆れながらも、ホワイトが微笑みながら突っ込む、ピーチも頷きながら、

 

「材料あれば、私が愛情たっぷりの特製ハンバーグでも、御馳走しちゃうのになぁ・・・」

 

 ピーチのハンバーグと言う言葉を聞くと、目の色を変えたドリームから涎が溢れる。

 

「ドリーム・・・端無いわよ!」

 

 アクアが呆れながらドリームを窘めると、一同に笑い声が響き渡る。ドリームもエヘヘと再び笑い声を上げた。

 

 そんな一同に気付いた薫子は、一同を見て微笑みながら近づいて来た・・・

 

 薫子の妖精コッペは、他の人達に見つからないよう、先に植物園にテレポートしていた。薫子は、17人のプリキュアに一礼すると、

 

「みんな、ありがとう!あなた達プリキュアが居てくれたから、この世界は復興していくのよ!!みんな、疲れたでしょう?今夜は、私の勤める植物園に泊まってちょうだい!!あの娘達もきっと、あなた達と語りたいだろうから・・・さあ、こちらにどうぞ!!」

 

 17人のプリキュアに礼を言い、人々に囲まれて賞賛されているブロッサム、マリン、サンシャイン、ムーンライトの気持ちを代弁して、17人のプリキュアを植物園の中に案内しようとした時、移動しようとする一同に気付いたブロッサムは、慌てふためきながら他の仲間達に知らせ、

 

「アッ!皆さん、待って、待って下さい!!」

 

 ブロッサムが、ムーンライトが、サンシャインが駆け寄ってくる。マリンは、17人のプリキュア、一人一人に抱きつき、

 

「みんな、ありがとね!」

 

 そう言うと、満面の笑顔を見せる。

 

(この子・・・小学生かしら?)

 

 ベリーは、思わず可愛らしいマリンの頭を撫でると、マリンは気持ち良さそうな表情を浮かべた。

 

「みなさんがこの地上を守ってくれたから、私達は、デューンの憎しみを消し去る事が出来ました!本当にありがとうございました!!」

 

 ブロッサムが深々お辞儀をすると、ブラックは手を横に振り、

 

「ううん、あなた達は、自分達の力で、この世界を救ったんだよ!」

 

「いいえ、あなた達が居なければ、私は・・・きっと憎しみの心でデューンと戦い、敗れていたでしょう!あなた達のお陰よ!ありがとう!!」

 

 ムーンライトは、微笑みながら右手を差し出し、ブラックに握手を求めると、ブラックもニッコリ笑い握手をする。その握られた二つの手に、次々手を重ねていく19人のプリキュア達・・・

 

 21人のプリキュアの絆が、一つになった瞬間であった。それぞれの妖精達も、薫子も、嬉しそうにその様子を眺めていた・・・

 

 

2、

 

 人々の姿が見えなくなったので、変身を解く少女達・・・

 

 中に居たコロネが、咲を見付け近づいて来ると、咲は、満面の笑みを浮かべながらコロネを抱き上げ、喉元を人差し指で撫でて上げると、コロネは気持ち良さそうにしていた。

 

「コロネ!ただいまぁ!!ちゃんと大人しくしてた?」

 

「へぇ~、この猫ちゃん、咲さんの家の猫なの?ふっくらしてて可愛いですねぇ!」

 

 祈里は、笑顔を向けながらコロネの頭を撫で、喉元を指で撫でると、コロネは、ゴロゴロ喉を鳴らして気持ち良さそうにする。咲は首を捻りながら、

 

「う~ん、可愛いは微妙だけどね・・・アハハ!」

 

 キルンを呼び出し、コロネと会話しようとしていた祈里は、

 

「チェッ、咲の奴、一言多いぜ・・・ン!?あんた、俺の言葉が分かるのか?俺はコロネだ!ヨロシクな!!」

 

「あっ、ご丁寧に・・・私は山吹祈里です!・・・って、コロネちゃん、何か渋いですね?」

 

「まあな、これでも人間で言えば、立派な大人の年齢だそうだからな」

 

 コロネと会話する祈里を見て、咲の目が点になる。

 

「祈里ちゃん・・・コロネの言葉が分かるの?」

 

「ええ、私の妖精キルンの力を借りると、動物達とお喋りできるの!!」

 

「動物とぉぉ!?」

 

 祈里の言葉を聞き、咲は心底驚いたようで、変顔をして仰け反る。コロネは、ニャッと一鳴きするも、祈里には、コロネの言葉がはっきりと聞こえてくる。

 

「おい、祈里!咲に伝えてくれ!!その不細工な変顔は、なるべく外で出さないようにしないと、嫁の貰い手が居なくなるって」

 

(そ、そんな事、私から言えないよぉぉ)

 

 そんな事言える訳が無いと祈里が戸惑っていると、咲は不思議そうに小首を傾げ、

 

「祈里ちゃん、今コロネ何って言ってたの?」

 

「エッ!?エェェとぉぉ・・・」

 

 どう取り繕うかと、苦笑まみれで考え込む祈里であった・・・

 

 

 その側でいつきは、かれん、こまちと会話していた。かれんも生徒会長をしていたと聞き、いつきはかれんに親近感を持っていた。

 

「へぇ、かれんさんも生徒会長をしてらっしゃったんですか?」

 

「ええ、と言っても、中等部の頃だけど・・・今は頼まれて、生徒会の手伝いをしているぐらいかしら」

 

「かれんが中等部で生徒会長をしていた頃、中等部の評判が高等部でも評価されてたみたいで、高等部に進学したら、早速生徒会長さん直々に頼まれたのよねぇ?」

 

 こまちは、その時を思い出したのかクスリと笑い、困惑しながらも、生徒会の仕事を手伝う事を約束したかれんの姿を思い出していた。いつきは目を輝かせ、凄いやぁと感心する。かれんは照れ笑いを浮かべて、そんな事無いと謙遜し、一年の時から生徒会長をしていた、いつきの方こそ凄いと持ち上げた。

 

 会話をしながら一同の様子を見ていたかれんは、シロップを見付けて呼ぶと、シロップが三人に近づいて来る。

 

「かれん、こまち、それに・・・いつきだったな!何か用か?」

 

 少年の姿になっていたシロップが、三人に何の用か尋ねると、かれんが何か語り出す。かれんの言葉を聞いていたこまちといつきは、何度も頷き目を輝かせた。

 

「それは良いアイデアですね!でも、どうやってそこまで行くんですか?」

 

 いつきが不思議そうに首を捻ると、かれんとこまちは顔を見合わせクスリと笑い合い、こまちがシロップを見ると、

 

「ウフフ、大丈夫よ!ねぇ、シロップさん!!」

 

 シロップが頷き、妖精の姿になるのを見て驚くいつき・・・

 

「エッ!?エェェ?」

 

「ウフフ、驚いた?」

 

 いつきの反応を見て、思わずクスリと笑ったかれんとこまちは、一同に、いつきやシロップと一緒に、ちょっと出掛けてくると告げる。慌てたポプリがいつきに抱きつき、一緒に行くと泣き出すと、いつきは優しく頭を撫でながら、かれんとこまちに許可を求めると、二人は快諾した。

 

 ひかり、舞、ラブと会話していたのぞみは、慌ててかれん達の方を振り向き、

 

「エッ!?折角みんなと盛り上がってるのにぃ・・・かれんさん、こまちさん、早く戻ってきて下さいよ~」

 

 のぞみに言われて、かれんは直ぐ戻るわと告げ出掛けて行った・・・

 

「かれんさん達、何処に行ったんでしょう?」

 

 うららが不思議そうに首を捻ると、美希も首を捻り、さあと答える。美希は、さっきから気になっていた事を、えりかに問い掛けてみた。

 

「ところで・・・さっきあなた達を出迎えた中に、来海ももかが居たわよねぇ?羨ましいわぁ・・・モデルを目指しているあたしとしては、何時も雑誌で参考にさせてもらっているのよね!」

 

「本当ですよね、私も共演した事は無いんですけど、ももかさんの人気は、私達の間でも話題になってますよ」

 

 美希とうららが、ももかの事で盛り上がる。美希は、えりかがももかと親しげに話していたのを思い出し、

 

「そういえば、さっきえりかちゃんは、彼女と親しげに話してたわねぇ?」

 

 美希が溜息を付きながら、えりかの事を羨ましがるも、えりかは両腕を頭に回しながら、

 

「そりゃあねぇ、だってもも姉は、あたしのお姉ちゃんだもん!今日は植物園に泊まるからって言っただけだよ」

 

 そんな反応も、ある程度慣れっこになっていたえりかだったが、聞いた美希とうららは、顔を見合わせ大いに驚き、

 

「エェェ!?そ、そうなの?・・・」

 

 えりかの身長と容姿を見て、少し間の空くうららと美希、美希は、マジマジえりかを見つめると、

 

(えりかって、来海ももかの妹だったんだ?あんまり似てないかも!?)

 

 表情に出さないようにしながらも、えりかの事が羨ましいと思う美希とうららだった・・・

 

 

 一方つぼみは、同じ花屋仲間のりん、そして、花に興味を持っていたせつなと会話していた。りんの家も花屋だと聞き、つぼみは興味深げにしていた。りんも、同様に感じていたようで、

 

「へぇ、つぼみの家も花屋だったとわねぇ・・・やっぱり、つぼみもお店手伝ったりするんだ?」

 

「はい、今お母さんが妊娠中ですし、私も手伝っているんですよ・・・あまり役に経ってないかも知れませんけど・・・」

 

「ううん、そんな事無いと思うな!きっと喜んでるよ・・・ね、せつな?」

 

 りんに話を振られたせつなも頷き、

 

「そうね!手伝ってくれて嬉しくない訳ないもの!花かぁ・・・私も、ラビリンスに一杯の花を飾ってみたいなぁ・・・」

 

 せつなはそう言うと、頭の中でラビンリンスにお花畑を作った場面を想像する。それを聞いたりんとつぼみも、せつなの案に大賛成し、

 

「うん、それ良い!それ良いよ、せつな!!私達も協力する・・・つぼみと私で、ラビリンスに似合いそうな花を選んであげるよ!」

 

「はい!でも、ラビリンスってどういう所か、詳しく教えて頂けませんか?」

 

 せつなは嬉しそうに、りんとつぼみに、ラビリンスの事、好きな花の事を語りだした・・・

 

 

「ほのか、あの子達・・・」

 

「エッ!?」

 

 なぎさとほのかは、仲間通しの和に上手く入れない満と薫に気付き、二人に気さくに声を掛け話し始める。満と薫は、そんななぎさとほのかを見て、咲と舞と一緒に居るようで、心安らぐのだった。咲と舞も加わり、他の仲間とも談笑するようになった満と薫を見て、ホッとするなぎさとほのかだった・・・

 

 

 どれくらい経ったのか、荷物を一杯持った、かれん、こまち、いつきが、シロップ、ポプリと共に戻って来た。

 

「みんな、遅くなってごめんなさい!」

 

「少し遅くなっちゃったかしら!?」

 

 こまちとかれんがみんなに詫びる。ようやく戻って来たいつきに、変顔をしたえりかは、

 

「いつき、遅いよ!」

 

「アハハ、ゴメン、えりか!でも・・・いいのかなぁ、そんな事言って?」

 

 えりかに謝りながらも、ニコニコしながら言ういつき、かれんとこまちもクスリと笑いだす。不思議そうに荷物の中身を見たえりかの瞳が輝く。

 

「ウワァァ!お菓子だ~~!!それもこんなに一杯!?」

 

 えりかの発言を聞き、集まってくる一同もお菓子の山を見て大喜びする。

 

「どうしたんですか?こんなに一杯お菓子何て!?」

 

 こんな状況の中で、何処から集めたんだろうと、不思議に思った舞がかれんに訪ねると、

 

「ええ、みんなお腹を空かしているだろうと思って、シロップに頼んで、デザート王国の女王様宛に手紙を書いて、連れて行ってもらったの!」

 

「そして、デザート女王に頼んでみたの・・・」

 

「そうしたら、僕らの頼みを快諾してくれてね!こ~んなに一杯分けてくれたんだよ!!」

 

 かれん、こまち、いつきの説明に、皆うんうんと頷きながらも、視線はお菓子の山に釘付けだった。

 

「かれんさ~ん、こまちさ~ん、ありがとう!」

 

「いつき~、でかしたぁ!!」

 

 のぞみはかれんとこまちに、えりかがいつきにそれぞれ抱きつき感謝する。

 

「お、お菓子ミル?」

 

 戦いの連続で疲れていたくるみは、妖精時のミルクの姿で眠っていたが、お菓子という言葉を聞くや、途端に目が覚める。

 

「アハハ、ミルクったら食いしん坊さん」

 

「のぞみにだけは、言われたくないミル」

 

 のぞみに言われた事が心外だったようで、ミルクはのぞみにソッポを向きお菓子を食べ始める。先を越されたのぞみは頬を膨らませると、

 

「ああ、ミルクずる~い!ハイハイ、私も食べる~」

 

「あっ、私も、私も!」

 

「「美味し~~い!!」」

 

 のぞみとラブもお菓子を食べ始め、互いを見つめて思わずハモリ、幸せそうな表情になる。そんな一同を見たほのかは、

 

「夜に甘い物食べると・・・太るわよ?」

 

 ほのかが、苦笑しながら言うが、のぞみは人差し指を振りながら、

 

「ウフフフ・・・ジャジャ~~ン!何と、デザート王国のお菓子は、いくら食べても太らないんだって!凄いでしょう?」

 

 のぞみの言葉を聞き、女性陣の目の色が変わった・・・

 

「「「「本当!?」」」」

 

「本当ですか?」

 

 なぎさ、咲、ラブ、えりか、つぼみの目が輝く、他のメンバーもお菓子パーティーに加わった。

 

 彼女達の幸せな一時(ひととき)が始った・・・

 

 そんな中、ゆりだけは皆の輪に加わらず、温室の中でボンヤリ夜空を眺め、一人涙していた。薫子がゆりに声を掛けようとした時、お菓子を持ってなぎさとほのかがやって来る。

 

「どうですか、月影さんは?」

 

 なぎさに聞かれた薫子は、ゆっくり首を振ると、二人はゆりに視線を向けた。なぎさとほのかも、薫子からゆりの辛い現状を聞いて、心配していたのだった。ほのかと顔を見合わせると頷き合い、温室の中へと入っていく。

 

「月影さん・・・今良いかしら?」

 

 突然ほのかに名前を呼ばれ、ビクッとしたゆりは、慌てて涙を拭い、どうぞと答える。ゆりを挟むように座るなぎさとほのかは、

 

「これ、かれんとこまち、いつきが、デザート王国っていう妖精の国から貰ってきたんだって・・・しかも、いくら食べても太らないんだってさ!一緒に食べよう!!」

 

 自分の好きなチョコレートを勧め、美味しいよと微笑みながら、ゆりにチョコを差し出したなぎさが言葉を続ける。

 

「月影さん、私達って、同じ頃からプリキュアやってたんだね・・・もっと早く出会いたかったな!」

 

「そうね、いろいろ月影さんともお話してみたかったわね」

 

 ゆりもそうねと呟くが、まだ気持ちの整理が付いていないようだった。

 

「えりかったら酷いのよ!私とほのかが、中二の頃からプリキュアやってるって言ったら、あたしらが小学生の頃からやってるんだ?だって・・・まるでおばさん扱い、ハァ、ありえないって感じ」

 

 なぎさの反応が余程面白かったのか、思わずゆりがクスリと笑う。それを契機に、互いのプリキュアでの出来事を語り合う三人、なぎさとほのかは、元々二人はプリキュアになるまで会話もほとんどしない間柄だった事、大喧嘩を契機に親友になった事、キリヤとの出来事、ひかりとの出来事などをゆりに語り出した。

 

 ゆりもまた、キュアフラワーの後を継ぎ、プリキュアとして一人で戦った日々、最愛のパートナーコロンとの事、プリキュアの力を失った日々、つぼみ達と出会い、再びプリキュアになった事などを本音で語った。

 

 彼女達を見守っていた薫子は、その様子を見て安心すると、その場を離れて行った。

 

 なぎさやほのかが、ゆりと名前を呼び捨てで呼び合う親友になったのは、この時からだった・・・

 

 

3、

 

 翌朝、少女達は、それぞれ自分達の住む街に戻る事になった。

 

 そして、妖精達の中で、メップル達とフラッピ達は、それぞれ光の園、泉の郷に帰ると一同に報告した。なぎさ、ほのか、ひかり、咲、舞、満、薫は、名残惜しそうにしながらも、またの再会を誓い、彼らを送り出したのだった。

 

 なぎさ達もそろそろ帰るとつぼみ達に告げると、戻る前に案内したい所があるとつぼみに誘われた一同は、希望ヶ花市にある、丘に来ていた。此処からは街の眺めが一望出来、素晴らしい景色が広がっていた。

 

「うわぁ、良い景色だね!昨日砂漠だったのが嘘見たい・・・」

 

 なぎさは、思いっきり深呼吸して、平和な朝を堪能する。ほのかやひかりも微笑みながら深呼吸をした。舞は、スケッチブックを持ってくれば良かったと、残念そうな表情を浮かべていた。咲は、眺めの良い丘からの景色を見て、大空の樹を思い出していた。

 

「私達の街にも、大空の樹っていう、大きな木がある山があるんだけど、そこから見る景色も最高だよ!今度みんなを連れて行って上げたいなぁ!」

 

 咲が満面の笑みを浮かべ皆に言うと、一同は興味深げに聞いていた。少し考えたなぎさは、

 

「そういえばさ、私達って砂漠になった景色しか見てなかったよね!咲達の街もそうだし、のぞみやラブ達の街もちゃんと見てみたいなぁ・・・そうだ!今度みんなで、お互いの街を案内仕合わない?」

 

 なぎさの提案に、一同が微笑みながら賛同する。自分達の街も、みんなに教えて上げたい気持ちは共通のようだった。特にのぞみは大喜びで、

 

「よ~し、みんなの街で美味しい物食べ歩くの・・・けって~い!!」

 

 のぞみが嬉しそうにはしゃぐと、りんに、あんたは結局それが目当てなわけ?っと突っ込まれるのぞみであった。

 

「せつな!まだ、こっちに居られるんでしょう!?折角来たんだから、家に来てよ!お母さん達も喜ぶから!!」

 

「そうよ、せつな!」

 

「うん、おばさんもおじさんも喜ぶと思うよ!」

 

 ラブ、美希、祈里に聞かれたせつなだが、微妙な表情になる。出来る事ならせつなも、親代わりのラブの両親には、会いたい気持ちは当然持っていた。

 

「一旦は、ラビリンスに戻らなきゃならないの・・・ウエスターやサウラーも、心配しているだろうし、それに、お母さん達の顔見たら・・・きっとラビリンスに戻りづらくなっちゃうわ」

 

 少し憂いを浮かべた表情で、申し訳無さそうに話すせつなに、ラブ、美希、祈里も残念そうに溜息を付くが、

 

「あら、せつな!ラビリンスにお花畑を作るんでしょう?私とつぼみが選んで上げるって言ったじゃない!ちゃんと私の家にも来てよね!!」

 

 りんがせつなにウインクすると、せつなもそうだったといった表情になる。こまちも会話に加わり、

 

「その、ウエスターさんとサウラーさんっていう人達に、手紙を書いたらどうかしら?」

 

「手紙!?・・・ですか?」

 

 こまちの言葉にキョトンとするせつな、こまちは、シロップの事を話し始めた・・・

 

 りんに呼ばれたシロップが、せつな達の側にやってくる。りんとこまちから大体の事情を聞いたシロップは得意気に、

 

「任せるロプ!光の園は、時間の流れが違うから無理ロプ・・・それ以外の場所なら、行けない所は無いロプ!!」

 

 せつなは、懐かしの四つ葉町、クローバータウンストリートにある、ラブの家に行く事を決意するのだった。

 

 せつなが家に行くと聞き、ラブ、美希、祈里は心の底から喜んでいた・・・

 

 一方えりかは、丘の景色を見ながら溜息を付く、元気のないえりかを見て、表情を曇らせたひかりが側に行くと、

 

「どうしたんですか、えりかさん?」

 

 ひかりが心配してえりかに声を掛けると、えりかはチラリとひかりを見て、

 

「だってさぁ、あたし達、凄い事しちゃったんだよ!世界を救っちゃったんだよ!!」

 

 ドヤ顔で胸を張るえりかに、思わずひかりは目が点になるも、まあそうですけどと苦笑する。

 

「せめて、プリキュアのみんなと居る時ぐらい良いじゃん・・・あたし達は、凄い事をしてしまった!!」

 

 丘の上から街並みを指さし、えりかがドヤ顔で叫んだ!

 

 大声を上げ、ドヤ顔でポーズを決めるえりかの姿を、何か楽しそうに見えたなぎさ、咲、のぞみ、りん、うらら、ラブ、せつな(ラブに無理矢理)、つぼみ、いつきもえりかに加わり、ドヤ顔で街並みを指さし、ポーズを取る!

 

「「「「「「「「「「私達は、凄い事をしてしまった!!」」」」」」」」」」

 

 えりかと同じようにドヤ顔で街並みを指さす少女達の姿に、参加しなかった一同は呆然としていた。

 

「な、なぎさ・・・恥ずかしいよ」

 

 なぎさ達の行動を見て、思わず苦笑するほのかとひかり、舞は目を点にし、満と薫はキョトンとしていた。

 

「もう、咲ったら・・・ウフフ」

 

「舞はやらなくていいの?」

 

「私達もやった方がいいの?」

 

「私達は・・・遠慮しましょう」

 

 咲と同じように、あのポーズをした方が良いのかと満と薫に聞かれた舞は、苦笑しながらさり気なく拒否する。

 

「全く、のぞみ達ったらお子様何だからぁ」

 

「あら、そう言ってるくるみも、指がモゾモゾしてるわよ」

 

「まあ、本当だわ!くるみさんも仲間に加わって来たらどうかしら?」

 

「じょ、冗談じゃないわよ?」

 

 かれんとこまちにからかわれ、頬を染めて照れるくるみであったが、かれんとこまちに指摘されたように、内心は仲間に加わりたいと思うくるみであった。

 

「美希ちゃんは行かないの?」

 

「よしてよ、何であたしが・・・そういうブッキーはどうなのよ?」

 

「う~ん、恥ずかしいけど・・・みんなでやれば平気かなぁ!?」

 

「エッ!?」

 

 意外に乗り気な祈里を見て、少し驚く美希であった。

 

「みんな、昨日の今日で浮かれすぎるのも、良く無いわよ?」

 

 平和を取り戻したとはいえ、浮かれすぎている仲間達を見て窘めるゆりに、なぎさが近づいてゆりの肩に手を回し、

 

「ゆり、そう硬い事言いっこ無しでさ・・・ほら、ほのかもひかりもこっちおいでよ!!」

 

 無理矢理なぎさに仲間に加えられるほのか、ひかり、ゆり、咲やのぞみ、ラブ達もそれぞれの仲間達を加え、21人のプリキュア達が、ある者は自慢気に、またある者は恥ずかし気に丘の上からポーズを取り、

 

「私達は、凄い事をしてしまった!!」

 

 少女達の声が、丘の上に響き渡った・・・

 

 彼女達は気付いていなかったが、この時の姿を、えりかの父、来海流之助に望遠カメラで写真に撮られていた・・・

 

 

 

「そうメポ、えりかから送って貰ったこの写真を見て、なぎさはありえな~い何て叫んでたメポ」

 

 当時の事を思い出し、写真を見てニコニコするメップルの背後から声が掛かる。

 

「へえ~、私がお風呂に入ってる間に盗み見何て・・・いい度胸してるじゃないのよ!コラ!メップル!!大体あんた達、光の園に帰るメポっとか言ってた癖に、あの日の夜には、私の家にもう戻って来たじゃないよ?」

 

「な、なぎさ!?それは・・・クイーンが折角だから、もう少し虹の園に居ていいと言ってくれたから・・・あれ、なぎさ、最近益々女らしくなったメポ?」

 

「誤魔化すな!!」

 

 風呂から出たなぎさに見つかり、きっちりお仕置きを受けるメップルであった。

 

 一方、なぎさの部屋の前では、母理恵と弟亮太が小声で話し合っていた。

 

「だろう?またお姉ちゃんが独り言を言い始めてるよ!」

 

「なぎさったら、しばらく独り言無くなって安心してたのに・・・まさか、将来が不安になって、また病気が再発したのかしら?」

 

 母理恵に勘違いされるなぎさであった・・・

 

 

 

 ほのかもまた、プリキュアダイアリーに書いた出来事を、ミップルと一緒に見ていた。

 

「あの日は色々凄かったよね、ミップル!」

 

 ミップルも頷き、あの時を思い出す。砂漠化した世界を救うべく、なぎさ、ひかりと共にデザートデビルと戦い、同じ志を持つ、沢山のプリキュア達と出会い、世界を救い、プリキュア同士の絆を深めたのだから・・・

 

 襖の外から、ほのかの祖母さなえが声を掛け、ほのかに風呂が沸いたから入るように伝えに来る。ほのかはダイアリーを閉じると、着替えを持って部屋を出た。ミップルは、ほのかが部屋を出た後、溜息を付いた。

 

「ほのかにまた言えなかったミポ・・・クイーンが私達を再び虹の園に送った本当の理由・・・闇の根源の復活が近づいて居る事を・・・」

 

 ミップルは、不安げにほのかの部屋を見渡したが、ある写真を見て元気づけられる。なぎさとメップルが見ていた、21人のプリキュア達の写真を見て・・・

 

 そして、彼女達21人のプリキュアは、戦士としてしばしの休息に入り、日常生活をそれぞれ楽しむ・・・

 

               第一章:砂漠の王とプリキュア達

                     完結

 

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