プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第八十話:真琴~キュアソード~

1、キュアソードVSキュアビューティ

 

 日が落ち掛けたビルの上を、民家の上を、一人の人影が走り続ける・・・

 

 その前には、丸い物体がフワフワ浮かんで居た・・・

 

 その影の正体は、魔王とキュアソード!

 

 道に迷ったソードを迎えに来た魔王に案内され、ソードは、みゆき達が住む七色ヶ丘目指して駈け続けるも、魔王から、ソード憧れのアン王女も、ソードの事を呆れていたと聞かされて居た・・・

 

「あのぅ・・・本当に王女様は?」

 

「呆れてたカゲ・・・俺もまだ、お前をプリキュアとは認めないカゲ!」

 

「エッ!?」

 

 アン王女には呆れられ、魔王にはプリキュアとは認めないと言われ、思わずソードは立ち止まり、シュンと落ち込んだ。

 

(どうしよう!?王女様に嫌われたら、私・・・・)

 

 幼い頃に両親を亡くしていたソードは、アン王女の事を姉のように、母のように慕っていた。そんなアン王女に嫌われたらと思うと、ソードの心は激しく動揺していた。だが、落ち込んでいたソードだったが、気持ちを切り替えると、

 

「落ち込んで何か居られない!」

 

 ソードは、パンと両手で頬を叩き気合いを入れると、再び走り始めた。だが魔王は、そんなソードを呆気に取られながら見つめると、

 

「ソード・・・そっちじゃ無いカゲ!」

 

「エッ!?は、早く言って!」

 

 顔を赤くしながら戻って来たソードを見た魔王は、ニヤニヤしながら、

 

(中々素直カゲ・・・)

 

 魔王の心の中に、ソードに対して悪巧みが生まれようとしていた・・・

 

 

 

 バッドエンド王国・・・

 

 

 バッドエンド王国にやって来た、バッドエンドプリキュアの五人は退屈していた・・・

 

 ジョーカーからは、まだ動く時では無いと言われ、バッドエンド王国で待機していた五人だったが・・・

 

 

「アァァン、暇だよぉぉぉ!」

 

 大きなテーブルに座ったバッドエンドハッピーが、退屈そうに両足をブラブラさせる。

 

「せやなぁ・・・身体が鈍ってまうわ!」

 

 大きく伸びをしたバッドエンドサニーも同意し、ポキポキ指を鳴らす。

 

「そうだな・・・一暴れしたいもんだ!」

 

 その場で素早い蹴りを繰り出し、空気を切るバッドエンドマーチも同意する。

 

「そうね・・・」

 

 バッドエンドビューティも同意するも、その表情は険しかった。

 

「だったらさぁ・・・みんなで出掛けない?」

 

 バッドエンドピースは、みんなを手招きすると何かを囁いた。一同の視線が、テーブルに置かれていた黒玉に注がれ、バッドエンドハッピーは、辺りを伺うとそっと手を伸ばし、黒玉を手に取り、

 

「じゃあ、私達の元になってるっていう、プリキュアに会いに行こう!」

 

「「「「オォォ!!」」」」

 

 バッドエンドハッピーの言葉に同意し、五人の少女がバッドエンド王国からその姿を消した・・・

 

 

 七色ヶ丘・・・

 

 

 れいかから、アン王女とキュアソードの事を聞いたみゆき、あかね、やよい、なおの四人、もしかしたらソードが来ているかも知れないと考え、みゆき達一同は七色ヶ丘を探索していた・・・

 

「れいかちゃん、魔王がソードを迎えに行ったって、エレンさんは言ってたんでしょう?」

 

「はい!あの後直ぐに再びエレンさんから連絡が入り、エレンさんはそう言ってましたね」

 

 みゆきに聞かれたれいかが答えると、みゆきは一同の顔を見渡し、

 

「魔王は、私達の気配が分かるって言ってたから、きっと無事に連れて来てくれるよ!」

 

「せやなぁ、こういう時だけは役に立つわ」

 

 みゆきの言葉に同意したあかねが、苦笑混じりに魔王を褒める。話題に出たソードの事が気になったなおは、確認するように一同に語り掛け、

 

「キュアソードって、最近プリキュアになったばかり何でしょう?」

 

「ウン!遂に、遂に、私達も先輩って呼ばれる日が来ちゃったんだよ!!」

 

 目をキラキラ輝かせたやよいが、熱く語るのをあかねが遮り、

 

「まああゆみも居るけど、あゆみは、ウチらとそう違わない時にプリキュアになっとるし、後輩って気はせぇへんなぁ・・・年も同じやし」

 

「うん!あゆみちゃんは・・・私達スマイルプリキュアのメンバー見たいなもんだしね!」

 

 あかねは、あゆみがプリキュアになった時を思い出すも、そう自分達と変わらない時期にプリキュアになっていると告げ、みゆきも同意する。だが直ぐにれいかが真顔になると、

 

「ですが、ジョーカーが再び動き出したというのは気になりますねぇ・・・」

 

 ピエーロを倒した訳ではないと、メルヘンランドでロイヤルクイーンに聞いた時、薄々ジョーカーも無事で居るのではと考えていたれいかは、ジョーカーがどう動くのか気になっていた。悪知恵に長けたジョーカーならば、どんな手段を用いてくるか分からず、れいかに警戒心が湧いていた。そんなれいかとは対照的に、四人の話題はまだキュアソードに集中していた。

 

「どんな人だろうね?」

 

「意外としっかり者で、ウチらの方が後輩のように見えたりしてなぁ?」

 

「ハハハ、それも有り得るかもね」

 

 みゆきの問いに、あかねとなおが答えるも、やよいは含み笑いを浮かべながら、

 

「フッフッフ!例えそうでも・・・私達が先輩という事実は変わらないのだぁぁぁ!!」

 

「「あっ、そう」」

 

 腰に手を当てて、自慢気にポーズを取るやよいに、あかねとなおが無表情のまま返事を返し、一同が苦笑を浮かべた。そんな中、突然キャンディが騒ぎ出し、バッドエンド空間の気配を感じると一同に訴えた。直ぐに表情を引き締めた五人、

 

「さっそく現われたようですねぇ・・・皆さん!」

 

 れいかの合図に一同が頷くと、みゆき、あかね、やよい、なおが頷き返し、一同は紺色の空目掛け駈け出した。

 

 

 バッドエンドビューティの手によって発生したバッドエンド空間・・・

 

 ビルの屋上に座り、眼下で暴れる看板姿のアカンベェを見つめるバッドエンドプリキュアの五人だったが、バッドエンドビューティ以外、初めて見る人間界に興味津々のようで・・・

 

「ウワァ!何あれ?」

 

「中々おもろそうな街やなぁ・・・」

 

「何だ・・・この良い匂いは!?食欲をそそるこの匂い・・・」

 

「ウワァァ!何あの大きな絵!?」

 

 バッドエンドハッピー、サニー、マーチ、ピースが、それぞれ辺りを見回し衝撃を受けていると、バッドエンドビューティは背後を振り返り、

 

「あなた達、ここに何しに来たの?ちゃんとスマイルプリキュアとやらが出てくるのを・・・アッ!?」

 

 忠告している側から、四人がバラバラに散ってしまい、バッドエンドビューティは呆然とするも、

 

「フン、お好きになさい・・・さあ、出てきなさい!スマイルプリキュアとやら!!」

 

 バッドエンドビューティの合図と共に、黒鼻をした看板アカンベェが周囲を暴れ始めた。その側には、バッドエナジーを放出した人々が、絶望の言葉を呟きながら跪いていた。駆け付けたみゆき達一同は、

 

「みんな、行くよ!」

 

 みゆきの合図と共に、一同がスマイルパクトを構えると、

 

「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」

 

「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!!」

 

「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!!」

 

「ピカピカぴかりん!じゃんけん・・・ポン!キュアピース!!」

 

「勇気リンリン、直球勝負!キュアマーチ!!」

 

「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!!」

 

「「「「「5つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!!」」」」」

 

 ハッピー達が名乗りを上げポーズを決めると、ビルの屋上から見て居たバッドエンドビューティの目は輝き、

 

「あれがスマイルプリキュア・・・私達バッドエンドプリキュアの元になっているプリキュアか・・・フフフ、お手並みを拝見させて貰うわ!」

 

 スマイルプリキュアが現われた事で、バッドエンドビューティは、一同の力を見極めようとするかのように、ジィと五人を凝視した。注意を眼下に向けていたバッドエンドビューティは、背後の気配に気付かず、突然背中をポンポン叩かれ、思わずビルから落下しそうになり、慌てて体勢を立て直しながら背後を見た。そこには、何時戻って来たのか、バッドエンドハッピー、サニー、ピース、マーチの四人が、何所で仕入れてきたのか、バニラソフトクリームをペロペロ舐めながら立っていた。

 

「あなた達、何時の間に!?」

 

「ほらほら、ビューティも舐める?」

 

 バッドエンドピースは、困惑しているバッドエンドビューティの顔にソフトクリームを差し出すも、バッドエンドビューティの顔面に付けてしまい、

 

「アッ、ゴメェン!顔に付いちゃったぁぁ・・・テヘ!」

 

 ニッコリ微笑み小首を傾げたバッドエンドピースが、ペロっと舌を出して自分の頭を軽くコツンと叩くと、それを見たバッドエンドビューティの周囲に冷気が漂い、見る見る険しい表情を浮かべたバッドエンドビューティは、

 

「・・・・・殺す!」

 

「イヤァァン!怒っちゃダメェェ!!」

 

「待ちなさい!!」

 

「イヤァァ!だってぇ、ビューティの顔怖いんだもん!!」

 

 わざとやったように感じたバッドエンドビューティは、バッドエンドピースを追い回した。慌ててバッドエンド王国に逃げ帰ったバッドエンドピースを追って、バッドエンドビューティもその姿を消した。その瞬間、バッドエンド空間が解除され、アカンベェと戦って居たスマイルプリキュアは驚愕する。

 

 ビルの屋上でソフトクリームを食べていたバッドエンドハッピー、サニー、マーチは、

 

「あらら、二人共帰っちゃったねぇ・・・私達も食べ終わったし、帰ろうか?」

 

「せやな、いい暇つぶしにもなったしなぁ」

 

「ああ、この世界は・・・美味しい物が沢山ありそうだ!」

 

 この世界を気に入ったような、バッドエンドハッピー、サニー、マーチの三人も、先に帰った二人の後を追うように、バッドエンド王国に戻って行った。

 

 

「こ、これは一体どういう事でしょうか?」

 

 アカンベェとの戦闘最中に、バッドエンド空間が解除された事など、ビューティの記憶では無かった筈であった。だが、現に戦闘途中でバッドエンド空間が解除され、ビューティは戸惑う。人々が正気を取り戻そうとしているのに気付き、五人は慌ててプリンセスキャンドルを取り出すと、

 

「「「「「ペガサスよ、私達に力を!!」」」」」

 

 五人がキャンドルを合わせ、ペガサスに力を貸して欲しいと願うと、五人の姿が変化を遂げていく・・・

 

「プリンセスハッピー!」

 

「プリンセスサニー!」

 

「プリンセスピース!」

 

「プリンセスマーチ!」

 

「プリンセスビューティ!」

 

「「「「「プリキュア!プリンセスフォーム!!」」」」」

 

 プリンセスフォームに変身した五人は、アカンベェをキッと睨み付けると、

 

「届け!希望の光!」

 

「「「「羽ばたけ、未来へ!」」」」

 

 五人は五色のペガサスに跨るや、上空高く舞い上がった。五色のペガサスは、上空で宙返りすると、

 

「「「「「プリキュア!レインボー・バ~~スト!!」」」」」

 

 五色のペガサスが合わさり、巨大な光のペガサスの口から、五色のエネルギー波が放たれた。ハッピー達五人は、キャンドルの炎を吹き消し、キャンドルをクルクル回してアカンベェに背を向けポーズを決めると、

 

「「「「「輝け!ハッピースマイル!!」」」」」

 

 背後で爆発が起こるや、アカンベェは為す術無く浄化され、黒玉は消滅した。五人は直ぐにプリンセスフォームを解除し、ホッと安堵した瞬間、

 

「やっと見付けた!あの時の屈辱・・・晴らして見せる!!」

 

「カゲェ!?ま、待つカゲ、あいつらは・・・」

 

「ソ、ソード、待つビィ!彼女達からは・・・」

 

「閃け!ホーリーソ~ド!!」

 

 魔王とダビィが止めるのも聞かず、キュアソードが六階建てビルから急降下しながらホーリーソードを放ち、不意を突かれたスマイルプリキュアは、両腕で頭をガードし、ソードの攻撃を何とか耐え凌いだ。

 

「な、何!?何が起こったの?」

 

 動揺するハッピーだったが、着地したソードは、キッとスマイルプリキュアを睨み付け、

 

「ようやく会えたわね・・・さあ、トランプ王国から盗み出した、アン王女の大事な宝物を返して!」

 

「トランプ王国!?じゃあ、あなたがキュアソード?」

 

 トランプ王国の名を聞き、ハッピーは、目の前に現われたのがソードだと悟るも、ソードは険しい表情を崩さず、

 

「ええ、そう・・・私は、あなた達にあの時の屈辱を晴らす為に、こちらの世界にやって来た!さっさと返して、この盗人!!」

 

「ま、待ちや!ウチらには何の事だか!?」

 

「うん、ソードは誤解してるよ!」

 

「ちゃんと話せば分かるって!」

 

 ソードに盗人呼ばわりされ、サニーが、ピースが、マーチが大慌てで弁明するも、ソードはハッピー達を指差し、

 

「盗人の言葉何て聞かないわ!だったら腕ずくで・・・」

 

「お黙りなさい!!」

 

 沈黙していたビューティは、目をカッと見開くと、ソードを一喝して黙らせた。大切な仲間達を盗人呼ばわりされた事で、ビューティの感情は爆発した。更にビューティは言葉を続け、

 

「私の大切な仲間達を、盗人呼ばわりするとは・・・頭を冷やして反省なさい!プリキュア!ビューティブリザ~~ド・・・フリージング!!」

 

「ビュ、ビューティ!?」

 

「タ、タンマァァ!」

 

 マーチとサニーが慌てて止めようと試みるも間に合わず、顔色変えたソードは、

 

「クッ!?閃け!ホーリーソ~ド!!」

 

 ビューティが技を放つのに気付き、ソードもホーリーソードで迎え撃った。激突する両者の技だったが、ホーリーソードは、ビューティブリザードを受け次々に凍り付き、更にソードの身体を完全に凍り付かした。

 

「カゲェェ!?ま、間に合わなかったカゲ・・・」

 

「「「「魔王!?」」」」

 

 困惑気味の魔王がようやく現われ、魔王を見たハッピー、サニー、ピース、マーチが思わず魔王の名を呼んだ。魔王は軽くハッピー達に挨拶するも、凍り付いたソードを見て溜息を付いた。ビューティは険しい表情を崩さず、ソードに近付くと、

 

「そこで頭をお冷やしなさい!!」

 

「いや、頭言うか・・・身体事凍っとるでぇ?」

 

「ビューティ・・・少しやり過ぎじゃ?」

 

「ソード・・・大丈夫?」

 

「もしも~し!?」

 

 サニー、マーチ、ハッピー、ピース、仲間達に諭され、冷静さを取り戻したビューティも、自分がやり過ぎた事に気付き、

 

「私とした事が・・・も、申し訳ありません!大丈夫ですか?」

 

 ソードに深々とお辞儀して謝罪するも、

 

(ウゥゥゥ・・・さ、寒い・・・は、早く此処から出して)

 

 凍り付いたソードとダビィは、歯をガチガチ鳴らしながら、早く凍り漬け状態から解放される事を望んだ。

 

 

2、剣崎真琴

 

 サニーのサニーファイヤーによって、凍り漬けから解放されたソードは、まだ寒いのかガチガチ歯を鳴らし、変身を解除したみゆき達も、心配そうにソードの側に居た。魔王とダビィはソードを見て溜息を付くと、

 

「全く、大体ソードが早合点するから悪いカゲェ!」

 

「だから待てって言ったビィ」

 

「だってぇぇ・・・この人達、バッドエンドプリキュアに似てたんだものぉ!でも、早合点して本当にゴメンなさい!!」

 

「私もやり過ぎてしまいました・・・申し訳ありませんでした!」

 

 ソードは自分の非を認めて謝罪すると、やり過ぎたれいかも改めてソードに謝罪した。みゆきはバッドエンドプリキュアと言う言葉に引っ掛かり、

 

「バッドエンドプリキュアかぁ・・・そんなに私達に似てたの?」

 

「ええ、でも思い返せば、彼女達とあなた達とでは、衣装が違ってた・・・」

 

「彼女達からは、妙な気配を感じたビィ!邪悪な気配では無いけど・・・」

 

 ソードとダビィは、トランプ王国で見たバッドエンドプリキュアの事をみゆき達に話した。ジョーカーによって生み出されたバッドエンドプリキュア、みゆき達五人は、何れ相まみえるであろう、彼女達の存在に興味を持つのだった・・・

 

 

 魔王は、ソードを人気の無い路地裏に連れ出すと、

 

「全く、お前には呆れるカゲェ・・・アンに話して叱って貰うカゲ!」

 

「エェェ!?アン王女に?・・・あのぅ、出来れば王女様には・・・」

 

 モジモジしながら、さっきの事は黙って居て欲しいと告げたソード、魔王はニヤリとすると、

 

「まあ、ソードはこの世界に来たのが初めてだし、みゆき達も許してたから、今回は見逃してやるカゲ!」

 

「本当!?ありがとう!」

 

「でも、ちゃんとこの世界の仕来りはして貰うカゲ!」

 

「仕来り!?具体的に私は何をすれば?」

 

「この世界には、禊(みそぎ)をするということわざがあるカゲ!身に罪や穢れ(けが)のある者、また神事に従事しようとする者が、川や海の水で身体を洗い清める事を言うカゲ!」

 

「ハァ・・・それを私にしろって言うの?」

 

「ソードは、さっきビューティに凍り漬けにされたから、それは可哀想カゲ・・・特別にお湯で身を清めるカゲ!俺が見届けてやるカゲ!さあ、服を脱ぐカゲ!!」

 

「エッ!?こ、此処で?それは・・・」

 

「ソードは反省してるんじゃないのかぁ?禊も出来ないなら、反省しているとは思えないカゲェ」

 

「反省してるわよ・・・分かったわよ、脱げば良いんでしょう?」

 

 少し膨れっ面をしながら、ソードはプリキュアの衣装に手を掛けた時、魔王はフワフワ浮かび、思わず身を乗り出した。その時・・・

 

「いい加減にしろ!この変態魔王!!」

 

「カゲェェェェェェェェ!?」

 

 何時加音町から七色ヶ丘にやって来たのか、響のジャンピングボレーシュートが魔王に炸裂し、魔王はまるでサッカーボールのように一直線に飛び去り、

 

「エッ!?今の声、響さん!?・・・・・ギャッ」

 

 響の声が聞こえたようで振り返ったみゆきは、物凄いスピードで飛ばされてきた魔王と顔面で衝突し、二人は目を回しながら地面に倒れた。

 

「み、みゆきちゃん!?ゴメェェン!そこに居るとは・・・大丈夫?」

 

「酷いよぉぉ・・・ハップップ~」

 

「イヤァ・・・ゴメンゴメン」

 

 響に介抱され、みゆきは頬を膨らませて抗議し、響は頭を掻きながらみゆきに再度謝った。ようやくお目々グルグル状態が収まった魔王は、

 

「お、俺に謝罪の言葉は無いのかぁぁ!」

 

「何であんたに謝る必要が有るのよ!全く、心配して駆け付けて良かったよぉ!」

 

「響、お前どうやってこんなに早く・・・」

 

「エレンがせつなさんに頼んでくれたのよ」

 

「気になってせつなさんに頼んで正解だったわねぇ・・・」

 

「魔王が悪さしてるんじゃないかと思ってね・・・まさか本当にしようとしてたは・・・」

 

 渋い表情を浮かべた奏とエレンも姿を現わし、魔王は更に驚き、

 

「奏、エレン、せつなに頼んだって事は・・・」

 

「ここに居るわよ!全く・・・魔王、本当に二度と会わないように、宇宙の果てにでも捨てて来るわよ?」

 

「エェェ!?せ、せつな、それだけは許してカゲェェェ!」

 

 せつなに縋り付き、もう悪さしないから、それだけは勘弁してくれと魔王が頼み続けると、せつなはそっぽを向きながら、

 

「どうしようかなぁ!?・・・じゃあ、今からみんなを迎えに行くから、魔王も手伝ってくれたら許して上げる!」

 

「分かったカゲ!手伝うカゲ!!」

 

「じゃあ、響、奏、エレン、アコ、さっき打ち合わせたように、みんなの所に行くわね!みゆき達、アン王女、キュアソードも、また後でちゃんと挨拶するわね!」

 

「はい!じゃあ学校で、佐々木先生には了承を頂いてますので」

 

「分かったわ!」

 

 れいかから七色ヶ丘中学校で待っていると伝えられ、せつなは頷くと、魔王を伴い七色ヶ丘を後にした。突然現われた響達を、呆然と見て居たソードの側に、アン王女がゆっくり近付くと、

 

「ソード、無事に七色ヶ丘に着いていて良かったです!ですが、軽はずみな行動は控えなさい!!」

 

「王女様!も、申し訳ありませんでした・・・」

 

「まあ無事で何よりよね・・・」

 

 アン王女の側にやって来たアコも、取り敢えずソードが無事に付いて居た事で安堵していた。眼鏡の位置を直したアコは、

 

「でもあなた、後先考えず行動する人よねぇ・・・アン王女がどれだけ心配していたか」

 

「ゴ、ゴメンなさい・・・」

 

 アコにも注意され、ソードはシュンと落ち込んだ。そんなソードを見たダビィは、自分がソードの支えになろうと、この時心に誓いを立てた。

 

 

 せつなを通じて、トランプ王国のアン王女と、新たなるプリキュア、キュアソードの報告を聞いたなぎさ達一同は、せつなに連れられ七色ヶ丘中学へとやって来た。街中ではアン王女とソードの衣装が目立つ為、生徒が帰った人気の無い中学校の方が良いだろうとれいかが判断し、佐々木先生に許可を貰っていた。なぎさ達一同が、先ず自分達の身分をアン王女とソードに語ると、続けてアン王女が話し始め、

 

「皆様方が全員プリキュアとは・・・心強い限りです!わたくしは、トランプ王国王女マリー・アンジュと申します!あなた方のお噂は、メイジャーランドのアフロディテ様やメフィスト王から聞き及んでおります・・・どうか、わたくし達の力になって下さい!!」

 

 アン王女が深々と頭を下げると、慌ててソードもならい頭を下げた。続いてソードが話し始め、

 

「私は、トランプ王国のプリキュアで、キュアソードです!以後お見知り置きを・・・」

 

「「キュアソード!?」」

 

 ソードの言葉が終わる前に、聞いていたなぎさとほのかが、同時にソードの名を呼び小首を傾げた。ソードは、何か変な事を言っただろうかと不安そうな表情を浮かべると、なぎさは慌てて手を振り、

 

「アッ、言葉を遮っちゃってゴメン!」

 

「ゴメンなさい!」

 

「なぎさ、ほのか、どうかしたの?」

 

 怪訝そうな表情で、ゆりが二人に問い掛けると、なぎさとほのかは顔を見つめ合い、同時にソードを見つめ、

 

「実は私達・・・キュアソードって名前を、何処かで聞いた事があるような気がするんだよねぇ・・・」

 

「不思議と、何所で聞いたのかは思い出せないんだけど・・・」

 

「「伝説を継ぐ者、キュアソードって」」

 

 なぎさとほのかの中で、嘗て時空の狭間に飛ばされた時の記憶が、キュアソードと聞いた瞬間微かに甦っていた。だが、アン王女もソードも小首を傾げ、

 

「何かの間違いでは!?ソードは、数週間前にプリキュアになったばかりですよ?」

 

「私も、あなた達とは何処かであった記憶は無いのですが?」

 

「そ、そう・・・ほのか、私達の勘違いなのかなぁ?」

 

「お二人に否定されたら、勘違いだったのかも知れないね?」

 

 そうは言っても、何処か心に引っ掛かるなぎさとほのかだった・・・

 

「それはそうと・・・アン王女、ソード、二人共こっちの世界で過ごすなら、その格好じゃ目立つっしょ!」

 

「あたしもそう思ってた!特にソードは、プリキュアの姿で居ると色々目立つから、変身を解除したら?」

 

 えりかと美希に忠告されたソードは困惑し、

 

「エッ!?でも、私はトランプ王国では、プリキュアの姿で暮らしてましたし・・・」

 

「ソード、こちらの世界には、郷に入っては郷に従えということわざがあるそうです。わたくし達も、こちらの世界で過ごすからには、皆さんの言われる通りに致しましょう!」

 

「はい、王女様!」

 

 アン王女の忠告に従い、ソードはプリキュアの姿を解除した・・・

 

 青紫色のショートヘアーをし、服装はトランプ王国の民が着ていたのと同じようで、薄紫色の服を着ていた。えりかと美希は微妙な表情を浮かべ、

 

「ウ~ン・・・アン王女も、ソードも、その姿でも目立つって言うかさぁ・・・」

 

「確かに・・・微妙ね!」

 

「ヨッシャ~!あたしに任せて!!」

 

 えりかは、カメラを構えるようなポーズで、アン王女とソードの周りを不気味に一周すると、アン王女とソードは困惑気味に、

 

「あ、あのぅ・・・それは一体どのような意味が?」

 

「何か不気味何ですけど・・・」

 

「分かったぁ!二人のスリーサイズは・・・ゴニョゴニョゴニョ」

 

 他のメンバーに聞こえ無いように、えりかはアン王女とソード、二人の耳元でスリーサイズを告げると、見る見る二人の顔は赤くなり、

 

「な、何故、わたくしのスリーサイズが?」

 

「エェェ!?」

 

 えりかにズバリスリーサイズを当てられ、アン王女とソードは激しく動揺し、えりかの特技を知っていた一同はクスクス笑っていた。えりかは美希にも何か囁くと、

 

「OK!次はあたしの番ね・・・出てきて、ブルン!」

 

 美希はブルンを呼び出すと、リンクルンを取りだしブルンを差し込んだ。

 

「アン王女、ソード、衣装の希望があったら言ってみて?」

 

「衣装ですか?わたくしは特に拘りは無いのですが、出来ればなるべく肌を露出しないような、薄い青色の衣装を・・・」

 

「私は・・・エェと、よく分からないのでお任せします!色は紫系で!!」

 

「OK!あたしがバッチリ選んであげるわ!!」

 

 取り敢えず、あかねがバレー部の部室に三人を案内し、アン王女とソードは、中で下着姿になると、ブルンの力を借り、美希がコーディネートした衣装を、瞬時にアン王女とソードが身に付け、二人が驚愕した。

 

「こ、これは・・・」

 

「凄い!」

 

 アン王女が身に付けたのは、ベージュ色のボーダーレースワンピースで、スカート部分には、レース地にボーダーの配色で、上品な透け具合は、高貴なアン王女を引き立たせる。上着にはアン王女リクエストの薄いブルーのジャケットで、襟ぐりには、ピコレースをあしらっていた。一方のソードは、上は薄紫色のチュニックで、下はネイビー色のショーパンで、ボーイッシュさを醸し出していた。

 

「こんな素晴らしい衣装をわたくし達に?」

 

「良いの!?」

 

「ええ、気に入って貰えたようで良かったわ!」

 

 二人に気に入って貰えたようで、美希はニッコリ微笑みながら満足気に頷いた。美希とあかねが伴い、アン王女とソードが姿を現わすと、一同が響めき、次々に似合ってるとか、可愛いと、か素敵とかいう声が二人に飛び、二人は頬を赤らめた。

 

 衣装については解決したようで、やよいは気になっていた事を言ってみようと思い立ち、

 

「ハイハイハイ!私は、ソードって言う名前が気になりまぁす!アン王女は、マリー・アンジュさんって名前ですから、外国の人って事で誤魔化せると思うんですけど、ソードじゃまずいと思うの!!」

 

「確かにそうね・・・ソードさん、プリキュアになる前は何て名前だったのかしら?」

 

 こまちもやよいの提案に同意し、ソードに訪ねると、

 

「私の元々の名前はマコトです!」

 

 聞かれたソードが答えると、のぞみは意外そうな表情を浮かべ、

 

「マコトちゃんかぁ・・・日本人っぽい名前だね?」

 

「ソードは音楽も好きだって言ってたから・・・漢字にするなら、真琴って所ね」

 

 エレンも頷き、マコトを漢字にした名前をソードに教えた。

 

「じゃあ、名字を私達で付けてあげようよ!」

 

 ラブの提案に、一同も同意し、色々思案をし始めた・・・

 

「ソードは、日本語で剣だし・・・」

 

「ハイハイハイ!私は、剣崎って名前が良いと思いまぁす!!」

 

 いつきが考えている側で、やよいは再び手を上げ、剣崎と言う名字を提案すると、なぎさもウンウン頷き、

 

「剣崎かぁ・・・良い名前だよねぇ!家のお父さんが学生の頃読んでたボクシング漫画に、剣崎って言う名前があったしさぁ」

 

「ブゥゥ!違いまぁす!!剣崎といえば、特撮の主人公の名前でぇぇす!!!」

 

 やよいは手でバッテンマークを作り、特撮の主人公から取ったと伝えると、見る見るあかねとなおの表情が曇り始め、

 

「またかぁ・・・」

 

「やよいちゃん、もっと真面目に・・・」

 

 あかねとなおに呆れられ、やよいは頬を大きく膨らませると、

 

「真面目に考えたもん!」

 

「私は、みんなが考えてくれたし、剣崎って名前で良いですけど?」

 

「まこちゃぁぁぁん!!」

 

 真琴が剣崎という名字で良いと言ってくれて、やよいの目はキラキラ輝き、真琴に抱き付いた。りんは苦笑気味に、

 

「アハハハ、まあ、ソードが良いって言うから、それで良いかぁ・・・じゃあソードは、プリキュア以外の姿では、剣崎真琴って事で・・・」

 

「うん!アン王女、まこちゃん、これからよろくね!」

 

「よろしく!!」

 

 みゆきの言葉に釣られたように、一同が改めて二人に挨拶すると、

 

「ハイ!こちらこそよろしくお願い致します!!」

 

「少しの間こちらでご厄介になります!」

 

 ソードとアン王女も頭を下げた。二人とも和み始めた事で、なぎさは一同を見渡すと、

 

「折角だし、二人の歓迎会でもする?」

 

「そうね・・・でもこれだけの大人数となると、ナッツハウスでも窮屈になりそうね?」

 

 なぎさの言葉にほのかも同意し、何時ものようにナッツハウスでとも考えたものの、人数も増えた事で、窮屈になりそうだと懸念していると、

 

「その心配は無用ですよ!」

 

 さてどうするかと思案している一同の耳に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。れいかの表情が見る見る曇った。何故なら、その声は何度も聞いた事のある、因縁のある声だったのだから・・・

 

「今の声・・・・・ジョカー!」

 

「「エッ!?」」

 

 ジョーカーと言う言葉を聞き、アン王女とソードが直ぐさま反応した。二人がこの世界に来る切っ掛けを作った人物と、こんなに早く再会出来るとは、二人も考えては居なかった。辺りをキョロキョロすると、日が暮れた空にジョーカーが浮かんで居た。よく見れば、その側に浮かぶ五つの影があった。

 

「久しぶりですねぇ、プリキュアの皆さん・・・今日は皆さんに挨拶をしに来ましてねぇ!さあ、あれがプリキュア達ですよ!!」

 

 ジョーカーに促され、五人の少女達が少し前に出ると、

 

「ヤッホ~、私はバッドエンドハッピー!本当は、面倒だから来たくなかったんだけどぉ、こっちの世界は楽しそうだから、また来ちゃたぁ!!」

 

「あの子もハッピー!?」

 

「確かに、何処かみゆきちゃんに似てるね?」

 

 バッドエンドハッピーの自己紹介を聞き、自分と同じハッピーと名乗った事で、みゆきが目を見開き、あゆみも二人を見比べてみゆきに似て居る事を実感した。

 

「ウチはバッドエンドサニーや!ウチの炎で燃やしたるでぇ!!」

 

 指をパチリと鳴らすと、バッドエンドサニーの指から炎が沸き上がり、不適な笑みを浮かべた。それを見て居た咲とあかねは、

 

「バッドエンドサニー・・・何か攻撃的な感じだね?」

 

「せやねぇ・・・何かウチに喧嘩売られてるようや!」

 

 自分に喧嘩を売られているようで、あかねがジィとバッドエンドサニーを見つめると、バッドエンドサニーも、口元に笑みを浮かべながらあかねを見つめ返した。

 

「エェと、私はバッドエンドピースだよ!本当は、さっきも遊びに来たんだけどぉ・・・ビューティに虐められて帰っちゃったの!!そうしたらね、今度はジョーカーに無理矢理連れて来られて、もうプンプンって感じ!!」

 

 頭に大きなタンコブを作ったバッドエンドピースは、その時を思い出したのか、たんこぶを右手で撫でた。

 

「何や、あの黄色いの・・・やよいみたいやなぁ?」

 

「本当・・・子供っぽい所もそっくり!」

 

「エッ!?」

 

 あかねとアコにやよいに似てると言われ、やよいが少し動揺した。

 

「あたしはバッドエンドマーチ!チマチマした事は嫌いでねぇ・・・これだけ居れば、歯応えがある奴に会えそうだねぇ!!」

 

「へぇ・・・中々挑戦的な事言ってくれるねぇ」

 

「そうね・・・中々の自信家見たい」

 

 何処か自分がプリキュアに変身した姿に似て居るバッドエンドマーチを見たなおは、闘志を漲らし、舞は、バッドエンドマーチがプライド高そうなのを見抜いた。

 

「私はバッドエンドビューティ!美しさこそが正義、強さこそが美しい証」

 

「何か、ナルシストみたいなの来たよ?」

 

「ええ、今の言葉・・・同意しかねます!」

 

 目をパチクリしながらバッドエンドビューティを見たえりかが呟き、れいかはバッドエンドビューティの発言を否定した。

 

「彼女達がバッドエンドプリキュア・・・」

 

 みゆきは、改めてバッドエンドプリキュアの五人を見て呟くと、

 

「ピンポン、ピンポン、ピンポン・・・正解でぇす!」

 

「今ウチら、自分で名乗ったやろう!」

 

「全く・・・」

 

 バッドエンドピースが、楽しそうに正解だとみゆきに告げ、みゆきは思わず呆気に取られた。バッドエンドサニーとマーチは、そんなピースに呆れ返った。

 

「エッ!?何、あの娘?」

 

「しかし、随分軽いノリやなぁ・・・」

 

 奏も驚きの声を出し、あかねも苦笑気味に答えると、バッドエンドビューティの顔が見る見る強張り、

 

「お黙りなさい!あなたが何かやる度に、私達まで恥をかくんだから」

 

 バッドエンドビューティに頭を殴られ、バッドエンドピースの頭のタンコブが再び膨れ上がった。

 

「痛ぁぁい・・・また殴ったぁぁ!もう、信じられなぁい!!」

 

 バッドエンドピースが、隣に居るバッドエンドビューティに抗議するも、ビューティに睨まれ、思わずバッドエンドハッピーの後ろに隠れる。ジョーカーはやれやれといったジェスチャーを見せるも、視線を感じたジョーカーが、アン王女を見ると、アン王女は鋭い視線でジョーカーを見つめた。

 

「ジョーカーと仰いましたね・・・トランプ王国の秘宝、返して頂きますわ!」

 

「と言われましてもねぇ・・・返す訳無いじゃありませんか!」

 

「だったら、腕ずくで取返すまで・・・ダビィ!」

 

 真琴の合図で、直ぐにダビィがラブリーコミューン姿に変化すると、真琴はキュアラビーズを取りだし、ラブリーコミューンにセットし、

 

「プリキュア!ラブリンク!!」

 

「L・O・V・E」

 

 ラブリーコミューンの画面に、真琴が指で「L・O・V・E」と描くと、ダビィがその都度その文字を読み上げ、真琴の身体が光に包まれ、プリキュアへと変化していった。

 

「勇気の刃! キュアソード!!」

 

 変身を終えたソードは、両手でスペード型の形を作り上げると、

 

「このキュアソードが、愛の剣で、あなたの野望を断ち切ってみせる!!!」

 

 バッドエンドプリキュアを右腕で指差し、ポーズを決めた。バッドエンドピースは思わずプッと吹き出し、

 

「誰かと思ったら、あの時の弱弱プリキュアちゃん・・・懲りずにまた私達と戦うのぉ?」

 

「例え一度敗れても、王家の秘宝を取り戻すまで、何度でも立ち向かってみせる!」

 

「フゥゥン・・・いいよ、私が相手してあげるぅ!」

 

 そう言うと、バッドエンドピースはゆっくり地上におり、ソードにおいでおいでをすると、バカにされたと感じたソードが突進する。

 

「ソード、早まらないで!」

 

「ヤバイ!私達もプリキュアに・・・」

 

 アン王女が忠告し、なぎさ達一同が慌てて変身アイテムを手に取ると、

 

「「デュアルオーロラウェーブ!!」」

 

「ルミナス、シャイニングストリーム!!」

 

「「「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」」」

 

「「「「「プリキュア!メタモルフォーゼ!!」」」」」

 

「スカイローズ!トランスレイト!!」

 

「「「「チェインジ・プリキュア!ビートアップ!!」」」」

 

「「「「プリキュア!オープンマイハート!!」」」」

 

「「「「レッツプレイ!プリキュア!モジュレーション!!」」」」

 

「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」

 

「プリキュア!スィンクチャージ!!」

 

「光の使者・キュアブラック!」

 

「光の使者・キュアホワイト!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「輝く生命、シャイニールミナス!」

 

「輝く金の花!キュアブルーム!!」

 

「きらめく銀の翼!キュアイーグレット!!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「天空に満ちる月!キュアブライト!!」

 

「大地に薫る風!キュアウィンディ!!」

 

「「ふたりはプリキュア!!」」

 

「大いなる、希望の力!キュアドリーム!!」

 

「情熱の、赤い炎!キュアルージュ!!」

 

「弾けるレモンの香り!キュアレモネード!!」

 

「安らぎの、緑の大地!キュアミント!!」

 

「知性の青き泉!キュアアクア!!」

 

「「「「「希望の力と未来の光、華麗に羽ばたく5つの心!Yes! プリキュア5!!」」」」」

 

「青いバラは秘密のしるし!ミルキィローズ!!」

 

「ピンクのハートは愛あるしるし!もぎたてフレッシュ、キュアピーチ!!」

 

「ブルーのハートは希望のしるし!つみたてフレッシュ、キュアベリー!!」

 

「イエローハートは祈りのしるし!とれたてフレッシュ、キュアパイン!!」

 

「真っ赤なハートは幸せの証!熟れたてフレッシュ、キュアパッション!!」

 

「「「「レッツ!プリキュア!!」」」」

 

「大地に咲く一輪の花・キュアブロッサム!」

 

「海風に揺れる一輪の花・キュアマリン!」

 

「陽の光浴びる一輪の花・キュアサンシャイン!」

 

「月光に冴える一輪の花・キュアム~~ンライト!!」

 

「「「「ハートキャッチプリキュア!!」」」」

 

「爪弾くは、荒ぶる調べ!キュアメロディ!!」

 

「爪弾くは、たおやかな調べ!キュアリズム!!」

 

「爪弾くは、魂の調べ!キュアビート!!」

 

「爪弾くは、女神の調べ!キュアミューズ!!」

 

「「「「届け!四人の組曲!!スイートプリキュア!!!」」」」

 

「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!!」

 

「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!!」

 

「ピカピカぴかりん!じゃんけん・・・ポン!キュアピース!!」

 

「勇気リンリン、直球勝負!キュアマーチ!!」

 

「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!!」

 

「「「「「5つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!!」」」」」

 

「思いよ、届け!キュアエコー!!」

 

(本当にこれだけの方がプリキュアに・・・何と心強い事でしょう!)

 

 変身を終えた31人のプリキュアが姿を現わし、アン王女はその頼もしさに目を輝かせた。それとは逆に、見て居たバッドエンドプリキュアは激しく動揺し、

 

「エェェ!?な、何よ、あの数?」

 

「ちょ、ちょい待ち!ウチら、五人であんな大人数と戦わなきゃアカンのかぁ?」

 

「上等・・・と言いたいけど、さすがにあたし達だけじゃキツイだろう?」

 

「ハッキリ言えば・・・今の私達だけで、彼女達に勝てる見込みは無いわ!」

 

 バッドエンドハッピー、サニー、マーチ、ビューティの四人も、プリキュア達の人数に戦意を喪失仕掛ける。険しい表情を浮かべたジョーカーは、

 

(そう・・・まともに戦えば、如何に私も加わったとしても、勝ち目は無い・・・だが、裏を返せば!)

 

 ジョーカーが何かを思案した時、ソードの背後に現われた沢山のプリキュア達を見て呆然としたバッドエンドピースは、突然シクシク泣き出し、思わず駈けていたソードは立ち止まり様子を伺うと、

 

「本当はね、あなた達と戦いたくないの!この水晶だって、今すぐ返して上げたい・・・でも、これを上げちゃったら・・・私達死んじゃうの!グスン・・・」

 

「エッ!?・・・それ本当?」

 

 水晶を手放すと死んでしまう・・・

 

 バッドエンドピースの言葉がソードの胸を打ち、思わずソードはバッドエンドピースの言葉に耳を傾けると、バッドエンドピースは話を続け、

 

「うん!酷いよねぇ・・・でも、この前あなたには酷い事しちゃったし」

 

 バッドエンドピースが、無理矢理水晶を取ろうと気付き、ソードは慌ててバッドエンドピースの手を取り止めさせると、

 

「バカ!無茶しないで!!プリキュアのみんなが居るし、何かきっと良い考えが浮かぶ筈よ・・・だから、一緒に方法を考えましょう?」

 

「ウン!優しいね・・・・・なぁんちゃってぇぇ!!」

 

「エッ!?・・・キャァァァァァァァァ」

 

 バッドエンドピースは、ソードを嘘泣きで欺き、ソードは、バッドエンドピースの雷攻撃を受けて身体を感電させた。堪らず悲鳴を上げたソードの身を案じたアン王女は、

 

「ソード!!」

 

「な、何てあざとい奴だ・・・」

 

「さすがにやよいに似とるだけある」

 

 ソードを騙したバッドエンドピースを見て、マーチとサニーが感想を述べると、聞いていたピースは困惑しながら、

 

「エェェ!?サニー、何でそこで私の名前が出るの?」

 

「そんな事言ってる場合じゃ無い!みんな、ソードを助けるよ!!」

 

 ドリームの合図と共に、プリキュア達は心配そうにソードに駆け寄ろうとした時、ジョーカーの口元がニタリと吊り上がり、

 

「これは使えますねぇ・・・」

 

 ジョーカーは、地上に居るソードとバッドエンドピースの前に降り立った。

 

「ご苦労様でした!バッドエンドピース、あなたにしては上出来です!!」

 

「エへヘヘヘ!」

 

 ジョーカーに褒められ、得意気にするバッドエンドピース、ジョーカーは、目の前で藻搔くソードを見つめながら、トランプカードを取り出すと、中から黒い水晶を取りだし、再びトランプカードを何処かに仕舞い込んだ。

 

「さあ、あなたをバッドな世界にご招待してあげましょう!」

 

「エッ!?これは・・・・キャァァァァァァァァ」

 

 ジョーカーがソードに黒い水晶を翳すと、見る見るソードの身体が水晶の中に引き込まれた。

 

「ソードォォォォォ!!」

 

 アン王女が、プリキュア達が、水晶の中に吸い込まれたソードの身を案じ叫び、ジョーカーの笑い声が周囲に木霊した・・・

 

             第八十話:真琴~キュアソード~

                    完

 




お詫び・・・
ご感想を頂いたキユ様さんだったと思いますが、私のミスで削除してしまいました・・・
ここにお詫び致します・・・申し訳ありませんでした!
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