1、猛襲!クラーケン
ソドムが召喚した魔界の魔獣クラーケンに、妖精学校は襲撃されていた。だが、変身アイテムを奪われてしまったなぎさ達一同は、プリキュアになれず為す術は無かった・・・
「ねぇ、どうしてさっきみたいにプリキュアにならないのぉ?」
「プリキュア、助けてよ!」
なぎさ達の先程の勇姿を覚えて居た一部の生徒達は、縋るようになぎさ達に訴えた。生徒達に懇願されたなぎさ達は困惑し、しゃがみ込んだ祈里は、懇願した妖精を抱きしめると、申し訳無さそうな表情を浮かべながら、
「ゴメンなさい・・・私達、今はプリキュアになる事が出来ないの!」
「エェェェ!?」
「どうしてぇ!?」
祈里の言葉を聞き、困惑する生徒達、祈里はただ悲しそうに詫びるだけだったが、見かねたシャルルはパンパン手を叩くと、
「みんな、静かにするシャル!」
「野暮な事を言うのは止めた方が良いぜ!プリキュア達は、グレルとエンエンに変身アイテムを奪われてるんだぜ?」
「そうロマ!プリキュア達を責めるのは筋違いロマ!」
「悪いのは、グレルとエンエンだケル」
少し膨れっ面をしながら、ラケルがグレルとエンエンを悪く言うと、アン王女は表情を曇らせ、
「ラケル!クラスの仲間にそういう事を言うものではありません!!」
アン王女は、少し語気を強めてラケルを窘めた。ランスは、なぎさ達一同の前をゆっくり歩き、最後に真琴の前で立ち止まると、ヤレヤレといったジェスチャーを交えながら、
「みんな、あっさり奪われる何て・・・間抜けでランス」
ランスに駄目出しされた一同は、返す言葉が見つからず、困惑気味に美希は側に居たつぼみに話し掛け、
「あの子、可愛い顔して結構毒舌よね?」
「でも、あの子の言う通りですし・・・言い返せませんよね?」
トホホ顔を浮かべたつぼみが、ランスを見ながら美希に返事を返した。真琴はランスを恨めしそうに見つめ、頬を大きく膨らませると、
「今ランスは、私の顔見て間抜けって言ってたでしょう?もう・・・」
「静粛に!静粛に!!」
亀のような容姿をした妖精学校の教師は、騒ぐ生徒達を抑えるも、外からはクラーケンが発する奇声が聞こえ、妖精達が不安がる。なぎさは右拳を軽く握り左手と合わせてパシッと叩くと、
「もう、メップルとミップルさへ居れば・・・」
ほのかはゆっくり首を左右に振りながら、苛立つなぎさを宥めるように、
「仕方無いわ!ミップルとメップルは、私達の代わりにあゆみさんを迎えに行ってるんだし・・・」
「アァァ!もう、何でこんな事になってるのよぉぉ!!」
あゆみの事を覚えて居らず、外には巨大な魔物クラーケンが咆哮する現状に、為す術が無いなぎさは頭を抱えた。
そのメップルとミップルは、フゥフゥ息を切らせながら森の中を駈け続けた。虹の園と呼ばれる、なぎさ達の住む世界に居る時よりはマシだが、長時間妖精姿で居る事で、メップルとミップルの体力は奪われていった。ハァハァ息をするメップルとミップルに追いついたエコーが、背後から二人に声を掛け、
「メップル!ミップル!私もみんなの所に行くわ!!」
「エコー!?助かったメポ」
「一緒に連れて行ってミポ」
二人はコミューン姿に変化すると、エコーは、メップルとミップルが変化したコミューンを、大事そうに手に握り再び駈け出した。
「急げ、エンエン!」
「うん!」
変身アイテムが入ったカバンを抱え、懸命に妖精学校目指して走るグレルとエンエン、自分達がしでかした行為により、妖精学校のクラスメートやプリキュア達は窮地に陥った。反省した二人は、一同に変身アイテムを返すべく駈け続け、階段をヒィヒィ言いながらも何とか登り切った。階段を上りきった二人は、妖精学校に覆い被さるようにする巨大なるクラーケンを見て思わず怯んだ。
「な、何なの!?」
「ちくしょう!これじゃ妖精学校の中に入れないぞ!?」
エンエンとグレルは、クラーケンを見て激しく動揺した。何故なら、妖精学校に入るには、巨大なるクラーケンが不気味に動かす触手をかいくぐり、校舎内に入るしか無かったのだから・・・
クラーケンは苛立っていた・・・
窓の隙間から触手を伸ばそうとしたものの、気付いた中に居た一同に窓やドアを閉められた事で、威嚇するように妖精学校を締め付けた。痺れを切らしたクラーケンは、八本の内、一本の触手を不気味に動かすと、大きく振りかぶり、妖精学校の窓を勢いよく叩き割った。ガラスの割れる音が教室に響き渡り、窓の近くに居たパフ目掛け、触手が襲い掛かってきた。パフは恐怖で身体が竦み、思わず涙目になった。
「パフゥゥゥ!!」
兄であるアロマがパフを見て絶叫したその時、咄嗟にパフに飛び付き、その勢いのまま床をゴロゴロ転がったポニーテイルの人物が、間一髪の所でパフを救った。それはアン王女で、アン王女は震えるパフの頭を優しく撫で、
「大丈夫!?何所も怪我は・・・無いようですね!」
「ありがとパフ!」
パフは、怖いと思って居たアン王女の優しさに触れ、自然にアン王女に笑顔を向けながらお礼を言った。そんなパフを見てアン王女も微笑み返し、
「どう致しまして!皆さん、生徒達を安全な場所まで避難させて下さい!!」
アン王女は、なぎさ達に声を掛け、生徒達の身を案じ避難させるよう進言する。ゆりはコクリと頷き、
「みんな、窓から離れて!」
「なるべくドアの方に批難して!」
ほのかが手招きしながら生徒達を呼び、なぎさ達が生徒達を誘導する。のぞみはココとナッツに確認するように、
「ココ、ナッツ、何処か他に安全な場所は無いの?」
「こんな事が起こるとは想定して無かったココ・・・」
「安全な所何て・・・」
動揺するココとナッツ、妖精学校の至る所で、パリンとガラスが割れる音が聞こえ、一同は他にも触手が妖精学校内に侵入した事を悟った。教室内で蠢く触手、更に廊下からウネウネ不気味な音が聞こえ、生徒達は悲鳴を上げ、なぎさ達からは冷汗が流れた。ココとナッツは一歩前に出ると、両手を前に付きだし、バリアを張って触手から一同を守り続ける。
「ポプリも手伝うでしゅ!」
ポプリも加勢し、バリアはより強固となって触手を防ぐものの、それは只の時間稼ぎでしかない事は、誰の目からも明かだった・・・
「止めろ!この化け物!!」
グレルはカバンをエンエンに渡すと、腰の竹光を抜いた。
「妖精学校から離れろぉぉぉ!」
グレルは、危険を顧みずクラーケン目掛け駈け出した。グレルも怖かったが、目の前で妖精学校の仲間達を、危険な目に合わせようとするクラーケンが許せなかった。
雄叫びを上げながら、クラーケン目掛け駈け出すグレルを、クラーケンは邪魔だとばかり、妖精学校に巻き付けていた触手の一本で、グレルに向けて攻撃を開始した。クラーケンの注意がグレルに集中した事で、教室内の触手は大人しくなり、恐る恐る窓から外を覗いたシャルル、パフ、ぐらさんは、触手に追われるグレルとエンエンを見て驚愕し、
「あれは・・・グレルシャル!」
「エンエンも居るパフ」
「む、無茶だぜ!」
三人からの報告を聞きざわめく教室内、険しい表情を浮かべたアン王女は、
「きっと、あなた方の危機を知り、あの子達は助けに戻って来たのでしょう・・・」
アン王女の呟きを聞き、ほのかは険しい表情を浮かべながら、
「でも、無茶よ!」
「クッ、プリキュアになれれば・・・」
悔しそうになぎさが拳を握り、険しい表情を浮かべたゆりは、
「何とかあの怪物の注意を、あの子達から逸らしましょう!」
そう言うと、ゆりは教室内を見渡したが、武器になりそうな物は見つからず、ゆりの顔から冷汗が流れた。その間にも、グレルとエンエンは次第に触手に追い詰められ、
「グレルとエンエンが?」
「不味いロマ!」
「捕まっちゃったでランス」
ユメタが、アロマとランスが、今クラーケンの触手に捕らわれた、グレルとエンエンを見て真っ青になった。なぎさは大きく息を吸い込むと、
「その子達を離せぇぇぇぇ!!」
だが、なぎさの絶叫空しく、クラーケンがグレルとエンエンを今正に絞め殺そうとしたしたその時、
「エンエン!グレル!今助けるから・・・ハァァァァ!!」
階段を勢い良く駆け上ったエコーが、大きくジャンプし、グレルとエンエンを捕らえた触手に、全体重を乗せた蹴りを浴びせると、締め付けた触手が緩み、グレルとエンエンが解放され、エコーは、二人を両脇に抱えて校庭に舞い降りた。
「プリキュアだぁぁ!」
「プリキュアが来てくれたぁぁ!!」
「あれが・・・キュアエコー!?」
生徒達の目は輝き、なぎさ達は今だに思い出せず、困惑気味にエコーの勇姿を見つめた・・・
2、ミラクルライト
駆け付けたキュアエコーによって、クラーケンの注意はエコーに向けられた。クラーケンは、学校内に潜り込ませた触手を戻し、エコーに対して臨戦態勢を取った。グレルとエンエンを地上に降ろしたエコーも、クラーケンを凝視した。間近で見れば、クラーケンの巨大さが、エコーにもより一層分かった。助けられたエンエンとグレルは、
「エコー、ありがとう!」
「でも、あいつが居るから、俺達妖精学校に入れないぜ・・・」
「大丈夫!私が注意を惹きつけるから、あなた達はその隙にみんなの所に行って!」
エコーは、コミューン姿になっているメップルとミップルを、グレルとエンエンに託すと、クラーケンの注意を自分に向けようと校庭を走り出し、グレルとエンエンから距離を取った。
「いくら何でも、一人じゃ無理よ!」
「でも、プリキュアになれない私達じゃ、あの子の力になれない・・・」
憂いを帯びた舞が叫び、満は、プリキュアになれない今の自分達じゃ、何の援護も出来ないと嘆いた。
(エンエンとグレルが、みんなの所に辿り着ける迄、私が何とかしなきゃ・・・)
エコーとクラーケンの戦いが幕を開けた・・・
だがエコーは、クラーケンから放たれる触手攻撃を、ただ躱すだけの防戦一方だった・・・
クラーケンの触手は八本だったが、クラーケンは、エコーを弄ぶかのように、三本の触手で攻撃を繰り出した。一本を躱してももう一本の触手が、それを躱しても更にもう一本が襲い掛かる。背後を取られたエコーは、背中を触手で叩かれ吹き飛ばされる。
「キャァァァ!」
吹き飛ばされながらも、何とか地上に着地したエコーだったが、このままでは戦いの結果は明らかだった・・・
「エコー!頑張るクルゥゥゥゥ!!」
そう言って真っ先に窓から身を乗り出し、エコーに声援を送り出したのはキャンディだった。キャンディもまだエコーの事を思い出せては居なかったが、キャンディは、エコーに声援を送らずには居られなかった。それに釣られたかのように、
「プリキュアァァ!頑張るシャルゥゥ!!」
「エコー!頑張って!!」
「頑張れぇぇ!」
シャルルを筆頭に、妖精学校の生徒達がエコーに声援を送り始めた。劣勢だったエコーは、思わず妖精学校を振り返り、
「エッ!?みんな・・・」
自分に声援を送る妖精達の声、更に聞き慣れた声も聞こえだし、
「エコー!頑張ってぇぇ!!」
「今は加勢に迎えないけど・・・必ず、必ず私達も行くから、それまで持ち堪えて!」
みゆきの声が、なぎさの声が、更に仲間達の声が、エコーに力を与え出す。その時、ナッツが持って居たミラクルガイドライトが光輝くと、先端から目映い虹色の光を照射し、妖精達の手に、小型のミラクルガイドライトのような物が握られた。ココは驚愕し、
「ナッツ、あれは一体!?」
「奇跡が起こったナツ・・・みんなのエコーへの思いを吸収し、ミラクルガイドライトが進化したナツ!正にミラクル・・・ミラクルライトナツ!!」
「何だか良く分からないニャ・・・でも、取り敢えずエコーをみんなで応援するニャァ!」
「エコー、頑張れぇぇぇ!!」
ハミィの合図と共に、ココとナッツが、タルトとシフォンが、シプレ、コフレ、ポプリが、妖精学校の生徒達が、ミラクルライトの光と共に、エコーに声援を送り、なぎさ達一同も懸命にエコーに声援を送り続けた!!
「みんな・・・みんな、ありがとう!」
エコーは、みんなから更なる力を与えられたかのように光輝き、クラーケンをキッと見つめると、
「みんなが、みんなが私に力を分けてくれた!その力を、この一撃に賭ける!!世界に響け!みんなの想い!!プリキュア!ハートフル・エコ~~!!」
エコーの叫びと共に、光輝く胸のブローチから発射された光が、巨大なるクラーケン向けて発射された。
(な、何だ!?あの光は?)
魔王とピーちゃんと相対して居たソドムだったが、エコーが放った光に気付き動揺していた。
(あの光、気になる・・・こんな奴らと戦い、時間を無駄に過ごすのも得策では無いな!目障りだが此処は・・・)
「おい、だんまり決め込んでどうしたカゲ!?俺達に恐れをなしたカゲか?」
「フン、好きに吠えれば良い!俺は貴様らと遊んで居る時間は無い!!」
ソドムはそう言い残すと、地上に吸い込まれるかのように消え去った。呆気に取られていた魔王とピーちゃんは、
「逃げたカゲか?」
「ピィピィ」
「エッ!?そう言えば、物凄い力を感じるカゲ・・・ピー助、もうちょっとこの辺を調べたら、俺達もあゆみの下に行くカゲ!!」
「ピィィィィ!」
そう言うと、魔王とピーちゃんはフワフワ宙に浮かんだ。
エコーから放たれたハートフル・エコーが、クラーケン事妖精学校を包み込む・・・
目映い光のシャワーが、クラーケンを、妖精学校の中に居る一同を照らし続ける。
「まだよ!私の中に残って居る力よ、私に力を貸してぇぇ!!ハァァァァァ!!!」
ありったけの力を込めたエコーだったが、スィンクパクトにセットしたリボンデコルは、その力に耐えきれず亀裂が走った。それにも構わず、エコーはありったけの力を更に込めた・・・
クラーケンは苦しみを増し、妖精学校に居た一同の目に、教室内を覆うように空を泳ぐ大量のめだかのような生物が、次々に浄化されていく姿が飛び込んで来た。それに合わせたかのように、なぎさ達の瞳からポロポロ大粒の涙が零れた。
限界を迎えたリボンデコルは真っ二つに裂け、エコーは、変身が解けてあゆみの姿に戻り、全ての力を使った反動か、そのまま地面に両膝を付いてハァハァ荒い呼吸を繰り返した。そんなあゆみの背後から、不気味な声が響き渡り、
「クククク、残念だったなぁ!?見ろ!クラーケンは健在だ!!」
再び闇と同化し、現われたソドムは、クラーケンが無事な姿を見てあゆみに嘲笑を浴びせた。だがあゆみは、思わず笑みを浮かべながら、
「フフフ・・・私一人で浄化出来ないのは、最初から分かって居たわ!私の本当の目的は・・・エンエン!グレル!」
「「オォォォォ!!」」
「何・・・だとぉ!?」
あゆみの合図と共に、ハートフル・エコーを受け、思考が停止していたクラーケンの隙を付き、エンエンとグレルが妖精学校に飛び込んだ。それを見たソドムは動揺し、エンエンとグレルが飛び込んだ教室の中では、
「何で私達、あゆみの事を忘れてたんだろう・・・ありえない、ありえなぁぁい!!」
「あゆみちゃん、ゴメン、本当にゴメン・・・あたし達、どうかしてた」
「私、あゆみちゃんの事知らない何て・・・何であんな酷い事言っちゃったの?」
「私だってそうだよ・・・お母さん以外にも、あゆみって名前の大事な友達の名前を忘れる何て・・・」
「私、私、自分自身に、堪忍袋の緒が・・・切れましたぁぁ!」
「あゆみちゃんゴメン!私は何であんな良い子を疑ったりしたのよ!」
「謝らなきゃ、あゆみちゃんに・・・」
なぎさが、咲が、のぞみが、ラブが、つぼみが、響が、みゆきが、皆あゆみに対しての罪悪感で胸が張り裂けんばかりに痛んでいた。他の一同も、胸が張り裂けそうな気持ちになり、ただあゆみにたいしての謝罪の言葉を繰り返した。
それは、ココやナッツを始めとした妖精達も同じだった・・・
キュアエコーが最後に放った、ハートフル・エコーの一撃は、なぎさ達一同の脳に寄生していた空魚を浄化し、なぎさ達の記憶を完全に取り戻した!
3、反撃!プリキュアオールスターズ!!
妖精学校に飛び込んだエンエンとグレルは、ジィと二人を見つめる視線の数々に狼狽えながら、
「あ、あのぉぉ・・・」
「そのぉぉ・・・」
「「悪い事をしてゴメンなさい!!!」」
エンエンとグレルはそう言うと、なぎさ達や教師達、クラスメートに涙ながらに謝罪し、一同の前に変身アイテムを差しだした。メップルとミップルも妖精姿になり、エンエンとグレルは心から反省し、危険を顧みず一同の危機を知って駆けつけた事を告げて、二人をフォローした。エンエンとグレルは、なぎさ達に簡潔に今までの事情を説明し、縋るような視線を向けると、
「お願い、エコーを・・・助けて!」
「お願いします!」
なぎさはコクリと頷くと、
「分かってる!みんなぁぁ!!」
なぎさの合図と共に、一同が変身アイテムを手に持ち、なぎさとほのかは、メップルとミップルにアイコンタクトを送ると、
「メップル!」
「ミップル!」
「メポ!」
「ミポ!」
「アン王女、後をお願いします!」
「ええ、ご武運を祈ってますわ!」
なぎさとほのかの合図に、メップルとミップルがコミューン姿に変化し、なぎさとほのかの手に握られた。ゆりは小声でアン王女に後時を託し、アン王女は承諾した。一同は表情を引き締めると、
「「デュアルオーロラウェーブ!!」」
「ルミナス、シャイニングストリーム!!」
「「「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」」」
「「「「「プリキュア!メタモルフォーゼ!!」」」」」
「スカイローズ!トランスレイト!!」
「「「「チェインジ・プリキュア!ビートアップ!!」」」」
「「「「プリキュア!オープンマイハート!!」」」」
「「「「レッツプレイ!プリキュア!モジュレーション!!」」」」
「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」
「プリキュア!ラブリンク!!」
今、あゆみを救う為、妖精学校を救う為、プリキュアオールスターズが校舎を一斉に飛び出した!
ソドムは怒りに震えていた・・・
エンエンとグレルが妖精学校に入ったという事は、直ぐに一同がプリキュアになって、クラーケンと対峙する事は明らかだった。
「クッ、計画は狂ったが、プリキュアである貴様を・・・」
「残念だったわね!プリキュアになる為に必要な、リボンデコルが真っ二つになってしまった今・・・私は、もうプリキュアにはなれない!!」
まるで自分への自虐も混め、あゆみはソドムに、もうプリキュアになれない事を告げると、ソドムは驚き、
「何だと!?貴様、もうプリキュアになれないのか?そうか・・・なら、もう貴様は不要だ!死ね!!」
あゆみの顔面に、ソドムの鱗に覆われた不気味な右手が迫った刹那、
「「「「「プリキュア!レインボー・バ~~スト!!」」」」」
ハッピー達はあゆみの危機を見るや、直ぐにプリンセスフォームに変化し、五色のペガサスが合わさり、巨大な光のペガサスの口から、レインボーバーストがソドム目掛け放たれた!
「何だと!?クゥゥゥ」
不意を突かれたものの、咄嗟に左手も出したソドムは、両手でレインボーバーストの勢いを受け止めた。だが、ソドムは闇との同化が解け、実体を露わにした。藍色の髪の色以外、カインとアベルにそっくりな顔、その身体は不気味な鱗に覆われ、顔と身体のアンバランスさが更なる不気味さを漂わせた。
あゆみを庇うように、あゆみの目の前に着地したハッピー、サニー、ピース、マーチ、ビューティの五人は、ソドムを睨み付けた。あゆみは思わず五人に声を掛けようとしたものの、まだ五人は自分の事を覚えて居ないのでは無いかと思うと、声を掛ける事を思わず躊躇した。そんなあゆみに気付いたかのように、ハッピー達があゆみを振り返ると、ハッピーは泣きながら変身を解いてみゆきの姿に戻り、そのまま倒れ込むようにあゆみに抱き付いた。
「あゆみちゃん、あゆみちゃん、ゴメン、ゴメンねぇぇぇ!!」
「エッ!?じゃあ、じゃあ、私の事・・・」
「うん!うん!エンエンとグレルに聞いたよ!!あゆみちゃんが、ハートフル・エコーを放ってくれたお陰で、私達記憶を取り戻す事が出来たの!本当に、本当にゴメンねぇぇぇ!!ウワァァァァァン!!!」
あゆみに抱き付き号泣するみゆき、更にサニー、ピース、マーチ、ビューティも変身を解き、あゆみに抱き付くと、
「あゆみ・・・ウチを殴ってエエ!大切な友達を、一時でも忘れるや何て・・・ウチは最低や!!」
鼻を啜りながら、あかねは自分を殴ってくれとあゆみに伝え、
「私の事も殴って良いよ・・・私の、バカバカ!」
やよいもあかね同様自分も殴って良いと言いながら、自分の頭をポカポカ叩き、なおは自分の両頬をピシャンと叩くと、
「自分が情けないよ・・・あゆみちゃん、本当に、本当にゴメンね!」
「なおの言う通りです・・・私は、自分が恥ずかしい・・・あゆみさん、何とお詫びすれば良いのか・・・本当に申し訳ありません」
れいかも泣きながらあゆみに謝罪し、五人を見たあゆみの瞳からも大粒の涙が滴り落ちた。
「ううん、私もあの時、酷い事を言ってゴメンね!みんながあんな意地悪する筈無いのに・・・みんな、みんな、あの人が・・・」
そう言ってソドムを指さしたあゆみに釣られるように、みゆき達五人がソドムを険しい表情で見つめた・・・
一方、再び動き出したクラーケンの前に、ブルーム達四人、ドリーム達六人、ピーチ達四人、ブロッサム達四人、メロディ達四人、そして、キュアソードが勢揃いしていた。
「あゆみさん、ゴメンなさい!私の記憶が欠けていたとは思わず、あゆみさんの事を知らないだ何て・・・」
ソードはちらりとあゆみを見ながら謝罪し、メロディはクラーケンを険しい表情で睨み付け、
「よくも妖精学校を・・・よくもエコーを・・・あんた、絶対許さないからね!」
クラーケンを指差し、メロディは拳を握った。今だ、妖精学校に覆い被さり続けるクラーケンを見て、ムーンライトは一同に話し掛け、
「先ずは、妖精学校から引き離すことが先決ね!」
「それは私に任せて!」
ムーンライトの言葉を受け、自分に任せて欲しいとパッションが進言した。パッションは、ゆっくりクラーケン目掛け歩き出し、クラーケンは威嚇するように触手でパッションを攻撃した。
「パッション!」
「危ない!」
ピーチが、パインが、パッションに注意を促すも、パッションは歩みを止めず、触手が身体に当たりそうになると、一瞬でその姿を消し、再び姿を現わしては歩みを始める。クラーケンはそんなパッションに苛立ち、妖精学校を覆っていた触手を戻し、全てパッション目掛け攻撃しようとした時、パッションの目が輝いた。
「お前達の所為で、私達は大切な仲間の心を傷付けてしまった・・・私は、お前達を絶対に許さない!みんな、攻撃準備を・・・行くわよ!!ハァ!!!」
パッションは、アカルンを呼び出すと、瞬時にクラーケンの巨体を消し去り、妖精学校から少し離れた森の中へと瞬間移動させた。それを合図に、プリキュア達が森目掛け駈け出すも、皆、あゆみの側で立ち止まると、謝罪の言葉を口に出し、再びクラーケン目掛け駈けだした。計画が狂ったソドムは、一同がプリキュアになった事で、この場を去ろうと試みるも、自分に対して発せられる、強烈なプレッシャーを受け戸惑って居た・・・
(な、何だ!?この俺に対してここまでのプレッシャーを与えるとは・・・)
ソドムは、プレッシャーの出所を探ると、その視線が黒と白の衣装を纏った二人組を見て止まった。
(奴らか!?・・・)
ソドムに対してプレッシャーを放ちながら、あゆみとみゆき達の前に立ったブラックとホワイト、ホワイトはみゆき達を振り向くと、
「みゆきさん、あかねさん、やよいさん、なおさん、れいかさん、あなた達もみんなに手を貸して上げて!」
「で、でも、この人を・・・」
ホワイトに頼まれたものの、自分達から、あゆみの記憶を奪ったソドムを許せないみゆきは困惑したものの、ブラックは力強く拳を握り、
「それは、私とホワイトに任せて!」
ホワイトは、後から来たルミナスを見るや、
「ルミナス、あなたはあゆみさんと妖精学校のみんなを守って上げて!」
「はい!あゆみさん・・・本当に申し訳ありませんでした!また改めて後で謝らせて頂きますけど、今はこちらに!!」
「気にしないで下さい!みゆきちゃん達、ブラック、ホワイト、後をお願い!!」
「うん!ブラック、ホワイト、その人は任せました!みんな!!」
「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」
再びスマイルプリキュアに変身したハッピー達は、クラーケン撃破の為、一同の下へと駈け去った。ルミナスは、あゆみを伴い妖精学校の目の前に移動した。ソドムをキッと睨み付けたブラックとホワイトは、
「あゆみの無念、私達の悲しみ、妖精学校のみんなを怖がらせた事、全て私達が晴らして見せる!」
「覚悟しなさい!」
「クククク、たった二人で俺に挑もうとは・・・死にたいようだなぁ?」
ブラック、ホワイトと、ソドムの戦いが始まった!!
パッションによって森の中へと送られたクラーケン、森の中では自由に触手が動かせず、木々を破壊しようと試みるも、
「そうはさせない!ビートソニック!!」
上空にジャンプしたビートは、瞬時にラブギターロッドを取りだし、ビートソニックを放った。それに合わせるように、アクアとソードもジャンプし、
「プリキュア!サファイア・アロー!!」
「閃け!ホーリーソ~ド!!」
三人の同時攻撃を受け、クラーケンの触手が一本千切れて浄化された。怒ったクラーケンは、無差別に触手で森を破壊しようと試みるも、プリキュア達は四方に散り、ブルーム、イーグレット、ブライト、ウィンディは、足下に力を蓄えると一気にジャンプし、それに反応した二本の触手が四人を追った。
「妖精学校を滅茶苦茶にしようだ何て・・・あたし達プリキュアが許さない!ブライトとウィンディはそっちをお願い!こっちはあたし達が・・・行くよ!イーグレット!!」
「ええ、ブルーム!」
「こっちは任せて!良いわね、ウィンディ?」
「何時でも良いわよ、ブライト!」
ブルームの言葉に、イーグレット、ブライト、ウィンディも同意した。頂点に達した四人は、そのまま落下を始め、地上から追ってきた触手を目にするや、
「「精霊の光よ!命の輝きよ!」」
イーグレットとウィンディが叫べば、
「「希望へ導け!二つの心!」」
ブルームとブライトが叫ぶ、
「「プリキュア!スパイラル・ハート・・・」」
「「プリキュア!スパイラル・スター・・・」」
「「「「スプラ~~ッシュ!!!!」」」」
四人のプリキュアから放たれた精霊の光が輝き、二本の触手に直撃する。触手は、ブルーム達の攻撃を耐えきる事が出来ず消滅した。
「後、五本!私達も行くよ!!」
「「「YES!」」」
ドリームの合図にルージュ、レモネード、ミントが頷いた。一本の触手をビート、ソードと共に浄化したアクアも加わり、プリキュア5が触手に怒濤の連携技を繰り出した。パンチが、キックが、触手を何度も吹き飛ばす。ルージュは雄叫びを上げると、
「ウォォォ・・・行けぇぇ!プリキュア!ファイヤーストライク!!」
炎のボールが触手向かって飛び、援護するようにアクアが再びサファイアアローの体勢に入ると、
「プリキュア!サファイア・アロー!!」
水の矢がクラーケン目掛け放たれる。弱ってきたものの、ルージュとアクア目掛け反撃を試みる触手に、
「やらせないわ!プリキュア!エメラルドソーサー!!」
ミントがエメラルドソーサーを放ち、触手の攻撃を完全に防いだ。ここだと見たレモネードは、
「プリキュア!プリズムチェーン!!・・・ドリーム、今です!!」
プリズムチェーンで触手を捕らえると、レモネードはドリームに合図を送った。ドリームは力強く頷くや、
「プリキュア!シュ-ティングスター!!」
ピンクの流星と化したドリームが、その勢いのまま触手に体当たりを喰らわせ、触手を消滅させた。地上に降下したドリームの一瞬の油断を付き、新手の触手が背後からドリームを狙うも、それに気付いたローズは、
「やらせない!邪悪な力を包み込む、バラの吹雪を咲かせましょう!ミルキィローズ・ブリザード!!」
ドリームを狙った触手を、ローズのミルキィローズブリザードが消滅させた。
「グォォォォォォォ!!」
五本の触手を失ったクラーケンは、物凄い咆哮を上げると、思わずマリンは耳を塞ぎながら、
「何この声!?鼓膜が破れるでしょうがぁぁぁ!」
触手を次々失った事で、先程のエコーのハートフルエコーを浴びた事で、クラーケンの動きは大分鈍っていた。ムーンライトはムーンタクトを取り出すと、
「もう一息のようね・・・三人共、行くわよ!プリキュア!フローラルパワー・フォルテッシモ!!」
ムーンライトは、タクトでffのマークを描くと、銀色の光と共に上昇した。ムーンライトの合図に頷いたブロッサムは、
「はい!マリン、サンシャイン、行きますよ!!」
「ちゃっちゃと倒して、あゆみの所に行かなきゃね!」
「うん!」
頷いたマリンとサンシャイン、ブロッサムとマリンはタクトを、サンシャインはシャイニータンバリンを取り出すと、
「「集まれ、二つの花の力よ!プリキュア!フローラルパワー・フォルテッシモ!!」」
ブロッサムとマリンがピンクと青の光に包まれ上昇すると、それを合図にしたようにサンシャインが、シャイニータンバリンを構え、
「花よ!舞い踊れ!!プリキュア!ゴールドフォルテバースト!!」
サンシャインが、ゴールドフォルテバーストの力で太陽のような光のゲートを空中に作り出すと、先ずムーンライトが、続いてブロッサムとマリンのフォルテッシモが、それ目掛けて突入し、三人の身体が金色に輝く。
「プリキュア!シャイニング」
「「「フォルテッシモ!!!」」」
ムーンライトも加わった、合体技シャイニングフォルテッシモが、クラーケンの触手を突き抜け、触手を消滅させた!
「後二本!先ずは動きを止めなきゃ・・・シの音符のシャイニングメロディ!プリキュア・シャイニングサークル!!」
ミューズは、まるで分身の術を使ったかのように、四人の幻影を出すと、五芒星のようなサークルを描き、触手の動きを封じた。
「メロディ、リズム、今よ!」
「OK!行くよ、リズム!」
「OK!メロディ!」
ミューズの合図にコクリと頷いたメロディとリズム、メロディは、ミラクルベルティエをクロスロッド状態に、リズムは、ファンタスティックベルティエをクロスロッド状態へと変化させた。
「「駆け巡れ、トーンのリング!」」
メロディとリズムは、クロスロッドを鈴のように振ると、
「「プリキュア!ミュージックロンド・スーパーカルテット」」
二人の掛け声と共に、薄いブルー、薄いオレンジ、ピンク、薄いピンク、レモン色の五本のリングが現われ、ハート形の光と共に螺旋のように飛び、触手を捕らえると、メロディとリズムは顔を見合わせ、
「「せぇのぉ・・・フィナーレ!!」」
二人の合図と共にリングは爆発し、触手を浄化した!
「後一本!行くよ、ベリー、パイン、パッション」
「ええ、一気に行きましょう!」
ピーチの合図にベリーも頷き、ベリーソードを取りだした。ピーチとパイン、パッションもベリーの提案に同意し、ピーチはピーチロッドを、パインはパインフルートを、パッションはパッションハープを取りだし、
「「「悪いの、悪いの、飛んでいけ!」」」
「プリキュア!ラブサンシャイン・・・」
「プリキュア!エスポワールシャワー・・・」
「プリキュア!ヒーリングプレアー・・・」
「「「フレ~~ッシュ!!」」」
「吹き荒れよ!幸せの嵐!プリキュア!ハピネス・ハリケーン!!」
ピーチ、ベリー、パイン、パッション、四人の合体技を受け、最後の触手は消滅した・・・
だが・・・
「後は本体を・・・そんな!?」
「まだ有ったの!?」
「しまった!?」
後は本体を浄化すれば全てが終わると判断していたムーンライトが、ピーチが、ソードが驚愕する。クラーケンは一同の一瞬の油断を見逃さなかった。二本の隠し腕を伸ばしたクラーケンは、油断していたプリキュア達を捕らえた。締め付けられたプリキュア達だったが、
「みんなが!?プリキュア!ハッピー・・・シャワー!!」
「プリキュア!サニー・・・ファイヤー!!」
隠し触手に捕らわれた一同を救うべく、ハッピーとサニーが咄嗟に技を繰り出した。直撃を受け触手の勢いが弱まると、プリキュア達は捕らわれた触手から脱出した。
「ハッピー、サニー、ありがとう!コノォォォ!!」
ブルームは、ハッピーとサニーに礼を述べると、変顔浮かべながら自分達を巻き付けていた触手を掴んだ。それを見た他の一度も同じように触手を掴み、一本の触手をブルーム達、ドリーム達、ソードが捕まえ、もう一本の触手を、ピーチ達、ブロッサム達、メロディ達が捕まえた。
「ハッピー、サニー、ピース、マーチ、ビューティ、今の内に!」
「はい!」
ドリームの合図に頷いたハッピー達五人は、
「「「「「ペガサスよ、私達に力を!!」」」」」
五人がキャンドルを合わせ、ペガサスに力を貸して欲しいと願うと、五人の姿が変化を遂げていく・・・
「プリンセスハッピー!」
「プリンセスサニー!」
「プリンセスピース!」
「プリンセスマーチ!」
「プリンセスビューティ!」
「「「「「プリキュア!プリンセスフォーム!!」」」」」
五人は、まるでドレスのような衣装を纏い、頭には天使の輪のような光のリングが装着される。
「届け!希望の光!」
「「「「羽ばたけ、未来へ!」」」」
五人は五色のペガサスに跨るや、上空高く舞い上がった。五色のペガサスは、上空で宙返りすると、
「「「「「プリキュア!レインボー・バ~~スト!!」」」」」
五色のペガサスが合わさり、巨大な光のペガサスの口から、五色のエネルギー波がクラーケン目掛け放たれた!
「グゥゥオォォォォォォ!」
物凄い咆哮をしながら、クラーケンはレインボーバーストを受け浄化された。プリンセスフォームを解除したハッピー達を、仲間達が出迎えた!
4、怒るブラック!猛るホワイト!!
プリキュア達が、クラーケンと相対していた時を同じくして、ブラックとホワイトは、今回の騒動の元凶であるソドムと対峙していた・・・
「ダダダダダダ!」
ブラックの怒濤の連打を捌くソドムだったが、徐々に押され出し、
(こいつ・・・)
ソドムはブラックの強さを認め、両目を金色に輝かせると、
「俺に本気を出させた事は褒めてやろう・・・だが!」
ソドムから発せられる負の力が強大さを増し、妖精学校から見て居た一同が心配そうに戦いの行方を見守っていた。
「あいつの力が急激に上がったココ」
「物凄い邪悪な力を感じるナツ」
「ええ、この感じは嫌な予感がします・・・」
アン王女も険しい表情を浮かべ、ココとナッツの言葉に同意した。
妖精学校前に居たルミナスにもその気配は伝わり、
「あゆみさん、私から決して離れないようにしてください!」
「は、はい!」
あゆみは頷き、ルミナスの側に近寄ると、ルミナスは何時でも妖精学校を守れるように身構えた。
ソドムは不気味な右腕を横に払うと、ブラック目掛け凄まじい風が襲った。だが、ブラックは足に力を込め踏ん張り、
「こんなものでぇぇ!」
一歩一歩前に進み、ソドム目掛けるブラック、ブラックを援護するように、横から攻撃を繰り出すホワイトの右腕を掴んだソドムが、上空に放り投げるも、ホワイトはクルクル回転しながら威力を弱め、ブラックの隣に着地した。
「忌々しい奴らめぇ・・・ヌゥゥゥン!」
ソドムは邪悪な気を両腕に集めると、負のエネルギーはどんどん大きくなり、気球ほどの大きさになると、
「死ね!プリキュアァァァァ!!」
ソドムから発せられた強大な負のエネルギーが、ブラックとホワイトに迫る。
「「ブラック!ホワイト!」」
心配そうにブラックとホワイトの名を叫んだルミナスとあゆみだったが、ブラックとホワイトは、その攻撃を、手を繋ぎながらバリアを張って堪え、尚もソドム目掛け前に出る。
(チッ、忌々しい奴らめ・・・ン!?あの光は、さっきの・・・まさか、クラーケンがやられたのか?)
先程のハッピー達のレインボーバーストを見て居たソドムは、クラーケンが敗れた事を悟った。
(チッ、此処に居ても俺の不利だな・・・仕方が無い!)
「貴様らに、この攻撃が堪えられるか?ハァァァァァァァ!」
ソドムは、さっき放った一撃以上に強大な負のエネルギーを溜め始め、阻止しようと動いたブラックとホワイトに対し、身体に付いた鱗を飛ばして牽制した。
「クククク、その鱗には猛毒が仕込んである・・・触れば、お陀仏だぞ?」
「うるさい!あんただけは、あんただけは・・・」
ソドムの忠告を無視し、ブラックが前に進もうとするのをホワイトが肩を掴んで止め、
「いくら私達でも、あれに触れれば一溜まりも無いわ!ブラック、マーブルスクリューで・・・」
「そっか・・・分かった!」
ホワイトの忠告を受け入れたブラック、二人からマーブルスクリューがソドム目掛け発射された。だが・・
(チッ、邪魔はさせん!)
ソドムの両目が怪しく輝くと、世界が沈黙する・・・
再び時を止めたソドムの前に、ブラックとホワイトも動きを止めた。
「ピィ!?」
再び時が止まった事を悟ったピーちゃんは、隣で沈黙している魔王を尻目に、心配そうに空を見上げた。
「厄介な奴らだ・・・おそらく、これを放っても貴様らの攻撃と相殺するだろう・・・ならば!」
ソドムは溜め込んだ負のエネルギーを、ブラックとホワイトには放たず、妖精学校へと放った。
「クククク、これで貴様らは技を放つ余裕など無く、妖精学校を助けに向かう筈・・・その隙に俺は魔界へと帰らせて貰おう・・・出直しだ!!」
ソドムの言葉が終わると同時に、再び時が動き出した・・・
目の前に居た筈のソドムが消え失せ、妖精学校に負のエネルギーを放ったと知ったブラックとホワイトから冷汗が流れた。
「「ルミナス!!」」
二人は絶叫し、ハッと我に返ったルミナスが、目の前に迫る強大な漆黒色した負のエネルギーを、バリアを張って受け止めた。
「何・・・だと!?あの攻撃を?」
ソドムは呆然とした・・・
あの強大なエネルギーを、受け止められる者が居るとは思って居なかった。その一瞬の油断を見逃さず、
「ブラック、サンダー!」
「ホワイトサンダー!」
「プリキュアの、美しき魂が!」
「邪悪な心を打ち砕く!」
「「プリキュア!マーブルスクリュー!」」
ブラックが右手に、ホワイトが左手に力を込めて一旦引いた手を前に突き出すと、
「「マックス~~!!」」
ギュッと握り合った手と手・・・
再びソドム目掛けマーブルスクリューが飛ぶ、時を止めた事で疲弊していたソドムは、マーブルスクリューを両手で受け止めるも、その威力に徐々に後ろに押され始める。
「クッ、何て威力だ・・・だが、この程度なら!」
一歩一歩前に出てマーブルスクリューを押返すソドム、負けずとブラックとホワイトの握り合う手に力が加わる。
「私達は、あんたのせいで、あゆみの心を傷付けてしまった・・・」
「あなたのせいで、私達は深い哀しみを味わってしまった・・・」
「あんただけは!」
「あなただけは!」
「「絶対に!許さなぁぁぁぁぁぁい!!」」
ブラックとホワイトの心からの感情が爆発した時、二人の身体が黄金に輝いた。
「も、物凄い力を感じるメポ!?」
「こんな事、初めてミポ!」
困惑するメップルとミップル、だがブラックとホワイトの輝きは増し、二人の背中から大きな光の翼のオーラが現われた。あゆみは思わず目を見張り、
「ブラック?ホワイト?ルミナス、あれは一体!?」
「わ、私にも分かりません・・・ですが、二人から強大な光の力を感じます!」
ルミナスにも二人の変化の理由が分からず首を振った。尚もブラックとホワイトは光輝き続け、大きな光の翼が片側三枚ずつ、計六枚の翼に変わると、ブラックとホワイトの手が更なる発光を遂げ、
「「シャイニィィィィング!!」」
二人の掛け声と共に、マーブルスクリューは強大な光のエネルギーとなり、一気にソドムを飲み込んだ。
「俺が、この俺が!?プリキュア・・・恐るべし!伝えねば、カインとアベルに・・・例え偽りの身体を失おうとも・・・ウゥゥオォォォォォ!!」
ソドムは最後の力を振り絞り、再び時を止めた・・・
だが、ソドムが時を止めても、マーブルスクリューシャイニングはその威力を止めず、ソドムは必死に右手を動かし、自らの首を刎ねた!首は吹き飛び、辛くもマーブルスクリューシャイニングから逃れ、ソドムの生首は姿を消した・・・
再び時が動き出し、ソドムの肉体は跡形もなく消滅した・・・
5、来て良かった!
クラーケンとソドムを撃退し、妖精学校に再び平和が戻った!
妖精学校の校庭で、平和を取り戻した事を共に喜べる筈だった・・・
だが、一同の笑顔が戻る事は無かった・・・
何故なら、リボンデコルが真っ二つになった今、あゆみは二度とキュアエコーにはなれないのだから・・・
「こんなのって無いよぉぉ」
「折角、折角、あゆみちゃんの記憶を、エコーの記憶を取り戻したのに・・・」
「「あんまりだよぉぉぉ」」
ラブとのぞみは抱き合いながら泣き続け、それを見ていた一同の目にも涙が零れた。エンエンとグレルの目にも涙が溜まり、
「ゴメンなさい!僕達のせいなの!僕達の・・・」
「お前のせいじゃねぇよ!全ては俺の、俺の・・・」
「あなた達のせいじゃないよ!エンエン、グレル、だから、泣かないで!」
あゆみは、エンエンとグレルの頭を優しく撫で、沈痛な表情を浮かべるなぎさ達やアン王女、妖精達を見て、そんな一同に元気を取り戻して貰おうと、笑みを浮かべながら、
「泣かないで下さい!私のプリキュアとしての物語は終わってしまったけど・・・」
「何言うとるんやぁ!ワイは・・・ワイは・・・これからもエコーはんって呼び続けまっせ!!」
そんなあゆみの言葉を、泣きながらタルトが遮り、みゆきも泣きながらタルトを肯定し、
「そうだよ!例えあゆみちゃんがプリキュアになれなくても・・・あゆみちゃんは、あゆみちゃんは、私達スマイルプリキュアの・・・六人目の仲間何だからねぇ!!」
「みゆきちゃん・・・」
みゆきの言葉に、堪えていたあゆみの目にも涙が溜まり、あかね、やよい、なお、れいかも加わり、
「せや!」
「うん!」
「あゆみちゃんは・・・」
「ええ、私達スマイルプリキュアの仲間です!」
「キャンディもクルゥゥ!」
六人の少女達に、キャンディも加わり、あゆみはスマイルプリキュアの仲間だと抱き付くと、堪えていたあゆみの目から涙がポロポロ零れた。
「シャルルも、エコーの勇姿は忘れないシャル!」
「ブラックやホワイト、ルミナスの他にも、沢山のプリキュアが居た事をみんなに話すでございまちゅ!」
「俺もリボンに教えるぜ!」
「そうロマ!必ずカナタ様に知らせるロマ!!」
「キュアエコーっていう勇敢な戦士が居た事を・・・必ず!」
シャルルやマーキーズ、ぐらさんやアロマも、涙混じりにキュアエコーというプリキュアの勇姿を伝えると告げた。あゆみは顔をクシャクシャにしながら涙を流し、
「みんなぁぁ・・・嫌な事も有ったけど、私、私、妖精学校に来て良かった!」
「あゆみぃぃぃ!」
両手で顔を覆って嬉し泣きするあゆみに、なぎさ達が次々に抱き付いた。だが、グレルとエンエンの表情はまだ冴えなかった。自分達がしてしまった代償はあまりにも大きく、二人の心を傷付けた。
(本当に悪いと思って居るのなら・・・)
(グレル、エンエン、あなた達があゆみに力を貸して上げて!)
「「エッ!?」」
突然誰かに話し掛けられ、グレルとエンエンは辺りをキョロキョロするも、二人に話し掛けたような者は居なかった。
「エンエン、お前にも聞こえたのか?」
「う、うん・・・」
(おいらはアンデ!)
(私はルセン!)
「エッ!?アンデとルセン?」
「ど、何処に居るの?」
動揺する二人に気付いたあゆみは、グレルとエンエンに近付くと、
「グレル、エンエン、どうしたの?」
「いやぁ、俺達にアンデとルセンって奴らが話し掛けてきたんだけど・・・」
「何所にも姿が見えないの!」
「エッ!?アンデとルセンが?」
あゆみは激しく動揺した・・・
アンデとルセンは、三人の魔人の一人、ベガに殺され消滅した筈だったのだから・・・
「本当に、アンデとルセンって言ったの?」
「「うん!」」
そんなあゆみの心にも、アンデとルセンの声が聞こえてきた・・・
(あゆみ、みんなの力を受け取ったハートフルエコーの力は、おいら達の力を遙かに超えてしまったんだ!)
(だから、リボンデコルはその衝撃に耐えられなかったの)
(でも、リボンデコルの輝きは・・・まだ完全に失っては居ない!)
(エンエン、グレル、お前ら二人がおいら達の代りをするんだ!)
(しっかりこの妖精学校で勉強し、心身共に鍛える事が出来たなら、あなた達との絆と共に、あゆみは必ずエコーになれる!)
「私がもう一度エコーに!?」
あゆみの声に、周りに居た一同も驚き、あゆみに近づいてくると、みゆきは驚きながらあゆみに声を掛け、
「あゆみちゃん、もう一度エコーにって・・・もしかして?」
「うん!アンデとルセンが、エンエンとグレルの力を借りれば、また必ずエコーになれるって・・・」
「本当!?」
「今直ぐって訳じゃ無さそうだけど・・・でも、必ずって!」
嬉しそうな表情を浮かべるあゆみの姿を見て、ようやく一同にも笑みが浮かんだ。グレルはエンエンを見ると、
「エンエン・・・俺、やるよ!もっと妖精学校で勉強して・・・エコーのパートナーになれるように努力する!!」
「僕もやるよ!グレル、一緒に頑張ろう!!」
グレルとエンエンの目に、もう涙は浮かばない・・・
二人には、あゆみのパートナーになり、もう一度あゆみをキュアエコーにする夢が出来たのだから!
教師である亀の妖精は満足そうに何度も頷き、
「グレル、エンエン、よくぞ言いました!エコーさんの為にも、頑張るんですぞ!!」
「「はい!!」」
二人は力強く返事を返した!
こうして妖精学校はようやく笑顔を取り戻し、なぎさ達は、改めて妖精達と親睦を深めて行った・・・
魔界・・・
古代ギリシャの建物を連想させる十二の建物の一つ、双児宮に居たカインとアベルは、闇の気配を感じ近づくと、
「ソドム、戻ったか・・・・・ソドム!?」
カインが声を掛けるも、闇の中からソドムの声が聞こえて来ず、カインとアベルは思わず顔を見合わせた。
「ソドム、どうした!?何かあった・・・・何!?」
闇に声を掛けたアベルは、闇の中からゴロゴロ転がってきた物体を見て絶句した。何故なら、転がってきたのはソドムの生首だったのだから・・・
カインも目を見開いて驚き、
「し、信じられん、ソドム程の者が・・・」
「まさか、プリキュアって奴らの?」
カインとアベルが会話をしていると、突然ソドムの生首がカッと目を見開き、
「そうだ!カイン、アベル、プリキュアに徒党を組ませるな!奴らは危険だ!!」
「どういう事だ、ソドム!?」
カインが詳しい事をソドムに聞こうとするものの、ソドムは目を閉じて無反応だった。
「ソドム!?・・・ムゥ眠りに付いたか・・・だが、ソドム程の者にこれ程のダメージを与えるとはなぁ?」
アベルはソドムの生首を手に持つと、カインに差し出した、カインはソドムの生首を受け取ると、
「プリキュア・・・もっと良く調べた方が良さそうだな!」
カインとアベルは、双児宮の奥へと消え去った・・・
第八十九話:キュアエコー・・・最後の戦い!?
完
連休だったので何とか書き終えましたが、10月の三連休までは全部休みが町内会の行事の準備などで潰れるため、次回は間空きます