プリキュアオールスターズif   作:鳳凰009

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第九十三話:レインボーバーストVSバッドエンドバースト

1、ユメタの夢と焦るランス

 

 妖精学校・・・

 

 妖精学校での一件以来、グレルとエンエンは、講師達の授業を一番前の席に座り、一言も聞き逃すまいとするかのように、勉強に勤しんでいた。

 

「エンエンとグレル、あの時に比べてエライ変わりよったなぁ」

 

「二人共あゆみ殿を、一日も早く再びエコーに変身させたいと願っているのでござろう」

 

 タルトやポップの講師達も、その努力には目を見張り、時には熱心に質問してくる現状を喜んで居た。それに反し、魔王の知り合いでもあるユメタは何処か元気が無かった・・・

 

「ユメタ、どうかしましたか!?最近元気が無いようですが?」

 

 休み時間、何処か元気のないユメタを見かねて、亀の容姿をした妖精学校の教師は、ユメタに話し掛けた。ユメタは、最初こそモジモジしていたものの、

 

「あのぉ・・・ぼ、僕、先生達に話があるの!」

 

 意を決したユメタの表情を見て、亀の教師はユメタの並々ならぬ決意を見て取ると、ココやナッツ、タルトやポップを呼び、共にユメタの話に聞き入った。最初こそ驚いたものの、教師達は皆満面の笑みを浮かべ、

 

「分かったココ!ユメタのその決意、しかと受け取ったココ!!」

 

「じゃあ、みんなにその旨を伝えた方が良いナツ!」

 

「う、うん・・・」

 

 緊張した面持ちで、ユメタは頷いた・・・

 

 その日の授業後、亀の教師は一同に話し掛け、

 

「今日は、皆さんに残念なお知らせがあります・・・ユメタ、前へ!」

 

「は、はい!」

 

 亀の教師に名前を呼ばれたユメタは、ゆっくり前に出ると、亀の教師の横に並んだ。生徒達は何の話だろうかとザワザワし、ココとナッツに注意される。

 

「大変急な話ではありますが、ユメタは本日を持って・・・妖精学校を辞めるそうです!」

 

「「「「エェェェ!?」」」」

 

「本当かよ、ユメタ?」

 

「一体どうして?」

 

 驚愕する生徒達、グレルとエンエンも心底驚いたようで、ユメタに真偽を問うと、ユメタは恥ずかしそうにモジモジしながら、

 

「うん・・・あのね、僕には夢があるの!お母さんと同じように、悪夢に襲われる人を助けたいの!!僕は勇気がないから、そんな怖い事出来ないって思ってた・・・けど、あの時のエンエンとグレルを見て思ったの!諦めなければ、夢は叶うんじゃないかって・・・」

 

 ユメタの脳裏に思い出されるのは、ソドムが送り込んだクラーケンに蹂躙される妖精学校を、グレルとエンエンが必死になって救おうとする勇姿だった。グレルとエンエンは思わず顔を見合わせキョトンとすると、

 

「ユメタ、あれは元々、俺の所為で起こった事何だって言っただろう?」

 

「結局僕達は、エコーのお陰で妖精学校の中に入れたんだし・・・」

 

「でも、二人は僕達を助けようと必死だったよ!僕が同じ立場だったら・・・怖くてそんな真似出来なかったと思う」

 

 ユメタはそう言うと、グレルとエンエンに微笑んだ。更にユメタは妖精学校の生徒達を見渡すと、目に涙が滲んだ。

 

「僕は、夢の世界の妖精!夢の世界に帰れば、みんな僕の事を忘れちゃうかも知れない・・・それでも、僕はこの妖精学校に入って、みんなと友達になれて嬉しかったんだ!!」

 

「ユメタ・・・・・何言ってんだよ!お前の事を忘れるわけ無いだろう!!」

 

「グレルの言うとおりだよ!ユメタ、離れていたって、僕達は友達だよ!!」

 

 グレルとエンエンに釣られたかのように、他の生徒達も次々にユメタに温かい言葉を掛け、感極まったユメタの瞳からは大粒の涙が零れ落ちた。

 

「みんな、ありがとう!みんなの事・・・僕、僕、絶対忘れないよ!!」

 

「ユメタ!!」

 

 次々に立ち上がり、ユメタに駆け寄った生徒達を、亀の教師も、ココとナッツ達も目を細めて見て居た。教室の端でその光景を見ていたアン王女は、そんな生徒達の温かな交流を見て思わず貰い泣きをし、涙を拭った・・・

 

 翌日、ユメタの去った妖精学校だったが、誰一人ユメタの事を忘れた者など居なかった。

 

 今日も熱心に勉強に励むエンエンとグレルを見たシャルルは、休み時間にランスに話し掛けると、

 

「ランス!ユメタは妖精学校を辞め、グレルとエンエンはメキメキ勉強に励んで居る今、この妖精学校で一番の落ちこぼれは・・・・・ランスシャル!!」

 

「ガァァァン・・・・・でランス!」

 

 シャルルに指を指されて注意されたランスは心底驚愕し、そのままヘナヘナ床に倒れ込み、

 

「そ、そんなの嫌でランス!」

 

「だったらもっと勉強を・・・・シャル!?」

 

 シャルルはウンウン頷きながらランスを見ると、目の前に居た筈のランスの姿は忽然と消えていた。驚くシャルルにラケルが話し掛け、

 

「シャルル、ランスならエンエンとグレルの所に・・・」

 

「シャル!?」

 

 呆れ顔のラケルがランスを指差し、シャルルがランスを見た瞬間、シャルルの目が点になった。ランスは、休み時間も先程の予習をしているエンエンとグレルに話し掛け、

 

「エンエン、グレル、勉強ばかりしてたら疲れるでランス・・・一緒に休むでランス!」

 

「俺達は良いよ!なぁ?」

 

「うん、僕達、さっきの所を・・・何?」

 

「ただ勉強するだけじゃ駄目でランスゥゥ!」

 

 頬を大きく膨らませたランスが、エンエンとグレルにダメ出しし、持って来た果物を美味しそうに囓り出すと、

 

「ほらほら、休憩しないと一人で食べちゃうでランス」

 

「いや、俺達は別に要らないし・・・」

 

 顔を見合わせながら困惑するグレルとエンエン、シャルルは顔を真っ赤にして怒り出すと、慌ててランスに近付き、

 

「何やってるシャルゥゥ!勉強する所か、二人の邪魔をしてぇ、何考えてるシャルゥゥ!!」

 

 シャルルはお腹で体当たりしてランスを転ばすと、ランスは涙目になりながら、

 

「一番の落ちこぼれになるのは、嫌でランス!」

 

 会話に加わったラケルも、呆れたようにランスに話し掛け、

 

「それで二人の邪魔をしたケル?」

 

「だからもっと勉強しろって言ってるシャル!」

 

「勉強は疲れるランス」

 

「「ハァァァ」」

 

 ランスの姉と兄にあたるシャルルとラケルは、ランスの不甲斐なさに溜息を付いた。その時、突然ランスは頭を掴まれ、まるでクレーンゲームの景品のように宙に浮かび驚愕していると、背後から聞き覚えのある声が聞こえ出し、

 

「ランスゥゥ、ちょっと向こうでお話しましょうか?」

 

「ア、アン王女!?」

 

「お友達の勉強の邪魔をしては、駄目ですわ!」

 

 アン王女は、口元に笑みを浮かべてはいるものの、その目は明らかに笑って居らず、ランスは恐怖に引き攣りながら、アン王女に連れられ教室の外に連れ出された。

 

「ゴ、ゴメンでランスゥゥ・・・・・・・・」

 

 ランスの悲鳴と共に、シーンと廊下は静まりかえり、生徒達は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。暫くすると、教室のドアがゆっくり開き、ヨロヨロしながらランスが戻って来て自分の席に座ると、プリキュア教科書を取りだした。再びアン王女が教室内に戻ってくると、何事も無かったかのように後ろに回り、再び生徒達を見守った。

 

「ランスに何があったケル!?」

 

「触れない方が良いシャル」

 

 困惑気味なラケルの言葉に、これまた困惑したシャルルが返事を返した。パフは改めてアン王女を見ると、アン王女はパフを見てニッコリ微笑むも、

 

「やっぱりあの人・・・・怖いパフ」

 

 パフは慌てて視線を逸らした・・・

 

 

 授業後、亀の教師は、帰り支度をしているエンエンとグレルを呼び止めると、

 

「グレル、エンエン、二人共見違えたように勉強に励んでくれて、先生も嬉しい限りです!」

 

 亀の教師に褒められ、思わず顔を見合わせたグレルとエンエンの二人、グレルは少し照れくさそうにしながら、

 

「ヘヘ!俺達、一日でも早くあゆみをエコーにして上げたくて・・・なあ、エンエン?」

 

「うん!僕達が頑張れば、それだけあゆみが再びエコーになれる日が早まるんじゃ無いかと思ったら・・・ねぇ、グレル?」

 

 グレルとエンエン、二人の思いは一つで、あゆみを一日でも早くエコーに戻して上げる事、その目標に向かって精を出す二人に、亀の教師は満足そうに何度も頷き、

 

「良い心掛けです!実は、他の講師の方々とも相談したのですが・・・グレル、エンエン、二人共、人間界に行ってみる気はありませんか?」

 

「「エッ!?」」

 

 亀の教師に、人間界に行ってみないかと誘われたグレルとエンエンが驚き、更にグレルは確認するように問い掛け、

 

「人間界って言ったら・・・プリキュア達が暮らす?」

 

「そうです!きっと教科書を読むだけでは出来ない経験が、あなた方に待っている筈です!!」

 

 亀の教師は、微笑みながらグレルとエンエンに人間界行きを薦めると、思わず二人は顔を見合わせ、

 

「スゲェェ!でも、俺達で良いの?」

 

「僕達の他にも優秀なみんなが・・・」

 

 自分達よりも優秀な生徒達は一杯居るのに、自分達で良いのかと困惑する二人、亀の教師はゆっくり首を振り、

 

「いえいえ、君達も立派に優秀な生徒ですよ!今の君達の姿を、エコーさんにも見て貰いなさい!!」

 

「エッ!?あゆみに?」

 

「会いに行っても良いの?」

 

「もちろんです!」

 

 あゆみに会いに行っても良いと言われ、思わずグレルとエンエンの表情はパッと明るくなり、亀の教師は笑みを浮かべながらコクリと頷いた。

 

「どうです、行きますか?」

 

「「はい!!」」

 

「分かりました!では、シロップさんに頼み、人間界まで送って貰いましょう・・・それと、アン王女にあなた方の事を頼んでおきます!アン王女を私の代りだと思って、ちゃんと言う事を聞くんですよ?」

 

「「はい!!」

 

 こうしてグレルとエンエンは、アン王女に引率され、人間界へ勉強に向かった・・・

 

 

2、ブライト、ウィンディVSバッドエンドプリキュア

 

 グレルとエンエンを引率して、七色ヶ丘へとやって来たアン王女だったが、直ぐに伊達眼鏡を掛け、髪をポニーテイルに纏め上げると、エンエンとグレルは不思議そうにそんなアン王女を見つめ、

 

「アン王女、どうしてそんな格好になるの?」

 

「さっきのままで良いんじゃね?」

 

 エンエンとグレルに聞かれたアン王女は、少し困惑気味な表情を浮かべ、

 

「実は・・・事情があってわたくしは、ソードと顔を合せるのを避けているのです!ですから、このように変装を・・・そうそう、お二人もソードが居る所では、わたくしの事を、決してアン王女と呼ばないようにして下さいね?」

 

「変装するなら・・・化粧を落とせば良いんじゃ?」

 

「グレル・・・何か仰有いました?」

 

 グレルの何気ない一言にピクリと反応したアン王女は、グレルをジィと見つめると、思わずその迫力にグレルは一歩後退りながら、

 

「い、いいえ!な、何も言ってません!!」

 

「フフフフ」

 

 そんなグレルを見て、エンエンは思わず笑うと、アン王女は、今度はエンエンをジィと見つめ、

 

「エンエン、何か可笑しい事でもありましたか?」

 

「い、いいえ!可笑しい事何てありません!!」

 

 今度はエンエンが、少し涙目になり、一歩後退りながら返事を返した。二人は顔を見合わせると、小声で話し始め、

 

「エンエン・・・アン王女って、プリキュア達より迫力ねぇか?」

 

「そ、そうだね、怒らせないようにしないと・・・」

 

 アン王女は、小声でヒソヒソ話をするグレルとエンエンを訝しみ、

 

「二人共、何か仰有いました?」

 

「「いえ、言ってません!」」

 

「そうですか、では先ずみゆきさん達に会いに行きましょう!」

 

「「はい!!」」

 

 アン王女は、グレルとエンエンを抱き上げると、人間界では縫いぐるみの振りをしているようにと言いつけた。二人は言われる通りに縫いぐるみの振りをしながらも、初めて見る人間界の姿に目を輝かせて居た・・・

 

 ちょうど七色ヶ丘の商店街を歩いていると、向こうから学期末テストの為早く学校を終え、下校していたみゆき、あかね、やよい、なお、れいかを見付けて目を細めた。

 

「グレル、スマイルプリキュアだぁ!」

 

「みゆき達にも世話になったからなぁ・・・ちゃんと挨拶しておこうぜ!」

 

 そんな二人のやり取りを聞いていたアン王女は、笑みを浮かべながら手を上げると、

 

「みゆきさん、あかねさん、やよいさん、なおさん、れいかさん!」

 

 突然名前を呼ばれたみゆき達がハッとし、アン王女の姿が目に入り思わず驚愕すると、

 

「エッ!?アン王女?それに・・・グレル!エンエン!二人もこっちに来てたの?」

 

「ヨッ、久しぶりぃ!妖精学校では迷惑掛けて悪かったな!!」

 

「あの時はゴメンなさい!」

 

「ウウン、気にしないで!今日はどうしたの?」

 

 突然現われた三人に、みゆきが訪ねると、三人は大まかな状況をみゆき達に知らせた・・・

 

「へぇ、こっちの世界に勉強しに来たんかぁ」

 

「二人共、あれから勉強を頑張って居たのですね!」

 

「グレル、エンエン、見直したよ!」

 

「本当!」

 

「じゃあ、帰ったらあゆみちゃんにも知らせておくね!」

 

 あかね、れいか、なお、やよい、そしてみゆき、一同はグレルとエンエンの頑張りを聞き、思わず目を細めた。アン王女は周りを見渡し、真琴の姿が見当たらない事を気に掛け、

 

「ソードはご一緒では無いのですか?」

 

「うん!まこちゃんは、分からない所を先生に聞きたいから、それが終わってから帰るって言ってたよ」

 

「そうですか・・・先生と言えば、ソードがお世話になっている佐々木先生という方に、ご挨拶に伺いたいのですが、出来ればソードが居ない時に・・・」

 

「そういう事でしたら、早い方が良いですね・・・では今から学校に戻って、私の方から先生の都合の良い時間を聞き、アン王女にお知らせ致します!」

 

「そうして頂けると助かります・・・お手間を取らせます!」

 

 アン王女は、深々とれいかに頭を下げた。互いに積もる話もあり、学校に戻ったれいかを除いた一同は、場所を不思議図書館に移動した・・・

 

 

 バッドエンド王国・・・

 

 バッドエンドプリキュアの五人は、ジョーカーより新たなる銀玉のアカンベエを授かっていた・・・

 

「この銀の玉からアカンベエを産み出せば、今までの黒玉で作った時より、数倍強力なアカンベエを産み出す事が出来ます」

 

「へぇ・・・でも、私達には必要無いんじゃない?」

 

「せやなぁ!ウチらには強力な味方が居るし・・・」

 

 バッドエンドハッピーとサニーの会話を聞いたジョーカーは、不思議そうに小首を傾げ、

 

「強力な味方!?それは誰の事です?」

 

「エへへへ!それは・・・ナ・イ・ショ!!」

 

 ジョーカーに問われたバッドエンドプリキュア達は、顔を見合わせ合うと少し笑みを浮かべ、バッドエンドピースは、右手の人差し指を鼻に当て、内緒だとジョーカーに伝えた。ジョーカーは再び不思議そうに小首を傾げ、

 

「ハァ!?」

 

「まあ、直に分かるさ!」

 

 普段動じないジョーカーを驚かせた事で、バッドエンドマーチも少し上機嫌でジョーカーに直に分かるとからかった。バッドエンドビューティも笑みを浮かべていたが、少し真顔になると、

 

「ですが、折角ですから頂いて置きましょう!」

 

 バッドエンドビューティに促され、バッドエンドプリキュアの五人は、それぞれ一つずつ銀玉をジョーカーより受け取った。

 

「では、バッドエンドプリキュアの皆さん、期待していますよ!」

 

 そう言い残し、ジョーカーはトランプの舞いと共に、その姿を何処かに消し去った。バッドエンドプリキュア達は輪になると、

 

「で、どうする!?直ぐにスマイルプリキュアの下に向かう?」

 

 そう一同に問い掛けたのはバッドエンドハッピー、少しワクワクしながらバッドエンドピースが他の四人に話し掛け、

 

「ねぇねぇ、スマイルプリキュアの所にはどうせ行くんだから、その前に、この力を試そうよ!」

 

「試す!?それは構わないけど・・・」

 

「何所で試すんだ?」

 

 バッドエンドハッピーとマーチが逆にバッドエンドピースに聞くと、

 

「エへへへ!私、ブライトとウィンディの頭を、どうしても叩かなきゃお腹の虫が治まらないの!パッションは、マーチが叩いてくれたから、気持ちもスッとしたからもう良いんだけどね」

 

「エッ!?ああ、アレね・・・」

 

 少し惚け顔をしながら、バッドエンドピースの視線を避けたマーチ、バッドエンドハッピー、サニー、ビューティは、

 

(((あの捏造写真を、ピースは本当だと思ってるんだ?)))

 

 バッドエンドマーチがカオルに貰った写真を見ながら、ニンマリするバッドエンドピースを見て、三人は些か驚いた表情を見せた。

 

「じゃあ、ブライトとウィンディの所に出発!」

 

 張り切るバッドエンドピースとは対照的に、他の四人は何処か渋々後に続いた・・・

 

 

 夕凪町・・・

 

 満と薫は、部活の為に学校に残った咲と舞と別れ、アルバイト先である咲の家、PANPAKAパンへと向かっていた。本格的な夏ももう始まろうとしていて、坂道から海をみると、サーフィンをしている人々の姿が見えてくる。

 

「・・・・薫!」

 

「ええ、分かってる!」

 

 突然二人は歩みを止めると、前方に歪む空間から現われた五人組を見て身構えた。

 

「「バッドエンドプリキュア!」」

 

「エへへへ!この間の借りを返しに来たもんねぇ!!」

 

「一人で勝てなかったから、仲間を引き連れてやって来たって事かしら?」

 

「数を増やせば良いってものでも無いわよ!」

 

 満と薫は、ムープとフープがコミューン姿になったクリスタルコミューンを手に持つと、

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワーッ!!」」

 

 二人の身体を光が覆い、満と薫をプリキュアへと変えていく、満の髪は更にボリュームを増し、両肩辺りで左右に跳ね、薫の髪は、ポニーテイルのように束ねられた。

 

「未来を照らし!」

 

「勇気を運べ!」

 

 二人の姿が完全にプリキュアへと変化すると、

 

「天空に満ちる月!キュアブライト!!」

 

「大地に薫る風!キュアウィンディ!!」

 

「「ふたりはプリキュア!!!」」

 

「聖なる泉を汚す者よ!」

 

「アコギな真似は、お止めなさい!」

 

 変身を終えたブライトとウィンディがバッドエンドプリキュアを指さすと、バッドエンドプリキュア達はポカンとした表情を浮かべ、

 

「ねえねえ、聖なる泉って何?」

 

「ウチら、聖なる泉何て知らんでぇ?」

 

「汚してもないし、まだアコギな真似何か何もしてないよ?」

 

「変な言い掛かりは止めろよな!」

 

「私達を貶めようとする魂胆かしら?」

 

 怪訝な表情でブライトとウィンディを見つめる、バッドエンドハッピー、サニー、ピース、マーチ、ビューティに、思わず顔を見合わせたブライトとウィンディは、ばつが悪そうに、

 

「こ、言葉の綾よ!」

 

「深い意味は無いわ!」

 

「そ、それより、私達に用があるんでしょう?」

 

 慌てて話を逸らすように、ブライトがバッドエンドプリキュア達に話し掛けると、バッドエンドピースはポンと手を叩き、

 

「そうそう、私はどうしてもあなた達の頭を叩きたくて・・・だ・か・ら、私達と必殺技の勝負しない?」

 

「「必殺技勝負!?」」

 

「そうそう、私達が勝ったら・・・私があなた達の頭を叩くのぉぉ!!」

 

 そう言うと、バッドエンドピースはニンマリしながら叩くジェスチャーをした。ブライトとウィンディはキョトンとするも、

 

「私達が勝ったら?」

 

「あなた達はどうするの?」

 

「このままおとなしく退散・・・・アッ!?美味しいチョココロネって言うのがあるんだよねぇ?それを沢山買って上げるぅぅ・・・どう?」

 

 ブライトとウィンディに聞かれたバッドエンドピースが答えると、再びブライトとウィンディは、呆れたようにバッドエンドピースを見つめるも、

 

「まあ良いわ!でも、場所を変えましょう!!」

 

「此処じゃ人が巻き添えになるかも知れない・・・良いわね?」

 

「OK!良いよ!!」

 

 ブライトとウィンディは、足下に精霊の力を溜めると、一気にジャンプして森の方へ移動し、バッドエンドプリキュア達もその後を追った。

 

「此処なら滅多に人も来ないし・・・」

 

「そうね、じゃあ始めましょうか!」

 

 ブライトとウィンディが身構えると、バッドエンドプリキュアの五人は不敵な笑みを浮かべ、

 

「じゃあ、みんな行くよ!」

 

 バッドエンドハッピー、ビューティ、サニー、ピース、マーチは、右手を合わせると、

 

「「「「「ドラゴンよ!私達に力を!!」」」」」

 

 バッドエンドプリキュア五人の思いが一つになった時、五人の身体から黒いオ-ラが沸き上がり、見る見る何かの姿へと変化していった。

 

「な、何、あれは!?」

 

「竜!?これは・・・」

 

 ブライトとウィンディは、バッドエンドプリキュア達の頭上に現われた黒い竜の姿を見て驚愕した・・・

 

 

 夕凪高校・・・

 

 部活の途中だった咲と舞だったが、フラッピとチョッピから森の方で妙な気配を感じると聞き、二人は途中で部活を上がらせてもらい、咲と舞は下駄箱で合流し、急ぎ森へ向かって駈け出した。咲は駈けながらフラッピに話し掛け、

 

「フラッピ、どういう事なの?」

 

「フラッピにも良く分からないラピ」

 

「でも、邪悪な気配では無いチョピ」

 

「その側に、ムープとフープの気配も感じるラピ」

 

「舞、咲、急いでチョピ」

 

「何だか分からないけど、満さんや薫さんが心配だわ!咲、急ぎましょう!!」

 

「そうだね・・・」

 

 咲と舞は、森目掛け坂道を駆け上っていった・・・

 

 

「あ、あなた達、その姿は!?」

 

「まるで、ハッピー達の・・・」

 

 ブライトとウィンディは、目の前のバッドエンドプリキュア達を見て驚愕していた。普段冷静な二人を持ってしても、動揺は隠せなかったが、二人はそれを払拭するように、

 

「精霊の光よ!命の輝きよ!」

 

「希望へ導け!二つの心!」

 

「「プリキュア!スパイラル・スター・・・」」

 

「「スプラ~~ッシュ!!」」

 

 バッドエンドプリキュア達目掛け、ブライトとウィンディのスパイラルスタースプラッシュが飛ぶ、だが・・・

 

 巨大な黒き竜から放たれた黒き閃光が激突した。次第にスパイラルスタースプラッシュが押され始め、黒き閃光がスパイラルスタースプラッシュを打ち消しながら、ブライトとウィンディ目掛け突き進んだ。

 

「「キャァァァァ!!」」

 

 直撃を受け吹き飛ばされたブライトとウィンディが、その勢いのまま地面をゴロゴロ転がった。二人は、ヨロヨロしながらも立ち上がり身構えるも、二人を見つめるバッドエンドプリキュア達は口元に笑みを浮かべ、バッドエンドピースは、ゆっくりブライトとウィンディ目掛け歩き出すと、

 

「エへへへ!私達の勝ちぃぃぃ!!さっきの約束、覚えてるよねぇ?」

 

 そう言うと、何所から取り出したのか、ピコピコハンマーを取り出した。呆気に取られたブライトとウィンディの頭目掛け、ピコピコハンマーを振り下ろすと、二人の頭上でピコピコ音が鳴った。

 

「アァ、スッキリしたぁぁ!」

 

 バッドエンドピースが、満足気に仲間達の下に戻った時、

 

「ブライト!ウィンディ!」

 

「二人共、大丈夫!?」

 

 駆け付けた咲と舞が、ブライトとウィンディを庇うように二人の前でバッドエンドプリキュアに身構えると、

 

「よくもブライトとウィンディを・・・」

 

「今度は私達が相手よ!」

 

 険しい表情を浮かべた咲と舞が、クリスタルコミューンを手に持つも、ブライトとウィンディが咲と舞を静止し、

 

「咲、舞、変身する必要は無いわ!」

 

「この勝負は、バットエンドプリキュアが勝った・・・それだけの事」

 

「でも・・・・・」

 

 咲と舞を止めるブライトとウィンディに、咲が困惑していると、バッドエンドピースがニンマリしながら、

 

「そういう事、私達は他に用があるからもう行くね!」

 

「お次はスマイルプリキュアの奴らをのしたる!」

 

 バッドエンドサニーが手をパシッと叩くと、咲、ブライト、ウィンディの表情が険しくなり、

 

「「「みゆき達を!?」」」

 

 舞も顔色変えると、バッドエンドプリキュア達を呼び止め、

 

「ま、待ちなさい!やっぱりこのままあなた達を行かせる訳には・・・」

 

「ベェェェ!待たないよぉぉ」

 

「あたしは命令されるのが大嫌い何だ!」

 

「まだ戦いたいなら、あなた達もスマイルプリキュアの下に来る事ね!」

 

 バッドエンドハッピー、マーチ、ビューティに拒否をされ、舞の表情が一層険しさを増した。バッドエンドプリキュア達の背後の空間が歪み、五人は歪みの中に入り消え去った。咲と舞は、ブライトとウィンディに話し掛け、

 

「ブライト、ウィンディ、一体何があったの?」

 

「私達に詳しく話してみて!」

 

「それは後で話すわ!それより、直ぐにみゆき達に知らせて!!」

 

「みゆき達に!?何を?」

 

「バッドエンドプリキュアが現われても、絶対に戦っちゃ駄目だって伝えて!」

 

「「エッ!?」」

 

「今のみゆき達じゃ、スマイルプリキュアじゃ・・・」

 

「「バッドエンドプリキュアには勝てない!!」」

 

 咲と舞は、ブライトとウィンディから、スマイルプリキュアはバッドエンドプリキュアには勝てないと聞かされ、思わず顔を見合わせて呆然とした・・・

 

 

3、宿命の対決!

 

 みゆきから、エンエンとグレルがこっちに来ていると聞き、あゆみは一同が待つ不思議図書館へとやって来た・・・

 

「エンエン!グレル!」

 

「あゆみぃぃ!」

 

「ヨッ!あの時は迷惑掛けちまったなぁ」

 

「ウウン、二人共、良く来てくれたね!」

 

 互いに笑みを浮かべながら、会話を続けるあゆみ、エンエン、グレル、そんな三人の様子を、みゆき達も自分の事のように朗らかな視線を向けていると、突然キャンディが騒ぎ出し、

 

「みゆき、みんな、嫌な気配がするクルゥ」

 

「エッ!?まさか・・・」

 

「バッドエンド王国かいな!?全く、懲りん奴らやなぁ・・・」

 

「でも、れいかちゃんがまだ学校から戻って来てないし・・・」

 

「れいかなら、きっと気付いて駆け付けてくれる!あたし達は先に行こう!!」

 

 キャンデイから嫌な気配がすると聞かされたみゆき、あかね、やよい、なおの四人、れいかはまだ学校から戻っては居ないものの、れいかなら必ず駆け付けてくるというなおの言葉を信じ、四人は、バッドエンド王国が現われた場所へと、あゆみ、エンエンとグレル、アン王女を伴い、不思議図書館から向かった・・・

 

 

 七色中学校・・・

 

 職員室で、佐々木先生とヒソヒソ話をしていたれいかは、アン王女が会いたがっている事を伝えると、佐々木先生は、夜20時ぐらいには何時も家に居るから、その時間なら何時でも良い事をれいかに伝えた。

 

「では、そのようにアン王女にお伝え致します!」

 

「ええ、青木さん、わざわざ知らせに来てくれてありがとう!アン王女にもよろしく伝えて下さい!!」

 

「はい、分かりました!」

 

 れいかが振り返った時、思わずれいかはギクリとして仰け反り、それに気付いた佐々木先生も思わず目を見開いた。何故なら、れいかが振り向いた先には真琴が立っていて、

 

「れいかさん・・・今、アン王女って言ってませんでした?」

 

「エッ!?エェェとですね・・・」

 

「ま、真琴が、アン王女に会えなくて寂しがって無いかしら、そう二人で話してたのよ・・・ねぇ、青木さん?」

 

「そ、そうです!真琴さん、大丈夫ですか?」

 

 佐々木先生が出してくれた助け船に乗り、れいかが話を誤魔化しながら真琴に聞くと、真琴は不思議そうに小首を傾げながら、

 

「寂しく無いって言えば嘘になりますけど、皆さんも、佐々木先生も、ダビィも居てくれますし・・・」

 

「そ、そうですか!それは何よりです・・・そうそう、今こっちに、エンエンとグレルが来て居るんですよ!」

 

「エンエンとグレルが?」

 

 更に話題を変えようと、れいかはエンエンとグレルがこっちに来ている事を伝えると、真琴もパッと表情を和らげた。れいかは、上手く誤魔化せた事でホッと安堵し、

 

「私も、これからなお達に合流するんですけど、真琴さんも行きませんか?」

 

「はい、特に用事もありませんし・・・じゃあ、佐々木先生、お先に失礼します!」

 

「ええ、楽しんでらっしゃい!」

 

 二人は佐々木先生に挨拶し、七色ヶ丘中学校の校舎を出た。人気が無いのを確認したダビィは、

 

「真琴、また嫌な気配がするビィ!」

 

「エッ!?まさか・・・バッドエンド王国?」

 

「行きましょう!!」

 

 ダビィからの報告を聞くや、二人は表情を引き締め、空を赤色に染める方角目掛け駈け出した・・・

 

 

 バッドエンドサニーが作り出した、バッドエンド空間の中で、スマイルプリキュアの到着を待ち続ける五人、お腹を減らしたバッドエンドマーチは、

 

「待たされるなら・・・キュアブルームの家で売ってる、チョココロネでも買ってくれば良かったよぉぉ」

 

「あなたは良くお腹が減るわねぇ・・・ある意味感心するわ」

 

「しょうがないだろう・・・」

 

 バッドエンドビューティに呆れられ、バッドエンドマーチが少し不満そうにした時、近所の本屋の本棚からみゆき達が現われ、更にれいかと真琴も駆け付けた。真琴を見たアン王女は、思わずギクリとし、あゆみの背後に隠れてあゆみを苦笑させた。

 

「バッドエンドプリキュア!また現われたわね!!ダビィ、行くわよ!!」

 

 真琴は、バッドエンドプリキュアを見ると目の色を変え、真琴の合図で、直ぐにダビィがラブリーコミューン姿に変化し、真琴はキュアラビーズを取りだし、ラブリーコミューンにセットすると、

 

「プリキュア!ラブリンク!!」

 

「L・O・V・E」

 

 ラブリーコミューンの画面に、真琴が指で「L・O・V・E」と描くと、ダビィがその都度その文字を読み上げ、真琴の身体が光に包まれ、プリキュアへと変化していった。

 

「勇気の刃! キュアソード!!」

 

 変身を終えたソードは、両手でスペード型の形を作り上げると、

 

「このキュアソードが、愛の剣で、あなたの野望を断ち切ってみせる!!!」

 

 バッドエンドプリキュアの五人を、ソードは右腕で指差しポーズを決めた。バッドエンドピースは、うんざり顔でソードを見ると、

 

「エェ、またあなたなのぉぉ!?私達が用があるのは、スマイルプリキュアなのに・・・」

 

「邪魔やなぁ・・・せや!ジョーカーに貰ろうた、アカンベエを使うたろう!アカンベエ!出てこんかぁぁぁ!!」

 

 バッドエンドサニーは、右手に持った銀玉を高々と掲げると、近くにあった自転車を銀鼻をしたアカンベエの姿に変えた。

 

「アカンベエ、ウチらがスマイルプリキュアと戦こうて居る間、ソードの相手をしときや」

 

 バッドエンドサニーの命を受けたアカンベエは、ソードに対してのみ攻撃を開始した。それを見たバッドエンドハッピーは、みゆき達五人を見ると、

 

「じゃあ、邪魔者が消えた所で、私達もそろそろ戦おうか?」

 

「どうしても戦わなきゃ駄目なの?」

 

 以前ダークドリームに言われた言葉が、みゆきの頭の中に思い出された。彼女達に光の温かさを教えられるのは、自分達だけだと言う言葉を・・・

 

「駄目ぇぇ!」

 

「さっさと変身しな!あたしは気が立ってるんだ!!」

 

「私達に怖じ気づいたのかしら?」

 

 バッドエンドピースが両手でバッテンマークを作り、更にマーチが、ビューティが挑発した。何処か見下した態度を取るのに、腹が立ったあかねとなお、二人が真っ先にスマイルパクトを手に持つと、

 

「上等やんけ!ホンマもんの実力、偽物に見せたるわ!!」

 

 あかねの偽物と言う何気ない一言に、バッドエンドプリキュア達は瞬時に不快そうな表情を浮かべた。なおもあかねに同意し、

 

「売られた喧嘩・・・買ってあげるよ!」

 

 身構えるあかねとなおだけを戦わせる訳にも行かず、れいかはみゆきとやよいを見つめ、

 

「仕方がありませんね・・・みゆきさん、やよいさん、私達も参りましょう!」

 

「分かった!」

 

「・・・・・・・そうだね!」

 

 れいかの言葉にやよいとみゆきも同意し、五人が横一列に並ぶと、

 

「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!!」」」」」

 

「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!!」

 

「太陽サンサン、熱血パワー!キュアサニー!!」

 

「ピカピカぴかりん!じゃんけん・・・ポン!キュアピース!!」

 

「勇気リンリン、直球勝負!キュアマーチ!!」

 

「しんしんと降り積もる、清き心!キュアビューティ!!」

 

「「「「「5つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!!」」」」」

 

 変身を終えたスマイルプリキュアと、バッドエンドプリキュアが睨み合いの状態になり、見て居たエンエンとグレルが、驚いたようにあゆみに話し掛け、

 

「ねえねえ、あの子達って・・・スマイルプリキュアにどことなく似てない?」

 

「ああ、俺もそう思ってたぜ!」

 

 エンエンとグレルに聞かれ、顔を見合わせたあゆみとアン王女、

 

「彼女達は、バッドエンドプリキュアと言って、みゆきちゃん達の細胞の一部を得て生まれた存在だから・・・」

 

「「エェェ!?」」

 

 思わず顔を見合わせた驚くエンエンとグレル、グレルは更にあゆみに確認するかのように

 

「じゃあ、あいつらもプリキュアなのか?」

 

「ええ、闇のプリキュア・・・バッドエンドプリキュアよ!」

 

「わたくし達の暮らす、トランプ王国の秘宝から生まれた者・・・」

 

 そう言うとアン王女は、バッドエンドプリキュアの事を一人ずつ凝視していった・・・

 

 

 夕凪町・・・

 

 咲は慌ててみゆき達の家に連絡を入れるも、誰一人まだ家には戻って居なかった。咲は困惑気味に、舞、変身を解いた満と薫に視線を向け、

 

「どうしよう!?みゆき達、まだ誰も家に帰って来て無いって!」

 

 携帯を切った咲からの報告を聞き、舞、薫、満も険しい表情を浮かべ、

 

「不味いわねぇ・・・」

 

「もしかしたら、もうバッドエンドプリキュアと・・・」

 

「咲、せつなに連絡して!彼女なら、先にみゆき達の下に向かえるわ」

 

「そうだね・・・念の為、他のみんなにも知らせておくよ!でも、何があったの?」

 

「「実は・・・・・」」

 

 咲は満と薫の話を聞くや、慌てて携帯を手に取ると、慌ただしくプリキュアの仲間達一同に連絡を入れた・・・

 

 

 みゆき達もスマイルプリキュアに変身し、睨み合う両チーム、バッドエンドハッピーが徐に話し出し、

 

「ねぇねぇ、ただ戦うより、私達とお互いの必殺技で勝負しない?」

 

「必殺技勝負!?」

 

 思わずバッドエンドハッピーの言葉を、ハッピーがオウム返しのように呟くと、バッドエンドハッピーはコクリと頷き、

 

「そうそう、あなた達はレインボーバーストだっけ?私達は私達の必殺技を、お互いにぶつけ合うの!どう?」

 

「ほう・・・面白いやん!ウチはエエで!!」

 

「私も・・・良いよ!」

 

「あたしも構わない!ビューティは・・・」

 

 サニー、ピース、マーチは同意し、マーチはビューティにどうするか意見を聞こうとするも、ビューティは真剣な眼差しで考え事をしていて、

 

(これは何かの策!?レインボーバーストは、一度はピエーロすら破った技・・・それを知って挑んでくるとは、余程の自信があるのね?)

 

「ビューティ!?」

 

「エッ!?わ、私も構わないわ!でも、みんな用心した方が良いわ!!」

 

「だよね・・・分かった、この勝負、私達スマイルプリキュアは受けて立つわ」

 

 ビューティとハッピーも同意し、此処にスマイルプリキュアとバッドエンドプリキュアの必殺技勝負が開始された。バッドエンドハッピーは嬉しそうに、

 

「そうこなくっちゃ!じゃあ、お先にどうぞ!!」

 

 バッドエンドハッピーに促されたハッピー達だったが、直ぐに気持ちを切り替え、プリンセスキャンドルを召喚すると、

 

「「「「「ペガサスよ、私達に力を!!」」」」」

 

 五人がキャンドルを合わせ、ペガサスに力を貸して欲しいと願うと、五人の姿が変化を遂げていく・・・

 

「プリンセスハッピー!」

 

「プリンセスサニー!」

 

「プリンセスピース!」

 

「プリンセスマーチ!」

 

「プリンセスビューティ!」

 

「「「「「プリキュア!プリンセスフォーム!!」」」」」

 

 五人は、まるでドレスのような衣装を纏い、頭には天使の輪のような光のリングが装着された。それを見たバッドエンドプリキュア達は、口元に笑みを浮かべると右手を合わせ、

 

「「「「「ドラゴンよ!私達に力を!!」」」」」

 

 バッドエンドプリキュア五人の思いが一つになった時、五人の身体から黒いオ-ラが沸き上がり、見る見る何かの姿へと変化していった。

 

「何、あれは!?」

 

「竜、竜やと!?」

 

 ハッピーが、サニーが驚愕し、見て居たピース、マーチ、ビューティも目を見開き驚いた。黒いオ-ラは竜へと代り、竜から放たれた黒い光が、バッドエンドプリキュア五人の手に注がれた。五人の手には、先端に竜の顔を象ったロッドが握られ、見る見るバッドエンドプリキュアの姿を変えていった・・・

 

「ダークプリンセスハッピー!」

 

「ダークプリンセスサニー!」

 

「ダークプリンセスピース!」

 

「ダークプリンセスマーチ!」

 

「ダークプリンセスビューティ!」

 

「「「「「バッドエンドプリキュア!ダークプリンセスフォーム!!」」」」」

 

 まさに黒いスマイルプリキュア・・・

 

 バッドエンドプリキュア達は、まるで黒いドレスのような衣装を纏い、頭には天使の輪のような闇のリングが装着された。ダークプリンセスフォームに変化した五人は、服の色こそ違いど、その容姿はスマイルプリキュアにソックリだった・・・

 

「な、何!?この姿は?」

 

「私達のプリンセスフォームにソックリだよ?」

 

「何所まで猿真似すんねん!」

 

「さ、さすがに驚いたよ!」

 

「驚いている暇はありません!皆さん!!」

 

 ビューティに促され、ハッと我に返った四人、五人は頷きあうと、

 

「届け!希望の光!!」

 

「「「「羽ばたけ、未来へ!」」」」

 

 五人は五色のペガサスに跨るや、上空高く舞い上がった。五色のペガサスは、上空で宙返りすると、

 

「「「「「プリキュア!レインボー・バ~~スト!!!!!」」」」」

 

 バッドエンドプリキュア目掛けレインボーバーストが放たれた。時を同じくして・・・

 

 「轟け!絶望の闇!!」

 

「「「「堕ちよ!闇の世界へ!!」」」」

 

「「「「「プリキュア!バッドエンド・バ~~スト!!!!!」」」」」

 

 巨大な闇の竜の背中に乗ったバッドエンドプリキュア達は、巨大な闇の竜の口から黒いブレスを放った。激突した両者の技と技、アカンベェと戦闘しながもソードが、あゆみが、キャンディが、アン王女が、皆成り行きを見守っていたが、レインボーバーストとバッドエンドバーストではその力は歴然だった。呆気なくレインボーバーストは破られ、

 

「「「「「キャァァァァ」」」」」

 

 スマイルプリキュアの五人が、悲鳴を上げながら吹き飛ばされ、プリンセスフォームを解除された五人は、ノーマル状態に戻っていた。

 

「ハッピー!サニー!ピース!マーチ!ビューティ!みんな、みんな大丈夫!?」

 

 心配したあゆみは、咄嗟にハッピー達の下に駆け出し、声を掛けるも、五人からは呻き声が聞こえるだけだった。エンエンとグレルも目を見開いて驚愕し、

 

「嘘でしょう!?」

 

「そんな・・・スマイルプリキュアが、負けちまった!?」

 

「ハッピー、サニー、ピース、マーチ、ビューティ・・・嘘クル、みんなが負けるなんて嘘クルゥゥゥゥ!!」

 

 キャンディは、涙ながらに絶叫し、ハッピー達の下へと駆け寄った。

 

 レインボーバーストは、バッドエンドバーストの前に完全敗北を喫した・・・

 

 

       第六十三話:レインボーバーストVSバッドエンドバースト

                    完

 




第九十三話投稿致します!

今度のオ-ルスタ-ズ映画、そして、新プリの魔法つかいプリキュア、色々情報が出てきましたねぇ・・・
そうするとGoプリとのお別れも近くなり、一月は少しブルーになりそうです
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