三姉妹の項
ウル・ディーネがロキに呼び出され、急いでベル・ダンディアのもとへ向かってから大分時間が過ぎた。先ほど星の輝きを宿したスピリットの群れでできている天の川を通過し、抜け出てきたところだ。ウル・ディーネからは未だに何の音沙汰もなく、ハティの不安感は増すばかりであった。
(スクルディア様……)
ハティは傍らのスクルディアの横顔を見やった。スクルディアは、整然と整えられたこの部屋にある、強化ガラスの窓から遠ざかっていく天の川を見つめていた。その風貌からは感情が欠落して見えた。
(スクルディア様は相当苦しんでいる筈なんだ。なのに、その感情を僕に見せてはくれない。前はもっと喜怒哀楽のはっきりした人だったのに)
ウル・ディーネがスクルディアの感情を封じ込めた際、後遺症のようなものが残っているのでは、と疑っても見た。だが、ウル・ディーネの尊厳を傷つけることなど考えたくもなかったし、よくよく考えてみると自分にとって一番都合の悪いことから眼を背けているのではないかということに思い当った。
もしかしたら、スクルディア様はもう自分のことを頼りにしていないのでは……。
(確かにいつも僕は不甲斐ないところばかりを見せてしまった。今も姉のベル・ダンディア様が危険な状態だというのに、僕は力になることもできずにここで、ただこうしている。でも……でも、もっと僕に自分の想いを打ち明けてくれてもいいじゃないか……。一人で苦難しているスクルディア様を黙って見ているなんて、僕だってつらい)
しかし、ハティにはスクルディアに声をかける勇気はない。どう接すれば良いのか、これまで何度も宥めてきたというのに見当もつかなかった。ロキに呼び出されたウル・ディーネの表情には非常に切迫するものがあった。もしかすると、最悪の事態もあり得るかもしれない。
そこまで考えたところで、スクルディアがさっとハティの方を振り向いた。ハティは思わず目を丸くする。
スクルディアの表情には、ハティを非難するような様子が見受けられた。気まずくなったハティはスクルディアから目を背け、俯いた。心の中でスクルディアに対して謝った。
無機的な高音が鳴り響き、ハティは咄嗟に顔を上げた。艦内に非常警報が伝わり、慌ただしく走りまわる機械たちの音が聞こえてきた。
軌道母艦が方向転換し、速度をあげた。その際、ハティは窓から外の様子を見て、愕然とした。
一隻……いや、二隻の機械の船が煙をあげながら墜落していく。その船には前の戦闘でも見た盾竜がびっしりと張りついていた。
遥か遠方から、更なる盾竜の群れが視界を埋め尽くす勢いで迫ってくる。その群れから突出した何体かの盾竜が全身を弾丸のように丸め、高速で突っ込んできた。
「ハティ」
スクルディアが呟いた。見ると、その瞳はとても悲しい色をしていた。ようやく見ることのできた、スクルディアの感情の変化。だがこれは自分が望んでいたものとはかけ離れている。ハティはスクルディアの笑顔が見たかったのだ。
「スクルディア様」
ハティも一言そう呟き、スクルディアを護るように暖かい獣毛で包んだ。この船が落とされたら何もかも終わる――でも、自分は最後までスクルディア様を護り抜く。こんなところでこのお方の未来が奪われるなんて、絶対にさせない。
ハティは己の決意を、世界を破壊する敵に対する怒りに変え、外の盾竜たちを睨んだ。
敵の気配が途絶え、決戦の時は暫し遠ざかったと思われたその時間も、長くは続かなかった。
突然、軌道母艦の前方に白き虚龍が空間を突き破って出現し、先導役の白鳥に対して滅びの息吹を浴びせた。対峙する虚龍の攻撃手段を熟知していた白鳥は、何とかそれをかわしたが、うねり狂う青白い閃光は、周囲にいた飛行する動器や空魚たちを薙ぎ払った。
虚龍による奇襲を合図に、盾竜の群れが至るところから出現し、艦隊に襲いかかったことで、戦闘が開始された。この盾竜たちは先発隊であり、遠方から盾竜の大軍勢が雲霞の如く押し寄せてくる。
ロキはこの場での戦闘は圧倒的に不利と判断し、全軍へ撤退命令を出した。多くの者がロキの判断に従い、それを後押しするようにヴィーザルやボルヴェルグといった者たちが自ら指令を下したことで、全軍の進行方向は決まった。
ロキが算出したこの世界の安全地帯――いつまで持ち堪えられるかわからないが――その地域を目指して、機械の艦隊は全力でその場を退こうとした。
虚龍は白鳥に追い打ちをかけようかと思案している様子であったが、艦隊が撤退を始めるのを見てとると、軌道母艦へ向かって直進した。
虚龍の行く手を阻もうと、無数の動器たちが軌道母艦から飛び出した。その動器を軽々と蹴散らし、虚龍はさらに接近する。
その虚龍の眼前に、一体の巨大な人型の機械が飛び出した。猛々しいドリルを先端に備えた鋼鉄の大槍を手にした戦士。獣機合神セイ・ドリガンであった。
「プラチナム、さっきの奴はお前が助けた白鳥じゃなかったか」
アルブスが苛立たしげに吐き捨て、ル・シエルの首の辺りに跨っているプラチナムの背中を睨んだ。プラチナムは前方を凝視したまま黙ってその言葉を受け流した。
「余計な手間を取らせやがって。……ま、一番の獲物はもはや袋の鼠だ。そろそろこの戦いもフィナーレといったところだろうよ……」
アルブスが思わず口を閉ざした。前方に現れた機械の巨人。先ほどまでの動器たちとは比べものにならない熱量を備えていることは、一目見ただけでわかった。しかも、空帝ル・シエルと同種の力――前に戦った鋼翼魚がそうであったように――を持っている。
「おいおい、どういうことだよ。こんな奴が出てくるなんて、聞いてないぞ」
アルブスの動揺をよそに、プラチナムは黙したまま獣機合神を見すえていた。
(お前か……お前なら、帝を救うことができるのか)
プラチナムは大剣を構え、獣機合神へ切っ先を向けた。前方の機械は今の帝に匹敵するほどの力を持っている。帝が本来の力を失っているからであったが、プラチナムはその皮肉をかえって喜んでいた。
獣機合神が大槍を構え、虚龍に突進した。それと同時に虚龍が咆哮と共に敵を迎え撃つ。両者が激突し、空中に凄まじい熱量が迸った。
外から立てつづけに爆音が鳴り響いた。襲撃してきた敵の攻撃は確実に軌道母艦にも命中しており、艦内の至るところが激しく振動した。
窓から外の戦闘を眺めていたハティであったが、ここにいては危険ではないかと思うといてもたってもいられなくなり、スクルディアを背中に背負うと、部屋を出た。
長い回廊を駆けながら、もっと安全な場所はないかと艦内を探索する。時折、数体の機人や動器が、ハティには見向きもせずに、慌ただしく通り過ぎていった。
突然後方で轟音が響くと、二体の動器が吹き飛ばされてきた。ハティは咄嗟に、もんどりうって床を転がるように滑っていく緑色の装甲を持つ人型の動器をかわし、背後を振り返った。
回廊を突き破って外から侵入してきた一体の盾竜がいる。盾竜はハティの姿をじろりと見やり、その背にいるスクルディアに眼を止めるた。
盾竜は咆哮を上げ、向かって左の前足を突き出し、濁った色彩の角を両側に備えた頭部を持ち上げた。双眼が真紅に光り、無数の白光の粒子が渦を巻きながらハティに迫ってくる。
「虚無の軍勢め。スクルディア様には指一本触れさせないぞ」
ハティは牙をむき出し、盾竜を精一杯睨みつけ、威嚇した。盾竜は再度咆哮を上げることでそれに応え、強靭な盾となっている両肩を前に突き出すと、一気に突進してきた。
ハティは全身から熱量を発してこれに立ち向かい、盾竜の喉元を狙って喰らいかかった。ハティの牙が盾竜の首の辺りに打ち当たったが、盾竜の厚い装甲を傷つけることはかなわず、盾の形状をした両肩で一気に押し返された。ハティは懸命になって踏ん張ろうとしたが、軌道母艦の回廊の表面はハティの予想以上に固く、床に傷をつけただけで踏み止まることもできず、身体を壁に押しつけられた。
ハティは盾竜の狙いが背後のスクルディアであることを見抜き、スクルディアを横に放り出すようにして降ろすと、捨て身の覚悟で盾竜にぶつかっていった。
「ハティ」
スクルディアの声が回廊に響く。ハティは獣毛を逆立て、強靭な機獣としての力を漲らせ、盾竜を抑えつけると、鋼の爪でその装甲を引き裂いた。盾竜が白光の粒子を放ち、ハティの毛皮を焦がしたが、ハティは構わずに荒々しく盾竜の胴体を引き千切り、その体躯を壁に投げつけた。
暫しの間、盾竜の眼光が弱々しく明滅していたが、やがて光は失われ、盾竜は動かなくなった。
スクルディアがそっとハティに近づき、息を切らしているハティを優しく両腕で包む。震えるスクルディアの感触が、麻痺しかかっていたハティの感覚を呼び覚ました。全身を激痛が奔ったが、ハティは黙ってスクルディアの頬を舐めて、安心させようとした。
こんな戦いをスクルディア様には見せたくない……ハティはそう思った。スクルディアが怯えている原因が敵だけではなく、それと戦う自分の獰猛な獣の面でもあることをハティは察していた。それでも懸命になってハティを励まそうとするスクルディアには、見ていて痛ましいものがあった。
数体の動器がハティの横をすり抜け、前方で立ち止まると、何やら身構えた。その様子をよく確かめようと、ハティが注意深く前方を探ろうとすると、先ほど盾竜が開けた穴から次々と新手の盾竜が侵入してきた。
動器たちが応戦しようと銃を構え、一斉に盾竜を狙い撃った。その攻撃は盾竜の装甲には通用せず、ハティの目前で動器たちが一体ずつ盾竜の牙と爪の餌食になっていく。
「……スクルディア様、急いで退きますよ」
ハティはスクルディアを再び背負うと、その場から退いた。かつての敵とはいえ、まだ戦っている動器たちをおいて先に逃げるのは辛かったが、ハティにはスクルディアを護るという使命がある。この場に残っても全滅は時間の問題であり、そうなればセンザンゴウたちの犠牲も無駄になってしまうのだ。
ハティの前後で同時に衝撃を起こり、双方から盾竜の群れが雪崩れ込んできた。ハティは思わずその場に立ち止まり、動けなくなった。逃げ道はない。
(駄目なのか……。もう)
到底勝ち目はない。それでも最期まで戦う他道はないのだ。ハティはスクルディアを庇いながら、身構えた。こちらから動けば、その瞬間にスクルディアの命はない。ハティは盾竜が襲いかかってくるその瞬間が、ほんの刹那でも先送りになって欲しいとひたすら願った。
一つの白く細長い糸が空間を踊った。糸は厚みを増して帯となり、ハティとスクルディアの身体を包み込んだ。
「な、なんだ、これは」
困惑するハティをよそに、帯がハティとスクルディアの身体を持ち上げ、二人の身体が宙に浮いた。
「……ドリームリボン」
スクルディアの呟きが耳に入った。二人の身体はその空間を滑るように抜け出し、盾竜のいる場所から急速に遠ざかっていった。
獣機合神の大槍がル・シエルの片翼を貫く。プラチナムが虚空を作り出し、後方の空間へと跳躍したことで難をのがれたが、危うくやられるところだった。
「ち。ふざけやがって。何でまだこんな奴が残っていやがったんだ」
アルブスが銃を獣機合神に向け、引き金を絞った。直進する閃光は獣機合神の核と思われる胸部の球体を正確に狙っていたが、獣機合神は光よりも早く大槍を突き出し、閃光を弾いた。
「おい、プラチナム、もう一度帝の息吹をぶつけるぞ。こいつを相手に長期戦はまずい」
プラチナムは無言で従い、虚空を操ると、獣機合神の周囲の空間を覆い始めた。プラチナムの動きを見てとった獣機合神は虚龍に突進しようとしていたが、迂闊に動けば虚空に呑み込まれ、全身が崩壊する。思案するようにその動きを止めた。
「今だ。やれ、ル・シエル」
アルブスが号令すると、自我を失っている虚龍は口から青白い息吹を放出した。息吹は空間を伝わり、虚空に入り込む。虚空を伝わった帝の息吹が、全方位から敵に襲いかかり、散りも残さず粉砕するのだ。かわせる筈がない。
「終わりだ、貴様」
アルブスは勝利を確信した。次の瞬間には、あの機械は存在そのものを消滅させられ、空間には何も残ってはいまい。しかし。
荒れ狂う閃光が瞬時にある一点に収束していき、消えた。見ると、獣機合神の大槍のドリルの先端に黒い球体が出現し、その球体が獣機合神を覆っていた虚空と息吹を吸い込んでいるのである。
「な……なんだと、どうなっているんだよ」
無言で獣機合神を見すえていたプラチナムには、その球体の正体がわかっていた。球体は超重力の塊。一度吸い込まれたら光さえ出られないため、球体は暗黒そのものである。確か、紅蓮の地域を統括する赤き神が重力を操ると聞いていたが、眼の前の機械はそれに近い能力を持っているのかもしれない。
獣機合神が大槍を突き出すと、回転するドリルの前で暗黒球が膨張し、空間を浸食していった。重力の波が伝わり、ル・シエルを呑み込む。
「引き寄せられている。プラチナム、急いで脱出しろ。何をぼやぼやしている」
プラチナムは動かなかった。ル・シエルは重力に抗おうと翼を羽ばたかせていたが、徐々に獣機合神のもとへ吸い寄せられていく。
(ここまで、だな。申し訳ありません、ル・シエル様。私はこうなることを望んでいたのです。このまま共に滅びましょう……)
「プラチナム、急げ」
アルブスの声はもはや悲鳴に近い。だが、プラチナムは大剣を下ろし、未だ敵に抗う帝を哀しく見つめていた。
突如熱線が空間を迸り、獣機合神の胴体を貫いた。盾竜の間をかいくぐり、一つの巨大な円状の飛行物体が接近してくる。その物体は再度熱線を放ち、獣機合神を攻撃した。
空間が白熱し、ル・シエルの背にいるプラチナムの装甲が急激に熱せられた。プラチナムは我に返ると、虚空を作り出し、後方の空間へ跳躍した。獣機合神はなおも追い打ちをかけようとおびただしい量の光線を放った。ル・シエルの全身が傷つけられたが、致命傷には至らなかった。
「プラチナム、何故だ。何故、すぐに逃げなかった」
アルブスは獣機合神が遥か遠方にまで遠ざかったのを確かめると、怒気を顕わにプラチナムに喰ってかかった。プラチナムはそれを無視し、ル・シエルの相貌から目を離さないでいた。
(できなかった、私には。私はル・シエル様を護るために、共に生きるために竜騎となった。だが今のル・シエル様はもはや生きてはいない神の傀儡。ル・シエル様の魂は解放を望んでいる筈なのに、私はまたしてもル・シエル様を裏切ってしまった)
プラチナムが聞く耳を持たないことを知ると、アルブスは悪態をつきながら、ル・シエルを操り、戦場を退いた。
鋼翼魚と戦った時よりももっとひどい。ル・シエルの傷が癒えるまでは戦闘に参加しない方が賢明だ。周囲の盾竜はそれを咎めたりはせず、虚龍と竜騎たちを感情の籠もっていない眼で見送った。
盾竜にその存在を気取られることなく、その様子を見ていた七色の複眼があった。ディースの歌声によって生み出された、彼女の分身とでも呼べるトンビュール。トンビュールは虚龍の残していった気配を敏感に感じ取り、その行く先を察すると、軌道母艦へと飛び去った。
虚神に次ぐ障害となるあの虚龍をこのまま放っておくわけにはいかない。決着をつけるために、このことをロキに進言しよう。トンビュールはそう決心していた。
セイ・ドリガンは新手の敵の出現に戸惑ったが、武器を構えると応戦した。無数の盾竜がセイ・ドリガンに特攻してきたが、セイ・ドリガンの放った衝撃波に弾き飛ばされた。
セイ・ドリガンは巨大な鋼の塊に接近すると、ドリルでその物体を貫いた。物体が電光を迸らせ、セイ・ドリガンの装甲を破壊する。セイ・ドリガンはそれに耐え、一気にドリルを突き刺し、物体を断ち割った。
爆風が天空を埋め尽くす。その圧倒的な熱量を受けてもなお、セイ・ドリガンは形を保ったまま爆発から逃れた。
不意に、盾竜たちの攻撃が途絶えた。不信に思ったセイ・ドリガンは遠くの空へ顔を向けると、大気圏外に浮かんでいる無数の円状の物体を視界に捉えた。セイ・ドリガンは、それを前にも見たことがある。
「ブリシンガメンの首飾り。奴か、奴が来ているのか」
セイ・ドリガンの闘争本能が燃え上がる。再現される、自分が一体化している無数の獣と機械たちの最期の記憶。仲間の仇、知将ゲンドリル。
「ああ、わかっている。焦ってはいない。あいつは一筋縄ではいかない。ここにきて判断を誤るわけにはいかないからな。だが、奴は俺が……俺たちが倒す。必ずな」
セイ・ドリガンは自分と、自分が一体化している同志たちにそう言い聞かせると、軌道母艦へ帰艦した。
急いでゲンドリルを倒しに向かいたかったが、そうするには損傷を負い過ぎた。攻撃が止んでいる今の内に艦内へ戻り、万全の態勢で臨まなければなるまい。
ハティが眼を覚ますと、そこは凍結した無機質の草が一面に生えている原っぱであった。傍らには、スクルディアが横たわっている。ハティは一瞬慌てたが、スクルディアが気を失っているだけであることに気づくと、ほっと息をついた。
「お前がハティだろ。何だか頼りないな」
ハティが声のする方へ振り向くと、そこには二人の氷の姫君がいた。一人は漆黒のビスチェのような衣装をまとい、手に鍵を携えた少女。もう一人は高貴な身なりの青白いドレスを身につけている貴婦人であった。
少女が、持っている鍵をハティに向かって突き出した。ハティは驚いてそれをかわそうとしたが身体が氷ついたように動かない。当惑するハティの頭部に鍵が押しつけられた。
(ハティ。探したよ)
「あなたは……」
ハティは直接脳裡に話しかけてきた姿見えぬ相手に対して言った。
(僕はゲリ。フェンリルの半身さ。……君には肉体を失った僕の魂を宿す資格があるのだよ。君の兄、スコールがフレキを宿したようにね)
「兄さんが」
事態が呑み込めず、ハティはとまどった。相手が敵ではないらしいことはわかるが、一体自分に何を期待しているのだろう。
ハティは傍らのスクルディアを見やった。おそらく彼女たちがスクルディアと自分を救ってくれたのだ。結局、自分にはスクルディアを護るだけの力もなかった。そんな己にある「資格」というものが、ハティには解せなかったのである。
スコールとフレキの魂が出会い、そして今、ハティとゲリの魂が出会った。経過こそ違ったが、ロキの思惑は着実に進行していた。
関連カード
●激神皇カタストロフドラゴン
赤の虚神・古竜。
「紅蓮の向こうから現れた」とされる。
おそらく、紅蓮の虚空より赤の世界に出現した。
本章において「紅蓮の地域を統括する赤き神が重力を操る」とあるが、
激神皇カタストロフドラゴンはドラマCD『異界見聞録 完結編』において、
「グラビティーブレス」という技を使っている。