邪神の娘はVの者。   作:一 白

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大変長らくお待たせいたしました。

心臓の手術やそれに伴う入院その他により、なかなか執筆の時間が取れず遅くなってしまいました。
今後は執筆時間もそれなりに取れるはずですので、どうか気長にお待ちいただけますと幸いです。

それでは第八話、お楽しみください。


第捌話 Prova di esistenza su una pagina(3)

「『ある日、探索者は格安ツアーの参加者としてイタリアへ旅行にやってきました。研究目的かもしれないし、普通の旅行かもしれません。』」

「研究者っていたっけ?」

「一応ボクは研究者だね。考古学者だけど。」

 

そもそも『おとうさん』が出てくるシナリオなのに、何をすっとぼけてるの…シナリオ書き始めた時から、『おとうさん』が出てくるってメールしたのに。

 

「『兎にも角にもミラノ・マルペンサ空港に降り立ちましたが、トイレに行っていた隙に、適当なツアーガイドに置いていかれてしまいました。』」

 

ひっでぇwww

そんなことする奴居んの…?

日本じゃまずないと思うが、海外はどうなんだろな

 

「え、人間ってそんなことすんの!?」

「んー、普通の人間さんはしないと思うけどなぁ?普通人数のチェックしてから出発するだろうし。」

「『トイレから同時にでてきた探索者達は、一瞬呆然とした後に置き去りにされたことに気づきます。』はい、ここで早速SANチェック 0/1です。」

「SANチェック?」

「要は探索者の精神状態を判断する判定ですね。」

 

はっや

初手SANチェックとか草

えぇ…

 

「えっと…これもSANの値より低い数字が出れば成功なのか?」

「ですです。CoCの判定は基本そうなので、覚えといて損はないですよ。例外もありますけど、それはまたその時が来たら。」

「うへぇ…なんかその含みのある言い方怖えぇんだよなぁ…」

「さて、皆さんSANチェックは終わりましたね?では、『愕然とした探索者ですが、やはり「せっかくイタリアまで来たのだから、自由に見て回ろう」と思い立ちました。』ここからは自由行動ですね。何をするか宣言していただければ、それに合った判定等しますよ。」

「あ、じゃああたしはツアーの概要とか確認したいかな。パンフとかある?」

 

さすが九頭竜さん、取材で旅行とかよく行ってるみたいですし…こういうのには手馴れてますね。

 

「そうですね、荷物を確認していただければあるかもしれません。目星でどうぞ。」

「目星は…これか。そいっと。」

「…なんだこれ。」

 

放られたダイスの目は、【0】【0】。ファンブルの中でも特にひどいファンブル、いわゆる100ファンです。

 

あっ

あーあ

ファンブルか…

 

「えーっと…CoCでは00を100として扱います。そして96から100の間をファンブル、致命的失敗といい、逆に1から5の間をクリティカル、決定的成功といいます。」

「つまり…あたしは?」

「『荷物受取場でたくさんの荷物が流れてきますが、待てども待てどもあなたの荷物は流れてきません。どうやら手違いで紛失されてしまったようです。』ロストバゲージという事で、このセッション中キャラシに書いた荷物は一つも使うことはできません。」

「嘘だぁぁぁぁぁ!!!」

「ハッ、無様だなクトゥルフ。」

「あンだとハスター貴様ァ!」

 

あ、九頭竜さんが蓮太郎さんに掴みかかって、取っ組み合いの大喧嘩になってます。もしかしてこれ止めるの私ですか。スタッフさんもおろおろしてますし。

私はいいですけどスタッフさん困らせるようなことしないでくださいよ。

 

「あーあ、また喧嘩かい。君たちもいい加減元気だね。」

「はぁ…もうやだぁ…『おとうさん』止めるだけでもめんどくさいのに神格二柱とか超めんどくさい…」

 

ニャル二人が心底めんどくさそう

すっごい音してるけど止めなくていいの?

まあハスターがクトゥルフを挑発したらこうなるわな

 

「はぁ…すみませんスタッフさん、マイク全部ミュートにしてください。あと私がいいって言うまで耳ふさいで、目も閉じててください。危ないので。」

 

私が手帳を取り出しながらそう言うと、スタッフさんの顔がさっと青ざめて、機材を操作した後耳を塞いで机の下に隠れました。別にそこまでする必要は無いんですけど…まあ、やりやすいのでヨシって事にしましょう。

この手帳には、呪文がびっしりと書き込んであります。なんでも、ママとお母さんが出会ったときに手に入れたアーティファクトらしいです。その時の事を取材して今回のシナリオにしてるので…まあ、はい。当然出てきます。と言っても、フレーバー程度ですけどね。

そして私は手帳の中のとあるページを開いて、息を吸い込み───読み上げた。

 

繧?縺ヲ繧繧医縺ェ繧峨?縺 縺カ縺舌→繧峨繧九縺励 縺?*繝サ縺?∴縺繧峨§繧?↓繝シ縺翫s縺

 

ズンッッ!!!

 

地響きのような衝撃音が響いて、九頭竜さんと蓮太郎さんが揃って床に叩きつけられます。お二人がちゃんと動けなくなってるのを確認して、私は手帳をしまい込みました。

 

「あ、アーラ…その呪文…ッ!」

「はい、ルルさんの『鷲掴み』です。ごめんなさい、穏便に止めるにはこれしかないと思ったんです。」

「なんで、俺まで…」

「もとはと言えばゼノさんが挑発するからです。もちろん、あんなやっすい挑発に乗ったルルさんも悪いですけどね。喧嘩両成敗!」

「ぐっ…」

「うぅ…」

 

『鷲掴み』で動けなくなってるお二人の前に行って、軽くお説教です。ただでさえ人間さんは弱いんですから、もう。

さ、じゃあお二人が大人しくなったことですし。再開しましょう!

 

続く!




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