邪神の娘はVの者。   作:一 白

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またまたお待たせいたしました。
いやぁ、二次創作って筆が進みますね…ごめんなさい今度からはこちら主体で書きます。
それではお待たせしました分、少し多めの第五話です!どうぞ!


第伍話・新たな予感

…どうも、こんにちは。初配信で初手ミュート芸をかまし、挙句配信を切り忘れるという大失態を犯した大馬鹿こと、アウローラです…

今はスーツでレインボウライブス本社に向かってます…お説教ですかね…足が重いです…

エレベーターもうちょっと遅くてもいいんですよ…うぅ…

 

「すぅ…はぁ…」

 

深呼吸して…覚悟決めて…いざ怒られに行ってきます!

 

「あれ、アウローラさん?どうしました?打ち合わせのご予定とか入ってm」

「どうか!どうか平にご容赦ください!!この通りでございます!!どうか首だけはご勘弁を!!どうか!!なにとぞ!!お願いいたしますぅぅぅ!!」

「アウローラさん!?アウローラさん落ち着いてください!?土下座しなくていいですから落ち着いてください!!お願いですからぁぁぁ!!」

 

「あっはっはっは!」

「笑い事じゃないですよ月見社長!私ホントに首飛ばされるかと思いましたからね!?」

「いやいや、ごめんごめん。こっちから連絡しておけばよかったわね。」

 

目の前で楽しそうに笑ってるこの人はレインボウライブスの運営である『株式会社メビウスVE(ヴァーチャル・エンタテインメント)』の若社長、月見詠子(つきみうたこ)さん。二十歳前に『株式会社メビウスVE』を発足し、カリスマと求心力でもってレインボウライブスをここまで引っ張ってきたとんでもない人です。ちなみにマネさんに聞いたところによると、レインボウライブスは超ホワイトなんだとか。

 

「まあお咎め無しとはいえ、今後はちゃんと気を付けてもらえると助かるかな。お互いにとって不利益になりかねないし。」

「はい…肝に銘じます…」

「ところで…アウローラちゃん、動画制作が得意なんだって?」

「え、ええ…まぁ。数分くらいのアニメも何本か自主制作してますし…」

「え、そうなの?見せて見せて?」

「そうですね…これなんかどうですか?ウチの卓でやった戦闘をアニメにした内輪ネタなんで、線とかは多少雑ですけど。」

 

スマホを操作して、限定公開にしてた動画を開きました。内容は魔王に立ち向かう勇者の物語で、スピード感もあるので自分でもいつか清書したいと思ってる作品です。

 

「…凄いわね。この能力を見込んでちょっと相談なんだけど…乗ってくれる?」

「うぅん…聞いてみない事には、お答えしかねます。」

「まあそれもそうだよねー。ってことで、はいこれ。」

 

月見社長がカバンから取り出したのは、ちょっと厚めの紙束でした。表紙に書いてあるのは…なになに、『新規グループライバー活動推進計画』…?

 

「社長、これは?」

「実はレインボウライブスとは別に、新しいグループを作ろうと思っててね。簡単に言えば、ライバーの原石を磨くような場を作りたいんだ。その名も『ジェムストーンズ』!」

「Gemstones…原石、ですか。まんまですね。」

「わお、意外と辛辣。ただまぁ、まだ企画段階だからね。もしこの企画が通ったら、アウローラちゃんには広報アニメの制作を依頼したいんだ。」

 

少し考えて、また社長に質問を投げかけます。

 

「尺はどれくらいですか?」

「Fullで5分、ツブヤイターに載せるショートVer.は2分。」

「CVは?」

「初出しのツブヤイターでは効果音だけ。演者さんが決まれば随時収録してFullをアップロードする形にしようと思うの。」

「報酬はどれくらいになります?」

「そうね…これだけ、プラス私のお金で焼き肉食べ放題。」

 

社長が指を三本立てて微笑みました。三万円ですか…それならまあ、副業の報酬としても割に合ってますかね。どうせ趣味の延長線ですし。

 

「わかりました、お受けさせていただきます。本決まりになりましたら、そのときに連絡お願いします。」

「いいね、話の早い子は好きだよ。じゃあ決まるまでは公開厳禁ってことで、よろしく。」

「はい、わかりました。」

 

 

「どもども、聞こえてますかー?初配信で初手ミュート芸して挙句配信切り忘れて叱られに行ったアーラちゃんですよー。もー、ロイド先輩のせいで運営に凸しちゃいましたよ…責任取ってくださいね!」

 

さてさて今日も配信です。ロイド先輩、ネタにしちゃってすいません。今度事務所にお菓子か何か持っていくんで許してください。

 

ポンかわ

ポンかわ

かわいい、すき

ロイド・ギア:俺のせいっすか!?

冬雪みぞれ:謝っときなさいよ

ファッ!?

ロボカスとみぞれちゃん来てて草

 

「ほあっ!?先輩方!?」

 

ぎゃーッデイズコードで電話かかってきたーッ!?

 

「ちょッ、ちょっと待ってください!?」

 

お?

なんだなんだ

なんか慌ててんな

誰が来た?

 

『もしもーし。』

「はーいでは自己紹介お願いします!」

『皆様こんばんは、白銀世界にみぞれ雪、レインボウライブス一期生の冬雪みぞれです。』

『ディストピアからこんばんロイド!レインボウライブス二期生のロイド・ギアですすいませんしたーッ!』

 

開幕謝罪は草

土下座でもしてそうな勢いで草

まあ見習いとはいえ邪神VSポンコツアンドロイドじゃあ分が悪すぎる

 

『ポンコツって言うな!コメント欄見てるんだぞ!』

『この件に関してはポンコツでしょ。野郎型アンドロイドのポンコツはかわいくないわよ。』

『アンドロイドとは言え傷つきますからね先輩!?』

『あんたはちょっと傷つきなさい』

『ひでぇ!』

 

痴話喧嘩で草

ただの夫婦喧嘩やんけ

アーラちゃん置いてけぼりじゃん

ポカーンとしてる可愛い

 

…もうゲームの準備しちゃいましょうか。先輩方、すみませんけど繋ぎお願いします。

 

アーラちゃんの視線下向いてね?

なんか作業してんのかな

お、今日DETA*1やるのか

え?BoA*2じゃないの?

ロボカスとみぞれちゃんいるからじゃないか?あれ酔うやつは酔うしな

 

『そもそもアンタは…あら?』

『え、DETAの招待…はァ!?何すかこのランク!?』

「はい、と言うわけで!本日は予定を変更してDETAアンソル*3やっていきます!」

 

ちまちまランク上げて、なんと私は世界9位のディザスターランクなんです!

とは言え、ディザスターの中でも下の方なんですけどね。10位から1位までなので。

 

『ちょ、ちょっと待って!準備するから!』

『俺視点の枠も立てるっす!』

 

わっちゃわちゃ

夫婦喧嘩に巻き込まれたからこれくらいやっても罰は当たらんだろ

邪神だから罰を当てる側な気がするんだが…

ていうかIDがNyarlathotepて…

邪神が自分から正体ばらしてて草なんだが

 

『よっしゃ!枠立てたっす!』

『こっちもOKよ。』

「了解です!それじゃあマッチングして行きましょう!」

『アイアイ、キャプテン!』

『あいこぴー。』

 

 

「おー、ホワイトランド降りれますね。とっとと降りちゃいましょうか。」

『え、もう!?』

「ホワイトランドは武器が少ないし端っこなんで、その分戦闘になりにくいんですよね。」

『な、なるほど…いろいろ考えてるんすね…』

 

お、さすが

なんでわざわざ端っこ行くんだよ移動大変だろ

そこがミソなんだよ

移動してる間に中央で他のチームが潰し合ってくれるからな

しかも装備の奪い合いも発生しにくいからこっちは潤沢な装備で、向こうは奪い合って消耗した貧弱な装備で戦える

断然有利じゃん

こんどからそうしよ

長文解説ニキTHX

 

 

「Six o’clock!(六時の方向)」

『しっくす!?え!?』

『オーケー、クリア!時計の文字盤の中心を自分の位置として、敵の位置を知らせるやり方よ。前にテレビで見たわ。』

『はえー、勉強になるっす…』

 

うっそだろ足音全然聞こえなかったぞ

聴力ヤバいな

とっさにその表現出てくることなくない…?

しかもめっちゃきれいな発音

戦術も的確だし外国人部隊にいたとかでも疑わない

 

 

「早く乗って!もうすぐそこまで範囲来てますよ!」

『待って、待って!なんかハマって抜けられないの!』

「こんな時にバグなんて…ええい荒っぽく行きますよ!」

『…うわぁ、ためらいなく撃ってるっす…』

 

ロイドドン引きで草

バッスバス撃ってる

しかもゲーム内最強と名高いシャッガンじゃん…

オイオイオイ死ぬわみぞれちゃん

オイオイオイ死んだわみぞれちゃん

 

『死んだーッ!?』

「早くはいずってこっち来てください、治療しますから!」

『自分で撃った相手を治療するんすね…』

「後でバグ報告しないとですねー。」

 

のんきにバグ報告の話しながら自分で撃った相手の治療してるんだぜ?

サイコやんけ…

邪神ですしおすし…

 

 

「敵機接近!撃ち落としてください!」

『了解したっす!唸れ俺のAR!』

『当たってないじゃないもっとちゃんとエイムしなさいよ!』

「あぁもうじれったい!ロイド先輩代わってください!みぞれ先輩は運転お願いします!」

『了解!』

『了解っす…』

 

後輩に怒られてて草なんだが

流石ポンコツ

ポンコツっぷりを遺憾なく発揮していくぅ

おいアンドロイド仕事しろ

 

『うるせぇ俺は軍用じゃないんすよ!』

「ブンブンブンブンと耳障りな…墜ちろカトンボ!」

 

暴れる車の中からスナイパーで一撃ですか…

アーラちゃんが強すぎる

しかも機体じゃなくてパイロットの脳天撃ち抜いてなかったか

まさに神エイム

邪がつくけどな

 

 

「さあもう終盤です!ここからは純粋な実力での勝負ですよ!」

『勝ち残れる気がしないっす…』

『弱気にならないの!アーラちゃんについて行けば生き残れるわよ!』

『了解っす…こえー!』

 

十分実力見せられた気がするんだけど気のせい?

俺らとは住んでる世界が違うわ…

まるで戦神だな

俺らの推しが邪神かと思ったら戦女神だった件について

 

「みぞれ先輩は見張りとして赤屋根民家の二階南側に!ロイド先輩は敵が来ないであろう一階北側にお願いします!」

『アーラちゃんはどうするの?!』

「別の民家の二階に陣取ります!スナイパーなんで!」

 

きっちり最短距離行ってる…

このゲームでコーナー攻める奴初めて見た、しかも走りで

物色の手際が良すぎる

うーわこの終盤で回復アイテムだけ持っていくとか鬼畜

むしろここに残ってたのが奇跡

 

「ポイント到着、戦闘態勢。」

『とりあえず構えてます!』

『来た!えっと…私から見て十二時の方向、敵3人、チームフルメンバー!』

「了解、処理は任せます。」

『こちらには来なさそうだからハイドして待機!』

『いえっさー!』

 

アーラちゃんの声がマジなんよ

声だけで殺されるかと思った

1オクターブくらい下がるじゃん

映画とかでよくある怖い先輩軍人みたい

処理て

 

 

『か、勝てた…っす…』

『アーラちゃん、興奮すると人格変わるタイプなのね…』

「お恥ずかしい限りです…すみません…」

 

アーラちゃんこええ

敵に回したくないタイプだな、ゲームでもリアルでも

途中嗤いながら叫んでたのは何語?

イタリア語だな

「もっと私を楽しませてみろ」みたいな意味だと思うぞ

博識ニキ達THX

そういえば忘れてたけどこの子邪神だったわ…

アーラちゃん怖えけど可愛い

あの声で罵りながら踏んでほしい

変態はミ=ゴにドナドナされるぞ

 

「そういえば、みぞれ先輩そろそろ今日の放送じゃなかったでしたっけ。」

『え…あぁ、本当ね。ごめんなさい、準備とかしたいから落ちさせてもらうわね?』

「はい!いきなりお誘いしてしまいすみませんでした!お疲れ様です!」

『じゃあ自分も落ちさせてもらうっす!楽しかったっすよ!』

「ありがとうございます!お疲れ様でした!」

 

 

「はふー…」

 

締めの挨拶をした後放送を切って、大きく長く息を吐いて、椅子の背もたれにぐっと体重をかけます。放送が切れてるかどうかは五回くらい確認しました。ここからはアーカイブを見返しながら反省会です。あんまり根を詰めすぎないように気を付けながら、ですけどね。

 

つづく!

*1
Destroy Enemy Team Assoult の略称。NPCと小隊を組んで、広大なフィールドマップで戦うFPSゲーム。

*2
Battle of Acesの略称。超本格的ヒコーキごっこという謳い文句の空戦シミュレーションゲーム。

*3
大型アップデートで新たに追加されたマルチバトルロワイアルモード“アンダーグラウンド・ソルジャース”の略称。




いかがでしたでしょうか。
いやー難産でした。
誤字報告・感想等、一言だけでもお待ちしております。
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