邪神の娘はVの者。   作:一 白

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皆さんこんにちは、一 白です。今回から『1ページだけの存在証明編』がスタートします。
楽しんでいただけますと幸いです。


V・1ページだけの存在証明
第陸話・Prova di esistenza su una pagina(1)


こんにちは、アウローラです。今日はオフコラボの日ってことで、電車でRLs(レインボウライブス)事務所に向かってます。

肩掛けバッグにルルブとかシナリオとかハンドアウトとか、とにかくいろいろ詰め込んでるので肩が痛いです…はふぅ…

 

《次は、██、██です。お出口は左側です。██線、██線はお乗り換えです。》

 

あ、もう降りないとですね。にしても…

 

「あの子超かわいくない?お人形さんみたい…」

「すげえ美人…ワンチャンあるか…?」

 

そういうの全部聞こえてるんですよ。こちとら聞き耳99ですよ?

邪神の子供を舐めんなってんです。

 

「んーっ…はぁ…」

 

ホームに降りて軽く伸びをして、さあいざ行かんって時に───腕を掴まれました。

 

「きゃあッ!?誰何なんですか!?」

「キミ可愛いじゃん!どうよ、俺らとお茶しない?」

 

うわぁ、テンプレ通りのチャラ男集団…!

 

「しません!ていうか離してください!」

「いいじゃん、ちょっとぐらいさ!金なら俺が出ぶっへェ!!

 

軽く言い争ってたら、私の腕を掴んでたチャラそうな男が派手に吹っ飛びました。何が何だか分からなくて、ぽかんとしてたら聞きなれた声が。

 

「ボクの娘に何の用かな、人間。」

 

おとうさんでした。

しかも表情は笑顔だけどもしかしなくてもがっつり怒ってるよね!?なんで!?

 

「い、いえ、その、娘さんをお茶に誘おうかと…」

「不要だ。それに娘も言っていただろう?今日は大事な用事があるんだ。邪魔をするな。」

「は、はい!失礼しました!それでは!」

 

チャラ男集団は吹っ飛ばされて気絶したリーダー格っぽい男を回収して、電車に飛び乗って逃げていきました。

 

「…ごめんなさいおとうさん、助かった…」

「なに、気にすることはないよアウローラ。ただ、客観的に見てキミはとてもかわいいのだという事を覚えておいた方がいいかも知れないね?」

「んぇー…」

「ははは、まあ『鷲掴み』や『萎縮』を使わなかったのは偉かったね。よく我慢した。」

 

くしゃくしゃ、って頭を撫でられました。そういえば、おとうさんからこういうことされるのは初めてかもです。

 

「それで、今日はどこに行くんだい?」

「今日は九頭竜さんたちとTRPGやるんだー。おとうさんも来る?」

「ああ、ぜひ行かせてもらうよ。」

 

【メビウスビル七階・レインボウライブス事務所】

「…という事で、こちらがマネージャーの赤坂さん。赤坂さん、こちらが父の…」

「デクスターと申します。普段はイタリアで考古学を専門に研究しています。いつも娘がお世話になっているようで、何とお礼を申し上げればよいやら…」

「いえいえ、こちらこそ娘さんに助けられてばかりです。本日は娘さんのオフコラボですが…良ければ見学されますか?」

「ええ、ぜひお願いします。」

 

…とんとん拍子に自己紹介が終わりました。いやそれ自体はいいんですけど『おとうさん』なので何か企んでないか心配です…

企んでたとしても私が責任もってシメますけど。

ええ、私はおとうさんの尻拭いに何回か駆り出されたことがあるので。何回かお説教してます。

 

【レインボウライブス事務所・第一会議室】

「よーぅデクスター、久しぶりだな!」

「久しぶりだね九頭竜。息災そうで何よりだ。仁倉夫婦は…いつも通りみたいだね。」

「ああ、お前もな。今日は出張か?」

「いいや、娘の顔を見に来ただけさ。」

「あの」

「それにしても蓮太郎キミ少し太ったかい?駄目だよ少しは節制しないと。」

「うるせぇ、幸せ太りってやつだよ。それにお前に言われなくてもダイエットぐらい余裕だ。」

「ぷぷぷ、デブハスター…」

「誰がデブだと表出ろクトゥルフ!」

「あのあの」

「上等だ色ボケハスター!こね回して魚の餌にしてやる!」

「ははは、元気が有り余ってるようでいいね。」

「いつも通りだねー。」

「あの!」

 

耐え切れなくなった私が声を上げると、四対八個の目が揃って私の方を向きました。うぅ、やっぱり慣れないです…怖い…

 

「もうちょっとで生放送始まりますよ!?準備とかしましょうよ!」

「つってもな…何すりゃいいんだ?」

「スタッフ!さんに!!聞けよ!!!」

 

思わず口をついて出ました。でももう止まりません。こうなったら暴走特急がごとく突っ走ってやりますよ。うへ。うへへ。

 

「わ、アーラちゃんのタメ語って珍しいねぇ。」

「私はスタッフさんに聞いたよ!!そしたらシナリオの最終チェックしといてって言われたよ!!何なら私が仕事割り振るよ!!!」

「んじゃ仕事くれ。ぶっちゃけ暇だ。」

「ゼノさんは私が持ってきたダイスの個数と種類のリストアップしといてください!はいこれ、ダイスケースです!なくさないでくださいね!」

「おい待て、これかなり多───」

「しゃらっぷ!ルルさんはキャラシの枚数と印刷ミスとか文字の潰れがないかどうかの確認!文字がつぶれてたらルルブ確認して修正しといてください!」

「あいあい、りょーかい。」

「シュンさんは…あー、おとうさんの見張りお願いします。何もしないように。」

「はーい、りょーかい♪」

「おやおや、これはまた随分と手厳しいね。」

私がイタリアくんだりまで『門の創造』で行く羽目になったのは誰のせいだっけ?!

「はい、大人しくしてます。」

 

ほんとにもう、おとうさんは目離したらすーぐ何かやらかすんだから…

 

「…よし、大枠は大丈夫。これなら何かあってもアドリブで対応できるかな。ゼノさん、リストアップ終わりました?」

「おう、終わったぞ。これでいいか?」

「…ん、忘れ物はしてないですね。ありがとうございます。ルルさんは大丈夫そうです?」

「おう、大丈夫だぞ!潰れも特になしだ!」

 

そんなこんなで確認作業を済ませたところで、スタッフさんから声が掛かりました。

 

「機材セッティング終わりました!環境チェックお願いします!」

『はーい!』

 

さあ、いよいよオフコラボ配信開始です!頑張るぞー!

 

つづく!

 




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