気がついたらオリキャラ(女)になって原始時代にいたけどメス堕ちはしない主人公君 ※ 作:キサラギ職員
「ひぃっひぃっひーっ」
息があがってしまった。
俺は男を連れて山に登っていた。例の山だ。名前はまだない。山道もない。とにかく登るのみである。
「大丈夫なのか休むか?」
「やすまない!!」
アキラスが俺の様子を見て声をかけてきたが、俺は首を振った。くそう運動が得意な設定でもつけておけばよかった。不老不死だけど疲れるし息だってあがっちゃうのだ。
俺とアキラスと異邦人何名かは、山の中腹にある抉れたところに向かっていた。なんでかって?
「だって隕石あるかもしれないだろ!!」
ということだ。抉れ方が不自然だったのだ。山腹噴火かもしれないけどな!
隕石にも色々あるが、構成素材が鉄であることがある。青銅器すら作れてないのに鉄の製造できたら素敵だろ!?
ロマンはさておいて、鉄器が作れたらとんでもないことだ。何が凄いって、例えばノコギリを作れたら今の竪穴式住居から俺たちの想像する普通の家も作ろうと思えば作れるようになる。まあ溶かすなんてこと不可能だろうがな!! せいぜいが熱して叩いて伸ばすくらいか。
「木炭とふいごとぶべぇっ!?」
こけた。頭の中に浮かんできた製鉄炉について話そうとしたらこれである。
いけるかもしれない。
隕石があってもなくても、山は探索する価値がある。洞窟とかあるかもしれないしな。使えそうな資源があればいいんだけど。
「楽しみだなぁ!!」
「鼻血が出てるぞ」
指摘されるまで気がつかなかったよ。
で、やっと例のクレーターらしき場所に到達したわけだが。
「神様、インセキってなんのことなんですかね?」
異邦人―――俺が腕を治療してやった男が声をかけてくる。名前はオキとか言ったか。
ナチュラルに神様呼びされてるけど、もう慣れたよ。
「空の上にも世界があって、そこにはたくさんの石があるんだけど、たまに落ちてくることがあるんだよね。凄い速度で落ちてくるから、地面に凹みを作ることがあると」
宇宙があるんだよとか言っても想像できないだろうから、噛み砕いて言う。
「インセキってのは、なにかに使えるんで?」
「インセキに入ってるかもしれない鉄、銅、金属っていう物質が欲しいんだよね」
正確にはニッケルとかレアメタルも入ってるけど説明してもわからないので省略だ。
砂鉄が見つかればそれでもいいけど、現状だと見つかっていないのでね。
「ほー、見事なクレーターだぁ」
岩を登ると見えてきた。中央から外周に向かって坂になっていて、中央から蒸気が立ち上っている……ということもなかった。あるいは大昔にマグマが引いた火口なのかもしれないが。
水がたんまりと溜まっているということはなかった。クレーターの一部に穴が開いていて、そこから小さい川が出来ている。
「!」
俺は全力でダッシュし始めた。道中手に入れた杖を放り出しながら。
「こ、これは!」
黒っぽい石が地面から突き出しているのが見えた。駆け寄ってみると、黒のほかにも赤が混じっているようだった。試しに石で表面を叩いてみる。
「かった……」
硬い。欠けたのは石のほうだった。根気強くごりごりと表面を削っていくとかすかだが光沢が出てきた。相当の金属を含んでいるらしい。間違いない。
「隕石だ……」
「ソーマ。この岩を持って帰るつもりなのか……?」
追いついてきたアキラスが絶望を滲ませながら言葉を発した。隕石に手を置いて首を振っている。
大きさは、大人の胸元と同じくらいの直径はあろうか。何トンあるのかわからないが、象でもいないと持ち運びは不可能だろう。山の上ということもあり、丸太を噛ませて運ぶやり方も無理だ。転がしていくのも、クレーターの淵を登れないので却下だ。
だが本体(?)がだめなら、欠片でもいい。というか欠片のほうが本命である。こんなでかい岩を溶かせる炉とか頭がおかしくなるだろ。
「これはでかすぎて無理だから、欠片がないか探そう。みんなー聞いてくれ。この岩の破片が転がってるかもしれないから、それっぽい色のを見つけたら石で擦ってみてくれ。光を反射するようなやつがあったら集めて欲しい!」
そして俺たちは、持てるだけの隕石の欠片を持ち帰ることに成功したのだった。
数日後。
俺は各方面に探索に行かせたメンバーの収穫を待っていた。ちなみに山は、他のメンバーにも調べて貰っている。山と言っても範囲が広大だからな。
「戻ったぜ」
俺が『火打石』を試していると、探索隊が戻ってきた。
火打石―――ようは隕石だな。加工しないでも、硬い石と打ち合わせることで火花くらいは作れる。いままで必死こいて火熾ししていたのが馬鹿みたいだ。各家に一つ配分しよう。
最初に戻ってきたのは大工のザンソスさんグループである。何やら果物を抱えて………ふわぁぁぁっ!? ブドウだ。ブドウを持っておられる。
「近場の森を探してみたら生えていたから持ってきたぞ」
「おおおおおおっ!! ワインが作れるッ!!」
ワイン、ワインはいいぞ。ベリーのお酒もいいかもしれないが、やはりワインは格別である。青銅器時代、紀元前3000年くらいにはもう生産が始まっていたそうだ。石器すらなかった時代に作れたらこれもオーパーツだ。
「場所、覚えてるよな? その場所はどの辺りだった?」
「ああ、それはこのあたりだったか………」
俺は早速、俺の家の床にある地図に場所を記して貰った。
「とりあえず、全部取ってきて!」
「全部か!?」
「そう! 畑に植える分と、お酒にする分必要だから!」
「わかった。お前ら行くぞ」
俺は早速ザンソスさんのグループを送り返してある分全部取ってきて貰うことにした。
「かえったよ」
次は子供たちのグループだ。子供たちと言っても母親のおっぱいが必要な子は一人もいないので、小さい大人として扱っている。
その葉っぱを見せてくれたのは、木工が得意なアスレイ君だ。子供たちには辺りを探して、使えそうな草を持ち帰るようにとお願いしてあったのだ。
俺はその葉っぱを見て、おお、と声を漏らしていた。独特な複数に分岐した葉の形状。俺が一生懸命イメージを絵に描いて伝えていたのが功を奏したらしい。
『麻』である。麻は、その繊維は衣服として、実は食用にも、医療大麻として使うこともできるし、油を絞ることもできる極めて便利な植物である。大麻のイメージが悪いのは、麻薬としての作用を持っているからだろうな。
俺はアスレイ君の頭を撫でると、ザンソスさんと同じように、地図に場所を記して貰った。
「戻って、この葉っぱの植物の実があったら持って帰ってきて欲しい」
「はーい」
次は、山探索組である。俺たちが隕石を調査したのに対し、彼らは山の麓を調べたのだ。
「とくに何もなかったよ。洞窟はあったけど、松明がなかったし、中には入れなかった。黒い鳥が出入りしていたよ」
「ううむ」
そういうこともある。収穫としては少ないが蝙蝠がいたというのは、いい結果かもしれない。蝙蝠の糞は、肥料に使えるからだ。とはいえ洞窟に準備なく突っ込めば遭難必至なので、準備をさせなくてはな。
次回の探索の時には、もっと範囲を広げる必要があるかもしれないね。
最後の組は子供組に負けず劣らず良好な結果を持ち帰ってきてくれた。
「……………卵?」
大層大事そうに卵を十個ほど持って帰ってきたのだ。男がほくほく顔で卵を渡してくる。
「茶色の鳥が水辺で守っていたのを盗んできた。これは食べられるから、神様に精をつけてもらおうと思って」
「………いや、孵そう」
「カエス?」
これは………チャンスだ。茶色い水辺にいる鳥と言えばカモだ。アヒルの原種とも言われている。鶏が欲しかったんだが、カモでも結構である! 鳥は、一番家畜化しやすい生き物だ。はじめて見たものを親と思い込む性質があるので、上手く孵化させられたら、家畜化できるようになる。
俺は卵を火熾し用の藁に包んで地面に置いた。
「孵化させて、飼おう。卵を産ませて食べようぜ」
「そんなことが!?」
仰天する男に対し俺はウィンクしてみせた。
さあ良い子のみんな 集まれ~
よ、良い子のみんな、みんな そろそろTSものとか飽きちゃってんじゃないのかい~?