気がついたらオリキャラ(女)になって原始時代にいたけどメス堕ちはしない主人公君 ※   作:キサラギ職員

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カモは擬人化しないぜ。動物は動物のままだからいいんだルルルォォォン!?

擬人化モノはそれはそれでありだけど安易に擬人化させるのは許せない(めんどくさいオタク)


20.収穫の秋

 秋が来た!

 恵みの秋である。秋こそ俺が待ち望んでいた季節であり、村の食糧事情が劇的に改善するであろう時期である。待ちに待ったエノコログサと麻、ドングリの収穫である。ベリーは、実をつけてもおかしくない大きさまで成長したんだが、ほとんど実はつけなかった。来年を待つかね。ブドウだが、木と呼べる大きさではない。あと何年か時間を要するだろう。

 

「こ、これが全部食べ物なのか…………」

 

 今日は収穫の日である。ふさふさに実った黄金(?)の畑を前に、村人達が顔を綻ばせている。流石雑草(という草はないが)、生命力が段違いだぜ。俺の想定していた通りに成長してくれた。来年の種まき分を確保して、残りはどうしてくれるか。エノコログサのパンだが、ベリー酒酵母を使って一晩寝かせれば『まあまあ』な柔らかさのパンになることがわかっている。ふわふわにはならない。

 

『………!? こんなものは食べたことがない……! ふわふわとしていて、柔らかくて………ほのかに甘みを感じて………!』

 

 アキラスに食わせたら迫真の表情で驚いてくれたけどな。研究を重ねて、ふわふわのパンを作りたいもんだ。

 

「よーしみんなで収穫するぞー! 石包丁は持ったなー?」

『おおー!』

 

 俺が石包丁を掲げると、みんな一斉に石包丁を掲げた。効率を考えるならば鎌があるべきだろうが、金属器はまだ未導入だ。各家に配布した隕石の火打ち石を金属器といえるなら話は別だが。まずは食糧事情を改良しないことにはな。ゾイ老人の言う『黒い砂』が気になるけど、あれもこれも手を伸ばせるほど人的資源に余裕がない。

 俺は一番槍をとった。茎に手をかけて、石包丁で擦りつつ引き抜く。エノコログサを背中にしょった籠に放り込む。そして次である。

 わいわいと、和気藹々と作業開始である。ちなみにカモ達はお留守番させてある。穂を食べてしまうので。食欲旺盛すぎるのも困ったもんだ。

 

「やりにくいね」

 

 レイ家の長男、ひょろひょろとした体つきの長髪のアスレイ君が穂を刈り取りながら呟いた。手先が器用だけあって、サクサクとやっているように見える。

 

「金属が作れるようになれば鎌っていう道具が作れるんだけどねぇ」

「キンゾク? 鎌?」

「火打ち石ってあるでしょ。あの石を火で熱していくと、金属っていうものが水みたいに溶けてくるんだけど、それを型に流し込んで固めると、鋭くて頑丈な道具が作れるんだよね。例えば石包丁じゃなくて、もっと鋭い金属の刃とか」

「………すごい!! そんなことができるの? 神様?」

 

 アスレイ君が目を輝かせる。好奇心旺盛でいいことだね。

 俺はサクサクと刈り取りを続けながら答えた。

 

「できるよ。いずれはやってみたいねぇ。今はできないけど、やるときは、アスレイ君も頑張らなきゃ」

「どうして?」

「金属だけで道具を作るってことはなくて、金属と木を組み合わせて作ることが多いんだよね。だから金属の道具を作るとなったら、アスレイ君の木も使うことになるんだ」

 

 金属製品というものは、金属単体で形状を形作ることは稀だ。日本人なら誰でも知ってるであろう日本刀だって柄の部分まで金属で作ったりしてないだろ? 鎌を作るなら、持ち手は木になるはずなのだ。

 

「そうなんだ!」

「そ。頑張って、木の加工に慣れていて欲しい」

 

 俺はアスレイ君の頭を撫で撫でしてやった。

 慣れて欲しいとは言ったが道具がね、石器しかなくてね………石器しかないのに、やれお玉やらスプーンやらフォークやらを作ってくれているアスレイ君は、よくやっていると言える。早いところ鉄か銅の道具を作ってあげたいな。

 村人総出でやっているので、刈り取りは意外と早く終わった。昼にすらなっていない。もっとかかると思ったんだけどな。人手がもっといれば畑も大きくできるんだけど。

 

「じゃー次は乾燥させようかー」

 

 俺たちは、協力してエノコログサを倉庫として作ってあった竪穴式住居前へと運び込んだ。エノコログサは米のように茎が長くないので、稲架掛けが難しい。そこで稲木(稲じゃないが)から、茎を結んでぶら下げてみることにした。

 これも大勢がわいわいと群がってやるので、中盤くらいから俺は見ているだけだった。

 

「よし!」

 

 昼過ぎくらいには、作業が完了していた。あとは様子を見つつ、乾燥させる。米と同じやり方でいいんかね? まあ麦も乾燥させるわけなので、やり方として間違ってはいないはずだ。

 俺は次に、麻の収穫を見に行くことにした。収穫といっても、3mはあろうかという麻を、大雑把に切り倒すだけである。切り倒す係りと、種を取る係で人手を分けて作業する。種は、来年に備えての種籾の分と、食べる分に分別させる。

 麻の実はナッツのような味がしておいしいらしい。油も絞れるらしいんだが、どう絞るか。圧縮すればいいの?

 

「んー、こんなに人はいらないかなぁ」

 

 見ていて思ったが、村人総出でやるほどの作業には感じられない。切り倒すだけやしな。

 

「アキラス。何人か残して、あとは他の作業をしてもらってよ」

「わかった」

 

 あとの作業とは、ドングリ拾いである。

 ドングリの木は、周囲の木を切り倒して雑草を取って世話したお陰なのか、前年を遥かに上回る収穫が得られた。放っておくと動物に食われてしまうので、片っ端から回収する。

 

「ふふふふ……」

 

 帰って来た村人の抱える籠には、これでもかとドングリが詰め込まれていた。これで冬の間、食べるものに困らなくて済む。

 さて収穫はこのぐらいだろうか。農業というのは収穫して終わりではない。特に、俺たちのような自給自足生活のものにとっては、ある意味ではまだ終わりではない。

 エノコログサは、乾燥、脱穀という作業が。麻は、乾燥させて、繊維をほぐして糸にして、服にするという作業が。麻の実を分離する作業もある。ドングリは………とくにないか。

 一番時間がかかるであろう作業は、麻の繊維をほぐして糸にして服にする一連の流れである。気の遠くなるような時間が必要だろうな。

 ああ! 人手が欲しい!! 大人が突然ボンと増えたりしないかな! 探索隊を送って、周囲に人がいないか調べないといけないよな! あ、でもこれから冬になるじゃないかよ。どうすればええんや。

 

「うむむむむむむむむ」

 

 だめだね。考えがまとまらない。こういうときは、家に帰るに限る。

 

「ほほほ。かわいいもんじゃの」

 

 ゾイ老人が、俺の家でカモの世話をしてくれていた。カモたちは人間慣れしていて、村人たちにもよく懐いている。

 立派な成鳥だ。羽毛を取るにはうってつけだが。だが……!

 

『グアグアグア!』

 

 透き通った瞳で見つめられてしまうと、殺すというビジョンが思い浮かばなくなる。野生のイノシシとかシカは殺せるんだけど、情が移ると、殺せなくなる。

 

「神様、ほんとうにありがたいわい。ワシのような老人を追い出さないなんて、女神様と呼ぶべきかの……」

「ああ、けど」

「言わないでおくれ。あの三人は手遅れだったんじゃ……」

 

 村にやってきた老人五人のうち、三人は到着後数日で亡くなってしまった。二人は高熱で痙攣を起こして死亡。一人は胸を押さえてなくなってしまった。死体は、この時代の主流である土葬ではなく、火葬にした。感染症の観点からは、火葬が一番だ。

 こういうとき、医学に関する能力が欲しいと思う。神様がいるならチート能力を与えて欲しかった。いや不老不死はチートなんだけどさ、他人を救うという観点から見ると使えそうで使えないぞ。

 

「神様。あんたはどこでその知恵を学んだんじゃ」

 

 ゾイ老人が訊ねてくる。説明しても理解してくれないだろうな。

 俺はカモが頭の上によじ登ってくるので、好きにさせてやりつつ胡坐をかいた。

 

「勝手に知恵が降ってくるというか、思いつく感じかな」

「ワシは年寄りだが、神様、あんたの知恵は思いつきもせなんだ。胸が高鳴って仕方がない。この老体がどこまで持つかはわからんが使ってやってくれ」

「うんにゃ、ゾイさんの鑑識眼は凄いからな。子供たちに色々と教えてやって欲しい」

 

 長く生きてきただけあって、ゾイさんのものを見極める能力は底知れない。野草や果物のどれが有毒で、どれが食べられるのかを知っている。食糧事情の改善に一役買ってくれることだろう。

 

「頼りにしてるよ」

 

 俺は笑った。




とりあえず完結はさせたい。
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