気がついたらオリキャラ(女)になって原始時代にいたけどメス堕ちはしない主人公君 ※ 作:キサラギ職員
ハンマーは大切。鉄を打つのに使えるからね!
※ハンマーの柄に関する描写を更新
木の枝を折り曲げて頭を挟み込む感じです
ココを木の枝で挟んで柄にする
↓
■■■ ←ハンマーの頭
木炭や炉や柄に使う木は準備が出来た。天気のいいある日、俺は人員を集めて隕石の加工に取り掛かることにした。
粘土を固めて作った子供の身長程の高さの粘土の塔から煙が上がっていた。
俺が最初に考えたのは粘土を使った原始的な炉だった。千里の道も一歩からだ。次としては、岩作りの竈で鉄を作れるようにすることだろうか。
「いい調子いい調子!」
俺が何をしているかと言うと
「交代だな!」
嬉々としてエアセナ君が風送りを代わってくれる。この時代の最新技術に触れられるわけだからな。嬉しいんだろう。
「火の色が青い……!」
炉の中を覗き込んでいたアキラスが目を丸くしている。真っ青とは呼べないまでも、火が青っぽくなってるんだよな。
炉の下のところには石器製の蓋がついていて、そこから隕石を取り出せるようにこれまた石器製の棒がついている。
「木炭入れちゃってー」
「はーい」
エアセナ一族の男が木炭を炉に放り込んでいく。空気を送る度に炉の上から高温の空気が立ち上り、ゆらゆらと空気を揺らめかせる。
「これはくたびれるぜ……」
「手を止めると火が消えちゃうから頑張ってくれ」
鞴を動かすエアセナ君が言う。単調な動きなんだが、ずっとやり続けるのは確かに疲れるんだなこれが。
炉の中を覗き込んでみるものの、木炭と火が邪魔である。
「そろそろかな?」
何しろ炉の中がよく見えないので、感覚でやるしかない。
俺は炉の蓋を木の棒に引っ掛けて引っ張ると、続いて石器のピールを使い隕石を取り出した。ほんのりと赤いが、白熱とまではいかない。これでは叩いたところで骨折り損だろう。
「だめだ。引き続きよろしく」
「うぐぅ……」
ひいひい言いながら鞴を使うエアセナ君。頑張れ。未来の鍛冶師。
「そろそろかな……?」
体感だが更に十分後くらい。もう一度炉から取り出してみる。すると―――?
「赤い! 隕石が赤くなっている!」
白熱した隕石が出てきたではないか。作業を見守っていたギャラリーがおおと声を上げた。
俺は隕石を棒と棒で挟んで平たい石の上に置くと、石器のハンマーで思い切り叩いた。
カーンという音と共に手に強烈な跳ね返りが伝わってくる。硬いものを叩いている証拠である。力いっぱいハンマーを叩きつけて、三角錐に近い形の頂点の部分を潰していく。
「鉄は! 熱い内に! 叩け! おらっ!」
叩く! 叩く! 叩く!
徐々にだが、隕石の形が変わってきている。徐々にだ。もりもりと変わるわけではない。加熱が足りないのだろうか。
「代わってくれ!」
「よしきた!」
俺はエアセナ一族の男にハンマーを手渡した。男は早速俺の見よう見まねでハンマーで叩き始める。
「ひっくり返すぞ。こことここの出っ張りを潰して、ハンマーの形にしよう」
最初に作成するのは、ハンマーである。なぜかと言うと、鉄のハンマーがあれば他の鉄器も作りやすくなるからだ。石のハンマーと鉄のハンマー。どっちがいいかと言えばそりゃあ鉄のハンマーの方がいいに決まっている。
ハンマーの形状―――ようは円柱型にするべく、男はとにかく力いっぱい叩きまくる。頂点を潰して、横倒しにして、叩く叩く。
「冷えてきちゃったか………よーしエアセナ君よろしくー」
冷えてきたのか、隕石が赤みを失ってきている。これではだめだ。棒に挟んでピールに乗せると、炉の中に再投入して加熱する。
「ぐぬぅぅ………代わってくれ!」
「いいぞ!」
エアセナ君が別の人にバトンタッチした。何もかもが人力なので、体力勝負だ。
加熱が完了したのを見計らい、また取り出して叩きまくる。叩いていくうちに不純物が取り除かれ、純粋な金属だけになっていくらしい。
「よーし……叩いて!」
また出す。叩く。だんだんとハンマーの形状に近くなってきた。円柱の中央は細くしたいので、石を宛がって、その石を叩かせて圧力をかけていく。
「このくらいかな。冷やそう」
俺の理想とするハンマーの形状になった。円柱で、中央が若干細くなっている。
用意しておいた水入り容器に放り込むと、ほぼ一瞬で沸騰した。ぶくぶくと激しく飛沫を上げている。想定済みなので棒で掴んで次の容器にぶち込む。水から上げて石の上に置き触ってみると、ほのかに温かい程度になっていた。
「と言った感じが、鉄の加工だ。エアセナ君、温度を維持しつつ次の隕石を加熱して貰っていいかな? アスレイ君。持ち手をつけようか」
もう触れる温度なので、持ち手をつけようと思う。作業したくてソワソワしていたアスレイ君を呼ぶと、持ち手の作成に取り掛かる。と言っても事前に準備はさせていたので、取り付けるだけだ。
用意させたのは、木の棒だ。中央部分を薄く削らせてある。ハンマーの頭の加工は難易度が高いので、シンプルに行く。木の棒を折り曲げて頭を挟み込んで、根元を扱いて慣らした蔓を巻きつけて結びつける。
「出来た!!」
俺は出来上がった鉄製のハンマーを高く掲げて見せた。人類初の本格的な金属の道具である!! 俺の村は晴れて青銅器を飛び越して鉄器を手に入れたのだ!
これあれじゃない? 後世で神の武器とか呼ばれるようになるやつじゃない? ミョニエルとか。あ、でも俺、女じゃないか。精神は男だけど。
『おおおおおおっ!!』
盛り上がる村人たち。いちいち反応がいいからやってて楽しいぞ。
ということで俺はそのハンマーをエアセナ君の前にどんと置いた。
「じゃあこれ今後君の一族が管理して欲しい。もう何本かハンマーを作ろう。そしたら次は、打ち合わせ通りに
「お、おおおお…………これは………!! わかったぞ、これは家宝にするっ!! 鑿とハンマー作りだな、よーし!!」
ハンマーを渡されたエアセナ君は心底嬉しそうな顔をしてくれた。ハンマーをぺたぺた触って、石を叩いてみたりしている。やはり鍛冶屋にはハンマーが似合うな!
鑿は主にアスレイ君のためのものだ。ノコギリが作れたらいいんだけどね、鉄を溶かせる温度の炉を作れるようになるまでか、銅と錫を見つけるまではお預けかなあ。
鉄作りは知識としてあっても、やるのは初めてだ。俺は、次の隕石の加熱に入ったエアセナ君達の作業をしっかりと見ておくことにしたのだった。