ロックマンエグゼ:実績『見損なったぞカーネル!』『負けないアイ』開放ルートRTA   作:ヌオー来訪者

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 エグゼシリーズが20周年とのことなので初投稿です。

 (淫夢と某MAD要素は)ないです。



 かつて遊び倒したゲームを題材にRTA処女を捧げる世代の屑によるガバガバRTAはーじまーるよー。


エリア1 暴走メトロライン
Part1  キャラメイク→メトロライン、暴走


 はい、よーいスタート(棒読み)。

 

 未来をデリートさせるな! なRTAはーじまーるよー

 今更GBAのシリーズをやっても先人兄貴たちがゴマンといるので、今回は20XX年に謎の有志兄貴が製作したゲーム、『ロックマンエグゼ:サーガオブバトルネットワーク』をやっていこうと思います。

 

 本作は旧来のバトルシステムを踏襲し、原作ストーリーの補完だけではなくIFストーリーも体験できる非常に分岐の多い展開が魅力で、登場人物との友好度を上げてストーリーに巻き込むのもよし、孤独な戦いをするのも良し。普通にプレイする分にはネットバトルも出来るギャルゲー(ホモゲー)と言われてるほどの自由度を持っていますが、攻略時イレギュラーが多いのでRTAは誰もやってないそうです。

 どうしてイレギュラーは発生するんでしょうねぇ? (すっとぼけ)

 

 

 今回のレギュレーションではカーネルとバレルとアイリスの好感度を一定度まで上げてかつ、両者の生存。特定の展開に持ち込むことで手に入る実績『見損なったぞカーネル!』と『負けないアイ』そしてリストのすぐ下にある『???』を取得した状態でクリアすることです。皆さんはもう知っているでしょうけど序盤はさておいて終盤の難易度がエグゼ4の3周目並に高いルートの一つです。

 

 プレイヤーは元ウイルスのネットナビ、ゼロのオペレーターとして、ありとあらゆる手段を用いて世界の危機に立ち向かうお話です(立ち向かわなくてはならないとは言っていない)。

 

 もろちん、熱斗君と一切接点を持たずクリアすることも出来るし積極的に本編の事件に介入して巻き込んでこれまでにない規模の戦いにすることもできますが、タイミングを間違えるとイレギュラーが余計に増えて再走レベルにまでタイムが嵩みかねないので注意が必要です(69敗)。

 

『はじめから』を押してからタイマースタート。エンドロール開始でタイマーストップです。

 イクゾー!! デッデッデデデデ! (カーン)

 

 

 さぁここで恒例のキャラメイクの時間になりました。

 名前は入力速度を考慮してデフォルト名からランダムで生成してもらいます。ああああとか雑な名前だったり卑猥な名前にするとストップがかかるからです。

 今回の名前は星方(ほしかた)九十九(つくも)。

 親しみを込めてホモ君と呼んであげましょう。なので性別は男です。当たり前だよなぁ? 

 

 

 次に設定を弄ることができるのですが、まず年齢を教えてくれるかな? と言われます。

 今回選ぶのは16歳……学生です。もとい高校生の設定です。この世界において高校生は大学生とそう差はありません。

 小学生の利点は本作における交通手段であるメトロラインが無料で使用できる、熱斗くんが滅茶苦茶頼りになるなどの利点がありますが、エグゼ本編の事件に巻き込まれる確率が上がりルートが逸れる危険があることや、アイリスとカーネルが高確率で死んだり、行動に一部制限がかかったりすることがあるので選びません。

 

 高校生だとまだ学割が受けられるのと、比較的選択肢も多すぎず少なすぎずのいい塩梅になるからですね。

 

 

 

 次に性格診断もどきの質問攻めが始まります。

 この答えによって主人公の立ち位置と所有アビリティが変わってきます。場合によってはシャーロの軍人にも、WWW幹部にもなれるのがこのゲームの面白い所ですね。

 質問の種類はなんと2001種類。

 ほぼ運ゲーですが【オフィシャル】と【鑑識眼(コレクターズ・アイ)】を手に入れておけば一応安定した走りができます(6969敗)。

 

 おっ、リザルト画面ですね。これで獲得したアビリティが見られる訳ですが……

 

 

【オフィシャル】

 

 えぇやん。

 これで主人公君はオフィシャル権限で逮捕も出来れば資料室を漁ったり、侵入困難なエリアにも簡単に入れるようになります。

 それが権力! 僕の求めていた力! (MTZN)。

 

鑑識眼(コレクターズ・アイ)

 

 やりますねぇ! 

 これでウイルスバスティング時のリザルトで有用なチップをドロップする確率が上がります。100%にしたいならナビカス突っ込むしかないしそんなことに枠は割けないのでいいゾ^~これ。

 

【闇の遺産】

 

 ん? 

 なぁにこれぇ(AIBO)

 

 見た事がないしクッソ不穏なんですがそれは。ただでさえバッドエンドフラグの多いゼロルートでやめてください……アイアンマン! (懇願)

 

 まま、ええわ(震え声)

 オフィシャルはさておいて鑑識眼があるのはうまあじなのでリセはなしにしましょう。

 

 

 キャラクリはここで終わりですが、使用ネットナビはもろちん、番外作品のロックマンエグゼトランスミッションや、アニメ5期の先輩+(ビーストプラス)で登場したゼロです。

 説明すると心を持ったウイルスという特異な存在としてロックマンの前に立ちはだかるも、最終的には熱斗パッパの尽力もあってナビとして生まれ変わったという異質なキャラクターとなっています。

 トランスミッションでは広大な電脳世界を見て回るという理由で旅立ちそれ以降の動向は不明……なのですが! 

 本作ではナンバリングシリーズ本編で、トランスミッションに似た事件があったこと前提から始まるその後のIFとして描かれます。なのでルート次第では熱斗くんたちと再会できるんですね。まぁそんなことやったらタイムの問題もあるので極力避けたいなぁ……(届かぬ思い)。

 

 

 

 

 

 

 

 さてここでキャラメイクは終了し恒例の200X年……からの世界観説明からスタートしますが、ここは飛ばせるのでスキップ。

 今回は2で登場したマリンハーバーのオフィシャルセンター会議室からスタートします。ネットバトルスキルの見直しのための実習という名目のチュートリアルですが、内容はこれまでのシリーズと大差ないので連打で読み流していきましょう。

 この部屋に居るオフィシャル職員全員に話かけると、実技開始。

 シリーズいつものバトルチュートリアル3連戦が始まります。

 

 

 視聴者(どくしゃ)兄貴はもう知っているでしょうけれど、3×3のマスが敵味方に与えられてそのエリア内を動き回り相手にダメージを与えていくという独特なRPGとなっています。

 ここでメイン武器になるのはBボタンのバスターと、バトルチップ。

 バトルチップはカードゲームのように30枚をフォルダというデッキに組み込み、ランダムで選び出された5枚から使用チップを選んで行き、それで敵を倒すのがメインとなっていきます。

 

 

 1戦目の構成はメットール×2。

 こいつらはキャノン2枚選んで処理しましょう。フン、ザコカ。

 同じチップ同士は同時に選べる。ここは戦略を組み立てる上で重要なので覚えておきましょう。

 

 2戦目はメットール×3。

 エリアスチールで前方3エリア奪ってからワイドソードで2体同時に両断。次にチャージショットで奥にいる最後の一体を叩き切ってやりましょう。

 チャージショットはゼットセイバー。セイハットウ! の3連斬りです。威力は初期のゼロだと1発につき20。全部当てれば60も稼げますのでチップの補充が出来るカスタムゲージが貯まるまではこれでダメージを稼いでいきましょう。

 ロングソード、ワイドソード、ファイターソードなので奥にいる奴にも最低1発は当たります。今回は間に1マスしか空いてないので2発当たって威力40。メットールのHPは40なのでジャストキルです。

 

 

 ここで学べるのはチップの種類が違ってもコードが一致すれば同時に選べるってことですね。バトルチップにコードはAからZまで割り振られていて、同じ種類、または同じコードなら連続で選べるとさっきありましたが、例外的に※のコードがあればどのコードともいっしょに選べます。このコードはコンボを叩き込む上でかなり重要なコードなので積極的に手に入れてフォルダに組み込んでおきましょう。

 

 はい、3戦目。

 初手のフォルダが完全に事故ってます。リカバリー10が3枚にショットガンと、エアシュート。一応チュートリアルでは確定でこの配牌なので余計なチップを選んでADDというコマンドに放り込みます。ADDというのは選んだチップを棄てて1ターン分、チップ無しで時間経過を待つことで捨てた分、次のターン手札が増えるシステムです。

 某カードゲームで言うなら天使の施しみたいなものですかね……ただ1ターン分のタイムを無駄にするのもアレなので一気にゼットセイバーで処理します。セイハットウ! 2回で全部処理できます。うまあじ。

 

 

 とまぁ、このチュートリアルの構成自体はほぼ過去シリーズのものそのまま引っ張ってます。それどころかゼットセイバーの仕様のお陰で逆に簡単になってます。

 やっていることが小学生の授業と一緒じゃね? とか言ってはいけない。いいね? 

 

 

 

 ごれがるがホンバナだっ! 

 あのチュートリアルは経験者がカンを取り戻す為のものなので、ここからはこれまでエグゼを遊んでくれたホモたち向けとしてやや難易度が上がっていきます。

 何せ次のバトルは別のオフィシャルとの模擬戦、つまりノーマルナビとのバトルです。

 

 番外作品を除いて4でしかバトルする機会が与えられなかったクッソ哀れなエネミーですがHPは150ポッキリ。トップウで奥一列に押しやってからの縦一列に誘爆するスモールボムの投げつけがうざったいです。

 しかもナビ自身がトップウの置物の前に立つので超邪魔ですね。

 なのでさっさと後方にも誘爆するショットガン2発ぶち込んでダメージを与えつつトップウを破壊してしまいましょう。ここから先のターンで手札事故を起こしてもゼットセイバーで三枚おろしにして……終わりっ! 

 

 

 さて、ノーマルナビ戦も終わった所で事件発生です。

 どうやら過去シリーズで散々お世話になってきたメトロラインが暴走を始めたそうですね。

 

 攻略対象(意味深)のバレル、後々チームオブカーネルのリーダーになるはずの男なのはご存知だと思いますが、今回はなんと臨時講師としてこの実習に出席する予定でした。

 で、今回何故か欠席状態なのですが言わずもがなメトロライン暴走事件に巻き込まれています。

 なので助けに行きましょう。しょうがねぇなぁ(悟空)。

 

 その為オフィシャルが駆り出されるのが序盤の流れ。このイベントは確定で起きるのでさっさと解決してしまいましょう。

 じゃあ、まずはホストコンピュータにプラグインしてハーバーエリア経由でラインコントロールの電脳へイクゾー!! (カーン

 

 

 

 

 

 

 今回はここまでです。ご視聴、ありがとうございました! 

 

 

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 200X年……

 あらゆる電子機器がネットワークで管理される時代。

 しかし、その便利さとは裏腹に大きな問題を抱えていた。

 

 コンピューターウイルスや、ネットワーク犯罪並びにテロの増加である。

 例えば、電子レンジの暴走による発火事件。

 例えば、信号機のハッキングによるオートドライブシステム搭載車両の暴走事件

 例えば、飛行機のエネルギー発生プログラム強奪による、飛行機墜落未遂事件。

 

 

 同時にこれまでとは考え物にはならない事件が発生していた。

 それらを監視し、取り締まるネットワーク専門の警察組織があった。それが──オフィシャルだ。

 ネットワーク犯罪の取り締まりの為に超法規的権限を持ち、犯罪者からすれば不倶戴天の大敵と言える存在なのだ……! 

 

 

 

 

 ──なんて言うけれど。

 

 

 

「昨今、ネットワーク犯罪が多発する中で我々オフィシャルもネットバトルスキルを高める必要がある。事実、先のWWW事件にゴスペル事件*1においては後手に回り、最終的には市民ネットバトラーの助力を経てようやく解決という状況だ」

 

 臨海都市、マリンハーバーに設立されたオフィシャルの拠点であるオフィシャルセンター。その奥にある関係者用エレベーターで上がり通路や研究室をやり過ごした先にある会議室がある。そこには幾つもの長いテーブルと席。それにつくオフィシャルネットバトラーたちと彼らに相対するように壇上に立ち深刻な表情で語る中年の男がいた。

 

 ──あぁ、白髪が増えたなぁ

 

 半年前はまだ黒かった気がする。今となっては見る影もないけど。

 WWW事件とゴスペル事件。これらは世界滅亡までリーチをかけるレベルの大事件が起きたにも関わらず、2大事件の解決の決め手となったのはオフィシャルではなく、一人の民間人によるものである……小学5年生の。

 ちなみに先に挙げた例の事件は全てそいつ一人が解決したという。

 

 席に腰掛け男の演説を聞く黒髪の少年、星方九十九は頬杖をついて大きく溜息を吐いた。

 

 ──最近の小学生半端ねぇ、マジぱねぇ。……おじさんついていけねえ。

 

 などほざく九十九も16である。

 とはいえど、光熱斗のライバル……らしいオフィシャルの伊集院炎山なる少年も11歳なのだ。単純にオフィシャルが無能というわけではないのだろうが、あの2名はズバ抜けていた。

 そんなもんだから、年上のオフィシャルの一部はやる気や自信を失くしたりしているのだとか。そらそうだ、ハタチ超えた大人が自分の半分以下の子供にネットバトルで負けているだけではなく大事件の手柄を取られまくっているとなるとこうもなる。

 勿論、彼らに負けていられないと切磋琢磨する者もちゃんといるのだけれども。

 今回会議室でやっている集まりもそういうものの為に開かれたものだ。

 

「光熱斗。彼の名前を知らない者もいないだろう。だが彼に頼ったままでは我々オフィシャルの名折れというものだ。今回の講習では臨時講師として元アメロッパ軍のオペレーターも招集している。ただメトロの遅延で遅れるとのことなのでもう少し待つ傍ら、代わりにウイルスバスティングの基本講習を行うこととする! 今日の講習を持って、これからの対ネット犯罪戦略に役立てて欲しい! 彼が来なくても予定通り10分後実習を開始するため準備に入っていただきたい!」

 

 なーんて締めたものの、10分間何をすればいいのだろうか。基本講習と言ったら恐らく何年も前から何度も何度も繰り返されてきたような内容だろうからやることがない。

 演説を聞いていた面々が散らばり、あれやこれやと雑談を始める中でポケットにしまっていた端末(PET)から声がした。

 

『ツクモ、準備はしなくていいのか?』

 

 PETには1体のネットナビが住み着いている。

 光熱斗にロックマンが住み着いているように、九十九にはゼロという紅いネットナビが住み着いている。PETを取り出すと、紅いフルフェイスのネットナビが姿を顔を見せた。

 

「あ、ゼロか。うん大丈夫、どうせやるの小学生がやるような手垢のついたような内容だし。アメさんの元軍人が来なきゃ意味あんまないよなぁ……」

 

『しかし基本は大事だ。ネットバトラーというものは素振りに始まって素振りに終わると聞く』

 

「いやそれ、なんか……違くね?」

 

 ゼロの何処から仕入れたのかわからないような謎知識に突っ込みを入れながら、九十九は席を立つ。……ゼロの言う通りだ。初心は忘れてはならないのだ。まぁ準備とは言っても本当にやることは一つもないのだが。実際やるのはフォルダ固定のウイルスバスティングなのだから。

 しかしこの会議室にはそれ相応の腕前のネットバトラーがいる。情報交換の貴重な場であり、講習の情報を集めるという準備もアリのはずだ。

 同僚先輩たちから情報収集でもして待とう。

 

 

 

 ◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 で、いつの間にか実習はあっという間に終わった。

 模擬戦用のウイルスをあらかじめ与えられた状況とフォルダで規定ターン以内に処理をする方法だ。

 おそらく先のゴスペル事件で見舞われた陽動作戦やオフィシャルスクエア占拠事件の対策なのだろうけれども、絶妙な難易度の低さが緊張感を殺し切っていた。しかも手垢がつくほどにやらされた構成であり、その上ゼロがあまりにも手早い動きをするのも相まって……

 

 

 カップラーメンが出来上がるより先に終わってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

「素振りになった?」

 

『…………むぅ』

 

「そっかぁ……」

 

 ゼロすら拍子抜けしたのか、九十九の震え声から来る質問に気の抜けた返事が返って来た。

 九十九や他のオフィシャルたちもスピードの差はあれどぽつぽつと処理を済ませ始めており、誰もミスをしでかすようなことはなかった。

 

 本来なら臨時講師として招集していた元アメロッパ軍のオペレーターもこの時点でやってくる予定だったのだがどうやらメトロのバグで発生した遅延で遅れているのだとか。これでこの妙に気の抜けた内容の訓練が想定外の出来事による付け焼き刃の結果なのだろうと何となく察しはついた。

 ウイルス大国とされるアメロッパのオペレーターから得られる情報は貴重だと思っていたのだが、受けられないのでは意味がない。受けているオフィシャルの面々の肩透かしを食らったような声がぽつぽつと聴こえてくる。

 

 この実習の指揮を執っている白髪の男は必死に次のプログラムを打ちだしている姿に同情を禁じ得なかった。……本来この人がやる予定はなかったのだろう。

 そんなモヤモヤを抱えながら男は次の課題を投げた。

 

「次はネットバトルだ。コンピューターがランダムで選出した組み合わせでネットバトルをおこなってもらう!」

 

 本命が来ていなくてもサボって良い理由にはならない。

 その指示通りに相手のネットバトラーを見つけてネットバトルを申し込む。相手は20代前半のオレンジ色のジャケットを羽織った青年だ。

 お互い会議机にプラグインし、電脳世界に送り込まれた互いのナビが向き合う。

 紅いナビと、緑色のナビ。

 

 九十九操るナビはもちろん、紅いネットナビ──ゼロ。

 対するナビは外見は最低限にカスタマイズされた素体ナビ──俗にいうノーマルナビだ。とはいえど外見に騙されてはならない。あれは警戒されない為に作りだされた覆面パトカーみたいなもの。

 戦闘力はその辺のナビの比ではない。

 

「君か、今度こそ負けないよ?」

 

 そう挑発的に言う青年に九十九は「上等」と返す。先ほどのウイルスなぞとやり合うより圧倒的に良い相手だ。そしてバトル開始の掛け声を九十九と青年は叫んだ。

 

「バトルオペレーションセット!」

 

「イン!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バトル開始からノーマルナビは咄嗟にバックステップでゼロから距離を取り始めた。初手ゼットセイバーを警戒したのだろう。ゼロの強みは接近戦。

 標準装備としてソード型の特殊武器ゼットセイバーを持っているのだ。ホイホイと前に出れば三枚おろし待った無しである。

 ノーマルナビは現状にほくそ笑む。

 

『さぁ距離は取った! これでゼットセイバーはおぼふっ!?』

 

 と思ったらゼロの左腕がキャノン型のアームに切り替わり、強力な弾丸を撃ち出しノーマルナビの顔面に直撃。きりもみしながら地面に倒れた。

 そんな光景を九十九はPETごしに見ながら、じゃらりとポーチ型のチップホルダーから無造作に必要なチップを抜き取っていた。

 

「バトルチップ──キャノン。ゼロは確かにブルースと同じインファイターだ。しかし武器はブルース同様セイバーやソードだけじゃぁないんですよ」

 

 ゼロがキャノン化したアームを元に戻し、右腕を青白い光の剣へと切り替える。

 これがメインウェポン『ゼットセイバー』だ。ノーマルナビが立ち上がるより先にゼロは地面を蹴り、距離を縮める。

 

「させるか! バトルチップ・ソード! スロットイン!」

 

 立ち上がりざまにノーマルナビが右腕を剣に変形させてゼロの斬撃を受け止める。露骨なワンオフタイプのゼロの斬撃を難なく防御するその姿は最早ノーマルナビというにはその皮を被ったナニカだった。

 パワーは互角。あとはオペレーターの戦術次第だ。

 

 剣と剣で押し合うその光景、次に為すべきことは──

 

 その時、ゼロの身体がふわりと浮いた。そしてノーマルナビから瞬時に突き放された。

 九十九が目を見開く。

 

 フィールドの後方には送風機型のウイルスが風を送り出している。

 しかもご丁寧にゼロだけを吹き飛ばすようにプログラムされているそれを見て九十九は苦笑いした。

 

 

 バトルチップ、トップウ。

 その効果はウインドボックスという送風機型のウイルスを召喚し敵をバトルフィールドの一番奥まで押し出す。そうまでして接近させたくないらしい。

 

 次にノーマルナビはバスターや先ほどゼロがぶっ放したタイプと同じキャノンを発射し、アウトレンジから狙い撃とうとする。

 お返しにとゼロもキャノンやバスターを返すがやはり距離が距離なだけに中々当てるのが困難だ。カス当たりしかせず決定打にはならない。

 

「バトルチップ、スモールボム!」

 

 その上左右に爆風が発生するボムを投げつけて来る。バトルフィールドの隅っこに押し出されている現状前に出るしかないのだが、それをトップウが邪魔をして即隅まで押し出されるのだ。

 紙一重でゼロは避けているが、このままでは泥仕合だ。

 

 ならばまずは──九十九は一枚のバトルチップをPETのスロットに叩き込むとゼロの左腕はバスター状の武器へと変形した。

 

「飛び道具でトップウの発生源を破壊しようというのかい!? そうはさせない!」

 

 読んでいた青年はノーマルナビをウインドボックスの前に移動させ、防御姿勢に入る。

 トップウの効果は召喚側に適応されない特性を利用した見事な戦術だ。

 

「これでお前の戦術は無駄に終わった。このままスモールボムの餌食になれ!」

 

「それはどうかな?」

 

「何っ!?」

 

 2発。ゼロは左腕にセットされた得物を撃った。

 

「むっ!?」

 

 狙い通りノーマルナビは避けずにガードの姿勢を取った。立て続けに2射目のショットガンを放つと後方でボンと小さな爆発音がノーマルナビと青年の耳朶を打った。

 

「ウインドボックスが……!?」

 

「バトルチップ──ショットガン。こいつの効果は着弾点後方に誘爆するんだ」

 

 ショットガン。

 それは着弾点から後方に誘爆する特殊な弾頭が詰められている。つまるところウインドボックスの前に立っていたノーマルナビを貫通して守るべき対象を破壊してしまったのだ。

 呆気に取られる青年を他所に九十九はゼロに次の指示を飛ばしていた。

 

「ゼロ、距離を詰めろ! そしてぇッ!」

 

 距離を取ろうと一目散にバックステップするノーマルナビをトドメだと言わんばかりに直ぐ目の前まで詰め、ゼットセイバーを横一文字に一撃。

 直撃を貰ったノーマルナビは怯み、その隙を逃さんと言わんばかりにゼロは次の一撃を振るう。

 次はアッパーカットだ。一瞬の隙すらも埋めるような袈裟懸けに振るわれた一撃は、相手の防ぐ手立てを奪い、無情に振り下ろされる得物を青年は見ていることしかできなかった。

 

 最後に大きく振りかぶって放たれた唐竹割りを叩き込まれたナビは大爆発を起こし、log outという表示と共に消滅した。

 

 3連撃。ゼロが得意とする連撃技で敢え無く終了。

 青年はガックリ項垂れ、九十九は真顔でサムズアップをPETに映るゼロへと向けると、戦い終えたゼロもまたサムズアップで返しそのまま電脳世界からPETへ帰還(プラグアウト)した。

 

「うわぁー! 俺のダブルマンがぁ!」

「っしゃぁ! やったぜぇ! ゼロ!」

 

 

 

 

 

 

「今日は来ないのかなぁ……」

 

 完全にやることすべてをやってしまった。弾切れになった代理講師の男は大きく溜息を吐き、出席したオフィシャルも完全に雑談会モードに入ってしまっている。

 この光景は見た事がある。生徒に完全に舐められた教師のやる授業中の光景だ。アメロッパから出向してくれるという男が来ないまま期待外れな目に遭わされている現状、不満が溜まらない筈がないのだ。

 

 するとゼロがPETから言葉を紡ぐ。

 

『さぁな。だが、ニホンが大幅な遅延をするのは人身事故か、コントロールシステムに大規模なバグが起こったかのどちらかだ』

 

 実習が始まって30分。遅延にしてはいくらなんでも遅い。

 バックれたか、不謹慎だが実は人身事故で止まっているオチか。メトロラインがバグ取りに手間取っているのか。ざわついていたその時だった。

 

 

 ppppppppppppppppppppp! 

 

 

 四方八方から鼓膜をぶち抜かんばかりのPET緊急通知音が鳴り響いた。

 突然鳴るものだから、心臓が跳ね上がり九十九は軽く飛び上がる。九十九だけじゃない、ほかのオフィシャルも示し合わせたように飛び上がった。

 

「はうあっ!」

 

 ──なんてことしやがる。お陰で寿命が30秒縮んだわ! 

 

 とはいえこんな音があるからこそ事件にすぐさま対応出来るので無碍には出来ない事情がある。

 咄嗟に耳を塞いでぼやきつつ九十九は通知の中身を開く。そこには──

 

『メトロラインより緊急通報。中央デンサン線にて車両がコントロールを離れて暴走中、ハーバーエリア付近のオフィシャルネットバトラーは至急ラインコントロールの電脳へ急行されたし』

 

 最悪の事態が九十九を待っていた。

 

 

 

 今日は厄日だ。

 ふと今日の朝、同級生の占い師兼骨董品屋に言われた不吉な占いを思い出しながら会議室から飛び出した。

*1
エグゼ1と2本編のこと





 星方→ほしかた→ほしがた→星型接続→スター型ネットワーク
 ゼロ→0→○→輪→リング型ネットワーク

 名前は0に対しての9と略称ホモにしつつ、ゼロと対になる単語で組むのすっげぇキツかったゾ……
 星河にしようと思ったけれど流石にやめました。流石に……うん(良心の呵責)。


 Q&A

 Q:時系列いつだよ(半ギレ)
 A:ゴスペル事件収束後なのでエグゼ3の最序盤orそれより前。

 Q:ゼロは電脳世界に旅立ったんじゃないの?
 A:その後色々あったのです。ちゃんと説明はありますので作者のカスタムゲージが貯まるまで待とう。

 Q:というかゼロって何? あの難しいアクションゲーの奴?
 A:今のところはまだ赤くてゼットセイバーとか言う光の剣を振り回すブルースっぽいヤツという認識でOK

 Q:戦闘システムどうなってんの?
 A:RTA内だと6と3をベースに色々突っ込んでいます。裏の方はほぼアニメ仕様に近いナニカ。

 
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